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「南海2000系電車」の版間の差分

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座席についても1000系同様の[[鉄道車両の座席#椅子の形態|バケット式ロングシート]]を採用した<ref name= "tetsupic95p246"/>が、車端部への[[鉄道車両の座席#固定式クロスシート|クロスシート]]の設置は見送られている。ドア間の座席は引き続き16人掛けであるが、[[車椅子スペース]]を新設したため座席定員総数は減少している。
座席についても1000系同様の[[鉄道車両の座席#椅子の形態|バケット式ロングシート]]を採用した<ref name= "tetsupic95p246"/>が、車端部への[[鉄道車両の座席#固定式クロスシート|クロスシート]]の設置は見送られている。ドア間の座席は引き続き16人掛けであるが、[[車椅子スペース]]を新設したため座席定員総数は減少している。


このグループからは列車種別・行き先表示の設定を、1・2次車のデジタル式スイッチから[[鉄道車両のモニタ装置|モニタ表示器]]で行うよう変更し、鴨居点検蓋上部には[[車内案内表示装置|案内表示器]]設置の準備工事もなされている<ref name= "tetsupic95p246"/>。また列車種別選別装置の更新準備工事を行っている<ref name= "tetsupic95p36>「車両総説」『鉄道ピクトリアル』1995年12月号臨時増刊 、電気車研究会、1995年、36-37頁。</ref><ref group="注">これはその準備工事を行っていなかった他の既存車両も共通で、従来の列車種別選別装置が使用後20年近く経過し、設備機器の老朽化までもが著しくなってきたためである。南海線では空港線開業、高野線では橋本までの複線化開業を目処にそれぞれ更新を実施した。</ref>。
このグループからは列車種別・行き先表示の設定を、1・2次車のデジタル式スイッチから[[鉄道車両のモニタ装置|モニタ表示器]]で行うよう変更し、鴨居点検蓋上部には[[車内案内表示装置|案内表示器]]設置の準備工事もなされている<ref name= "tetsupic95p246"/>。また列車種別選別装置の更新準備工事を行っている<ref name="tetsupic95p36">「車両総説」『鉄道ピクトリアル』1995年12月号臨時増刊 、電気車研究会、1995年、36-37頁。</ref><ref group="注">これはその準備工事を行っていなかった他の既存車両も共通で、従来の列車種別選別装置が使用後20年近く経過し、設備機器の老朽化までもが著しくなってきたためである。南海線では空港線開業、高野線では橋本までの複線化開業を目処にそれぞれ更新を実施した。</ref>。


なお4次車は[[コーポレートアイデンティティ|CI]]導入後に新製されたため、従来の2代目社章を廃止しCI章を採用するとともに、車体の「NANKAI」ロゴがCIと同じ斜字体となった<ref name= "tetsupic95p246"/>(1 - 3次車も後に統一)。また4次車では前面・側面とも車両番号のフォントがやや小さくなったほか、製造年表示をこれまでの年号表示から西暦表示に変更している<ref name= "tetsupic95p246"/>。
なお4次車は[[コーポレートアイデンティティ|CI]]導入後に新製されたため、従来の2代目社章を廃止しCI章を採用するとともに、車体の「NANKAI」ロゴがCIと同じ斜字体となった<ref name= "tetsupic95p246"/>(1 - 3次車も後に統一)。また4次車では前面・側面とも車両番号のフォントがやや小さくなったほか、製造年表示をこれまでの年号表示から西暦表示に変更している<ref name= "tetsupic95p246"/>。
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4両編成6本と2両編成10本の合計44両が在籍し、本系列の大半を占めている。
4両編成6本と2両編成10本の合計44両が在籍し、本系列の大半を占めている。


