近鉄2400系電車
共通事項 | |
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基本情報 | |
製造所 | 近畿車輛 |
主要諸元 | |
軌間 | 1,435 mm |
電気方式 | 直流1,500 V |
最高運転速度 | 110 km/h |
車両定員 |
先頭車:170名 中間車:190名 (新造時点) |
車体長 | 20,720 [1] mm |
車体幅 | 2,709 mm[1]・2,740 mm |
全高 | 4,150 [1] mm |
主電動機 | MB-3110A [1] |
主電動機出力 | 155 kW |
駆動方式 | WNドライブ |
歯車比 | 4.61 |
制御装置 |
抵抗制御 型式:ABFM-214-15MDH [1] |
制動装置 | 電磁直通ブレーキ (HSC-D) [1] |
保安装置 | 近鉄型ATS |
備考 | 電算記号:W(2両)、G(3両)、AG(4両) |
近鉄2400系電車(きんてつ2400けいでんしゃ)は、近畿日本鉄道(近鉄)の保有する一般車両(通勤形電車)である。
本稿では2410系電車、2430系電車、2444系電車、電気検測車モワ24系電車についても記述する。なお、解説の便宜上、宇治山田・鳥羽側先頭車の車両番号+F(Formation=編成の略)を編成名として記述(例:モ2401以下2両編成=2401F)する。
概要
[編集]それまでの大阪線一般車にはMB-3020D形125 kWモーターを装備した1480系・2470系が投入されていた[2][3]。これらは2M1Tの3両編成を基本とし、平坦区間にてTc車を増結した4両編成の運用も可能としたが、大阪線でも特に連続した急勾配を擁する桜井 - 伊勢中川間では編成出力の関係でMT比1:1編成での運用が出来ず、運用上の制約があった。このことから、1M方式での運用が出来るように新設計のMB-3110A型155 kWモーターを装備した車両が製作された。それが2400系および2410系・2430系である[3][4]。
これらは1M1Tの2両編成においても大阪線山岳区間の通過を可能としたことから、この区間におけるダイヤ構成上の基本が確立された[1]。本系列以降の車両の内、抑速ブレーキと発電ブレーキを装備している車両と連結して運用される場合はMT比1:1でも青山越えの運用が可能となっている[3][* 1]。この機器設計は、平坦区間における1M2Tの3両編成運転をも可能としたため、名古屋線用一般車の1800系・1810系(抑速ブレーキは省略)にも受け継がれ、さらには1970年から1979年にかけて登場した大阪線・名古屋線共通仕様一般車の2600系・2610系・2800系にも受け継がれた。
大阪線の輸送力増強用と同時に旧型車の代替も兼ねていたため[5]、1966年から1973年にかけて3系列合計で112両製造されたが、登場から40年以上を経た2018年現在でも多数の車両が在籍している。また、同一のMB-3110A型主電動機を搭載する1800系 (10両) 、1810系 (43両) 、2600系 (12両) 、2610系 (68両) 、2800系 (60両) を全て合わせると、総勢305両 (1480系ク1590形改造の中間車は除く) もの車両が製造されている。
電算記号は全車共通で、2両編成はW[6]、3両編成はG[6]、4両編成はAGとなっている[6]。
2400系
[編集]近鉄2400系電車 | |
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主要諸元 | |
編成 | 2両編成 |
編成定員 | 340名 |
車両定員 | 170名 |
自重 | Mc車:41.5 t・Tc車:35.0 t |
全幅 | 2,709 [1] mm |
全高 | 3,990 [1] mm |
台車 | KD-60形・KD-60A形 [1] |
大阪線初の1M方式の高性能車で、1966年10月に2両編成6本(12両)が製造された[7][1][4]。
車体
[編集]車体関係は先に製作された1480系4次車を基に各線で定められた車体共通規格が採用され、貫通路は広幅に、車内見付の見直しなどの改良が行われている。大阪線一般車では本系列からマルーン一色の塗装に変更された[1]。
主要機器・性能
