コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

菅野裕一朗

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
かんの ゆういちろう
菅野 裕一朗
死没 2022年10月26日
研究分野 薬学
研究機関 日本学術振興会
東邦大学
静岡県立大学
出身校 東邦大学薬学部卒業
東邦大学大学院
薬学研究科博士前期課程修了
東邦大学大学院
薬学研究科博士後期課程修了
主な業績 異物受容体の活性化機構の研究
選択的核内受容体調節薬による
核内受容体活性調節機構の研究
影響を
受けた人物
吉成浩一
主な受賞歴 日本薬学会
環境・衛生部会賞
プロジェクト:人物伝
テンプレートを表示

菅野 裕一朗(かんの ゆういちろう、 - 2022年〈令和4年〉10月26日)は、日本薬学者衛生化学分子毒性学薬物代謝学)。学位博士(薬学)東邦大学・2007年)。

独立行政法人日本学術振興会特別研究員、東邦大学薬学部講師静岡県立大学薬学部講師などを歴任した。

概要

[編集]

衛生化学分子毒性学薬物代謝学を専攻する薬学者である[1]。化学物質の解毒や受容体型転写因子の分子機構の研究に取り組んでいた[2]日本学術振興会特別研究員を経て[3]東邦大学静岡県立大学で教鞭を執った[2][4]

来歴

[編集]

生い立ち

[編集]

同名の学校法人により設置・運営される東邦大学に進学し[2][3][5]薬学部の衛生薬学科にて学んだ[3][5][† 1]。薬学部では公衆衛生学教室に在籍して卒業研究に取り組んだ[2]。2002年(平成14年)3月、東邦大学を卒業した[5]。それに伴い、学士学位を取得した。同年、そのまま東邦大学の大学院に進学し[3]薬学研究科にて学んだ[3]。2004年(平成16年)3月、大学院における博士前期課程を修了した[5]。同年より博士後期課程にて学んだ[3]。在学中に「核内レセプターConstitutive androstane receptorのシャトル機能に関する研究」[7]と題した博士論文を執筆した。2007年(平成19年)3月に大学院における博士後期課程を修了したことに伴い[5]、同年3月16日付で博士(薬学)の学位を取得した[7][8]

薬学者として

[編集]

大学院在籍時、文部科学省の所管する独立行政法人である日本学術振興会により、2005年(平成17年)に特別研究員に選任された[3]。2007年(平成19年)4月、母校である東邦大学に採用され[4]、薬学部の講師に就任した[4]。薬学部においては、主として薬学科の講義を担当し、公衆衛生学教室を受け持った[3]

2020年(令和2年)5月1日、県と同名の公立大学法人により設置・運営される静岡県立大学に転じ[2]、薬学部の講師に就任した[2]。薬学部においては、主として薬学科の講義を担当し[9]、衛生分子毒性学分野を受け持った[2][9][10]。また、静岡県立大学の大学院においても、薬学研究院の講師を兼務した[9]。大学院には研究院・学府制が導入されていることから薬食生命科学総合学府の講義を担当し、衛生分子毒性学教室を受け持った[9]。在職中のまま2022年(令和4年)10月26日に死去した[11][12]

研究

[編集]

専門は薬学であり、特に衛生化学、分子毒性学、薬物代謝学といった分野を研究しており[1]、化学物質の解毒や受容体型転写因子の分子機構の研究に従事した[2]。具体的には、異物受容体が活性化する機構について研究していた[13]。また、選択的核内受容体調節薬により核内受容体の活性を調節する機構についても研究していた[13]。そのほか、芳香族炭化水素受容体について、その生理的な役割について研究していた[13]

東邦大学薬学部に在籍していた頃より内分泌攪乱物質や生体外異物の毒性の研究に関心を持ち[2]、研究室は公衆衛生学教室を選択した[2]。学部生の頃より薬学者の吉成浩一の論文を参考にしていたが[2]、のちに吉成の主宰する研究室に講師として所属することになる[2][10]。東邦大学大学院薬学研究科に在籍していた頃は、生体外異物などの解毒や生理機能攪乱による有害作用に受容体型転写因子が関与していることから[2]、その分子機構について研究していた[2]

「異物応答に関与する転写因子の構造と機能に関する研究」[3][14]が評価され、日本薬学会環境・衛生部会賞が授与された[3][14]

学術団体としては、日本薬学会日本癌学会日本生化学会日本分子生物学会、日本毒性学会、日本薬物動態学会、などに所属していた。

略歴

[編集]

賞歴

[編集]

脚注

[編集]

註釈

[編集]
  1. ^ 東邦大学薬学部衛生薬学科は、2006年4月より募集停止となった[6]

出典

[編集]
  1. ^ a b 「専門分野」『静岡県立大学教員データベース|静岡県公立大学法人 静岡県立大学静岡県立大学。(ウェイバックマシンによるアーカイブ。)
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 菅野裕一朗「新任挨拶」『静薬学友会報』88号、静薬学友会、2020年10月1日、28頁。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n 講演者』。
  4. ^ a b c d e 「主な経歴」『静岡県立大学教員データベース|静岡県公立大学法人 静岡県立大学静岡県立大学。(ウェイバックマシンによるアーカイブ。)
  5. ^ a b c d e f g h 「学歴」『静岡県立大学教員データベース|静岡県公立大学法人 静岡県立大学静岡県立大学。(ウェイバックマシンによるアーカイブ。)
  6. ^ 東邦大学『大学基礎データ』2007年5月1日、1頁。
  7. ^ a b 「書誌事項」『CiNii 博士論文 - 核内レセプターConstitutive androstane receptorのシャトル機能に関する研究国立情報学研究所
  8. ^ 学位授与番号甲第522号。
  9. ^ a b c d 「教員情報詳細」『静岡県立大学教員データベース|静岡県公立大学法人 静岡県立大学静岡県立大学。(ウェイバックマシンによるアーカイブ。)
  10. ^ a b 「スタッフ」『静岡県立大学薬学部衛生分子毒性学分野静岡県立大学薬学部衛生分子毒性学分野。(ウェイバックマシンによるアーカイブ。)
  11. ^ a b 「菅野裕一朗先生の訃報について」『静薬学友会静薬学友会、2022年10月31日。
  12. ^ 「菅野裕一郎先生の訃報について」『静岡県立大学薬学部衛生分子毒性学分野静岡県立大学薬学部衛生分子毒性学分野
  13. ^ a b c 「主要研究テーマ」『静岡県立大学教員データベース|静岡県公立大学法人 静岡県立大学静岡県立大学。(ウェイバックマシンによるアーカイブ。)
  14. ^ a b c 「平成19年度の受賞者(第5回)」『日本薬学会 環境・衛生部会ホームページ日本薬学会環境・衛生部会

関連人物

[編集]

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]
  • 菅野 裕一朗 - researchmap
  • 菅野 裕一朗 - J-GLOBAL
  • Yuichiro Kannoの出版物 - ResearchGate
  • 菅野 裕一朗 - KAKEN 科学研究費助成事業データベース
  • 論文一覧(KAKEN
  • 日本の研究.com:124874
  • 静岡県立大学 薬学部 衛生分子毒性学分野 - ウェイバックマシン(2021年11月6日アーカイブ分)(菅野が静岡県立大学にて所属した研究室の公式ウェブサイト)