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基地システム通信部隊

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

基地システム通信部隊(きちシステムつうしんぶたい)とは、各自衛隊駐屯地(分屯地)、施設や基地などに所在する各部隊に対する各種通信手段の提供及び同組織の構成・維持・運営を主任務とする。

陸上自衛隊

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陸上自衛隊では構成・保守担任区分に応じ中央通信系と地方通信系に区分し、中央通信系の構成・維持・運営をシステム通信団隷下の中央基地システム通信隊が、地方通信系の構成・維持・運営を各方面システム通信群隷下の基地システム通信大隊がそれぞれ担任する。

方面システム通信群は隷下に1個の基地システム通信大隊を持つ。これは古くからあった基地通信大隊に、比較的新しい歴史のシステム管理隊を組み入れたものである。基地システム通信大隊はその隷下に1個の基地システム通信中隊(以前は方面総監部のある(よって方面通信群本部や基地通信大隊本部もある)駐屯地に中隊本部があった基地通信中隊であったもの)と、師団旅団の管内に合わせて置かれた2~4個の基地通信中隊(それぞれの師団・旅団司令部のある駐屯地に中隊本部があるもの)を持つ。北部、中部を除く基地システム通信中隊、及び全ての基地通信中隊は更に師団・旅団の担当区域内の駐屯地へ派遣隊を分派する。

これによって各駐屯地・分屯地の所在部隊に対する各種通信手段の提供及び同組織の構成・維持・運営を行わせる。方面通信群所属人員の約6~7割を占めており、常続不断の通信確保に従事する任務(交替制勤務)の特性から全隊員が同一駐屯地に集結することはない(但し、群や大隊によって競技会などが開催され、殆どの中隊・派遣隊から代表隊員が参集する機会はある)。

有事(各種出動・災害派遣等)の際には基地システム通信部隊が平素から構成・維持している回線に野外通信部隊が加入することで最大限の能力を発揮する。後方支援部隊であるが、その地位・重要性は第一線部隊のそれに何ら劣ることはない。

基地システム通信部隊(中央基地システム通信隊、基地システム通信大隊隷下の基地システム通信中隊・基地通信中隊)は、次の部隊からなる編合部隊である。詳細は通信科 (陸上自衛隊)の項を参照。

  • 隊本部及び本部付隊(中央基地システム通信隊のみ、基地システム通信中隊及び基地通信中隊は中隊本部
  • 信務電信隊(電報処理及び無線電信を担当)
  • 電話隊(有線通信を担当)
  • 搬送隊(多重通信及び衛星通信を担当)
  • システム運営隊(中央基地システム通信隊及び基地システム通信中隊のみ:諸職種混成)
  • ネットワーク運営隊(中央基地システム通信隊及び基地システム通信中隊のみ)
陸上自衛隊の通信区分と担任部隊の概要[1]
通信区分 陸上幕僚監部 方面隊 師団・旅団 連隊等
基地通信 中央基地システム通信隊 方面システム通信群/基地システム通信大隊
野外通信 中央野外通信群 方面システム通信群 師団通信大隊・旅団通信隊 連隊本部管理中隊通信小隊等

中央通信系

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地方通信系

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通常、方面システム通信群直轄部隊として運用され、方面隊に分散する駐・分屯地所在部隊等に対する通信組織の構成・維持・運営を担当する。

基地システム通信中隊は方面総監部所在駐屯地に、基地通信中隊本部はおおむね師団・旅団司令部所在駐屯地に駐屯している。大隊長は2等陸佐、中隊長は3等陸佐を基準として補職される。

海上自衛隊

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海上幕僚監部及び各地方総監部所在基地に「システム通信隊本部」を置き、そこからさらに数個の分遣隊を置いている。

航空自衛隊

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全国の各基地及び分屯基地管理業務を担当する部隊(基地業務群)内に、陸上自衛隊の基地システム通信部隊に準ずる部隊が編合されているが、航空自衛隊市ヶ谷基地防衛大臣直轄部隊である「航空システム通信隊」は、航空自衛隊の全基地の通信運営や統制を担っており、他の自衛隊との共同部隊である自衛隊指揮通信システム隊にも参加している。

脚注

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  1. ^ 『自衛隊装備年鑑 2006-2007』朝雲新聞、P126-127頁。ISBN 4-7509-1027-9 
  2. ^ 平成23年度末の徳島駐屯地開設に伴い在四国駐屯地間の通信組織を担当する部隊として312基通中隊から分離独立する形で新編
  3. ^ 前身は第1混成団隷下の第416基地通信隊(平成22年3月新編)

出典

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参考文献

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  • 「北部方面隊50周年のあゆみ」(資料提供・監修:陸上自衛隊北部方面総監部、編集・発行・印刷・製本:山藤印刷株式会社)