[編集]675 Vにて155 kWの大出力電動機MB-3110-A型の開発により、Mc-Tcの編成でも青山越えが可能な性能となった[3]。主制御器は1480系までの単位スイッチ式と決別し、三菱電機製ABFM-214-15-MDH電動カム軸(1軸)式抵抗制御(モーター4台制御)を採用し[8]、本系列以降の大阪線用一般車もこれを踏襲している[1][4]。このMB-3110-A型モーターは極薄形整流子を用いて高端子電圧ながら100 km/hからの電制を可能とし、1979年の2800系最終増備車(2816F・2817F)まで採用され続け、制御器と共に大阪線一般車の機器設計の基礎を確立した。
台車は近畿車輛製KD-60系金属ばね台車で[1]、ブレーキ(制動)方式はHSC-D型(発電制動・抑速制動付き)[8][4]。圧縮機と電動発電機はク2500形に装備し、集電装置はPT-42型がMc車連結側に設置され、Tc-Mcの重量の均等化を図っている。性能面では、最高速度110 km/hを確保している。
改造
[編集]ATS車上装置は乗務員室助士側に設置されたため、窓下1/3ほどそれが露出していたが、1984年から1985年にかけて冷房化(CU-19形を1両あたり4台設置)および車体更新(内外装材交換・方向幕設置・ATS位置変更)が行われた[1][4]。
1998年から2004年1月にかけて全編成が廃車され、系列消滅した[1]。廃車後、主電動機や制御装置、台車がモト77・78の機器更新用として転用された。
2410系
[編集]近鉄2410系電車 | |
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近鉄2410系2427F(手前2両) | |
主要諸元 | |
編成 | 2両・4両編成 |
全長 | 20m mm |
車体高 | 4,032 [9] mm |
台車 |
Mc車:KD-66/KD-66D/KD-66F[9] Tc車:KD-66A/KD-66E/KD-66G[9] |
1968年に登場。2400系にラインデリアを装備した系列である[3][10][1]。
車体
[編集]基本的な車体デザインは2400系に準ずるが、ラインデリア搭載の関係上屋根が2400系より120 mm低いレール面から3530 mmとなった[1]。床面から窓框までの高さは900系に準拠して850 mmに[1]、窓の上下寸法は900 mmとされた[1]。連結面の貫通路は狭幅に変更された。また、前面尾灯形状も変更されている。
増備車
[編集]1969年製の2416Fから車体の不燃化構造を強化、A-A基準を採用した[11]。1970年製の2422Fから台車は電動車がKD-66D、制御車がKD-66Eに変更され、側面に列車種別表示器が取り付けられ、1971年製の2427Fから台車は電動車がKD-66F、制御車がKD-66Gに変更され、前面に排障器が取り付けられ、2430系に準じて車体幅が30 mm拡大されたという設計変更が踏襲されている[1]。1969年製のク2590形は平坦区間用の増結車として製造された[1][3]。
1971年までに2両編成18本(2411F - 2428F)と平坦区間専用増結車3本(ク2591 - ク2593)の計39両が製造され、1973年には3編成の増備が計画されたが、既に2430系が登場していたため、2429F・2430Fと来て、その次が2410Fと番号がさかのぼって付けられた[1]。このため、2430Fは2430系ではなく、2410系である[12]。
2429F・2430Fは製造時から2430系モ2450形・サ2550形が中間車として組み入れられており、系列の異なる4両固定編成を組成している[* 2][13]。2429F・2430Fに組み込まれている2430系サ2550形サ2557・サ2558は他の2430系サ2550形と異なり、空気圧縮機と電動発電機を装備している[8]。
主要機器・性能
[編集]駆動装置や主電動機、制御装置、ブレーキ方式、集電装置と補機類の配置は2400系の仕様を踏襲した。性能面も2400系と同一で[10]、三菱のABFM制御器による1C4M制御を行い、主電動機は出力155 kWのMB-3110を搭載、抑速ブレーキも装備する[14]。制御装置では、電動カム軸スイッチを動作させることで抵抗を順次カットし、列車が加速する仕組みとして作られている。また、制御回路を無接点化して保守の省力化を進めたが、これは個別の制御装置によって生じる動作のばらつきを抑えることにも役立っている。また、駆動させるための電源は当初、補助電源装置からの交流電源を直接受けていたが、2427F以降では、間に蓄電池とインバータを介在させることで、補助電源装置が故障した場合でも、制御装置が駆動できる仕組みとなっている[11]。
