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神傳實用流

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
神傳實用流
しんでんじつようりゅう
別名 神伝実用流
発生国 日本の旗 日本
発生年 江戸時代
創始者 了心醉月翁
根来獨身斎重明
中興の祖 藤原獻次興親
源流 真妙流
主要技術 柔術
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神傳實用流(しんでんじつようりゅう)とは、柔術の流派である。

歴史

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藤原獻次興親(藤原献次)が真妙流から開いた流派である。

真妙流の流祖は根来獨身斎重明である。根来は天心獨明流の祖でもあった。羽客了心醉月翁から根来獨身斎重明に伝わったものであるとされている。北條數馬時吉(竹鳳軒 北條退山)は江戸に道場を開き数多くの門人を育てた。藤原獻次は北條の門人の遠藤貞八郎から真妙流と天心独明流を学んだ。

藤原の弟子の花房厳雄義制(1809-1855)は、京都伏見宮家に仕えていた天心獨明流の剣術家である。

花房の門人の長尾勇は、1850年頃(嘉永年間)に大阪で神伝実用流を教えていた[1]

甲賀にも伝わった。

同系統の流派に京都等で学ばれていた神伝不動流があり、ほぼ同じ内容を伝えていた。

内容

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神傳実用流の目録[2]

足返、鏡取、胸取、胸落、草摺、投捨、錣返、後抱、翼執、海老返、夢枕、両手抜、車返、絹被
中段
合引、體月、片輪車、前懸、袖之下、前緉、行逢、臂罩返、翼取、後懸、足手抜、兜返、源氏車、襟、當落
替仝断
後胸、片手緉、車緉、取違、裸緉、張弓、絞緉、関桁緉、襟車、右緉、左緉、山蔭之緉
腰之廻
足薙、鎌留、柄捌、捻外、奏者、柄取、鎌返、山荒、人中之當抜、引立、両柄、浪影
無刀取
草摺、合引緉、錣返、左抜、右抜、飛違、鷲之曲、妻手抜、月之當、影之當、天狗倒、天狗投
拳法
袖摺、引出、朽木倒、荒浪、虎乱入、乱曲、円相、一文字、簾巴、涌出、鷲抓、二光當
扇子取
上段、中段、下段、右剣、左剣、袈裟車
鉄鎖
巻落、摺下、忍返、坂落、乱剣、龍返
積功

系譜

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複数の系統があったと考えられるが、例として一部を示す。

伝書では真妙流から書かれる。系譜は下記の通りである。

  • 了心醉月翁
  • 根来獨身斎重明
  • 根来八九郎重道
  • 根来久太夫重信
  • 押田亀右衛門尉重正
  • 柴田平左衛門尉正道
  • 北條數馬時吉(竹鳳軒 北條退山)
  • 遠藤泰鳳軒祐泰(遠藤貞八郎)
  • 藤原獻次興親(神傳實用流を開く)
  • 花房龍司義制[3](1809-1855)
  • 長尾勇 師古(大阪住)
  • 西亭勇治清原吉栄

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  1. ^ 『渡辺一郎先生自筆 近世武術史研究資料集』p323 嘉永四年に西亭勇治が天神真楊流と試合をしている。
  2. ^ 『小佐野淳「柔術史異聞第十回 天心独名流の末流柔術 謎の神傳實用流をかいまみる」 『和儀 弐拾五號』(編者・平上信行 発行・和科學々會)
  3. ^ 天心獨明流の剣術家、花房厳雄義制(1809-1855)デジタル版 日本人名大辞典+Plus
    京都等で天心獨明流を教えていた。天心獨名流の弟子に藤本鉄石がいる。

参考文献

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  • 上道郡教育会 編『上道郡誌』上道郡教育会、1922年
  • 花土文太郎 著『偉人藤本鉄石』遺風顕彰会、1933年
  • 小佐野淳「柔術史異聞第十回 天心独名流の末流柔術 謎の神傳實用流をかいまみる」
    『和儀 弐拾五號』(編者・平上信行 発行・和科學々會)
  • 渡辺一郎先生を偲ぶ会 編『渡辺一郎先生自筆 近世武術史研究資料集』前田印刷、2012年
  • 足立賢二 著『「古武道」伝承の歴史人類学的研究 ――モノ・ナマエ・ワザの過去と現代』言叢社、2022年

関連項目

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