補助句読点 (Unicodeのブロック)
補助句読点 (Unicodeのブロック) | |
---|---|
Supplemental PunctuationA | |
範囲 |
U+2E00..U+2E7F (128 個の符号位置) |
面 | 基本多言語面 |
用字 | Common |
割当済 | 94 個の符号位置 |
未使用 | 34 個の保留 |
Unicodeのバージョン履歴 | |
4.1 | 26 (+26) |
5.1 | 49 (+23) |
5.2 | 50 (+1) |
6.1 | 60 (+10) |
7.0 | 67 (+7) |
9.0 | 69 (+2) |
10.0 | 74 (+5) |
11.0 | 79 (+5) |
12.0 | 80 (+1) |
13.0 | 83 (+3) |
14.0 | 94 (+11) |
公式ページ | |
コード表 ∣ ウェブページ |
補助句読点(ほじょくとうてん、英語: Supplemental PunctuationA)は、Unicodeの104個目のブロック。
解説
[編集]句読点などの約物のうち、一般句読点、基本ラテン文字及びラテン-1補助のいずれのブロックにも含まれていないものが収録されている。
Unicodeのバージョン4.1において初めて追加された。
収録文字
[編集]コード | 文字 | 文字名(英語) | 用例・説明 |
---|---|---|---|
新約聖書の編集記号 | |||
U+2E00 | ⸀ | RIGHT ANGLE SUBSTITUTION MARKER | 単語を別の単語に置換すべき箇所を示す。 |
U+2E01 | ⸁ | RIGHT ANGLE DOTTED SUBSTITUTION MARKER | |
U+2E02 | ⸂ | LEFT SUBSTITUTION BRACKET | |
U+2E03 | ⸃ | RIGHT SUBSTITUTION BRACKET | |
U+2E04 | ⸄ | LEFT DOTTED SUBSTITUTION BRACKET | |
U+2E05 | ⸅ | RIGHT DOTTED SUBSTITUTION BRACKET | |
U+2E06 | ⸆ | RAISED INTERPOLATION MARKER | 単語を挿入すべき箇所を表す。
キャレット(U+2038 ‸ CARET)と同様の機能を持つ。 |
U+2E07 | ⸇ | RAISED DOTTED INTERPOLATION MARKER | |
U+2E08 | ⸈ | DOTTED TRANSPOSITION MARKER | |
U+2E09 | ⸉ | LEFT TRANSPOSITION BRACKET | 前後の単語を入れ替えるべきであることを表す。 |
U+2E0A | ⸊ | RIGHT TRANSPOSITION BRACKET | |
U+2E0B | ⸋ | RAISED SQUARE | 省略を表す上付きの開始側の括弧として用いられる[1]。 |
U+2E0C | ⸌ | LEFT RAISED OMISSION BRACKET | 省略を表す上付きの開始側或いは終端側の括弧として用いられる[1]。 |
U+2E0D | ⸍ | RIGHT RAISED OMISSION BRACKET | 省略を表す上付きの終端側或いは開始側の括弧として用いられる[1]。 |
古代ギリシアの文書記号 | |||
U+2E0E | ⸎ | EDITORIAL CORONIS | |
U+2E0F | ⸏ | PARAGRAPHOS | |
U+2E10 | ⸐ | FORKED PARAGRAPHOS | |
U+2E11 | ⸑ | REVERSED FORKED PARAGRAPHOS | |
U+2E12 | ⸒ | HYPODIASTOLE | ypodiastoliとも呼ばれる[1]。 |
U+2E13 | ⸓ | DOTTED OBELOS | グリフは「÷」や「∸」のように見えることもある[1]。 |
U+2E14 | ⸔ | DOWNWARDS ANCORA | 文字名は"DOWNWARDS"とあるが、このシンボルは上向きである[1]。 |
U+2E15 | ⸕ | UPWARDS ANCORA | 文字名は"UPWARDS"とあるが、このシンボルは下向きである[1]。 |
U+2E16 | ⸖ | DOTTED RIGHT-POINTING ANGLE | diple periestigmeneとも呼ばれる[1]。 |
古代近東言語学記号 | |||
U+2E17 | ⸗ | DOUBLE OBLIQUE HYPHEN | 古代近東言語学で使用されていた[1]。
フラクトゥール(ドイツ文字)フォントのハイフンもこの文字と同形になるが、U+002D(-)またはU+2010(‐)を使用する[1]。 |
一般句読点 | |||
