ドラゴンボール 神龍の謎
ジャンル | アクションアドベンチャー |
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対応機種 | ファミリーコンピュータ |
開発元 | トーセ |
発売元 | バンダイ |
シリーズ | ドラゴンボールシリーズ |
人数 | 1人 |
メディア | 2メガビットロムカセット[1] |
発売日 |
1986年11月27日[2] 1988年3月 1988年 |
売上本数 | 約120万本(出荷本数)[3] |
その他 |
型式: NES-DP-USA NES-B8-EEC |
『ドラゴンボール 神龍の謎』(ドラゴンボール シェンロンのなぞ)は、バンダイが発売したファミリーコンピュータ用ゲームソフト。
鳥山明原作の漫画・アニメ作品『ドラゴンボール』を題材とするアクションアドベンチャーゲームである。日本国外では『Dragon Power』という原作とは無関係の作品として発売された[4]。
ソフトの売上は120万本を記録し、後に様々なハードで移植版が発売された。
概要
[編集]『ドラゴンボール』のファミコン作品第1弾。日本以外に北米とフランスでNES版が発売しているが、商標などの関係でタイトルや登場人物などが別のものに差し替えられており『ドラゴンボール』とは無関係のゲームとなっている[4]。
プレイヤーは主人公である孫悟空を操作し、ドラゴンボールを7つ集めると現れる「神龍(シェンロン)」が叶えてくれるという願い事の謎に迫る[5]。
アニメ版で悟空がレッドリボン軍と戦っているあたりでリリースされた作品であるため、原作準拠のキャラクターはレッドリボン軍のメタリック軍曹あたりまでと中途半端であり、オリジナル要素がやや強い[6]。また、ゲーム中は時間経過で徐々に体力が減っていくが、運が悪いと回復アイテムが全く手に入らずそのままゲームオーバーになるなど、難易度は非常に高い[7][2]。ソフトの売上は120万本を記録しているが、その完成度の低さから『ドラゴンボール』を題材としたゲーム作品としては最も評価が低いとされている[6]。
ニンテンドーDS用ソフト『ドラゴンボールDS2 突撃!レッドリボン軍』(2010年)、ニンテンドー3DS用ソフト『バンダイナムコゲームスPRESENTS Jレジェンド列伝』(2013年)、ニンテンドークラシックミニ 週刊少年ジャンプ50周年記念バージョンに本作がそのまま収録された。また、ニンテンドーDS用ソフト『ドラゴンボール改 サイヤ人来襲』(2009年)にも本作のBGMがアレンジされて使われている。
テレビCMのナレーションは来宮良子が担当した。発売当時、ゲーム中の第1部6章(ステージ6)の最後に登場する神龍の写真を同封されたチラシに付いた応募券と一緒に封書で送ると「ドラゴンボールマル秘巻物攻略本」(第3部の巻き物型完全攻略本)が抽選で2000名にプレゼントされる「神龍を探せ!!」キャンペーンが実施された。
ゲーム内容
[編集]主人公の孫悟空を操作し、トップビュー方式のアクションマップ上を、敵キャラクターを倒しながら進んでいく。また、サイドビュー方式の謎解き部屋、バトル部屋も用意されている。
基本的にステージ最後のボスを倒せばステージクリアであるが、特定の敵キャラクターを倒さないと扉が開かない場所があるほか「奪われたドラゴンボールを全て集める」「鍵やニンジンなどのキーアイテムを全て回収する」など、決められた条件や目的を果たさないとボスと戦えないステージもある。
悟空の攻撃方法はパンチが基本となるが、特定のアイテムを手に入れることで後述する「如意棒」や「かめはめ波」などの攻撃が可能になる[7]。
- パワー(ライフポイント)
- 本作ではライフポイント制がとられており、本作では「パワー」と呼ばれる。スタート時は100で、最大は150だが条件を満たすと250となる。
- パワーは時間経過や敵の攻撃を受けることで減少し、ゼロになるとゲームオーバーだが、ホイポイカプセルにランダムで入っている回復アイテムを取れば増加させることができる。また、中には残りパワーにかかわらず一撃でゲームオーバーになる罠や攻撃もある。
- アイテム
