金井宣茂
金井宣茂 | |
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宇宙飛行士 | |
国籍 | 日本 |
生誕 |
1976年12月5日(48歳) 日本・東京都大田区 |
他の職業 | 海上自衛官 潜水医官 |
階級 | 一等海尉(退官時) |
選抜試験 | 2009 JAXA Group |
ミッション |
ソユーズMS-07 第54次/55次ISS長期滞在 |
記章 |
金井 宣茂(かない のりしげ、1976年(昭和51年)12月5日[1] - )は、JAXA宇宙飛行士、医師[2]。元海上自衛官。東京都大田区出身。
人物
[編集]用心深い性格で、弓道・合気道・居合道で心身を鍛え、愛読書は宮本武蔵の五輪書。日本で初めて眼鏡をかけて選ばれた宇宙飛行士[3]。
略歴
[編集]医官時代
[編集]東京都大田区生まれ、千葉県育ち[1][4]。幼い頃から冒険家に憧れる[5]。
2002年(平成14年)3月、防衛医科大学校医学科を卒業[4]。同年、海上自衛隊に入隊。その後、防衛医科大学校病院や自衛隊大湊病院、自衛隊呉病院、海上自衛隊第1術科学校衛生課などで勤務する[4]。外科医として、潜水医学を専門とし、長期閉鎖環境下での潜水艦乗組員の健康や精神状態について研究を行っていた[6]。
2005年(平成17年)、アメリカ海軍の潜水医学研究施設に留学した際、潜水医学専門医が宇宙飛行士になったことに驚き、宇宙飛行士を志すようになる[4][7]。
宇宙飛行士選抜後
[編集]2009年(平成21年)2月、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士選抜試験に参加し最終選考まで進み、大西卓哉と油井亀美也が宇宙飛行士訓練生に選ばれた際、選抜史上初めて「第1補欠」として選定された[8][注釈 1]。試験を取材したNHKの記者による『ドキュメント宇宙飛行士選抜試験』では、最終試験での目立つ動きこそなかったが、ただ一人折り鶴の課題ノルマを達成する[9]等全ての課題において水準以上の結果を安定して発揮していたと表現されている[10]。また同書では、知的で冷静[11]かつ、協調性のある優しい人柄[12]と評されている。
その後、日本の宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)へ長期滞在する機会がさらに増えることが見込まれ[8]、同年9月に追加採用された[13][8]。同月、海上自衛官を退官し、JAXAに入社[4]。すでに渡米していた大西と油井に追いつくべく訓練を開始し[14]、2011年(平成23年)7月、基礎訓練が終了したことに伴いJAXA宇宙飛行士として認定される[15]。日本の宇宙飛行士で医師から宇宙飛行士へ転身したのは向井千秋、古川聡につぎ3人目[4]かつ、油井に続く2人目の自衛隊出身者でもある[注釈 2]。
2015年(平成27年)8月26日、JAXAは、金井をISS第54次/55次の長期滞在搭乗員に任命決定した旨を発表した[16]。
2017年(平成29年)8月、公式twitterでJAXA職員の女性との婚約を発表した[17]。同年12月17日、金井を乗せたソユーズ宇宙船がカザフスタンバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。打ち上げは成功し、同19日にISSとドッキングし6か月間の長期滞在に入った。翌2018年(平成30年)1月9日、公式twitterで「無重力下で身長が9cm伸びた」ことを報告する[18]と話題となる[19]。ただし、翌日、アレクサンダー・ミシュルキン船長の指摘を受けて再計測したところ2cmの伸びだったと訂正した[20]。長期滞在中は、加齢研究や新薬の設計のための実験を初めとした学術研究を行う計画である[21]。
年譜
[編集]- 1985年(昭和60年)3月 - 大田区立大森第三小学校卒業[22]。
- 1989年(平成元年)3月 - 市川市立稲荷木小学校卒業[23]。
- 1992年(平成4年)3月 - 東邦大学付属東邦中学校卒業[24]。
- 1995年(平成7年)3月 - 東邦大学付属東邦高等学校卒業[24]。
- 2002年(平成14年)3月 - 防衛医科大学校卒業。
- 2002年(平成14年)4月 - 海上自衛隊入隊。
- 2009年(平成21年)9月 - 海上自衛隊退官[25]、宇宙航空研究開発機構(JAXA)入社。
- 2011年(平成23年)7月 - ISS搭乗宇宙飛行士候補者基礎訓練修了、宇宙飛行士に認定。