U+2E18 | ⸘ | INVERTED INTERROBANG | 倒置インテロバング。スペイン語、アストゥリアス語、ガリシア語[2]で稀に用いられる。
gnaborretniとも呼ばれる[1]。 |
U+2E19 | ⸙ | PALM BRANCH | 区切りとして使用される[1]。 |
辞書用の約物 | |||
U+2E1A | ⸚ | HYPHEN WITH DIAERESIS | ドイツ語の辞書において複数形の語幹母音のウムラウトを示す[1]。 |
U+2E1B | ⸛ | TILDE WITH RING ABOVE | ドイツ語の辞書において派生形の大文字と小文字の変化を示す[1]。 |
括弧 | |||
U+2E1C | ⸜ | LEFT LOW PARAPHRASE BRACKET | ンコ文字で用いられる[1]。言い換えの括弧。 |
U+2E1D | ⸝ | RIGHT LOW PARAPHRASE BRACKET | |
辞書用の約物 | |||
U+2E1E | ⸞ | TILDE WITH DOT ABOVE | ドイツ語の辞書において派生形が大文字に変わることを示す[1]。 |
U+2E1F | ⸟ | TILDE WITH DOT BELOW | ドイツ語の辞書において派生形が小文字に変わることを示す[1]。 |
括弧 | |||
U+2E20 | ⸠ | LEFT VERTICAL BAR WITH QUILL | 北欧の伝統的な写本において、削除すべき箇所をあらわす編集記号[3]。 |
U+2E21 | ⸡ | RIGHT VERTICAL BAR WITH QUILL | |
半括弧 | |||
U+2E22 | ⸢ | TOP LEFT HALF BRACKET | |
U+2E23 | ⸣ | TOP RIGHT HALF BRACKET | |
U+2E24 | ⸤ | BOTTOM LEFT HALF BRACKET | |
U+2E25 | ⸥ | BOTTOM RIGHT HALF BRACKET | |
括弧 | |||
U+2E26 | ⸦ | LEFT SIDEWAYS U BRACKET | ベルリンの伝統的な写本において、転写でクラウディウス文字を示す、鏡文字を表記する、或いはテキスト行に画像を挿入する(十字を示す ⸦crux⸧など)を表すために使用される[3]。 |
U+2E27 | ⸧ | RIGHT SIDEWAYS U BRACKET | |
U+2E28 | ⸨ | LEFT DOUBLE PARENTHESIS | ベルリン以外のラテン語学者によって、SIDEWAYS U BRACKETと同様の目的で用いられる[3]。
二重丸括弧。しばしば補足の括弧内で更に補足をする際に用いられる。 |
U+2E29 | ⸩ | RIGHT DOUBLE PARENTHESIS | |
歴史的な約物 | |||
U+2E2A | ⸪ | TWO DOTS OVER ONE DOT PUNCTUATION | |
U+2E2B | ⸫ | ONE DOT OVER TWO DOTS PUNCTUATION | |
U+2E2C | ⸬ | SQUARED FOUR DOT PUNCTUATION | |
U+2E2D | ⸭ | FIVE DOT MARK | |
U+2E2E | ⸮ | REVERSED QUESTION MARK | unctus percontativusとも呼ばれる[1]。
皮肉を表す皮肉記号としても用いられる。 |
U+2E2F | ⸯ | VERTICAL TILDE | キリル文字のyerikに用いられる[1]。 |
U+2E30 | ⸰ | RING POINT | アヴェスター文字で用いられる[1]。 |
U+2E31 | ⸱ | WORD SEPARATOR MIDDLE DOT | アヴェスター文字、サマリア文字などで用いられる[1]。
単語の境界を表す。 |
パレオタイプの転写記号 | |||
U+2E32 | ⸲ | TURNED COMMA | パレオタイプと呼ばれる英語用の発音記号において鼻音化を表す。 |
歴史的な約物 | |||
U+2E33 | ⸳ | RAISED DOT | コプト文字において読点として用いられる。通常欧文におけるコンマ(,)に相当する[4]。 |
U+2E34 | ⸴ | RAISED COMMA | コプト文字において用いられる |
パレオタイプの転写記号 | |||
U+2E35 | ⸵ | TURNED SEMICOLON | パレオタイプにおいて急速な声門閉鎖を表す[1]。 |
U+2E36 | ⸶ | DAGGER WITH LEFT GUARD | パレオタイプにおいて後ろ寄りの調音を表す[1]。 |
U+2E37 | ⸷ | DAGGER WITH RIGHT GUARD | パレオタイプにおいて前寄りの調音を表す[1]。 |
U+2E38 | ⸸ | TURNED DAGGER | パレオタイプにおいて反り舌音を表す[1]。 |