台車は近畿車輛製の両抱き踏面ブレーキ式シュリーレン台車で、大阪線通勤車では初の車体直結ダイヤフラム式空気ばね台車であるKD-66が採用されている[9][8][10]。
改造
[編集]- 冷房化
1979年から1985年にかけて冷房化が行われ[3][10]、冷房能力10,500 kcal/hのCU-19が1両あたり4台設置されたが、当時の新造冷房車で搭載された熱交換型換気装置は搭載されていない[12]。ラインデリア車については屋根が低い分、冷房装置室外機の背が高い点は他線の車両も同様である。
- 組成変更
製造時、ク2590形は単独Tc車だったが、先述の冷房化時にク2590形ク2591が1480系1496F、ク2590形ク2592・ク2593が2430系2441F・2442Fから外されたモ2450形モ2461・モ2462と1200系1211F・1212Fに組み込まれ、前後で尾灯形状の異なる3両固定編成と前後で正面形状の異なる変則的な4両固定編成計3本に組成変更した[4]。
- 車体更新
1984年から1992年にかけて全編成に車体の内外装材交換と車体前面および側面の方向幕設置を中心とする車体更新が行われた[10]。
- B更新
1996年から2002年にかけて全編成に2回目の車体更新(B更新)が行われた。今回の更新の過程で内装の仕様が変更されていて、白系の壁面に茶色系の床という内容で更新されたグループと、灰色系の壁面に茶色系の砂目模様の床という内容で更新されたグループが存在している。また、一部編成では座席のモケット交換および優先席増設、車内照明のLED化が行われた編成も存在する[11]。
- 電気計測車「はかるくん」への転用・形式変更
2006年9月に2411Fが電気計測車「はかるくん」に改造され、形式も後述のモワ24系に変更された[1]。
- ラッピング車両「伊勢志摩お魚図鑑」への転用
2020年3月14日のダイヤ変更による鮮魚列車の廃止代替としてモ2410形モ2423がラッピング車両「伊勢志摩お魚図鑑」に改造された。
車体は伊勢志摩の魚介類を描いたデザインとして一般列車と区別させた。車内は広告関係の装備品撤去以外ほとんど手が加えられていない。
転属
[編集]新造から全編成が高安検車区に配置されていたが、1985年頃の一時期、2420Fは名古屋線で運用されていた[15]。1991年から2002年にかけてク2590形が富吉検車区に転属した。
1999年にク2590形ク2591が1480系1496Fの廃車時に1編成丸ごと廃車された[16]。
2024年5月1日現在ではク2590形ク2591以外に廃車された車両は発生しておらず、2411Fが電気計測車「はかるくん」、モ2410形モ2423がラッピング車両「伊勢志摩お魚図鑑」に改造されたほか、2412F - 2430F・2410Fの40両が高安検車区、ク2590形ク2592・ク2593の2両が富吉検車区に配置され、計42両が現存している[17]。
2430系
[編集]近鉄2430系電車 | |
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2430系2438F(手前4両、2006年) | |
主要諸元 | |
編成 | 2・3・4両編成 |
全高 | 4,032 [9] mm |
台車 |
Mc・M車:KD-66F[9] Tc・T車:KD-66G[9] |
1971年に河内国分駅以東まで運行される準急や急行および快速急行に使用するために2410系と同様の車体で登場した2410系の3両編成仕様で、当初から2410系2427F以降と同じ車体設計で[11]、3両編成17本51両と2410系用中間車4両の計55両が製造された[9]。
基本編成は上本町寄りからTc + M + Mcの3両編成を組成するが、4両編成を組成した編成は上本町寄りからTc + M + T + Mcで編成を組成する[3]。空調装置は2410系同様ラインデリアを装備している[3]。
主要機器・性能
[編集]性能は2410系と同一で、主電動機や制御装置、台車、ブレーキ方式も同系に準じている[9][8][5]。補機類は、同様の目的で大容量のものを採用した8400系と異なり、従来と同一品をTcに2組ずつ集中搭載している。集電装置はモ2430形、モ2450形の大阪側に1台ずつ搭載した。
改造
[編集]- 冷房化
1979年から1985年にかけて冷房化が行われ、冷房能力10,500 kcal/hのCU-19が1両あたり4台設置された[5]。
- 組成変更と編成両数の減車
