疑
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仏教用語 疑, ヴィチキッツァー | |
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パーリ語 | vicikicchā |
サンスクリット語 | विचिकित्सा (vicikitsā) |
チベット語 |
ཐེ་ཚོམ་ (Wylie: the tshom; THL: tétsom) |
中国語 | 疑 |
日本語 |
疑 (ローマ字: gi) |
英語 |
doubt indecision skepticism indecisive wavering |
クメール語 |
វិចិកិច្ឆា (UNGEGN: vichek-kech-chha) |
仏教用語の 疑 (ぎ)とは、パーリ語vicikicchāに由来し、「疑念」や「躊躇」といった意味を持つ。四諦の教えに対しての躊躇と定義され、健康な生き方への取り組みの妨げとして機能する[1][2] 。
疑は、以下として示されている。
- 禅定の妨げとなる五蓋のひとつ[3]
- 大乗仏教における煩悩心所のひとつ
- 上座部仏教における不善心所のひとつ
- パーリ経典における十結のひとつ[4]
- 説一切有部の五位七十五法のうち、(心所法-)不定法のひとつ[5]。
仏教の示す真理に対して思い定むることなく、まず疑ってかかる心である[3]。このような心をもつ限り、いかなる教えも自心は受け付けることはない。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 中村元『龍樹』講談社学術文庫、2002年。ISBN 4-06-159548-2。