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赤穂浪士 (小説)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

赤穂浪士』(あこうろうし)は、大佛次郎による長篇小説である[1]。これまで4回の映画化、3回のテレビ映画化、1回の大河ドラマ化が行われた。本稿では映画化作品についても詳述する。

概要

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赤穂事件を題材としたものの代表的作品で、映像化の回数も多い。従来の『忠臣蔵』では、主君の仇をとる「義士」として捉えられていた47人を、幕藩体制や時代風潮に抗う「浪士」として描いている。

東京日日新聞』で、1927年-1928年にかけて連載された[1](挿絵・岩田専太郎)。その後、1928年-1929年に改造社から3巻本として刊行された[1]。様々な版本・文庫判で刊行され、現行は新潮文庫上下巻で、討ち入りの時期に併せ、2007年(平成19年)暮れに改版した。

赤穂事件を架空の浪人・堀田隼人の視点を通して描いている。隼人は、お仙や盗賊・蜘蛛の陣十郎らとともに事件の影で暗躍する。このため、本作の主人公はあくまでも堀田隼人であるが、映像化の際は、ほぼ大石内蔵助が主役になっている。また、多くの「忠臣蔵」ものの作品で千坂兵部が大石のライバル役として登場する事が多いのは、本作での設定描写の影響とされる。

主な登場人物

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特徴

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  • 赤穂義士を英雄としては描いていない。大石を「悪人」と評した箇所があり、また討ち入りを知った人物が「義士か?」[2]と何度も呟く。
  • 時系列では故人の山鹿素行は、吉良・上杉(特に千坂高房)との深い関係の言及がある一方、赤穂義士とは無関係。

映像化リスト

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映画

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テレビ

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1929年の映画

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赤穂浪士
第一篇 堀田隼人の巻
監督 志波西果
脚本 志波西果
原作 大佛次郎
出演者 大河内傳次郎
光岡竜三郎
梅村蓉子
伏見直江
撮影 酒井健三
製作会社 日活太秦撮影所
配給 日活
公開 日本の旗 1929年11月9日
上映時間 98分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語サイレント
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赤穂浪士 第一篇 堀田隼人の巻』(あこうろうし だいいっぺん ほったはやとのまき)は、1929年(昭和4年)11月9日公開の日本映画である。日活製作・配給。監督は志波西果モノクロスタンダード、98分。

『赤穂浪士』シリーズの第一篇として製作されたが、第二篇以降は製作されていない[4]。初回興業は浅草公園六区日本館

現在、東京国立近代美術館フィルムセンターも、マツダ映画社も、本作の上映用プリントを所蔵しておらず、現存していないとみなされるフィルムである[5][6]

スタッフ

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キャスト

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1933年の映画

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1956年の映画

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赤穂浪士
天の巻 地の巻
監督 松田定次
脚本 新藤兼人
原作 大佛次郎
製作 マキノ光雄
山崎眞市郎
坪井與
大森康正
玉木潤一郎
辻野力彌
岡田茂
製作総指揮 大川博
出演者 片岡千恵蔵
月形龍之介
大友柳太朗
東千代之介
高千穂ひづる
中村錦之助 (萬屋錦之介)
市川右太衛門
音楽 深井史郎
撮影 川崎新太郎
編集 宮本信太郎
製作会社 東映京都撮影所
配給 東映
公開 日本の旗 1956年1月15日
上映時間 151分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
配給収入 3億1305万円[7]
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赤穂浪士 天の巻 地の巻』(あこうろうし てんのまき ちのまき)は、1956年(昭和31年)1月15日公開の日本映画である。東映製作・配給。監督は松田定次、脚本は新藤兼人名義だが実際には松田定次の助監督だった松村昌治(中山文夫)が3ヶ月かけて書き直した。イーストマンカラー(総天然色イーストマン・東映カラー)、スタンダード、151分。

東映創立五周年記念作品[8]として製作され、東映スターが総出演した。忠臣蔵映画としては初のカラー映画となる[9]。配収は3億1305万円で、この年の邦画配収ランキング第1位となった。

2003年(平成15年)12月5日東映ビデオは、本作のDVDを発売した[8]。現在、東京国立近代美術館フィルムセンターは、本作の上映用プリントを35mmフィルムベースで所蔵している[10][11]

スタッフ

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キャスト

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ノンクレジット:木暮実千代中村嘉津雄

1961年の映画

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脚注

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注釈

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  1. ^ 原作『赤穂浪士』(大佛次郎)の設定を踏襲。小説は大石でなく、堀田隼人はじめ吉良方が主役。

出典

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  1. ^ a b c 村上光彦赤穂浪士」『改訂新版 世界大百科事典https://kotobank.jp/word/%E8%B5%A4%E7%A9%82%E6%B5%AA%E5%A3%ABコトバンクより2024年4月8日閲覧 
  2. ^ 大佛次郎『赤穂浪士』(下巻)546ページなど。
  3. ^ 大河ドラマ 赤穂浪士 - NHK放送史
  4. ^ 大仏次郎 - 日本映画データベース、2013年1月11日閲覧。
  5. ^ 所蔵映画フィルム検索システム東京国立近代美術館フィルムセンター、2013年1月11日閲覧。
  6. ^ 主な所蔵リスト 劇映画 邦画篇マツダ映画社、2013年1月11日閲覧。
  7. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン 85回全史』、キネマ旬報社、2012年5月23日、p.120
  8. ^ a b 赤穂浪士 天の巻 地の巻東映ビデオ、2013年1月11日閲覧。
  9. ^ 赤穗浪士 天の巻 地の巻東京国立近代美術館フィルムセンター、2015年3月7日閲覧
  10. ^ 赤穂浪士 天の巻 地の巻、 日本映画情報システム、文化庁、2013年1月10日閲覧。
  11. ^ 赤穂浪士 天の巻 地の巻、東京国立近代美術館フィルムセンター、2013年1月11日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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1929年の映画

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1956年の映画

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