製造時、2437F・2438Fは河内国分駅以西での限定運用を前提として1810系と同様の上本町寄りからTc + T + Mcを組成しており[3][5][18]、主に準急の高安駅以西ラッシュ時増結用に使用されていたが、大阪線では勾配区間を擁することから、運用上不便のため、1979年に2431F・2432Fと編成を組み合わせ、2両固定編成[* 3]に短縮し、4両固定編成2本[* 4]に組成変更した[5]。
1984年に2441F・2442Fが先述の冷房化時にそれぞれ中間からモ2450形を抜いて2両編成[* 5]に短縮し、それぞれ2441F・2442Fから外されたモ2450形モ2461・モ2462が単独Tc車だった2410系ク2590形ク2592・ク2593と1200系1211F・1212Fの中間車として組み入れられ、車体の異なる4両固定編成2本に組成変更した[5]。
大阪線において、3両編成での運用が減少したことから、1989年に2433F - 2436Fが1480系ク1590形ク1592 - ク1595をサ1550形サ1553 - サ1556として、1991年に2443Fが1810系サ1960形サ1961、2444F・2445Fが1810系サ1970形サ1976・サ1977を中間に組み込み、1998年2月に2446Fが名古屋線のL/Cカー導入で余剰となった1000系1001Fと編成を分割して相互に組み替え、4両固定編成7本と4両固定編成[* 6]と3両固定編成各1本に組成変更した[* 7][5][10][13]。この内、2444F・2445Fは製造当初より冷房装置付きで製造された1810系サ1970形サ1976・サ1977を3両編成の中間に組み込んだために車体断面の異なる4両固定編成2本に組成変更した[10]。しかし、2000年3月までに2433F - 2436Fがそれぞれ中間からサ1550形ク1592 - ク1595(元1480系ク1590形ク1592 - ク1595)、2006年11月に2443Fが中間から1810系サ1960形サ1961、2444Fが後述のB更新時に中間から1810系サ1970形サ1976、2007年3月に2446Fが1000系1001F、4月に2445Fが後述のB更新時に中間から1810系サ1970形サ1977を抜き、2433F - 2436F・2444F - 2446Fは元の3両編成に戻したものの、2443Fは2444Fから外された1810系サ1970形サ1976を引き続き[20]、サ1550形サ1553を抜いて元の3両編成に戻していた2433Fは2445Fから外された1810系サ1970形サ1977を再び[21]中間に組み込み、車体断面の異なる4両固定編成を組成した。
- 車体更新
1988年から1995年にかけて全編成に車体の内外装材交換と車体前面および側面の方向幕設置を中心とする車体更新が行われた[5]。
- B更新
1998年から2009年3月にかけて全編成に2回目の車体更新(B更新)が行われた[9][20][21][22]。内容はいずれも車内の内装材交換と車体連結部の転落防止幌設置のほか、2008年以降のB更新車ではク2530形連結側車端部の車椅子スペース設置が行われた[22]。
- ワンマン運転対応改造・形式変更
2006年9月から2007年4月にかけて2444F・2445Fにワンマン運転対応改造が先述の編成両数の減車・B更新時に行われ、形式も後述の2444系に変更された[20][21]。
-
近鉄2430系2436F(非冷房時1978年頃)
-
近鉄2430系2446F(2008年9月)
-
近鉄2430系の車内
転属
[編集]1998年に2447F、2002年にモ2450形モ2461・モ2462が富吉検車区、2007年に2446F、2020年4月1日に2434F、2022年9月に2436F・2439F、2024年3月16日のダイヤ変更による大阪線の10両編成廃止に伴い、2000系2001F・2003Fの廃車代替として2435F・2440Fが明星検車区に転属した。なお、2024年5月1日現在、富吉検車区に配置されている2447Fは1998年頃の一時期にも明星検車区に配置されていた[13]。
廃車
[編集]2024年5月1日現在では本系列の廃車は発生しておらず、後述の2444系に形式変更されたものを含めて全編成が在籍しており、2431F - 2433F・2437F・2438F・2441F - 2443F・モ2450形モ2457・モ2458・サ2550形サ2557・サ2558の26両が高安検車区[17]、2447F・モ2450形モ2461・モ2462の5両が富吉検車区[17]、2434F - 2436F・2439F・2440F・2446Fの18両が明星検車区[17]に配置されている。
