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移動店舗車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動銀行窓口車から転送)
移動金融車

移動店舗車(いどうてんぽしゃ)とは、主にトラックを改造して車内に金融機関の店舗機能を設置した車両である。(数例のバス改造もあり) 一般的には8ナンバー登録特種用途自動車で製造されているが、積載面積の関係で1ナンバー貨物自動車登録の車両も存在する。近年では、移動金融店舗車金融移動店舗車移動金融車登録商標)などとも呼ばれている。

目的

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交通が不便な地域や、管轄本支店から距離がある地域での営業活動を行う。1970年代は、店舗拡大が追いつかず、都市近郊の住宅団地における営業用に導入される事例が多かった。その後、都市部では金融機関の店舗や、コンビニエンスストア現金自動預け払い機(ATM)の普及により、導入する金融機関は減少した。

ところが、2011年の東日本大震災以降、 災害時の臨時店舗(BCP)や、高齢化に伴う人口減少、及び店舗統廃合の代替としての導入事例が増えている。直近では、農林中央金庫が費用を補助し農業協同組合JAバンク)への導入を進めているほか[1][2]地方銀行信用金庫信用組合等の地域金融機関への導入も加速している[3]

導入金融機関及び愛称

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【都市銀行・地方銀行・信用金庫・信用組合等】

【農協・漁協】

【その他】

2014年に閉店した茨城出張所・群馬支店等の窓口代替として導入。
過疎地の簡易郵便局閉鎖等に伴う代替措置として導入された移動郵便局。日本郵便が銀行代理店として運営する貯金窓口機能だけでなく、ゆうちょ銀行のATMを搭載している[17]

店舗統廃合に伴う代替利用及び災害時利用

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  • イオン銀行
    通常はイオンモールでの展開。熊本地震の際にはイオンモール熊本駐車場に派遣され展開された。また伊勢志摩サミットにも派遣された。
  • 静岡銀行
    無線通信機器及び、衛星通信機器を搭載。代替店舗としてだけでなく、万が一災害が発生した場合など、緊急時にも金融機能の提供が可能。
  • セブン銀行 - 「セブン銀行ATM移動車」
    東北地方太平洋沖地震の被災地支援にともない宮城県の一部のエリアに展開を始めた。
  • 東邦銀行「ふるさと・ふくしま号」[18]「とうほう・みんなの移動店舗」[19]
    東邦銀行の「ふるさと・ふくしま号」はATMと金融窓口機能を設置していた。
    2台目の「とうほう・みんなの移動店舗」も同様の機能を備え、口座開設・解約手続きや公共料金の支払いなどに対応する。
  • JA兵庫西 「にっしい号」
    2018年7月に発生した西日本豪雨で被災した岡山県倉敷市真備町にあるJA岡山西へ移動店舗車を派遣。貯金の払い出し等に対応。
  • JA尾道 
    2018年7月に発生した西日本豪雨で被災した広島県内のJA安芸に移動店舗車を派遣。利用者の支援を行った。
  • 仙台銀行
    東日本大震災で被災し、営業再開できない[注釈 1]店舗が本来所在している地域向けに週1-2回程度、臨時窓口として展開。

過去に保有していた金融機関

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以前過疎地での移動営業用として所有していたが、管轄地域に代理店を設置したため車両は廃止された。

通信回線は設置個所に別途電気とともに配線されたものを使用していた。

ギャラリー

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関連項目

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脚注

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注釈

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  1. ^ 仙台銀行の場合は、遠隔地に所在する支店にブランチインブランチを取る形で、支店業務自体は営業再開されているが、現地での営業はできないための処置。

