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王将 (戯曲)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

王将』(おうしょう)は、北條秀司作の戯曲。三部構成となっている。新国劇のために書き下ろされた。大阪在住の将棋棋士・坂田三吉の生涯を描く。

新国劇版の主演はいずれも辰巳柳太郎。『王将』の企画はそもそも、辰巳柳太郎が主演の前提で、辰巳から北條にもちこまれたものだった[1]北條秀司は演出も担当していた[2]。また、三部まとめて上演された際は「王将 一代」と題されていた[3]

舞台では他に緒形拳植木等笑福亭鶴瓶板尾創路笠原章福田転球らが坂田を演じている。辰巳柳太郎版の『王将』で、少女時代の戸川純が坂田の娘役を演じたこともある。

映画化もたびたびされ、1948年阪東妻三郎主演、1955年には辰巳柳太郎、1962年/1963年には三國連太郎、1973年に勝新太郎で映画化された。テレビドラマでは、森繁久弥間寛平らが坂田を演じている。

文楽で人形芝居になったこともある[4]

第一部

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  • 1947年6月4日、有楽座にて初演。
  • 雑誌「日本演劇」1947年8月号に掲載された[5]
  • 時代は明治39年から大正10年
  • 坂田三吉の、関根金次郎との初対戦から、関根の名人襲位(1921年(大正10年))、同年の坂田の妻・小春の死までを描く。
  • 主要登場人物
    • 坂田三吉、小春(妻)、玉江(長女)、義夫(長男)、新吉(友達)、菊岡博士(眼科医)、金杉子爵、宮田(後援者)、関根名人

第二部

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  • 表題は「続王将」
  • 1950年1月大阪歌舞伎座にて初演された。
  • 時代は大正13年から昭和11年
  • 坂田三吉の、関西名人襲位(史実では1925年(大正14年))から、木村義雄花田長太郎との対決(史実では昭和12年(1937年))までを描く。
  • 主要登場人物
    • 坂田三吉、まさ(後妻)、玉江(長女)、君子(次女)、松島(弟子)、森川(弟子)、宮田(後援者)、岡野(後援者)、白川(後援者)、金杉子爵(後援会長)、菊岡博士(眼科医)

第三部

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  • 表題は「王将 終篇」
  • 1950年12月京都南座にて初演された[6]
  • 時代は昭和13年から昭和21年
  • 第二期名人戦リーグの最中で、関が原周辺の鉄道事故のため、東海道本線がとまっている大垣駅から話がはじまり、三吉の死去までを描く。
  • 坂田の実人生とは異なる内容となっている(「第三部はほぼ私の創作である」[7])。
  • 1951年、『王将・終編』『霧の音』で北條秀司は毎日演劇賞を受賞した[8]
  • 主要登場人物
    • 坂田三吉、玉江(長女)、君子(次女)、将一(孫)、宮田(後援者)、森川(弟子)、木村名人、菊岡博士(眼科医)

書籍

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  • 『王将 全編』 宝文館、1952年 
  • 『王将』 春陽文庫、1953年
  • 『王将』 角川文庫 1955年

映画化

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5回映画化されている。

テレビドラマ

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脚注

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  1. ^ 北條秀司『演劇雑記帳』(読売新聞社)P.88
  2. ^ 『北條秀司劇作史』(日本放送出版協会)
  3. ^ 『北條秀司劇作史』(日本放送出版協会)P.128
  4. ^ 北條秀司「老鬼寂寞」(演劇出版社)P.66
  5. ^ 『伊藤大輔シナリオ集2』(淡交社)P.131
  6. ^ 「1951年初演」という情報もあるが(日本大百科全書の「王将」の解説など)、誤り。
  7. ^ 『王将』角川文庫 P.180 作者あとがき
  8. ^ 北條秀司『演劇雑記帳』(読売新聞社)P.98