アートライナー
[編集]2444系
[編集]近鉄2444系電車 | |
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近鉄2444系2444F(2008年) | |
主要諸元 | |
編成 | 3両編成 |
最高運転速度 |
名古屋線・山田線・鳥羽線:110 km/h 湯の山線・鈴鹿線:80 km/h |
2430系の内、ワンマン運転対応改造が行われたグループに付与された形式[23][18]。
改造までの経緯
[編集]2006年11月から2007年4月にかけて大阪線で運用されていた2444F・2445Fが編成両数の減車時に1810系サ1970形を抜いて元の3両編成に戻した上でB更新・ワンマン運転対応改造が高安検修センターにて行われ[20][21]、名古屋線に転属した。
配置
[編集]2024年5月1日現在、3両編成2本が在籍し、明星検車区に配置されている[17]。
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2444系G44
-
2444系G45
運用
[編集]現在の運用
[編集]- 大阪線所属車両
- 大阪線青山町駅以西では本系列および他形式併結の4 - 10両編成で一般列車全種別、信貴線および名張駅 - 伊勢中川駅間の普通列車では2両単独で運用されており、急行の増結車で山田線・鳥羽線にも乗り入れている。
- 3両編成単独および他形式併結の5両編成で近鉄名古屋駅 - 伊勢中川駅間の準急や普通列車を中心に運用され、一部は山田線・鳥羽線の普通列車でも運用される。
- 大阪線時代は2編成連結の6両編成で主に青山町駅以西の各種別で運用されていた。定期運用では青山町駅以東や名古屋線には入線しないが、名古屋線所属の3両編成が不足した場合、3両ずつに編成を切り離して名古屋線を代走することがあった。
- 2444系は上記運用のほかに湯の山線・鈴鹿線のワンマン列車でも運用されている。
- その他
- 2両編成車両
- 2410系2423F
過去の運用
[編集]- 大阪線所属車両
- 2両編成車両
- 2400系2401F - 2406F
- 2410系2411F
- 大阪線に所属していた[13]。登場時から増結編成として4 - 10両編成まで幅広く運用された。
- 2400系2405F・2406Fの晩年は信貴線専属で使用され、廃車直前の時期には名古屋線でも使用されていた[1]。
モワ24系
[編集]近鉄モワ24系電気計測車 | |
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電気計測車「はかるくん」 | |
主要諸元 | |
編成 | 2両編成 |
軌間 |
モワ24:1,435 mm クワ25:1,435 mm/1,067 mm |
電気方式 | 直流1,500 V |
車両定員 | 非営業車両(事業用) |
全幅 | 2,709 mm |
全高 | 4,032 mm |
台車 |
標準軌台車:KD-66 狭軌台車:KD-61CK |
2410系の内、2006年9月に2411Fの改造で登場した電気計測車[20][24]。安全輸送に貢献するため、電車線の摩耗や高さやATSなどの検査を行う車両で、「はかるくん」の愛称が付与されている[24]、総工費は約4億4000万円。電算記号はMF24[25]。
車体は大幅に改造されており、前面は非貫通の3連窓となり前照灯が中央に寄せられた。側扉は乗務員扉と1か所を残して埋められている。また、側窓は片側3箇所に減らされている[11]。塗装は白と黄色の塗り分けとなり、「はかるくん」のロゴが貼られている[24]。
組成は大阪方からクワ25(旧ク2511) - モワ24(旧モ2411)で、クワ25が検測車、モワ24が牽引車となっている。牽引車のモワ24の性能は種車の2410系から変化はなく、110 km/hでの検測が可能である[26]。検測車のクワ25形には、計測用パンタグラフと前方・架線監視用モニタ、各種計測機器、無停電電源装置、計測結果出力用のデスクトップパソコン、レーザープリンターなどが設置されている。編成両端には、運転台とビデオカメラが設置されている。