- 2017年(平成29年)12月 - 国際宇宙ステーションに第54次/55次要員として長期滞在。
- 2018年(平成30年) - 帰還。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 「第2補欠」として、海上保安庁の男性パイロット(試験当時33歳)も選定されたが、追加採用には至っていない(大鐘、小原 (2010), p.241-242)。
- ^ アメリカの場合宇宙飛行士は軍籍を保持したまま出向の形でNASAに所属するのが一般であるが、日本の自衛官の場合、制度化されていない。ただし慣用上、公の場に紹介される場合、最終階級である1等海尉(海軍大尉に相当、英:Lieutenant)と呼称されシビリアンとは異なった待遇を受けることになる
出典
[編集]- ^ a b “むつ市制施行60周年記念 JAXA宇宙飛行士 金井宣茂講演会” (2019年1月20日). 2021年4月13日閲覧。
- ^ “医師等資格確認検索”. 厚生労働省. 2015年8月27日閲覧。
- ^ “宇宙で子孫を残せるか?金井宣茂宇宙飛行士インタビュー” (2017年4月7日). 2018年9月25日閲覧。
- ^ a b c d e f JAXA (2017), p.9
- ^ 大鐘、小原 (2010), p.51-52
- ^ 大鐘、小原 (2010), p.51
- ^ 大鐘、小原 (2010), p.52
- ^ a b c 大鐘、小原 (2010), p.237
- ^ 大鐘、小原 (2010), p.177
- ^ 大鐘、小原 (2010), p.238-239
- ^ 大鐘、小原 (2010), p.239
- ^ 大鐘、小原 (2010), p.240
- ^ 『国際宇宙ステーション搭乗宇宙飛行士候補者の追加採用について』(プレスリリース)JAXA、2009年9月8日 。2015年7月24日閲覧。
- ^ 大鐘、小原 (2010), p.249
- ^ 『国際宇宙ステーション搭乗宇宙飛行士の認定について』(プレスリリース)JAXA、2011年7月26日 。2015年7月24日閲覧。
- ^ 『JAXA 金井宣茂宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在搭乗員の任命決定について』(プレスリリース)JAXA、2015年8月26日 。2015年8月26日閲覧。
- ^ 2017年8月28日 毎日新聞「金井宣茂さんが婚約 JAXA職員と」
- ^ 2018年1月9日付 公式twitter投稿 [1]
- ^ 2018年1月10日 毎日新聞「「身長9センチ伸びた」 宇宙滞在、3週間で」
- ^ 2018年1月10日付 公式twitter[2]
- ^ JAXA (2017), p.24
- ^ “https://twitter.com/Astro_Kanai/status/1672154863357292545?cxt=HHwWgsDT_aP_17QuAAAA”. Twitter. 2023年6月24日閲覧。
- ^ https://www.city.narashino.lg.jp/joho/machidukuri/narashino-city_1502_utyu.html
- ^ a b 金井宇宙飛行士応援プロジェクト>金井宇宙飛行士について[3]. 2018年1月12日閲覧
- ^ “海自医官が宇宙飛行士へ▼ 金井医官きょう退職”. 呉インターネット写真ニュース (2009年9月18日). 2015年8月27日閲覧。
参考文献
[編集]- 大鐘良一、小原健右『ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験』光文社〈光文社新書〉、2010年6月。ISBN 978-4334035709。
- 宇宙航空研究開発機構(JAXA)『金井宣茂宇宙飛行士長期滞在プレスキット』2017年12月。 [4]
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- JAXA>宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター>JAXAの宇宙飛行士>金井宣茂(JAXA公式プロフィール)
- JAXA宇宙飛行士金井宣茂公式ブログ「宇宙、行かない?」 - ウェイバックマシン(2019年2月3日アーカイブ分)
- 金井 宣茂 (@Astro_Kanai) - X(旧Twitter)