本グループでは車端部にクロスシートを設置しており、連結面の妻窓が廃止されている<ref name= "tetsupic95p36/>。中間部は3・4次車同様のバケット式ロングシートだが、14人掛けに短縮することでドア周りの立席スペースを広く確保している<ref name= "tetsupic95p246"/>。列車種別選別装置は最初から双方向デジタル伝送(トランスポンダ)方式を採用している<ref name= "tetsupic95p246"/>(1 - 4次車も同時期に更新)。
本グループでは車端部にクロスシートを設置しており、連結面の妻窓が廃止されている<ref name="tetsupic95p36" />。中間部は3・4次車同様のバケット式ロングシートだが、14人掛けに短縮することでドア周りの立席スペースを広く確保している<ref name= "tetsupic95p246"/>。列車種別選別装置は最初から双方向デジタル伝送(トランスポンダ)方式を採用している<ref name= "tetsupic95p246"/>(1 - 4次車も同時期に更新)。


2042F・2043Fは2005年秋の高野線ダイヤ改正以降、運転休止となったが、両編成とも2007年8月11日の南海線ダイヤ変更から南海本線・空港線で営業運転を開始している<ref name= "databank08"/>。なお2042Fは、[[2012年]]9月から[[2015年]]8月にかけて車両不足を補うため高野線に再転属していた<ref>「大手私鉄車両ファイル2013 車両データバンク」『鉄道ファン』2013年8月号(通巻628号)特別付録、交友社、2013年。</ref><ref>「大手私鉄車両ファイル2016 車両データバンク」『鉄道ファン』2016年8月号(通巻664号)特別付録、交友社、2016年。</ref>が、現在は南海本線に復帰している。
2042F・2043Fは2005年秋の高野線ダイヤ改正以降、運転休止となったが、両編成とも2007年8月11日の南海線ダイヤ変更から南海本線・空港線で営業運転を開始している<ref name= "databank08"/>。なお2042Fは、[[2012年]]9月から[[2015年]]8月にかけて車両不足を補うため高野線に再転属していた<ref>「大手私鉄車両ファイル2013 車両データバンク」『鉄道ファン』2013年8月号(通巻628号)特別付録、交友社、2013年。</ref><ref>「大手私鉄車両ファイル2016 車両データバンク」『鉄道ファン』2016年8月号(通巻664号)特別付録、交友社、2016年。</ref>が、現在は南海本線に復帰している。

2024年1月11日 (木) 01:12時点における版

南海2000系電車
2000系電車 2195以下6両編成
(2017年5月17日 浅香山駅
基本情報
運用者 南海電気鉄道
製造所 東急車輛製造
製造年 1990年 - 1997年
主要諸元
編成 4両編成(9本)
2両編成(14本)
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1500V 架空電車線方式
最高運転速度 南海線:110 km/h
高野線平坦・準山岳区間:100 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 南海線:2.5 km/h/s
高野線:3.1 km/h/s
減速度(常用) 3.8 km/h/s
減速度(非常) 4.0 km/h/s
編成重量 2両編成:71.5t
4両編成:140.0t
全長 17,725 mm
全幅 2,744 mm
全高 4,130 mm
車体 ステンレス
台車 緩衝ゴム式ダイレクトマウント空気ばね台車
FS-541
主電動機 かご形三相誘導電動機
TDK6310-A
駆動方式 TD平行カルダン駆動方式
編成出力 2両編成:100kW×8=800kW
4両編成:100kW×16=1,600kW 
制御装置 GTO素子VVVFインバータ制御(1C8M)
制動装置 電磁直通空気ブレーキ(回生ブレーキ併用、応荷重装置付)
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南海2000系電車(なんかい2000けいでんしゃ)は、南海電気鉄道の一般車両[1]通勤形電車)。山岳直通車両「ズームカー」の一系列である。64両が在籍する。

なお本項では、難波方先頭車の車両番号+F(Formation=編成の略)を編成名として表記する。

概要

高野線ズームカーである21001系22001系および同形式の更新車である2200系の置き換えおよび輸送力増強用として、1990年平成2年)に登場した。

南海では初となるVVVFインバータ制御を採用し、1997年(平成9年)までに64両が新製された。また、1・2次車は南海の車両で緑の塗装で新造された最後の形式である。本形式で採用された新機軸は、後に登場する1000系にも多数反映されている。