- 敵キャラクターを倒すとホイポイカプセルを落とすことがあり、このカプセルに触れると中からアイテムが出現する。また、マップ上の所々にホイポイカプセルのある隠し部屋が用意されているが、隠し部屋ではカプセルから敵キャラクターが出現することもある。アイテムは下記の種類があり、取得することで様々な効果を発揮する。
- クエスチョン・ポイント
- スコアアイテム。プレイヤースコアが100 - 1000点増加する。
- パワー・フード
- 回復アイテム。取得することで骨付き肉は20ポイント、ケーキは100ポイント分、悟空のパワーが回復する。
- パンティ
- 取得することで一定時間、悟空の移動速度が速くなる。なお、パンツを取ると悟空の足が速くなるのは本作オリジナルの設定である[8]。
- NES版ではサンドイッチに変更されている[4]。
- 如意棒
- 取得することで通常攻撃のパンチが、より強力でリーチも長い「如意棒」に変化する。如意棒(黄)は通常の如意棒、如意棒(赤)は回転しながら如意棒を振り回す「棒術からまん棒[5]」が使用可能になる。また、説明書には如意棒を伸ばして「棒術からまん棒」が使用可能になる如意棒(緑)の存在が明かされているが、実際のゲームには収録されていない[7]。
- かめマーク
- 取得することで、必殺技の「かめはめ波」が使用可能になる。かめはめ波は遠くの敵も攻撃できる非常に強力な攻撃だが、使用できる回数に制限がある。かめマーク(黄)は通常のかめはめ波、かめマーク(赤)はスーパーかめはめ波が使用可能になり、さらに説明書には「パーフェクトかめはめ波」が使用可能になる、かめマーク(緑)の存在が明かされているが、実際はカプセルハウスで習得するようになっている[7]。
- 筋斗雲
- ワープアイテム。取得すると、そのステージの特定の地点に一瞬で移動する。設定上は亀仙人が悟空に譲ったもので、本来は自由に使用できるはずだが「悟空がどこかになくしてしまった」ため、使用に制限がある[5]。
- 会話シーン
- ステージ冒頭やクリア時、ボス戦の前などに、会話シーンが挿入されている。セレクトボタンで省略することが可能。
ステージ構成
[編集]大きく3つのパートに分かれる。1 - 6ステージは原作のジャンプ・コミックス第1巻・第2巻部分を基にしたストーリー「第1部 孫悟空と仲間たち」、7 - 10ステージは悟空が多林寺のカンフー大会に出場する「第2部 カンフー大会」、11 - 14ステージは謎の軍団・MB(エムビー)軍との戦いを描く「第3部 MB軍総攻撃」であり宇宙が舞台となっている。ステージ12以降は、ゲームオーバー時にコンティニューを選択すると、ステージ11からの再開する。
ステージ6とステージ14をクリアするとドラゴンボールが7つ揃って神龍が現れ、4つの願いのうちどれかをプレイヤーが選択することができる。ステージ11以降のオリジナルストーリーに登場するボスキャラクターの中には、「クリリアン」など、鳥山明が本作用に描き下ろしたものがある[7]。
- 第一部 孫悟空と仲間たち
- 其之一 亀仙人との出会い
- 其之二 ウーロン現る
- 其之三 砂漠の盗賊ヤムチャ
- 其之四 フライパン山の牛魔王
- 其之五 ウサギ団
- 其之六 ピラフ大王の野望
- 第二部 カンフー大会
- 其之七 カンフー大会一回戦
- 其之八 カンフー大会二回戦
- 其之九 カンフー大会準決勝
- 其之十 カンフー大会決勝
- 第三部 MB軍総攻撃
- 其之十一 兎人参化の復讐
- 其之十二 セブンアイランド
- 其之十三 ジャングル王ビンボ
- 其之十四 コンペイ塔
キャラクター
[編集]メインキャラクター
[編集]- 孫悟空
- 主人公兼プレイヤーキャラクター。
- 力は強いがまだまだ修行中の身で、食べ物を取り続けないとすぐにお腹がすいてパワーが尽きてしまう[5]。
- NES版では「GOKU」という猿のような外見のキャラクターに変更されている[4]。
- ブルマ
- 悟空の仲間の女性。イベントシーンで登場。
- NES版では外見上の変更はないが[4]、名前が「Nora」になっている。
- 亀仙人
- スケベな一面を持つ武術の達人。イベントシーンで登場。
- NES版では「Hermit(世捨て人)」という白髪にローブ姿の老人になっており、サンドイッチが大好きなキャラクターに変更されている[4]。
