藤井友子
ふじい ともこ 藤井 友子 | |
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生誕 | 京都府京都市 |
国籍 | 日本 |
民族 | 日本人 |
出身校 | 同志社大学商学部、同志社大学大学院ビジネス研究科 |
職業 | 染匠 |
活動期間 | 2006年 - |
影響を受けたもの | 藤井寛 |
活動拠点 | 京都府京都市 |
肩書き |
彩琳株式会社、富宏染工株式会社代表取締役社長 開志専門職大学客員教授[1] |
公式サイト |
藤井 友子 (abeshinzo) - Facebook 彩琳株式会社 |
藤井 友子(ふじい ともこ)は、日本の染匠、実業家。彩琳株式会社、富宏染工株式会社代表取締役社長。開志専門職大学客員教授[1]。
人物
[編集]国指定の伝統的工芸品である[2]手描き京友禅の染匠として伝統文化を守りながらも時代の流れに柔軟な姿勢を見せ、日常のおしゃれ着として使える小紋や付け下げなどの着物をメインとした『tomihiro』や、日常の生活の中に京都の着物を感じさせるコンセプトのブランド『RITOFU』を立ち上げ、タンブラーなどの日用品や名刺入れ、バッグなどを製作したり、『IROMORI』というブランドでは、手描き友禅の技法を応用したファブリックを創出するなど、京友禅の可能性を広げる新しい取り組みを行う[3][4][5][6]。
染匠として
[編集]京都・室町に一人っ子として生まれ育つ。幼少期は中京の家の周辺に着物関係の家が多く、藤井自身はごく一般的な家業という受け止め方で、「伝統工芸の仕事」といった認識はなかった[4]。同志社大学商学部卒業、同志社大学大学院ビジネス研究科卒業(MBA取得)[1]。ビジネススクール時代に、他業種の人との交流の中で、家業の特殊性や、日本らしさ・京都らしさが客観的に理解でき、時代に合った方法を模索した[4]。父で師匠でもある染匠藤井寛は、独自の手描き京友禅の世界を作り出し「藤井寛のきもの」として上皇后陛下や皇后陛下など多くの皇族に愛用されている[7][8]。皇族が公的な行事などで着用していることから、「ロイヤルカラー」と言われる[9][10]。
染匠とは、手描き友禅が京都に発祥するのと同時期にできた京友禅独特の職業で、意図する意匠や色、技術などを、約15工程ある職人にそれぞれ指示をし、刺繍や紋をも含めた"染め"の総合芸術・技術と意匠の集大成として、染匠の創作意図のもと創作される。染匠の指示のもと、職人は各々の技術を1枚の着物に施していく。その工程のうち、彩色は1人が担当し、かかる日数は20日間ほどで、20-30色の染料を調合し無限の色数を作る[9][11]。通常、手描き友禅は筆を用いるが、藤井家では、筆よりも幅の広い刷毛を使用する。より高度な技術が求められるが、刷毛を用いると、目の詰まった絹地でも糸の芯まで染め付けることが可能である。また、地色を全体に引かず、刷毛で少しずつ模様を表現し染め上げる。この技法は、先代・藤井寛が考案したものである[9][12]。
多方面での活動
[編集]京都大学大学院総合生存学館、同志社大学ビジネススクール、京都女子大学、平安女学院大学などで伝統文化、ものつくり、事業承継、女性の社旗進出などさまざまなテーマで講演活動を行う[1]。着物制作のほか、「源氏物語千年紀匠の技継承事業」、「JAXAのきぼう利用プロジェクト『宇宙とつながる京都』研究会」への参加など、多方面で活動[3]。
KYOTO DAIRI PROJECTメンバーとして活動[13] 。
発言
[編集]「着物の業界は職人は圧倒的に男性が多く、長男が家業を継ぐという慣習が古くあるが、私は女性なので後継という目で見られることもなかったので、業界の常識に疎いことも手伝って、わりと自由で新しいことにも挑戦できたのだと思う」。また「繊細さを人の手で表す日本文化は、他の国にない素晴らしいものだ。今は新たな技術が次々と生まれ、世の中がどんどん早くなっているが、同時に、技術の陳腐化も早い。一方で日本や京都の伝統文化は、長い時間をかけて育まれた独自の世界観や美意識、ストーリーがある。海外から見ても興味を抱いてもらえる方の多い、日本の誇るべき文化だ」 - 2023年8月には、以上のように発言している[5]。
略歴
[編集]- 2006年
- 英国紙フィナンシャルタイムズで紹介される。
- 源氏物語千年紀匠の技継承事業 記念品に採用される。
- 2010年
- JAXAきぼう利用プロジェクト『宇宙とつながる京都』。
