米本義孝
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米本 義孝(よねもと よしたか、1941年〈昭和16年〉4月1日[1] - 2011年〈平成23年〉9月4日[2])は、日本の英文学者。専門はジェイムズ・ジョイス、T・S・エリオット、ビートルズ。
経歴・人物
[編集]1971年3月、立命館大学大学院修士課程修了、立命館大学助教授。1982年4月、信州大学教養部助教授。1988年、松本歯科大学非常勤講師(1989年まで)。1990年4月、大谷大学文学部英米文学教授(2005年3月まで)。2004年、立命館大学博士(文学)。2005年4月、安田女子大学文学部英語英米文学科教授(2011年3月まで)。
蕎麦についての造詣が深く、『季刊 新そば』誌上にエッセイ「そば、そば、そば」を不定期連載した(全9回)[3]。
2011年9月4日、肺炎のため死去[1]。
研究・教育
[編集]専門はジェイムズ・ジョイス、T.S.エリオットの研究。またビートルズを学問的研究対象とし、その詩の世界について論文を発表。信州大学にビートルズ研究会を創設し顧問を務めたり、市民向け講座を開講したこともある[4]。大学教育においても、洋楽を取り入れた講義を行なった[5]。
翻訳作業では学生との読書会での議論を重視した。読書会を通じて影響を受けた人物に、小野昌弘(免疫学者)[6]、小堀聡(経済史家)[7]らがいる。
著作
[編集]研究書
[編集]- 『言葉の芸術家 ジェイムズ・ジョイス──『ダブリンの人びと』研究』南雲堂、2003年
翻訳
[編集]注釈書
[編集]- 『An Encounter and Other Stories』(工藤好美と共編)南雲堂、1980年
- 『Grace and Other Stories』(工藤好美と共編)南雲堂、1983年
- 『読解『ユリシーズ』』(小田基編)、研究社出版、1996年
- 『ARABY and Other Stories』南雲堂、2000年
- 『読解『ユリシーズ』』下、研究社出版、2004年6月16日
主要論文
[編集]- 「ビートルズの詩の世界」1~2『英語青年』第124巻3~4号、1978年6~7月
- 「The Waste Landにおける内容と形式――タイピスト挿話を中心にして」日本英文学会『英文学研究』64巻第1号、1987年9月
- 「The Waste Landにおける喜劇性」日本英文学会『英文学研究』第72巻第2号、1996年1月
- 「ビートルズ再考」『Web英語青年』第155巻第5号、2009年8月
脚注
[編集]- ^ a b 『現代物故者事典2009~2011』(日外アソシエーツ、2012年)p.672
- ^ 村瀬順子「米本義孝先生を偲んで」(大谷大学同窓会『無盡燈』No.137、2012年9月、10頁)。
- ^ そば、そば、そば(9)続・はしごそば(『季刊 新そば』No.135、2009年11月)
- ^ ビートルズサウンドの魅力にせまる-音楽における異文化・同文化発見-
- ^ 音痴が音楽を教えて、なぜわるい!(「安田女子大学英文科便り」2007年4月)
- ^ 小野昌弘「科学を社会に伝える:『科学の翻訳家』の役割」2016年1月3日
- ^ 小堀聡『日本のエネルギー革命:資源小国の近現代』2010年、名古屋大学出版会、あとがき。
- ^ 『ダブリンの人びと』 あとがきのあとがき(『ちくま』2008年3月号)