篠崎狐
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篠崎狐(しのざきぎつね)は、江戸時代の奇談集『梅翁随筆』に登場する化け狐。
概要
[編集]武州篠崎村(現・東京都江戸川区篠崎[1])に、4匹の悪戯狐が住んでいた。
ある夏の日のこと。草原で狐たちが昼寝しているところへ、1人の行商人が通りかかった。商人は日頃の悪戯の仕返しとばかりに、大声で狐たちを脅かした。狐たちは飛び起き、慌てて駆け去っていった。
その日の夕方。行商人が知人宅に立ち寄ると、その家の女房が亡くなったとのことであった。家の主人は野辺送り(亡くなった人を埋葬地まで見送ること)に行くと言い、行商人に留守を預けて家を出て行った。
行商人がその家で主人の帰りを待っていたところ、女房の亡霊が現れ、行商人に噛み付いてきた。行商人は悲鳴を上げ、血を流しながら逃げ惑った。そこへ通りかかった農夫は、さてはあの悪戯狐に化かされたかと、行商人に水をひっかけたところ彼は正気に戻った。
反省した行商人は、あの狐たちが昼寝していた場所へ行き、小豆飯と油揚げを備えて謝ったということである。
脚注
[編集]- ^ 村上健司 編『日本妖怪大事典』角川書店〈Kwai books〉、2005年、167頁。ISBN 978-4-04-883926-6。
参考文献
[編集]- 著者不詳 著「梅翁随筆」、柴田宵曲 編『奇談異聞辞典』筑摩書房〈ちくま学芸文庫〉、2008年、310-311頁。ISBN 978-4-480-09162-8。