U+2E39 | ⸹ | TOP HALF SECTION SIGN | パレオタイプにおいて口の片側のみで発音することを表す[1]。 |
ダッシュ | |||
U+2E3A | ⸺ | TWO-EM DASH | U+2014 — EM DASH(EMダッシュ)の2倍の長さのダッシュ。省略を表す[1]。 |
U+2E3B | ⸻ | THREE-EM DASH | U+2014 — EM DASH(EMダッシュ)の3倍の長さのダッシュ。 |
約物の異体字形 | |||
U+2E3C | ⸼ | STENOGRAPHIC FULL STOP | 速記[1]において句点を表す。通常欧文のピリオド(.)に相当する。 |
U+2E3D | ⸽ | VERTICAL SIX DOTS | |
U+2E3E | ⸾ | WIGGLY VERTICAL LINE | |
歴史的な約物 | |||
U+2E3F | ⸿ | CAPITULUM | 段落記号(U+00B6 ¶ pilcrow sign)の祖先にあたる記号[1]。 |
二重ハイフン | |||
U+2E40 | ⹀ | DOUBLE HYPHEN | 古いドイツ語写本の転写に使用され、非標準の句読点として使用されることもある。
これは、フラクトゥールで書かれた文書で用いられる通常のハイフンの異体字形を表すためのものではない[1]。 |
反転した約物 | |||
U+2E41 | ⹁ | REVERSED COMMA | ロヴァーシュ文字(古ハンガリー文字)で用いられる[1][5]。 |
U+2E42 | ⹂ | DOUBLE LOW-REVERSED-9 QUOTATION MARK | ロヴァーシュ文字で用いられる[5]。 |
その他の約物 | |||
U+2E43 | ⹃ | DASH WITH LEFT UPTURN | いくつかのスラヴ語の文書では段落記号(paragraphos)として機能する[1]。 |
U+2E44 | ⹄ | DOUBLE SUSPENSION MARK | ビザンツ帝国時代のギリシャの印章や貨幣に見られる単語の文字の省略を示す[1]。 |
ティピコン用の約物 | |||
U+2E45 | ⹅ | INVERTED LOW KAVYKA | |
U+2E46 | ⹆ | INVERTED LOW KAVYKA WITH KAVYKA ABOVE | |
U+2E47 | ⹇ | LOW KAVYKA | |
U+2E48 | ⹈ | LOW KAVYKA WITH DOT | |
U+2E49 | ⹉ | DOUBLE STACKED COMMA | |
歴史的な約物 | |||
U+2E4A | ⹊ | DOTTED SOLIDUS | 中世において、スラッシュ(/)よりも大きいが、U+2E4E ⹎ PUNCTUS ELEVATUS MARKよりも小さい分離を示すために用いられた[1]。 |
U+2E4B | ⹋ | TRIPLE DAGGER | 三重短剣符。
註釈が3箇所ある場合に3番目のものに用いられた。 |
U+2E4C | ⹌ | MEDIEVAL COMMA | 中世において小さな休止または意味の分離を示すために用いられた[1]。 |
U+2E4D | ⹍ | PARAGRAPHUS MARK | 段落、節、スタンザ、または命題の始まりを示す[1]。 |
U+2E4E | ⹎ | PUNCTUS ELEVATUS MARK | 意味の上では完全に区切りがついているが、文としてはまだ終わっていないという主要な中間の休止を示す。現代のセミコロンの使用法にいくつかの点で似ている[1]。 |
U+2E4F | ⹏ | CORNISH VERSE DIVIDER | 中世コーンウォール語において韻文の境界を表す[6]。 |
U+2E50 | ⹐ | CROSS PATTY WITH RIGHT CROSSBAR | これらの左右半分ずつに分割されたクロスパティーは、1520年頃にMurdoch Nisbetによって作成された、John Purveyによるウィクリフの中英語新約聖書1388年改訂版の、中世スコットランド語訳の行中に使用されている[7]。
U+2E50 ⹐は節またはサブセクションの開始を、U+2E51 ⹑は節またはサブセクションの終端を表す[7]。 |
U+2E51 | ⹑ | CROSS PATTY WITH LEFT CROSSBAR | |
U+2E52 | ⹒ | TIRONIAN SIGN CAPITAL ET | 中世アイルランドで用いられたゲール文字においてアンパサンド(&)と同等の機能を持つU+204A ⁊ tironian sign etの大文字に相当する。 |
U+2E53 | ⹓ | MEDIEVAL EXCLAMATION MARK | 中世における感嘆符(!)の祖先にあたる記号。 |
U+2E54 | ⹔ | MEDIEVAL QUESTION MARK | 中世における疑問符(?)の祖先にあたる記号。 |
括弧 | |||
