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職業訓練指導員

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

職業訓練指導員(しょくぎょうくんれんしどういん)は、公共職業訓練及び認定職業訓練において、訓練を担当する者をいう。その業務は、公共職業能力開発施設等において、職業のための技能や知識を指導したり、働く人々や産業界が求める教育訓練の内容を的確につかみ、キャリア形成に関する相談支援や教育訓練プログラムにまとめあげる事等である。根拠法は、職業能力開発促進法である。厚生労働省は、平成29年11月24日付けで、公的職業訓練などの指導員である職業訓練指導員の愛称・キャッチコピーを「テクノインストラクター ~技で未来を切り開く~」に決定したことを発表している。

職業訓練指導員の資格

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普通職業訓練の担当者

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原則として、普通職業訓練を担当する職業訓練指導員は、担当する訓練科に対応する職種の職業訓練指導員免許を受けた者でなければならない。例外として、(1)職業に必要な相当程度の技能や知識を持つ労働者に対して、その職業に必要な技能や知識を追加して習得させるための普通職業訓練の短期課程の訓練(向上訓練に相当)を担当する職業訓練指導員、及び、(2)普通職業訓練の教科につき、職業訓練指導員免許の資格要件を満たす者と同等以上の能力を持つ職業訓練指導員は、職業訓練指導員免許を必要としない。

高度職業訓練の担当者

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高度職業訓練を担当する職業訓練指導員は、職業訓練指導員免許を必要としない。しかし、高度職業訓練の専門課程(職業能力開発短期大学校職業能力開発大学校が設置)及び応用課程(職業能力開発大学校、職業能力開発総合大学校が設置)を担当する職業訓練指導員は、職業訓練指導員免許の資格要件を満たす者と同等以上の能力を持ち、かつ、相当程度の知識や技能を有する者でなければならない。具体的には、博士あるいは修士学位を有するもの、指導員訓練の応用研究課程や研究課程(共に職業能力開発総合大学校が設置)の修了者等である。なお、高度職業訓練の専門短期課程及び応用短期課程を担当する職業訓練指導員は、その限りではない。

職業訓練指導員免許証申請

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申請の条件

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2024年4月現在,職業訓練指導員免許の職種は123職種ある。以下の交付条件を満たす者からの申請により、都道府県知事より交付される(根拠法令:職業能力開発促進法第28条、職業能力開発促進法施行規則第39条、職業能力開発促進法施行規則 附則第9条、昭和44年労働省告示第38号「職業能力開発促進法施行規則に基づく職業訓練指導員免許を受けることができる者を定める告示」)。

  • 職業能力開発総合大学校の長期課程または専門課程の指導員訓練を修了した者
  • 都道府県の実施する職業訓練指導員試験の合格者
  • 上記と同等以上の能力を有すると認められる以下の者

職業訓練指導員試験

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都道府県で年1回行われる。試験内容は学科試験と実技試験に分かれている。学科試験には、全職種共通の「指導方法」と、職種別の「系基礎学科」及び「専攻学科」がある。実技試験も職種別に実施される。職業訓練指導員試験は平成12年度から各都道府県の自治事務に位置付けられているが、全国的に同一水準を保つために必要な指針を職業能力開発促進法施行規則、および職業訓練指導員試験実施要領(平成5年月20日能発第107号)等で国が示している。なお、「指導方法」以外の科目については試験を実施しないか、一部の学科のみ実施する都道府県も多い[1]

受験資格と試験免除

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受験するには、職種に関する学歴と実務経験必要年数を満たすことが要求される。また、一定の免許資格を所有することにより学科試験と実技試験が、職業訓練指導員免許を受けた者は当該免許職種に係る系基礎学科と同一の系基礎学科に限る学科試験と指導方法の試験が、指導方法の試験に合格した者は指導方法の試験が、それぞれ免除される。

受験資格と免除の範囲について、以下に主要な例を示す(詳しくは表[2]を参照)。

  • 免許職種に関する応用課程の高度職業訓練修了者:実務経験不要、「系基礎学科」と「専攻学科」を免除。
  • 免許職種に関する専門課程の高度職業訓練修了者:実務経験1年、「系基礎学科」と「専攻学科」を免除。
  • 免許職種に関する普通課程の普通職業訓練修了者:実務経験2年。
  • 免許職種に関する大学の学科卒業者:実務経験1年、「系基礎学科」と「専攻学科」を免除。
  • 免許職種に関する短大または高専の学科卒業者:実務経験2年、「系基礎学科」と「専攻学科」を免除。
  • 免許職種に関する高校の卒業者:実務経験5年。
  • 免許職種に関する専修学校(2年制又は3年制)の卒業者:実務経験3年又は2年。
  • 免許職種に関する技能検定1級又は単一等級合格者:実務経験不要、「実技」「系基礎学科」「専攻学科」を免除。免許職種と技能検定職種の対応は表[3]を参照。
  • 免許職種に関する技能検定2級合格者:実務経験不要、「実技」を免除。免許職種と技能検定職種の対応は表[3]を参照。
  • 他の法令による資格を有するもの(ボイラー技士建築物環境衛生管理技術者等):実務経験不要、免除科目は資格によって異なる。他の法令と免除の範囲については、表[4]を参照。

厚生労働大臣が指定する講習(48時間講習)

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講習は、都道府県毎に都道府県職業能力開発協会が実施している。実施回数や期間(日数)、日程、受講料等は都道府県により異なる。指導方法の講習科目は以下の通りである。

  1. 職業訓練原理
  2. 教科指導法
  3. 労働安全衛生
  4. 訓練生の心理
  5. 生活指導
  6. 関連法規
  7. 事例研究
  8. 確認テスト

職種

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脚注

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  1. ^ たとえば北海道(令和4年度)、埼玉県(令和5年度)、千葉県(令和4年度)、兵庫県(令和4年度)。
  2. ^ (別表1)職業訓練指導員試験の受験資格及び免除範囲(東京都産業労働局 雇用就業部 能力開発課)
  3. ^ a b (別表3)技能検定職種と免許職種の対応(東京都産業労働局 雇用就業部 能力開発課)
  4. ^ (別表2)他の法令による受験資格及び免除範囲(東京都産業労働局 雇用就業部 能力開発課)

関連項目

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外部リンク

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