登場により、検査項目の追加や老朽化した検測機能の持つ保守用車の置き換えが行われた他、電気系統の電路・信号・通信の3部門で個別に行われていた検測作業の集約を図っている。なお、電気検測の内容として、電路部門が架線検測、信号部門がATS検測、通信部門が列車無線の電界強度検測を行っている[11]。
車内は座席等をすべて撤去の上、内装をリニューアルしている。クワ25では運転台側に高圧室が設けられた他、隣接してトロリ線摩耗・偏位測定装置やトロリ線高低差検出器を備えている。出入口扉から連結面側に測定台があり、ATS地上子測定装置、測定台、トロリ線交差部高低差制御装置、電界強度測定装置、無停電電源装置の順に聞きが並んでいる。架線検測では電車線の摩耗や高さ、離線衝撃検出などが行われ、あらかじめ設定した測定値を超えた場合は自動的に検出できる仕組みである。ATS検測装置では、ATS地上子の検測が行われる他、電界強度測定装置では電波の強弱を測定し、電波の弱い区間を判断している。運転台は2410系時代と大差はないが、クワ25では南大阪線や養老鉄道線で使用するマスコンも装備し、これらの路線を走る際に交換している。一方、モワ24には検測機器はほとんどなく、クワ25と同じく床下に検測用のATS車上子を設けた程度であり、車内に座席などはなく、貨物搭載時の収納スペースとしている[11]。
クワ25は台車の交換により標準軌線・狭軌線の全線での走行が可能であり、台車は標準軌ではKD-66Aを、狭軌ではKD-61CK[* 8]を装着する[26]。狭軌線の検測時はクワ25単独での自走が出来ないため、南大阪線では6200系の3両編成に、養老線では610系の2両編成に併結して検測している[26]。なお、一般車との併結のため、クワ25の連結面側の連結器には電気連結器も併設されている。
南大阪線では当初は6219Fと6221Fが併結車として充当されていたが、6221Fが観光特急「青の交響曲(シンフォニー)」に改造され、形式も16200系に変更されたため、2016年に6211Fが併結対応車に改造された[27][28]。
改造当初は富吉検車区に配置されていたが、2013年9月に明星検車区へ所属変更された[29]。2019年4月現在の配置は明星検車区である[17]。きんてつ鉄道まつりなどで一般公開される。
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モワ24
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クワ25
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クワ25 車体側面
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養老駅で定期列車に線路を譲る
610系に併結していることも確認できる。
参考文献
[編集]- 三好好三『近鉄電車 大軌デボ1形から「しまかぜ」「青の交響曲」まで100年余りの電車のすべて』(JTBキャンブックス)、JTBパブリッシング、2016年。ISBN 978-4-533-11435-9
- 飯島厳・藤井信夫・井上広和『復刻版 私鉄の車両13 近畿日本鉄道II 通勤車他』ネコ・パブリッシング、2002年(原版は保育社、1986年)ISBN 4-87366-296-6
- 諸河久・山辺誠『日本の私鉄 近鉄2』(カラーブックス)、保育社、1998年。ISBN 4-586-50905-8
- 交友社『鉄道ファン』
- 付録小冊子「大手私鉄車両ファイル 車両配置表&車両データバンク」2007年9月 - 2009年9月各号・2014年8月号・2019年8月号
- 林基一「近畿日本鉄道 現有車両プロフィール2018」『鉄道ピクトリアル』2018年12月臨時増刊号、電気車研究会。p.217-284
脚注
[編集]- 注釈
- ^ MB-3020系125 kWモーターを搭載する1480系・2470系および2680系と連結する場合、1編成全体のMT比が2:1以上であり、組成する車両の全車が抑速制動と発電制動を有すると言う条件付きで大阪線山岳区間の運用が可能である。
- ^ ク2529 + モ2457 + サ2557 + モ2429およびク2530 + モ2458 + サ2558 + モ2430という編成とし、電算記号はAG29・AG30に変更した[6]。
- ^ ク2537 + モ2431およびク2538 + モ2432という編成とし、電算記号はW37・W38に変更した[6]。
- ^ ク2531 + モ2451 + サ2551 + モ2437およびク2532 + モ2452 + サ2552 + モ2438という編成とし、電算記号はAG31・AG32に変更した[6]。
