経島
経島 | |
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日御碕の鳥見台から見た経島 | |
所在地 | 日本(島根県) |
所在海域 | 日本海 |
座標 | 北緯35度25分49秒 東経132度37分36秒 / 北緯35.43028度 東経132.62667度座標: 北緯35度25分49秒 東経132度37分36秒 / 北緯35.43028度 東経132.62667度 |
面積 | 約0.003 km² |
プロジェクト 地形 |
経島(ふみしま)は、島根県出雲市にある島。ウミネコの繁殖地として、国の天然記念物に指定されている。
概要
[編集]日御碕の南西の海岸の約100 メートル沖の日本海上にある無人島で、面積約3000平方メートル、海抜20 メートルで、大小二つの島から構成されている[1][2]。島は、柱状節理の石英角斑岩でできており、「経巻」を積み重ねたような形状から、経本を載せた文机のように見えるため、経島と呼ばれるようになったと伝えられている[3]。古文書などでは、「文島」や「日置島」とも記されていることがある[1]。
かつて島には、日御碕神社の天照大神を祀る日沈宮(ひしずみのみや・下の宮)があり、天暦2年(948年)に日御碕神社へ遷座している[4]。現在も日御碕神社の神域となっており境外社・経島神社があり、年に1度の神事に携わる神職などのほかは上陸が禁じられている[2]。
また島は、ウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定されている[1]。ウミネコは、主として海面近くのイワシや小魚を常食としている。周辺海域ではブリの一本釣りや、アワビ、サザエの採介漁業が行われているが[5]、ウミネコは、ブリに追われ海面に浮上したイワシを求めトリヤマをつくるが、これを目印に出漁する漁師にとって、島は大漁をもたらす大切な存在となっている[3]。ウミネコは、毎年11月下旬から冬にかけて約5000羽ものウミネコが飛来し、3月ころから産卵、孵化し、7月頃に島を離れ北へ飛び立つ[2]。
日御碕遊歩道上にある展望所・鳥見台から、経島を眺められる。
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経島にある経島神社
(展望所・鳥見台から撮影)
海底遺跡
[編集]海洋考古学専門家による調査は行われていないが、島の周囲の海中から「海底遺跡」と考えられる遺構が発見されている[6]。経島から海に入ると、玉砂利を敷いた参道や階段、亀の形をした石など、信仰活動に使われたと考えられる海底遺跡が広がる[6]。海底の遺跡に関する文献などは無いが、測量関係企業が、この周辺の地質に関する調査を行ったところ、この周辺に大きな断層があり、地滑りを起こした可能性があるとの結果が報告されている[7]。関連は不明だが、平安時代に編纂の歴史書「日本三代実録」に、元慶4年(880年)10月、出雲で地震があったと記されている[7]。
国の天然記念物
[編集]- 経島ウミネコ繁殖地 - 1922年(大正11年)3月8日指定[8]。
他のウミネコ繁殖地
[編集]関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c “経島 / しまね観光ナビ”. 公益社団法人 島根観光連盟. 2022年7月29日閲覧。
- ^ a b c 古厩正樹 (2017年1月22日). “荒波縫うウミネコの群れ 島根県出雲市の経島”. 産経フォト / 産経ニュース (産経新聞)
- ^ a b “経島”. 島根県農林水産部水産課. 2022年7月29日閲覧。
- ^ “日御碕神社のご紹介”. 出雲市市民文化部文化財課. 2022年7月29日閲覧。
- ^ “経島”. 公益社団法人 日本野鳥の会. 2022年7月29日閲覧。
- ^ a b “【動画】出雲・日御碕に眠る海底遺跡 ”. 産経新聞. 2022年7月29日閲覧。
- ^ a b “日御碕神社にまつわる知られざるヒミツ! 経島周辺の海域には海底遺跡が眠っている!? その真相を調査”. IZUMOZINE / 出雲市経済環境部産業政策課産業企画係. 2022年7月29日閲覧。
- ^ “経島ウミネコ繁殖地 / 史跡名勝天然記念物”. 国指定文化財等データベース / 文化庁. 2022年7月27日閲覧。
外部リンク
[編集]- 漁港漁村の歴史文化財産の紹介 - 島根県農林水産部水産課
- 日御碕 - 一般社団法人 出雲観光協会
- 出雲・日御碕に眠る海底遺跡 - 産経フォト / 産経新聞