玉井夕海
玉井 夕海(たまい ゆうみ、1977年8月6日 - )は、日本の歌手、女優。東京都出身。『渋さ知らズ』ヴォーカル。
略歴
[編集]東京藝術大学美術学部建築科中退。大学在学中に、宮崎駿主催アニメーション演出講座「東小金井村塾2」修了。これがきっかけとなり大ヒット映画『千と千尋の神隠し』リン役に抜擢。声優として脚光を浴びる。1999年8月に箏奏者のかりんと音楽パフォーマンス集団「Psalm」(サーム)を結成。ジャンル、カテゴライズにとらわれない独自の世界観と音楽性を展開する。
2005年、天草を舞台とした映画『もんしぇん』の制作を開始、翌2006年に公開。女優として主演しただけではなく音楽監督・脚本家としての手腕も発揮した。登場人物の「ちい」はシンガーソングライターの鬼束ちひろの存在と彼女の楽曲がモデルとなっている。鬼束自身も2006年9月10日(当時鬼束は活動休止中であった)に上野・国立博物館内映画館『一角座』で行われたPsalmのスペシャルライブに参加しており、映画について「音楽も映像も美しい。そんな美意識の高い映画は滅多にないと思います。」とコメントも寄せている[1]。
2007年12月 映画『もんしぇん』の監督の山本草介と結婚。神楽坂でパーティが開かれた。[2]
2011年4月10日、高円寺<原発やめろデモ>にて、『渋さ知らズ』リーダー・不破大輔と偶然列を前後し、どちらからともなく<平和に生きる権利>を歌う。が、この時には自己紹介等はなく、バラバラに。後にTwitterを介して繋がり、互いにライブの出演依頼をする。
2012年6月から1年間限定で長野県松本市に活動の拠点を移していた[3]。主なライブ場所はBar AQUAVITAE。もともとピアノがなかったこの場所に、「調律と運搬費用を自分が持つので(持ち主が譲渡を申し出ている)ピアノをもらい受けて欲しい」と店長に頼み込んだところ、「その心意気に惚れた。では費用は半分俺が持つから始めよう」と握手。以降、現在に至るまで、松本滞在中は稽古とライブをここで行うこととなる。この時代に、アルバム『ales』を製作。自分のiPhoneとアコーディオンを松本各所に持ち込み、ヴォイスメモで録音。ピアノのある場所ではピアノで、ない場所はアコーディオンを用いて、楽曲の収録を行う。ジャケットデザインは猿山修。イラストは田所真理子による。
2012年10月、第25回東京国際映画祭にて、主演作『NOT LONG,AT NIGHT』がある視点部門にノミネート。
2013年10月、『渋さ知らズ大オーケストラ<天幕渋さ船〜龍轍MANDALA〜>』(神奈川芸術劇場)ではゲストヴォーカリストを任され、翌日から、渋さ知らズのメンバーとしてヴォーカルを担当。
2015年9月27日、不破大輔プロデュースにて初のソロアルバム『MOTHE SUN』(Fuwa Works&地底レコード)をリリース。ピアニスト・山口コーイチ(アルバムアレンジも手掛ける)、ギタリスト・ファンテイルを始め、『渋さ知らズ』を名実共に支えるメンバーによる。
2016年7月29日17時30分、東京都知事選挙にて、野党統一候補鳥越俊太郎の街頭演説『渋谷駅ハチ公前大街宣』[4]の司会を民進党役員室長辻元清美とともに務める。また23日には同氏応援街宣にてアコーディオンを披露、「いまの政治を作ったのは私たちです」と訴えた[5]。 他の応援参加者は、上智大学教授の中野晃一、共産党参議院議員の吉良佳子、社会民主党副党首福島瑞穂、歌手の加藤登紀子、作家の澤地久枝、民進党幹事長の枝野幸男ほか。
ディスコグラフィ
[編集]シングル
[編集]Psalm
佐藤タイジ feat.沖野修也&SEALDs
- VOTE 4 UR LOVE & FUTURE(コーラスで参加)
アルバム
[編集]Psalm
- 映画『もんしぇん』オリジナルサウンドトラック(2006年8月19日発売)
- Psalm for the trip (2007年7月20日発売)
- 舞台『ルドンの黙示』挿入歌 劇場特別盤サウンドトラック(2008年8月20日 劇場にて発売)
玉井夕海
- ales(2013年4月26日発売)
- MOTHER SUN(2015年9月27日発売)
- à vos souhaits(2016年2月未発表)
出演
[編集]映画
[編集]- しがらきから吹いてくる風(1991年、監督:西山正啓) - 2011年版の副音声
- 千と千尋の神隠し(2001年、監督:宮崎駿) - リン 役(声の出演)
