矢取島
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矢取島 Yadori Island | |
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横山展望台から望む英虞湾の矢取島と御座岬 | |
所在地 | 日本(三重県志摩市浜島町浜島) |
所在海域 | 浜島港(英虞湾) |
座標 | 北緯34度17分28.1秒 東経136度45分55.1秒 / 北緯34.291139度 東経136.765306度 |
海岸線長 | 約0.2[1] km |
プロジェクト 地形 |
矢取島(やどりじま[1])は、三重県志摩市浜島町浜島458[2]にある無人島。豊玉姫を祀る那都珂志社(なつかししゃ)があったが、1907年(明治40年)9月16日に他7社とともに宇気比神社に合祀された。
浜島港の拡張工事により、突堤で本土と陸続きになった。
島名の由来
[編集]怪物を退治した彦火火出見命(ヒコホホデミノミコト)と龍宮から来た豊玉姫命が出会った島を「宿島」(やどりじま)と呼んだという伝承に由来するという[3]。
『日本書紀』の豊玉姫命伝説と同様に彦火火出見命は出産直後の豊玉姫命を見てしまう。正体が龍と知られてしまった豊玉姫命は子を残して龍宮へ帰ってしまったが、わが子への矢文を豊玉姫命がこの島へ届けたので矢取島と呼ばれるようになったともいう[4]。
地理
[編集]一般に「矢取島」と呼ばれるのは突堤で陸続きになった大矢取島である。付近には小矢取島が存在するほか、「渡瀬」と呼ばれる岩礁が見られる。大矢取島には植生が見られるが、小矢取島・渡瀬には見られない。
- どちらの矢取島も海食岸礁であり、干潮時は奇岩・奇礁が見られる[5]。
- 地質学的には中生代の地層である松尾層群に属し、砂岩・礫岩・泥岩等から構成される。特に小矢取島はマンガン鉄鉱床の露頭となっている[5]。
- 大矢取島は大潮の際に島を一周することができ[1]、突堤の左側(島の北東部)に礫の浜が現れる。それ以外は岩場である。
- 島には灯台が設置されていた。
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大矢取島
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小矢取島
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渡瀬
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大矢取島の黒い礫浜
生物群
[編集]磯にはカキ・カメノテ・ヒジキ・フジツボ・フノリなどが生息し、生物多様性に富む[1]。
浜島港灯台
[編集]矢取島の最高標高点付近に浜島港灯台(はまじまこうとうだい)が設置されている[6]。1955年(昭和30年)3月30日に初点灯し[6]、2010年(平成22年)9月に廃止された[7]。塔高は8.7m[8]。
現役時代は4秒に1度閃光を発し、光達距離は10海里であった[8]。2011年(平成23年)6月現在、灯台はそのまま残っている。干潮時に堤防の左側に現れる礫浜の右手にある小さな獣道を登ると灯台に達することができる。
交通
[編集]近鉄志摩線鵜方駅より三重交通バス宿浦行き乗車、「浜島」下車、徒歩25分。
脚注
[編集]- ^ a b c d 志摩市市長公室 編(2011):32ページ
- ^ 志摩市観光協会-浜島
- ^ 『浜島町◆とよたま姫ものがたり』(三重県)
- ^ 『矢取島と灯台』(伊勢志摩きらり千選)
- ^ a b 『浜島町史』(浜島町史編さん委員会、平成元年10月1日発行、8-13ページ)
- ^ a b 鯨望荘"春だ!!無人島へ冒険だ!"2008年3月15日(2011年6月4日閲覧。)
- ^ 伊勢志摩きらり千選実行グループ"伊勢志摩きらり千選/英虞湾の要所に立つ灯台"(2011年6月4日閲覧。)
- ^ a b 日本の灯台"浜島港灯台|日本の灯台"(2011年6月4日閲覧。)
参考文献
[編集]- 志摩市市長公室 編『広報しま 平成23年6月号』Vol.132、平成23年6月、32pp.