U+2E55 | ⹕ | LEFT SQUARE BRACKET WITH STROKE | これらの括弧は、日本語の音訳における特定の規則で省略記号を表す[1]。 |
U+2E56 | ⹖ | RIGHT SQUARE BRACKET WITH STROKE | |
U+2E57 | ⹗ | LEFT SQUARE BRACKET WITH DOUBLE STROKE | 必ず省略される形態素を表す[1]。(例:「私は」watashi⹗ga⹘wa[1]; 主格助詞「が」は必ず省略される) |
U+2E58 | ⹘ | RIGHT SQUARE BRACKET WITH DOUBLE STROKE | |
括弧の上半分及び下半分 | |||
U+2E59 | ⹙ | TOP HALF LEFT PARENTHESIS | 拡張IPAにおいてペアで使用され、記述されたものの正確性が疑わしい音素を表す[1][8]。 |
U+2E5A | ⹚ | TOP HALF RIGHT PARENTHESIS | |
U+2E5B | ⹛ | BOTTOM HALF LEFT PARENTHESIS | 拡張IPAにおいてペアで使用され、記述された音の存在が疑わしいことを表す[1][8]。 |
U+2E5C | ⹜ | BOTTOM HALF RIGHT PARENTHESIS | |
傾いたハイフン | |||
U+2E5D | ⹝ | OBLIQUE HYPHEN | 中世やルネッサンス時代の写本に見られる歴史的な約物。
一部の現代辞書学では、傾いたハイフンは、単語が行の境界で分割されない場合にハイフネーションが保持されることを明確に示すために使用されている[1]。 |
小分類
[編集]このブロックの小分類は「新約聖書の編集記号」(New Testament editorial symbols)、「古代ギリシアの文書記号」(Ancient Greek textual symbols)、「古代近東言語学記号」(Ancient Near-Eastern linguistic symbol)、「一般句読点」(General punctuation)、「辞書用の約物」(Dictionary punctuation)、「括弧」(Brackets)、「半括弧」(Half brackets)、「歴史的な約物」(Historic punctuation)、「パレオタイプの転写記号」(Palaeotype transliteration symbol)、「ダッシュ」(Dashes)、「約物の異体字形」(Alternate forms of punctuation)、「二重ハイフン」(Double hyphen)、「反転した約物」(Reversed punctuation)、「その他の約物」(Miscellaneous punctuation)、「ティピコン用の約物」(Typicon punctuation)、「括弧の上半分及び下半分」(Parentheses top and bottom halves)、「傾いたハイフン」(Oblique hyphen)の17個となっている[1]。本ブロックでは、Unicodeのバージョン更新時の文字追加が隙間を埋める形で行われた影響で、同一の小分類に属する文字が飛び飛びの符号位置に割り当てられていることがある。また、収録文字が1文字しかない小分類については小分類名が単数形で表現されているが、本記事では単数形か複数形かによる小分類名の表記ゆれについては別の小分類として扱わず、同一の小分類として扱うこととする。
新約聖書の編集記号(New Testament editorial symbols)
[編集]この小分類にはキリスト教の聖典である新約聖書の校正に用いられる編集記号が収録されている。
古代ギリシアの文書記号(Ancient Greek textual symbols)
[編集]この小分類には古代ギリシア語の文献において用いられた記号類が収録されている。
古代近東言語学記号(Ancient Near-Eastern linguistic symbol)
[編集]この小分類には古代に近ける(地中海東部沿岸、現在のエジプト、トルコ、シリア、イラク近辺に相当する)地域の言語におを解析する古代近東言語学いて用いられた記号が収録されている。
一般句読点(General punctuation)
[編集]この小分類には様々な言語で共通して用いられる句読点などの約物類が収録されている。
辞書用の約物(Dictionary punctuation)
[編集]これらの句読点は主にドイツ語の辞書で使用され、ウムラウトや省略語幹による大文字小文字の変化を示す[1]。
括弧(Brackets)
[編集]この小分類には括弧として振舞う約物類が収録されている。
半括弧(Half brackets)
[編集]これらは 4 隅の括弧のセットを形成し、編集記号として使用される。数学記号の床関数(U+230A ⌊ LEFT FLOOR及びU+230B ⌋ RIGHT FLOOR)及び天井関数(U+2308 ⌈ LEFT CEILING