- もんしぇん(2006年、監督:山本草介)
- 伏 鉄砲娘の捕物帳(2012年、監督:宮地昌幸) - 遣手婆 役
- NOT LONG, AT NIGHT —夜はながくない—(2012年、監督:遠山昇司) - 主人公・女役[6]
- 満月、世界(2024年、監督:塚田万理奈) - ゆうみ 役[7]
舞台
[編集]- 寺山修司のミュージカル?!さよならの城(2002年、演出:J・A・シーザー) - 少女 役
- ミステリアブッフ(2008年、演出:木内宏昌) - 絵描き 役
- アロッタファジャイナ第9回公園 ルドンの黙示(2008年、演出:松枝佳紀、音楽:Psalm) - ミー / 医者カワナカ 役
- 明治百話(2008年、演出:河内哲二郎) - 坂東侠香 役
- 熊谷和徳+KAZ TAP COMPANY「TAPPERS RIOT II」(2009年)
- 上海バンスキング (2010年、演出:串田和美) - 楊麗 役
- FAUST 2010 in Chino (2010年、演出:串田和美)
- NODA・MAP第16回公演 南へ(2011年、作・演出:野田秀樹)[8]
- 空中キャバレー(2011年、構成・美術・演出:串田和美)
- 渋さ知らズ25周年公演「十二夜より十三夜、または勝手にしやがれ」(2014年、演出:青山健一 / 河内哲二郎)- ビオラ / 獅子丸 / セバスチャン 役[9]
Webアニメ
[編集]ラジオ
[編集]ドラマ
[編集]- トミカヒーロー レスキューファイアー(2009年、テレビ東京)
表紙モデル
[編集]- 杉山登志郎 編著『アスペルガー症候群と高機能自閉症青年期の社会性のために』(2005年、学研) - 表紙
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ 映画『もんしぇん』公式サイト
- ^ “CANAL CAFE /071222 結婚パーティ”. landship.sub.jp. 2021年7月22日閲覧。
- ^ 有賀文香 (2013年3月27日). “キラリこの人 松本に移住 創作に励む歌手・女優 玉井夕海さん”. 市民タイムス: p. 25
- ^ 【都知事選】鳥越候補、枝野幹事長、加藤登紀子氏ら応援弁士と渋谷ハチ公前で演説 BLOGOS 2016年07月29日 23:01
- ^ 玉井夕海さん(@bouz_kobouz)と辻元清美議員の司会で渋谷大街宣始まってます。「渋谷に立つと、小さい声が、弱い声が聞こえないんです。弱い私たちにも一票を鳥越さんに入れることで東京を変えられます」 鳥越応援市民センター 2016年7月24日
- ^ "映画『NOT LONG, AT NIGHT —夜はながくない—』|CAST". 映画『NOT LONG, AT NIGHT —夜はながくない—』公式サイト. 2024年3月23日閲覧。
- ^ “映画『満月、世界』作品情報”. 映画.com. エイガ・ドット・コム. 2024年7月11日閲覧。
- ^ Shinichi, Sugiyama (2011年3月6日). "野田地図『南へ』". a sharp minor. 2024年3月23日閲覧。
- ^ "渋さ知らズ25周年公演「十二夜より十三夜、または勝手にしやがれ」". Fuwa Works Production. 2014年11月11日. 2024年3月23日閲覧。
- ^ “亡念のザムド”. メディア芸術データベース. 2018年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月28日閲覧。
- ^ サステナ*デイズ [@sustainadays] (2022年4月7日). "このあと11時30分からは #TOKYOFM #サステナデイズ きょうから新パーソナリティ #玉井夕海(@bouz_kobouz) がお届けします🎤". X(旧Twitter)より2024年3月23日閲覧。
- ^ サステナ*デイズ [@sustainadays] (2024年3月21日). "3月28日の放送で 玉井夕海 卒業!". X(旧Twitter)より2024年3月23日閲覧。
外部リンク
[編集]- 玉井夕海 – 公式サイト
- 玉井夕海、奮闘記 -2014年6月25日
- White Elephant 2014年6月25日-
- 映画『もんしぇん』公式サイト