第301沿岸監視隊
第301沿岸監視隊 | |
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創設 | 1955年(昭和30年)12月1日 |
所属政体 | 日本 |
所属組織 | 陸上自衛隊 |
部隊編制単位 | 隊 |
兵科 | 情報科 |
兵種/任務 | 船舶監視 |
所在地 | 北海道 稚内市 |
編成地 | 札幌 |
上級単位 | 北部方面情報隊 |
第301沿岸監視隊(だいさんびゃくいちえんがんかんしたい、JGSDF 301st Coast Observation Unit)は、北海道稚内市の稚内分屯地に所在する北部方面情報隊隷下の情報科部隊。
概要
[編集]隊長は2等陸佐で稚内分屯地司令を兼務する[1]。自衛のために軽武装し、レーダーや光学機器などを活用して沿岸を航行する船舶の情報収集を主な任務とする陸上自衛隊の部隊。北海道稚内市の第301沿岸監視隊(約90人)はロシア・サハリンとの間の宗谷海峡を監視、礼文島の礼文分屯地にも派遣隊が駐屯する。
沿革
[編集]- 1955年(昭和30年)12月1日:札幌駐屯地において編成完結。
- 1956年(昭和31年)10月31日:稚内分屯地に移駐。
- 1968年(昭和43年)3月1日:礼文分屯地に派遣隊が編成完結。
- 1981年(昭和56年)11月1日:丸山レーダー運用開始(市内北東部宗谷岬側に位置)[2]。
- 2013年(平成25年)3月26日:北部方面隊直轄から新編の北部方面情報隊隷下に編合。
任務
[編集]国際海峡であり、ロシアと対峙する国境でもある宗谷海峡と周辺海域を航行する船舶の監視(実質的には国境監視任務)を主任務とする[3]。航空自衛隊の第18警戒隊と共に周辺自治体に対して災害派遣されることもある。任務の特性と部隊規模から戦闘行動は自衛戦闘程度に限定される。一般には国境警備隊的な部隊として誤認されている場合があるが任務的にも性質的にもそのような事実はない。宗谷総合振興局は第3普通科連隊の警備担任であり、第301沿岸監視隊の任務は航行する船舶の情報収集であり、海岸線における情報収集は情報保全隊の所掌であるので直接取り扱うことはない。
部隊編成
[編集]- 第301沿岸監視隊本部
- 隊本部班
- 情報班
- 通信器材班
- 派遣隊(礼文分屯地)
- 隊本部班
- 情報班
第301沿岸監視隊派遣隊
[編集]北海道礼文町の礼文分屯地に所在[4]しており、派遣隊長は3等陸佐で礼文分屯地司令を兼務する。編成は隊本部班と情報班のみである。編成当初の状況においては、監視レーダーの性能の限界から地図上で稚内分屯地から礼文島の陰となる海域の監視が不十分であり、編成の目的はこれを補完することにあった。現在は丸山レーダーを運用し全方向で監視が可能となったが、有事の際には電子戦によって本隊の監視能力が限定されることが予想されるので引き続き編成されている。
装備
[編集]- 9mm拳銃
- 89式5.56mm小銃
- 12.7mm重機関銃M2
- 1/2tトラック
- 1 1/2tトラック
- 3 1/2tトラック
- 1 1/2t救急車
- 人員輸送車(マイクロバス)
- 業務車1号
- リヤカー
- 除雪車
脚注
[編集]- ^ 但し、陸海空施設が混在し分屯地の管理・警備が海上自衛隊稚内基地分遣隊長の管轄となっている為、分屯地司令職務は陸上自衛隊における便宜上の職務である
- ^ “Sweet Heanven Photograph & Words. - 風景写真と壁紙”. www.sweet-heaven.jp. 2020年4月12日閲覧。
- ^ 陸上自衛隊パーフェクトガイド (2003-2004),P57,学習研究社,ISBN 4056032033
- ^ 派遣隊の名称について、通常、一つの部隊に複数の派遣隊が編成される場合は派遣先を部隊名に冠する。情報保全隊の派遣隊や警務隊の派遣隊や連絡班、基地通信中隊の派遣隊が好例である。このため、礼文島にのみ派遣されているので礼文派遣隊ではなく単に派遣隊と称される。
参考文献
[編集]- 『北部方面隊50年のあゆみ : 歩みつづけるつわものたちのきらめく記憶』(山藤印刷株式会社/編集,陸上自衛隊北部方面総監部/監修 2003)
関連項目
[編集]第302沿岸監視隊 / 与那国沿岸監視隊 / 北部方面移動監視隊 / 中部方面移動監視隊/ 西部方面移動監視隊