及びU+2309 ⌉ RIGHT CEILING
)の記号とは区別される。半括弧の代わりにクワインの引用符(U+231C-231F; ⌜⌝/⌞⌟)が使用される場合もある[1]。
歴史的な約物(Historic punctuation)
[編集]この小分類には古い文献で用いられていた約物類が収録されている。
一般句読点ブロックのU+2058-205Eの範囲にある複数の点を含んだ歴史的な句読点も参照すること。
パレオタイプの転写記号(Palaeotype transliteration symbol)
[編集]この小分類にはパレオタイプと呼ばれる英語用の発音記号において用いられる記号が収録されている。
ダッシュ(Dashes)
[編集]この小分類には水平線の形をした約物(ダッシュ)類が収録されている。
なお、Unicode公式の表においてこれらの長いダッシュは幅が広すぎるため破線の四角いボックス内に表示されているが、制御文字ではなく、通常のフォントでは、単に幅の広いダッシュとして表示される[1]。
約物の異体字形(Alternate forms of punctuation)
[編集]この小分類には約物の異体字が収録されている。
二重ハイフン(Double hyphen)
[編集]この小分類には二重ハイフンと呼ばれる、ハイフンが縦に2つ並んだ記号1つのみが収録されている。
二重ハイフンは、古いドイツ語写本の転写に使用され、非標準の句読点として使用されることもある。これは、フラクトゥールで書かれた文書で用いられる通常のハイフンの異体字形を表すためのものではない[1]。
反転した約物(Reversed punctuation)
[編集]この小分類には左右反転した約物が収録されている。
その他の約物(Miscellaneous punctuation)
[編集]この小分類にはその他のさまざまな約物類が収録されている。
ティピコン用の約物(Typicon punctuation)
[編集]この小分類にはティピコンと呼ばれる、ビザンツ式典礼の事務処理の順序と聖体礼儀のさまざまな賛美歌についての指示が含まれている典礼書で使用される約物が収録されている。
括弧の上半分及び下半分(Parentheses top and bottom halves)
[編集]これらは拡張IPAにおいてペアで使用され、疑わしい音素や音の存在が疑わしいことを表す[1]。
傾いたハイフン(Oblique hyphen)
[編集]傾いたハイフンは中世やルネッサンス時代の写本に見られる歴史的な約物である。一部の現代辞書学では、傾いたハイフンは、単語が行の境界で分割されない場合にハイフネーションが保持されることを明確に示すために使用されている[1]。
文字コード
[編集]補助句読点(Supplemental PunctuationA)[1] Official Unicode Consortium code chart (PDF) | ||||||||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | A | B | C | D | E | F | |
U+2E0x | ⸀ | ⸁ | ⸂ | ⸃ | ⸄ | ⸅ | ⸆ | ⸇ | ⸈ | ⸉ | ⸊ | ⸋ | ⸌ | ⸍ | ⸎ | ⸏ |
U+2E1x | ⸐ | ⸑ | ⸒ | ⸓ | ⸔ | ⸕ | ⸖ | ⸗ | ⸘ | ⸙ | ⸚ | ⸛ | ⸜ | ⸝ | ⸞ | ⸟ |
U+2E2x | ⸠ | ⸡ | ⸢ | ⸣ | ⸤ | ⸥ | ⸦ | ⸧ | ⸨ | ⸩ | ⸪ | ⸫ | ⸬ | ⸭ | ⸮ | ⸯ |
U+2E3x | ⸰ | ⸱ | ⸲ | ⸳ | ⸴ | ⸵ | ⸶ | ⸷ | ⸸ | ⸹ | ⸺ | ⸻ | ⸼ | ⸽ | ⸾ | ⸿ |
U+2E4x | ⹀ | ⹁ | ⹂ | ⹃ | ⹄ | ⹅ | ⹆ | ⹇ | ⹈ | ⹉ | ⹊ | ⹋ | ⹌ | ⹍ | ⹎ | ⹏ |
U+2E5x | ⹐ | ⹑ | ⹒ | ⹓ | ⹔ | ⹕ | ⹖ | ⹗ | ⹘ | ⹙ | ⹚ | ⹛ | ⹜ | ⹝ | ||
U+2E6x | ||||||||||||||||
U+2E7x | ||||||||||||||||
注釈
|
履歴
[編集]以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。
バージョン | コードポイント[a] | 文字数 | L2 ID | ドキュメント |
---|---|---|---|---|
4.1 | U+2E00..2E17,2E1C..2E1D | 26 | ||
5.1 | U+2E19,2E2D,2E2F | 3 | ||
U+2E18 | 1 | L2/05-086 | Michael Everson (1 April 2005), Proposal to add inverted interrobang (WG2-N2935) (英語) | |