出典

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  1. ^ “JAバンク 移動店舗を全国展開へ-農林中金”. 農業協同組合新聞. (2016年8月19日). http://www.jacom.or.jp/kinyu/news/2016/08/160819-30662.php 2017年9月17日閲覧。 
  2. ^ JAバンク自己改革における移動店舗の全国での導入について~移動店舗の巡回による、地域の皆さまへの金融サービスの提供を通じ、地域に貢献~』(プレスリリース)農林中央金庫、2016年8月17日https://www.nochubank.or.jp/news/news_release/2016/post-396.html2017年9月17日閲覧 
  3. ^ “地銀、移動店舗車が快走 静岡銀は来客2割増”. 日本経済新聞. (2017年8月29日). https://www.nikkei.com/article/DGXLASFB25H54_Y7A820C1EE9000/ 2017年9月17日閲覧。 
  4. ^ “「移動銀行」が攻めの営業!激戦区に乗り込み新規顧客を獲得”. 週刊ダイヤモンド編集部. (2018年3月31日). https://diamond.jp/articles/-/159393 2018年4月8日閲覧。 
  5. ^ “荘内銀行 移動店舗車を導入”. 荘内日報. (2017年12月17日). http://www.shonai-nippo.co.jp/cgi/ad/day.cgi?p=2017:12:17:8270 2017年12月30日閲覧。 
  6. ^ “滋賀銀のATM付き移動店舗、7月発車 口座開設も”. 日本経済新聞. (2018年3月21日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28396510Q8A320C1LKA000/ 2018年7月9日閲覧。 
  7. ^ “ATM搭載の移動店舗車 青森銀、7月から”. 日本経済新聞. (2018年2月27日). https://www.nikkei.com/article/DGKKZO27408560W8A220C1L01000/ 2018年4月8日閲覧。 
  8. ^ “群馬銀、移動店舗車を導入 支店の統合・移転を補完”. 日本経済新聞. (2019年2月26日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41776980W9A220C1L60000/ 2019年3月27日閲覧。 
  9. ^ 「移動店舗」の出店について』(pdf)(プレスリリース)みなと銀行、2013年3月25日http://www.minatobk.co.jp/topics/news/file/474/topics20130325.pdf2017年9月21日閲覧 
  10. ^ “ATM搭載の移動店舗車 西京銀、今秋にも導入”. 日本経済新聞. (2018年6月18日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31909490Y8A610C1LC0000/ 2018年7月9日閲覧。 
  11. ^ “「動く支店」ATM搭載の移動店舗車を導入 呉信金”. 日本経済新聞. (2019年12月11日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53226230R11C19A2LC0000/ 2020年3月1日閲覧。 
  12. ^ “ATM載せ店舗が走る ぐんまみらい信用組合が導入 夏にも稼働”. 上毛新聞. (2018年4月9日). https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/politics/44611 2018年7月9日閲覧。 
  13. ^ “大隅半島に移動店舗車 鹿児島興業信組”. 日本経済新聞. (2017年10月4日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21890720U7A001C1LX0000/ 2018年7月9日閲覧。 
  14. ^ “<いわでやま農協>移動金融店舗車スタート”. 河北新報. (2017年1月17日). http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201701/20170117_12001.html 2017年9月17日閲覧。 
  15. ^ “移動店舗車、神奈川県内を快走 買い物・預金引き出し”. 日本経済新聞. (2018年4月22日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29274370R10C18A4L82000/ 2018年7月9日閲覧。 
  16. ^ “JA北越後、移動店舗車を運行へ 店舗統廃合に対応”. 日本経済新聞. (2019年9月9日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49584410Z00C19A9L21000/ 2020年3月1日閲覧。 
  17. ^ 移動郵便局「ポスクル」
  18. ^ 移動ATM車「ふるさと・ふくしま号」の稼働開始並びにセレモニー開催について”. 東邦銀行 (2012年7月23日). 2016年9月4日閲覧。
  19. ^ 移動店舗車「とうほう・みんなの移動店舗」の営業開始およびオープニングセレモニーの開催について”. 東邦銀行 (2015年3月31日). 2016年9月4日閲覧。

外部リンク

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