コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

甘南備伊香

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 
甘南備伊香
時代 奈良時代
生誕 不明
死没 不明
改名 伊香王→甘南備伊香
別名 伊吉
官位 正五位上越中守
主君 孝謙天皇淳仁天皇称徳天皇光仁天皇
氏族 甘南備真人
高城王、池上王
テンプレートを表示

甘南備 伊香(かんなび の いかご)は、奈良時代皇族貴族歌人。名は伊吉とも記される。始め伊香王を称すが臣籍降下甘南備真人姓)。官位正五位上越中守

経歴

[編集]

聖武朝末の天平18年(746年无位から従五位下直叙され、雅楽頭に任ぜられる。

天平勝宝元年(749年孝謙天皇即位に伴って従五位上に昇叙される。天平勝宝3年(751年)子息の高城王・池上王と共に甘南備真人姓を与えられて臣籍降下する。孝謙朝末に大蔵大輔を務め、任期中の天平宝字元年(757年)12月に大監物三形王邸、天平宝字2年(758年) 2月に式部大輔中臣清麻呂邸でそれぞれ開催された宴で詠んだ和歌が『万葉集』に採録されている。

淳仁朝では宮内大輔を経て、美作守備前守中国地方の地方官を務めたのち、天平宝字8年(764年)正月に主税頭として京官に復す。同年9月に発生した藤原仲麻呂の乱における賞罰の形跡がないことから、乱には関与しなかったか。称徳朝の神護景雲2年(768年越中守と再び地方官に転じた。

宝亀3年(772年)23年ぶりに昇叙されて正五位下になると、宝亀8年(777年)正五位上と光仁朝では昇進を果たしている。

人物

[編集]

万葉歌人として『万葉集』に和歌作品4首が採録されている[1]大伴家持市原王大原今城らと親交があった[2]

官歴

[編集]

続日本紀』による。

系譜

[編集]
  • 父:不詳
  • 母:不詳
  • 生母不明の子女
    • 男子:高城王[6]
    • 男子:池上王[6]

脚注

[編集]
  1. ^ 『万葉集』20-4489,4502,4510,4513
  2. ^ 坂本,平野[1990: 59]
  3. ^ 『万葉集』20-4489
  4. ^ 『万葉集』20-4502,4510,4513
  5. ^ 『大日本古文書(編年文書)』15巻131頁
  6. ^ a b 『続日本紀』天平勝宝3年10月7日条

参考文献

[編集]