敵キャラクター
[編集]- ステージ1
- ステージ2
-
- ハンマーマン
- ウーロンが雇ったボディーガード。ハンマーで攻撃してくる。
- トラップ
- トゲの付いた罠。フロアの出入口などに設置されており、左右から挟んでくる。
- ファイアージャンプ
- 行く手を邪魔するメカ。弾を撃ってくるタイプも存在する。
- ホイポイベア
- リトルベアと同種のクマ。ホイポイカプセルを投げてファイアージャンプを出現させる。
- ファイアー
- 行く手を邪魔する炎。
- 謎の人形
- 村の家の中にある動かない人形。たたくと中から意地悪っ子[注 1]、村娘、ウーロンのどれかが出てくる。
- 意地悪っ子(おばあさん)は耐久力が高く、ハートを飛ばしながら迫って来る。逆に村娘は耐久力が低く、「キャー」と叫びながら逃げる。
- ウーロン
- 変身能力を使って村人を困らせている妖怪。謎の人形の中に隠れている。計4回見つけるだけでクリアであり、戦わなくてもよい。
- ステージ3
- ステージ4
-
- ボンバープテラノドン
- 空を飛んでいる翼竜。上方向に移動しながら爆弾を落としてくる。
- イーダーテン
- 猛スピードで駆け回る敵。体当たりをしてくる。
- チチ
- 牛魔王のひとり娘。原作と異なり悟空と戦うことになる。ビームで攻撃してくる。2回登場する。
牛魔王 ()- ステージ4のボス。フライパン山の城の主であり、原作と異なり悟空と戦うことになる。オノを投げてくる。
- ステージ5
-
- ウサギ団員
- ウサギ団の一番下っ端。跳ねながら体当たりしてくる。
- マシンガンマンジョー
- ウサギ団の子分。兎人参化を追う悟空を妨害する他、ウサギ団の隠れ家に入るために必要なニンジンを守っている。
- オテダマン
- ハンマーマンの親戚。ハンマーで攻撃してくる。
兎人参化 ()- ステージ5のボス。ウサギ団を率いており、さわった人間をニンジンに変える力を持っている。倒すには如意棒が必要。
- ステージ6
- ステージ7
-
白帯 ()- カンフー道場「多林寺」で一番ランクが低い敵。道場の扉を守っている。
- クリリン
- ステージ7のボス。カンフー大会第1回戦の相手。飛び蹴りを使用する。
- ステージ8
-
茶帯 ()- カンフー道場を守る敵。棒で攻撃してくる。
- メタリック軍曹
- ステージ8のボス。カンフー大会第2回戦の相手。ミサイル攻撃とロケットパンチを使用する。
- ステージ9
-
黒帯 ()- カンフー道場を守る敵。狼の姿をしており、素早い動きをする。
- ヤムチャ
- ステージ9のボス。カンフー大会準決勝の相手。以前と同様に狼牙風風拳を使用する。
- ステージ10
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赤帯 ()- カンフー道場を守る敵。狼の姿をしており、棒で攻撃してくる。
- 怪物ブヨン
- ステージ10のボス。カンフー大会決勝の相手。壁を破壊して寒さで凍らせないと勝てない。
- ステージ11
-
イン石 ()- 上空から落下してくる隕石。
黒オクトマン ()- 別名MB(エムビー)1型。タコのような姿のロボット。月面に登場する。
青オクトマン ()- 黒オクトマンの色違い。基地面に登場する。
- エムボット
- 正式名はMBOT(エムボット)1号。悟空が近づくとパンチ攻撃してくる。
- 電磁バリア
- 行く手を邪魔するトラップ。2 - 3秒おきに電気を放電する。
- クリリアン
- ステージ11の中ボス。宇宙一の殺し屋であり、4本腕の宇宙人。4本の内の2本の腕をブーメランのように飛ばしてくる。
- 鳥山明のイラストではヤリとヌンチャクを持っているが、ゲーム上では無くなっている。
- 兎人参化
- ステージ11のボス。悟空によって月に送られていたが復活し、クリリアンを差し向けてくる。直接対決では以前と同様に如意棒が必要となる。
- ステージ12
-
- バブラー
- ステージ12の中ボス。2体で登場し、泡を飛ばしてくる。上に乗ることができ、倒さず飛び越すことでもクリアができる。
- ステージ13
-
- ウンチ
- 行く手を邪魔するウンチ。
- ジャングル王ビンボ
- ステージ13のボス。ドラゴンボールの持ち主。ツタからツタへと移動し矢を放ってくる。
