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台湾総督府土木局

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
総督府土木部

台湾総督府土木局(たいわんそうとくふどぼくきょく)は、台湾総督府に置かれた内部部局。土木、建築等の担当部門である。本項では外局(台湾総督府所属官署)として設置された土木部、1942年(昭和17年)に内務局などを再編して新設された国土局にも触れる。

概要

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1896年(明治29年)5月、台湾総督府民政局臨時土木部が設置された。これが土木局の嚆矢であるが、1897年(明治30年)11月に廃止された。

1901年(明治34年)11月、民政部土木局が設置された。1909年(明治42年)10月、土木局を廃止し、新に総督府所属官署である土木部を設置した。

1911年(明治44年)10月、土木部を廃止し、民政部に土木局を設置。1924年(大正13年)12月、土木局を廃止。

1942年(昭和17年)11月、組織機構の改編により国土局を設置したが、1943年(昭和18年)12月に廃止された。

沿革

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  • 1895年(明治28年)
    • 5月 - 台湾総督府民政局に内務部を設置。土木課を置く[1]
  • 1896年(明治29年)5月 - 民政局に臨時土木部を設置し[2]、庶務課、土木課、建築課を置く。
  • 1897年(明治30年)11月 - 臨時土木部が廃止され[3]財務局に土木課を置く。
  • 1898年(明治31年)6月 - 財務局が廃止され、民政局を改編した民政部に土木課を置く。
  • 1901年(明治34年)11月 - 民政部に土木局を設置[4]。土木課、営繕課、経理課を置く。
  • 1907年(明治40年) - 土木課、営繕課、経理課、臨時水道課の四課となる。
  • 1908年(明治41年)
    • 4月 - 土木課、営繕課、経理課、臨時水道課、水利課の五課となる。
    • 7月 - 臨時台湾工事部が設置され[5]、土木局から水利課を移管し、他に、総務課、築港課、電気課、経理課を置く。部長は民政局長、次長は土木局長がそれぞれ兼務し、基隆・打狗の築港、灌漑・排水、電気事業、水力利用を担当した。
  • 1909年(明治42年)10月 - 土木局と臨時台湾工事部を廃止し、新に総督府所属官署である土木部を設置[6]し、庶務課、工務課、営繕課を置く。部長は民政長官が兼務し、土木、築港、灌漑・排水、営繕、電気事業、水力利用を担当した。
  • 1911年(明治44年)10月 - 民政部に土木局を設置[7]し、庶務課、土木課、営繕課を置く。また同時に土木部を廃止して、臨時台湾総督府工事部を設置し、築港、灌漑・排水、総督指定工事を担当させた[8]
  • 1919年(大正8年)
    • 5月 - 臨時台湾総督府工事部を廃止[9]
    • 8月 - 民政部が廃止され、台湾総督府土木局となる[10]
  • 1920年(大正9年)9月 - 庶務課、土木課、港湾課、営繕課の四課となる。
  • 1924年(大正13年)12月 - 土木局を廃止[11]。業務の一部を新設の交通局に移管し、内務局土木課を置く。
  • 1942年(昭和17年)11月 - 組織機構の改編により国土局が設置され[12]、総務課、電力課、道路課、土木課を置く。
  • 1943年(昭和18年)12月 - 行政機構の整理により国土局を廃止し[13]、その業務の一部を新設の鉱工局に移管し、総務課、工業課、労政課、鉱務課、電力課、土木課を置く。

歴代局長・部長

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土木局長・土木部長

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氏名 在任期間 備考
台湾総督府民政局臨時土木部長
山口宗義 1896年4月18日 - 1896年8月17日 心得
高津慎 1896年8月17日 - 1897年6月23日
高津慎 1897年6月23日 - 11月1日 兼務。1897.11.1以降、土木課長
(1897.11.1臨時土木部廃止)
台湾総督府民政部土木局長
高橋辰次郎 1901年11月11日 - 1902年2月28日 心得
長尾半平 1902年2月28日 - 1909年10月25日 心得
台湾総督府土木部長
大島久満次 1909年10月25日 - 1910年7月22日 民政長官兼任
宮尾舜治 1910年7月22日 - 1910年8月22日 民政長官事務取扱
内田嘉吉 1910年8月22日 - 1911年10月16日 民政長官兼任
台湾総督府民政部土木局長
内田嘉吉 1911年10月16日 - 1912年1月4日 事務取扱
高橋辰次郎 1912年1月4日 - 1915年3月20日 心得
角源泉 1915年3月20日 - 1919年5月21日
相賀照郷 1919年5月21日 - 1919年8月20日
台湾総督府土木局長
相賀照郷 1919年8月20日 - 1920年9月1日
山形要助 1920年9月1日 - 1921年10月8日
相賀照郷 1921年10月8日 - 1922年11月27日 心得
相賀照郷 1922年11月27日 - 1924年10月2日 心得
木下信 1924年10月2日 - 1924年12月23日 兼務
武藤針五郎 1924年12月23日 - 1924年12月25日

国土局長

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氏名 在任期間 備考
斎藤樹 1942年11月1日 - 1943年3月29日 事務取扱
奥田達郎 1943年3月29日 - 1943年11月23日
欠員 1943年11月23日 - 1943年12月1日

脚注

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  1. ^ 台湾総督府仮条例(明治28年5月21日)
  2. ^ 台湾総督府民政局臨時土木部官制(明治29年5月4日勅令第169号)
  3. ^ 台湾総督府官制(明治30年10月21日勅令第362号)
  4. ^ 台湾総督府官制中改正ノ件(明治34年11月11日勅令第201号)
  5. ^ 臨時台湾工事部官制(明治41年7月30日勅令第187号)
  6. ^ 台湾総督府官制中改正ノ件(明治42年10月25日勅令第270号)・台湾総督府土木部官制(明治42年10月25日勅令第271号)
  7. ^ 台湾総督府官制中改正ノ件(明治44年10月16日勅令第260号)
  8. ^ 臨時台湾総督府工事部官制(明治44年10月16日勅令第262号)
  9. ^ 水利及港湾ニ関スル事務ニ従事セシムル為台湾総督府ニ臨時職員増置ノ件(大正8年5月27日勅令第244号)
  10. ^ 台湾総督府官制中改正ノ件(大正8年8月20日勅令第393号)
  11. ^ 台湾総督府官制中改正ノ件(大正13年12月25日勅令第427号)
  12. ^ 行政簡素化及内外地行政一元化ノ実施ノ為ニスル台湾総督府官制中改正ノ件(昭和17年11月1日勅令第728号)
  13. ^ 行政機構整備実施ノ為ニスル台湾総督府官制中改正ノ件(昭和18年12月1日勅令第897号)

参考文献

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  • 台湾総督府編『台湾統治概要』明治百年史叢書、原書房、1973年(昭和20年刊の複製)。
  • 伊藤博文編『秘書類纂』台湾資料、明治百年史叢書、原書房、1970年(秘書類纂刊行会昭和11年刊の複製)。
  • 岡本真希子『植民地官僚の政治史 - 朝鮮・台湾総督府と帝国日本』三元社、2008年。
  • 秦郁彦編『日本官僚制総合事典:1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。