- 「東京ガールズコレクション」出品。
- 2012年 - クール・ジ ャパン戦略推進事業ニューヨーク・パリ展示。
- 2013年 - 京都新聞「私の京都新聞評」執筆。
- 2014年 - 「Material Attraction -Scandinavia likes Japan」ストックホルム。
- 2015年
- ミラノサローネ「NEW DENSAN 100」出展。
- 経産省「The Wonder500」選定(kyo-yuzenクラッチバッグ)。
- 2016年 - G7女性職人シンポジウム登壇(経済産業省、ジェトロ主催・Google協賛)。
出典[4]
- 2022年 - 2022年9月号の日本政府のオンライン雑誌"HIGHLIGHTING Japan"9月号に掲載される[9]。
- 2023年 - 1月28日、横綱白鵬の断髪式で、白鵬の長女、次女がそれぞれ彩琳の着物を着用[14][15]。
- 2024年 - 6月15日、「京友禅サリー」プロジェクトが内閣府首相官邸公式SNS「JAPAN GOV」に掲載される[16]。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d “会社概要”. 彩琳. 2024年7月18日閲覧。
- ^ “interviewあの人の得体〜藤井友子(京友禅 染匠/株式会社彩琳 代表)”. ハッケン!ジャパン. 2024年7月18日閲覧。
- ^ a b “[https://www.jpower.co.jp/ge/60/venus/ 新時代の扉を開ける着物の匠 藤井 友子 Venus Talk]”. GLOBAL EDGE. 2024年7月18日閲覧。
- ^ a b c d e “視野を広げるということ 「京友禅染匠・富宏染工 藤井友子」”. きものと. 2024年7月18日閲覧。
- ^ a b “世界へ誇る「世界観、美意識、ストーリー」のジャパンラグジュアリー”. By Emotion (2023年8月1日). 2024年7月18日閲覧。
- ^ “職人インタビュー”. 京都伝統産業ミュージアム. 2024年7月18日閲覧。
- ^ “「皇室も愛用する手描き京友禅の世界」見逃し配信でご覧いただけます”. note(touko_fu touko_fu ). 2024年7月18日閲覧。
- ^ “8月27日放送 皇室も愛用する手描き京友禅の世界”. TAKARABE NEWS 財部誠一ニュース (2021年8月27日). 2024年7月18日閲覧。
- ^ a b c d “京都の秋に気品を添える着物”. Public Relations Office 日本政府 (September 2022). 2024年7月18日閲覧。
- ^ “京都の老舗着物店「彩琳」の公式WEBサイトがリニューアル!LINEでの問い合わせや予約でより使いやすくなりました”. Newsweek (2023年01月25日(水)). 2024年7月18日閲覧。
- ^ “京友禅と染匠”. 京都工芸染匠協同組合. 2024年7月18日閲覧。
- ^ “京友禅、はんなりと お出かけに着回し、インテリアも 次世代の挑戦”. 朝日新聞 (2022年11月1日). 2024年7月18日閲覧。
- ^ “これまでの活動のご紹介します。”. KYOTO DAIRI project (2022年10月12日). 2024年7月18日閲覧。
- ^ “元白鵬が涙の断髪式 元首相のほかYOSHIKI スティーブン・セガールら280人がはさみ”. サンスポ (2023年1月28日20:33). 2024年7月18日閲覧。
- ^ “横綱白鵬さんの断髪式で、長女・愛美羽さん、次女・美羽紗さんが彩琳の着物をお召しいただいていました”. 彩琳株式会社 (2023年1月30日). 2024年7月18日閲覧。
- ^ “内閣府首相官邸公式SNS「JAPAN GOV」”. 彩琳株式会社. 2024年7月18日閲覧。
外部リンク
[編集]- 彩琳株式会社
- 藤井 友子 (abeshinzo) - Facebook
- 藤井友子 彩琳 (@fujii.tomoko.98) - X(旧Twitter)
- RITOFU 富宏染工株式会社 (@info_ritofu) - X(旧Twitter)
- 彩琳 京都/Tomoko Fujii (@kyoto_sairin) - Instagram
- RITOFU Tomoko Fujii /sairin (@ritofu_kyoto) - Instagram