王子脳病院
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王子脳病院(おうじのうびょういん)は、かつて東京の西ヶ原に所在した精神科病院。「王子精神病院」「小峰病院」「滝野川病院」とも。
歴史
[編集]- 1901年(明治34年)、旅館経営者の小峯善次郎が北豊島郡滝ノ川西ヶ原(現在の北区西ヶ原)に設立。当初は「王子精神病院」と称し、その後「王子脳病院」へ改称した[1]。
- 1908年(明治41年)、精神科医の小峯茂之が院長となる[1]。
- 1920年(大正9年)、精神病院法により「代用精神病院」に指定される[2]。
- 1923年(大正12年)、火災で病棟が半焼[1]。
- 1925年(大正14年)、「滝野川病院」と改称し、同敷地内に「小峰病院」と「小峰研究所」を併設する[1][2]。
- 1927年(昭和2年)、作家の宇野浩二が小峰病院に入院する。
- 1927年(昭和2年)から1942年(昭和17年)にかけて新たな病棟を増築する[3]。
- 1945年(昭和20年)、城北大空襲により全焼、廃院となる[2]。
治療
[編集]入院患者に対する治療として、投薬のほかマラリア発熱療法、インシュリンショック療法、電気痙攣療法(ECT)、カルジアゾール痙攣療法が行われた[4]。
出典・脚注
[編集]- ^ a b c d 近藤 祐『脳病院をめぐる人びと : 帝都・東京の精神病理を探索する』彩流社、2013年10月、69-71頁。ISBN 978-4-7791-1919-4。
- ^ a b c 清水ふさ子 (2019年3月13日). “戦前の私立精神病院が遺した記録たち : 王子脳病院・小峰病院・小峰研究所”. 医学史と社会の対話. 東京大学大学院人文社会系研究科鈴木晃仁研究室. 2024年9月22日閲覧。
- ^ 鈴木晃仁 (2024年1月16日). “日本の精神医療と患者と家族 : 歴史と倫理について考える”. 一般社団法人平和政策研究所. 2024年9月22日閲覧。
- ^ 鈴木晃仁 著「第3章 脳病院と精神障害の歴史」、山下麻衣 編『歴史のなかの障害者』法政大学出版局〈サピエンティア 34〉、2014年2月、116頁。ISBN 978-4-588-60334-1。