L2/05-337 | Michael Everson (25 October 2005), Letter from Amadeu Abril i Abril in support of inverted interrobang (英語) | |||
U+2E1A..2E1B,2E1E..2E2C,2E2E,2E30 | 19 | L2/07-004 | Michael Everson (12 January 2007), Proposal to add Medievalist and Iranianist punctuation characters to the UCS (WG2 N3193) (英語) | |
5.2 | U+2E31 | 1 | L2/07-320 | US N.B. (24 September 2007), Proposal to Encode WORD SEPARATOR MIDDLE DOT (WG2 N3347) (英語) |
6.1 | U+2E33..2E34 | 2 | L2/10-290 | Michael Everson (9 August 2010), Proposal to add additional characters for Greek, Latin, and Coptic (revised; WG2 N3873R) (英語) |
U+2E3A..2E3B | 2 | L2/10-037 | Karl Pentzlin (17 February 2010), Proposal to encode two dashes required by the Chicago Manual of Style (WG2 N3770) (英語) | |
U+2E32,2E35..2E39 | 6 | L2/09-425 | Michael Everson (5 December 2009), Proposal to encode six punctuation characters (WG2 N3740) (英語) | |
7.0 | U+2E3C..2E3F | 4 | ||
U+2E41..2E42 | 2 | L2/09-240 | Michael Everson; André Szabolcs Szelp (23 July 2009), Proposal for encoding generic punctuation used with the Hungarian Runic script (WG2 N3664) (英語) | |
L2/09-292 | Gábor Hosszú (10 August 2009), Proposal for encoding generic punctuation used with the Szekler Hungarian Rovas script (英語) | |||
U+2E40 | 1 | L2/10-162 | Karl Pentzlin (5 May 2010), Proposal to encode a punctuation mark "Double Hyphen" (英語) | |
L2/10-361 | Karl Pentzlin (29 September 2010), Revised Proposal to encode a punctuation mark "Double Hyphen" (WG2 N3917; replaces L2/10-162) (英語) | |||
L2/11-038 | German N.B. (2 February 2011), Revised Proposal to encode a punctuation mark "Double Hyphen" (WG2 N3983; replaces L2/10-361) (英語) | |||
9.0 | U+2E43 | 1 | L2/13-140 | Aleksandr Andreev (23 September 2013), Proposal to Encode a Slavonic Punctuation Mark (revised) (英語) |
L2/13-212 | Deborah Anderson (3 November 2013), Expert Feedback on L2/13-140 SLAVONIC PARAGRAPHOS (英語) | |||
L2/13-238 | Aleksandr Andreev (16 December 2013), Proposal to Encode a Slavonic Punctuation Mark in Unicode (英語) | |||
U+2E44 | 1 | L2/14-157 | Dumbarton Oaks (Joel Kalvesmaki) (18 July 2014), Proposal to encode GREEK BYZANTINE DOUBLE SUSPENSION MARK (英語) | |