- ステージ14
移植版
[編集]No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 売上本数 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ドラゴンボールDS2 突撃!レッドリボン軍 | 2010年2月11日 2010年6月22日 2010年7月2日 |
ニンテンドーDS | ゲームリパブリック | バンナム | DSカード | - | - | |
2 | バンダイナムコゲームスPRESENTS Jレジェンド列伝 | 2013年11月7日 |
ニンテンドー3DS | ゴッチテクノロジー リズ |
バンナム | 3DSカード | CTR-P-BNGJ (JPN) | - |
評価
[編集]評価 | ||||||
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|
ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り21.19点(満30点)となっている[1]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 3.15 | 3.15 | 3.64 | 3.96 | 3.75 | 3.54 | 21.19 |
関連書籍
[編集]- 攻略本
- ジャンプコミックスセレクション ファミコン神拳奥義大全書 巻の三 - 集英社、1986年12月15日、ISBN 4-8342-1053-7
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 攻略本ではこのほかに「おばあさん」とも呼ばれている。
出典
[編集]- ^ a b c 「5月10日号特別付録 ファミコンロムカセット オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店、1991年5月10日、53頁。
- ^ a b マイウェイ出版『死ぬ前にクリアしたい200の無理ゲー ファミコン&スーファミ』 (ISBN 9784865119855、2018年10月10日発行)、24ページ
- ^ 超史集 2016, pp. 216, 「DRAGON BALL スーパーデータ DRAGON BALL VIDEO GAME DATA」
- ^ a b c d e f “海外のファミコン「NES」は色々な意味ですごい。「女子パンツがサンドウィッチに!? DRAGON POWER ドラゴンボール(の海外版)」編 (第33回)”. startt.jp. 2019年10月24日閲覧。
- ^ a b c d “ニンテンドークラシックミニ 週刊少年ジャンプ50周年記念バージョン ゲーム・マテリアルおよび説明書(PDF)より”. 任天堂. 2019年10月14日閲覧。
- ^ a b マイウェイ出版『ファミコンクソゲー番付』2017年1月25日、p100-101
- ^ a b c d e M.B.MOOK『懐かしファミコンパーフェクトガイド』29ページ
- ^ “バンダイナムコゲームスPRESENTS Jレジェンド列伝・公式サイト ゲームカタログ”. バンダイナムコゲームス. 2019年10月15日閲覧。
- ^ 『BIRD LAND PRESS 22』1986年、19頁。
- ^ Vジャンプ特別編集 2018年8月号増刊『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ 週刊少年ジャンプ創刊50周年記念バージョン 世界最速クリアガイド』集英社、2018年7月6日、27頁。
参考文献
[編集]- ジャンプコミックスセレクション ドラゴンボール 大魔王復活 必勝!!奥義の書!! - 集英社、1988年8月15日、ISBN 4-8342-1069-3
- Vジャンプ編集部 編『30th Anniversary ドラゴンボール超史集』集英社〈愛蔵版コミックス〉、2016年1月26日。ISBN 978-4-08-792505-0。
外部リンク
[編集]- 移植版関連サイト
- Dragon Power - MobyGames