コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

福山カップリング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
福山カップリング
名の由来 福山透
種類 カップリング反応
識別情報
Organic Chemistry Portal fukuyama-coupling チェック

福山カップリング(ふくやまカップリング)は、パラジウム触媒存在下でのチオエステルハロゲン化有機亜鉛とのカップリング反応である。反応生成物としてケトンが得られる。本反応は福山透らによって1998年に開発された[1]。本反応の利点は、高い化学選択性や穏和な反応条件、毒性の低い試薬の使用などである[2]

Fukuyama coupling
Fukuyama coupling

この方法の一つの利点は、反応がケトンで停止し、3級アルコールまで進行しないことである。加えて、このプロトコルはケトンや酢酸エステルスルフィド芳香族臭素化合物、塩素化合物、アルデヒドなどの官能基を許容する。

オリジナルの福山らの反応(1998年)
オリジナルの福山らの反応(1998年)

この反応は、ビオチン合成でも用いられた(反応はケトンまで進行しない)[3]

ビオチン全合成
ビオチン全合成

本反応は、概念的に関連する先行した福山還元に続いて開発された。

脚注

[編集]
  1. ^ Tokuyama, H.; Yokoshima, S.; Yamashita, T.; Fukuyama, T. (1998). “A novel ketone synthesis by a palladium-catalyzed reaction of thiol esters and organozinc reagents”. Tetrahedron Lett. 39 (20): 3189-3192. doi:10.1016/S0040-4039(98)00456-0. 
  2. ^ Yoshikazu Mori and Masahiko Seki (2007). "Synthesis of multi-functionalized ketones through the Fukuyama coupling reaction catalyzed by Pearlman's catalyst: Preparation of ethyl 6-oxotridecanoate". Organic Syntheses (英語). 84: 285–294.
  3. ^ Shimizu, T.; Seki, M. (2000). “Facile synthesis of (+)-biotin via Fukuyama coupling reaction”. Tetrahedron Lett. 41 (26): 5099-5101. doi:10.1016/S0040-4039(00)00781-4.