10.0 | U+2E45..2E49 | 5 | ||
11.0 | U+2E4A..2E4B | 2 | L2/15-327 | Michael Everson (25 January 2016), Proposal to add Medievalist punctuation characters (revised) (英語) |
U+2E4C | 1 | L2/15-327 | Michael Everson (25 January 2016), Proposal to add Medievalist punctuation characters (revised) (英語) | |
L2/16-125 | Michael Everson (5 May 2016), Revised Proposal to add Medievalist punctuation characters (WG2 N4726) (英語) | |||
L2/16-220 | Michael Everson; Deborah Anderson (1 August 2016), Proposal for Medieval Comma (英語) | |||
U+2E4D..2E4E | 2 | L2/15-327 | Michael Everson (25 January 2016), Proposal to add Medievalist punctuation characters (revised) (英語) | |
L2/16-125 | Michael Everson (5 May 2016), Revised Proposal to add Medievalist punctuation characters (WG2 N4726) (英語) | |||
L2/16-219 | Deborah Anderson (1 August 2016), Feedback and Evidence on Medievalist punctuation characters (英語) | |||
L2/16-235 | Michael Everson; Deborah Anderson (5 August 2016), Proposal to encode PARAGRAPHUS and PUNCTUS ELEVATUS (英語) | |||
12.0 | U+2E4F | 1 | L2/17-357 | Michael Everson (19 October 2017), Proposal to add one punctuation character for Medieval Cornish (WG2 N4906) (英語) |
13.0 | U+2E52 | 1 | L2/17-300 | Michael Everson (5 September 2017), Proposal to add five Latin Tironian letters (WG2 N4841) (英語) |
L2/17-359 | Michael Everson (21 October 2017), Proposal to add six Latin Tironian letters (英語) | |||
U+2E50..2E51 | 2 | L2/19-076 | Michael Everson (7 May 2019), Proposal to encode three cross symbols (revised, WG2 N5037) (英語) | |
14.0 | U+2E53..2E54 | 2 | L2/20-270 | Michael Everson (10 November 2020), Proposal to add two mediaeval punctuation characters (revised, WG2 N5147R) (英語) |
L2/20-278 | Fredrick R. Brennan (22 October 2020), Comment on L2/20-270 regarding two puncti (英語) | |||
U+2E5D | 1 | L2/21-036 | Michael Everson (14 January 2021), Proposal to add the OBLIQUE HYPHEN (WG2 N5152) (英語) | |
U+2E55..2E5C | 8 | L2/21-042 | Kirk Miller (12 January 2021), Unicode request for phonetic punctuation & diacritics (英語) | |
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出典
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