コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

生方秀紀

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

生方 秀紀(うぶかた ひでのり、1948年 - )は、日本生態学者理学博士北海道大学)。北海道教育大学名誉教授。専門は昆虫生態学・自然環境教育[1]

経歴

[編集]

1948年群馬県生まれ。1966年群馬県立沼田高等学校卒業、1970年北海道大学理学部生物学科動物学専攻卒業。1975年同大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学。1975年日本学術振興会奨励研究員(北海道大学理学部)、1976年同大学理学部研究生[1][2]

1979年学位論文「Studies on population dynamics, behavior and territoriality of Cordulia aenea amurensis Selys(Odonata: Corduliidae)」(カラカネトンボの個体群動態、行動およびテリトリー制に関する研究)[3]で理学博士(北海道大学)、指導教員は坂上昭一[1]

1979年北海道教育大学助手、1981年講師、1985年助教授、1993年教授、1994年大学院修士課程研究指導担当(併任)、2013年同大学を定年退職、同大学名誉教授[1][4]

この間、1985年、イギリスリバプール大学客員研究員、2002年ブラジル、サンカルロス大学客員研究員。2008年には北海道教育大学釧路校ESD推進センター初代センター長に就任し、ESDプランナーの養成や資格認定に携わった[1]

2005-07年Worldwide Dragonfly Association(WDA: 世界トンボ協会)会長。このほか、日本理科教育学会、Societas Internationalis Odonatologica(SIO: 国際トンボ学会)、日本環境教育学会の理事を歴任。また、WDA、日本環境教育学会、日本科学教育学会、日本生物教育学会、日本昆虫学会日本トンボ学会の編集委員も歴任[1][5]

2017年正木進三らとの共著論文により日本昆虫学会論文賞を共同受賞[6]

定年退職後も、北海道教育大学(環境教育)、大正大学(環境教育、動物生態学)、日本大学(環境教育)で非常勤講師を務めたほか、現在も「トンボ自然史研究所[7]」(任意団体)の代表として、調査研究・知識啓発に携わっている[1]

著書

[編集]

単著

[編集]
  • 釧路湿原のトンボ』, 日本鳥類保護連盟釧路支部,1993.
  • “Kushiro Shitsugen Nature Guide: Dragonflies of Kushiro Shitsugen”, 日本鳥類保護連盟釧路支部,1993.

共著

[編集]
  • 『トンボの繁殖システムと社会構造』, 東 和敬・椿 宜高(共著),東海大学出版会,1987.

編著

[編集]
  • “A Guidebook for Science Teaching in Primary School“, Japan International Cooperation Agency / Hokkaido University of Education, / National Center for Educational Research and Development, Egypt,2006.3.

共編著

[編集]
  • “Proceedings of the International Symposium on the Conservation of Dragonflies and Their Habitats”, Corbet, P.S., Dunkle, S.W. eds. , 日本鳥類保護連盟釧路支部, 1995.
  • 『道東の昆虫』, 中谷正彦・一條信明 共編著, 釧路新書24巻, 1999.
  • 『ESD(持続可能な開発のための教育)をつくる―地域でひらく未来への教育』, 神田房行、大森享共編著, ミネルヴァ書房, 2010。
  • 環境教育』, 日本環境教育学会編, 教育出版, 2012.

共著(分担執筆)

[編集]
  • 『北海道大百科事典』、北海道新聞社, 1981.
  • “Animal Societies: Theories and Facts” . Ito,Y.,Brown,J.L. and Kikkawa,J., eds., Japan Sci.Soc.Press, Tokyo, 1987.
  • 『こどもと環境-しなやかな教科教育を求めて-』, 大津和子ほか編, 東京書籍, 1994.
  • 『阿寒国立公園の自然1993』, (財)前田一歩園財団, 1994.
  • 『日本動物百科8 昆虫 I 』, 平凡社, 1996.
  • 『温暖化に追われる生き物たち-生物多様性の視点から』, 築地書館, 1997.
  • “A Threat to Life: The Impact of Climate Change on Japan’s Biodiversity”, Domoto, A., Iwatsukiu, K., Kawamichi, T. and McNeely, J. (eds.) , IUCN and Tsukiji Shokan Press, 2000.
  • 『環境教育への招待』, 川島宗継、市川智史、今村光章、共編。ミネルヴァ書房, 2002.
  • "Glocal Environmental Education", Himiyama Y, Hindson J, Kanda F, Singh R B (eds.), Rawat Publisher, 2010
  • 『環境教育辞典』, 日本環境教育学会編、教育出版 2013
  • 『もっとも基礎的なことがもっとも役に立つ 生態学者・伊藤嘉昭伝』, 辻 和希編, 海游舎, 2017.
  • 『図説日本の湿地 ―人と自然と多様な水辺―』, 日本湿地学会監修, 朝倉書店, 2017.

監修

[編集]
  • 『釧路の昆虫』, 釧路市立博物館解説シリーズ, 土屋慶丞著, 釧路市立博物館, 2017.3.

共監訳

[編集]
  • 『トンボ博物学-行動と生態の多様性-』, 椿 宜高・生方秀紀・上田哲行・東 和敬(監訳), 海游舎, 2007. [原書:Corbet, P.S. (1999) “Dragonflies: Behavior and Ecology of Odonata”, Cornell University Press].

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d e f g 生方秀紀”. トンボ自然史研究所. 2020.2.10.閲覧。
  2. ^ 温暖化に追われる生き物たち”. 築地書館ウェブサイト. 2022年4月20日閲覧。
  3. ^ 生方秀紀「Studies on population dynamicsbehavior, territoriality of Cordulia aenea amurensis Selys (Odonata : Corduliidae) カラカネトンボCordulia aenea amurensis<蜻蛉目、エゾトンボ科>の個体群動態、行動およびテリトリー制に関する研究」北海道大学 理学博士, 乙第1855号、1979年、NAID 500000282297 
  4. ^ 【博物館】2013いきもの講演会|釧路市立博物館”. www.city.kushiro.lg.jp. 2020年2月10日閲覧。
  5. ^ 生方 秀紀 | 研究者情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター”. jglobal.jst.go.jp. 2020年2月10日閲覧。
  6. ^ 受賞者 論文賞 2017年度”. 日本昆虫学会. 2020.2.10.閲覧。
  7. ^ トンボ自然史研究所

外部リンク

[編集]