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軍事海上輸送司令部

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
軍事海上輸送司令部
Military Sealift Command
軍事海上輸送司令部のエンブレム
創設 1949年7月9日-
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
軍種  アメリカ海軍
上級部隊 アメリカ輸送軍
基地 ワシントンD.C. ネイビーヤード
渾名 MSC
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軍事海上輸送司令部(ぐんじかいじょうゆそうしれいぶ、Military Sealift Command、略称:MSC)は、アメリカ海軍の組織の1つ。部隊管理系統ではアメリカ艦隊総軍(USFLTFORCOM)の、作戦系統ではアメリカ輸送軍(USTRANSCOM)の指揮をそれぞれ受ける。司令部はワシントンD.C.ネイビーヤードに所在する。

主たる任務

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補給
海軍艦艇に必要な弾薬燃料、物資を海上輸送し、洋上補給を行う。補給艦を運用する。
特殊任務
調査対象国のミサイルの追跡、調査対象国の艦艇の音響スペクトルの取得、調査対象海域の海水温塩分濃度水深海底構造の観測などを行う。ミサイル追跡艦音響測定艦海洋観測艦測量艦などを運用する。
事前集積
事前集積艦を準備し、海兵隊陸軍、海軍、空軍に必要な装備、弾薬などを事前集積して前方配備し、軍事紛争に備えている。民間RO-RO船を改造した輸送艦などを事前集積船として運用する。
後方支援
救難艦潜水艦救難艦病院船ケーブル敷設艦などを用いて、後方支援を行う。
海上輸送
輸送艦タンカー高速輸送艦を用いて拠点間の海上輸送を行う。

編制

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機能別区分

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軍事海上輸送司令部に所属する艦艇は機能別に5つの区分に振り分けられている。5つの区分は以下となっている。また軍事海上輸送司令部に所属する艦艇は母港を指定されていない。

戦闘兵站部隊(Combat Logistics Force)
補給
特殊任務計画(Special Mission Program)
特殊任務
海上事前集積計画(Maritime Prepositioning Program)
事前集積 - 計26隻運用中
第2海上事前集積船隊(Maritime Prepositioning Ships Squadron-2、MPSRON-2)
ジョン・P. ボボ少尉級貨物輸送艦5隻およびシュガート級/ボブ・ホープ級/ワトソン級の大型中速車両輸送艦(LMSR)5隻の中から計4隻~6隻。
第3海上事前集積船隊(Maritime Prepositioning Ships Squadron-3、MPSRON-3)
ジョン・P. ボボ少尉級貨物輸送艦5隻およびシュガート級/ボブ・ホープ級/ワトソン級の大型中速車両輸送艦(LMSR)5隻の中から計4隻~6隻。
第3陸軍事前集積備蓄(Army Prepositioned Stocks-3、APS-3)‐ 計8隻
コンテナ輸送艦2隻。ワトソン級大型中速車両輸送艦(LMSR)を6隻。
海軍、国防兵站局、および空軍の兵站事前集積部隊(Navy, Defense Logistics Agency and Air Force Ships Force、NDAF)
計8隻
後方支援計画(Service Support Program)
後方支援
海上輸送計画(Sealift Program)
海上輸送

地域別区分

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軍事海上輸送司令部は世界を5つの地域に区分しそれぞれに司令部組織を編成している。

軍事海上輸送司令部・太平洋(MSCPAC)
カリフォルニア州サンディエゴに司令部がある。事実上、第3艦隊第33任務部隊司令部がMSCPACを兼務している。
軍事海上輸送司令部・極東(MSCFE)
シンガポールセンバワンに司令部がある。事実上、第7艦隊第73任務部隊司令部がMSCFEを兼務している。
軍事海上輸送司令部・大西洋(MSCLANT)
バージニア州ノーフォークに司令部がある。
軍事海上輸送司令部・ヨーロッパ/アフリカ(MSCEURAF)
イタリアナポリに司令部がある。事実上、第6艦隊第63任務部隊司令部がMSCEURAFを兼務している。
軍事海上輸送司令部・中央(MSCCENT)
バーレーンマナマに司令部がある。事実上、第5艦隊第53任務部隊司令部がMSCCENTを兼務している。

画像

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参考文献

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  • 福好昌治 「アメリカ統合軍の全貌⑥、世界を股に掛ける「米戦略軍」「米輸送軍」」 『軍事研究』566号、2013年5月、102-104頁。

外部リンク

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