- ^ ク2541 + モ2441およびク2542 + モ2442という編成とし、電算記号はW41・W42に変更した[6]。
- ^ ク1101 + サ1151 + モ2466 + モ2446という編成とし、電算記号はAG46に変更した[19]。
- ^ モ2466 + モ2446は引き続き高安検車区に所属して大阪線で使用され、上本町寄りからク1101 + サ1151 + モ2466 + モ2446で4両固定編成、ク2546は富吉検車区に転属して名古屋線で使用され、名古屋寄りからク2546 + モ1051 + モ1001で3両固定編成に組成変更した[13][19]。
- ^ 6020系の廃車発生品を改造して流用している。
- 出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y 三好好三『近鉄電車』p.114
- ^ 三好好三『近鉄電車』p.112-113
- ^ a b c d e f g h i j 飯島・藤井・井上『復刻版 私鉄の車両13 近畿日本鉄道II』p.32
- ^ a b c d e f 諸河久・山辺誠『日本の私鉄 近鉄2』p.43
- ^ a b c d e f g h 諸河久・山辺誠『日本の私鉄 近鉄2』p.41
- ^ a b c d e f g 三好好三『近鉄電車』p.228
- ^ 飯島・藤井・井上『復刻版 私鉄の車両13 近畿日本鉄道II』p.185
- ^ a b c d e 飯島・藤井・井上『復刻版 私鉄の車両13 近畿日本鉄道II』p.166-167
- ^ a b c d e f g h i j 三好好三『近鉄電車』p.115
- ^ a b c d e f g 諸河久・山辺誠『日本の私鉄 近鉄2』p.42
- ^ a b c d e f g 大手私鉄サイドビュー図鑑"近鉄通勤車(下)". イカロス出版株式会社. (2022年9月30日). pp. 42-48,98,99
- ^ a b 林基一「近畿日本鉄道 現有車両プロフィール2018」『鉄道ピクトリアル』2018年12月臨時増刊号、p.236
- ^ a b c d e 諸河久・山辺誠『日本の私鉄 近鉄2』p.143
- ^ 林基一「近畿日本鉄道 現有車両プロフィール2018」『鉄道ピクトリアル』2018年12月臨時増刊号、p.235
- ^ 飯島・藤井・井上『復刻版 私鉄の車両13 近畿日本鉄道II』p.156
- ^ 『鉄道ピクトリアル』1999年10月臨時増刊号、184頁
- ^ a b c d e f 交友社『鉄道ファン』2019年8月号 Vol.59/通巻700号 付録小冊子「大手私鉄車両ファイル2019 車両配置表」(当文献にページ番号の記載無し)
- ^ a b 林基一「近畿日本鉄道 現有車両プロフィール2018」『鉄道ピクトリアル』2018年12月臨時増刊号、p.237
- ^ a b 交友社『鉄道ファン』2018年2月号 Vol.58/通巻682号 柴田東吾「機器流用車の現状 大手私鉄後編」p.88 - p.93
- ^ a b c d e 『鉄道ファン』2007年9月号 交友社「大手私鉄車両ファイル2007 車両配置表&車両データバンク」
- ^ a b c d 『鉄道ファン』2008年9月号 交友社「大手私鉄車両ファイル2008 車両配置表&車両データバンク」
- ^ a b 『鉄道ファン』2009年9月号 交友社 「大手私鉄車両ファイル2009 車両配置表&車両データバンク」
- ^ 三好好三『近鉄電車』p.171
- ^ a b c 林基一「近畿日本鉄道 現有車両プロフィール2018」『鉄道ピクトリアル』2018年12月臨時増刊号、p.282
- ^ 三好好三『近鉄電車』p.229
- ^ a b c 林基一「近畿日本鉄道 現有車両プロフィール2018」『鉄道ピクトリアル』2018年12月臨時増刊号、p.283
- ^ “近鉄「はかるくん」が南大阪線・吉野線を電気”, railf.jp (交友社), (2016-8-11) 2016-11-23 閲覧。
- ^ “「はかるくん」が南大阪線・吉野線を検測”, railf.jp (交友社), (2016-11-14) 2016-11-23 閲覧。
- ^ 『鉄道ファン』2014年8月号 交友社「大手私鉄車両ファイル2014 車両データバンク」
関連項目
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