増備途中での仕様変更が多く、製造年によりパンタグラフの取り付け位置、車体外板のビード数、内装、座席配置などに違いがある。

車両概説

FS-541型台車

本形式は仕様変更が多いため、本節では共通項のみ述べる。

車体は軽量ステンレス製のダルフィニッシュ(梨地)仕上げとし、コルゲート板はなくビードラインを入れている。先頭車の正面はFRP製で、曲線を多く取り入れた形状となり、行先表示器は種別と行先に分けて左右に配置し、側面も種別用と行先用を独立して配置している。車内は荷棚がポリカーボネート製、蛍光灯にはアクリルカバーが付く。在来車との併結の必要性から、ブレーキは電磁直通ブレーキとなっている。

制御方式は、南海では初採用となる日立製作所GTO素子(4500V/2500A)によるVVVFインバータ制御で、主電動機東洋電機製造製で、出力は100kW、全電動車方式である。機器的には2両1組の構成となっていて、一部の機器は2両に1つしか搭載されていない。南海では故障時の冗長性を確保するため、原則として補助機器であっても複数搭載する編成を組むことから、2両編成単独での営業運転は行われない[注 1]

インバータ制御であるため、停止時および下り勾配での抑速制御時の回生ブレーキが可能となっている。回生ブレーキは運転本数の多い区間では発生した電力を他の列車の力行(加速)に容易に回せるので有効だが、それが少ない山岳区間では他に電力を消費する列車がなく回生失効となるケースが多い。そこで、本系列の導入に当たって山岳区間の変電所に回生電力吸収装置を設置することにより回生失効を防止するようにした[2]

次車別解説

1・2次車

1次車(1990年2月竣工):2001F
2次車(1990年6月竣工):2002F・2003F
1・2次車とも1990年竣工であるものの、1次車は1989年度竣工扱いであり2次車とでは仕様が異なる箇所があるため、本稿ではそれぞれ区分する。

4両編成3本12両(1次車1本4両・2次車2本8両)が在籍する。

南海の車両では最後に緑系統の塗装で登場した車両であり、前面から側面に緑の濃淡帯が配された。また、先頭車の側面には高野線シンボルマークを貼りつけていた(新塗装化と同時に廃止)。側面のビードが増備車に比べ多く、パンタグラフがモハ2001形(難波方先頭車)とモハ2101形に1基ずつ分散配置されている[3]

座席は全席ロングシートでドア間16人掛け、モケットはワインレッドであった[3]。のちにグレーに変更されているが、座席端部の袖仕切りのみワインレッドのまま残されている。2次車はロングシート中央部にある中仕切りの形状が変更されている[3]。1・2次車とも連結部に妻窓が設置されている。

1993年度中に3本すべてが新塗色化され、同年10月要検出場の2002Fを最後に旧塗装は消滅した[4]

2005年秋の高野線ダイヤ改正以来、運転を休止していたが、2007年8月11日の南海線ダイヤ変更から南海本線・空港線で営業運転を開始した[5]

3・4次車

3次車(1992年11月竣工):2031F・2032F
4次車(1994年4月竣工):2033F・2034F

2両編成4本8両(3次車2本4両・4次車2本4両)が在籍する。

同時期に新製された1000系と同一の車体カラースキームを採用したが、同系列はベースカラーを全面塗装したのに対し、本系列は帯フィルムを貼付のみとしている。本グループからは、編成中のパンタグラフ2基をモハ2001形に集中配置するよう変更されている[3]

座席についても1000系同様のバケット式ロングシートを採用した[3]が、車端部へのクロスシートの設置は見送られている。ドア間の座席は引き続き16人掛けであるが、車椅子スペースを新設したため座席定員総数は減少している。

このグループからは列車種別・行き先表示の設定を、1・2次車のデジタル式スイッチからモニタ表示器で行うよう変更し、鴨居点検蓋上部には案内表示器設置の準備工事もなされている[3]。また列車種別選別装置の更新準備工事を行っている[6][注 2]

なお4次車はCI導入後に新製されたため、従来の2代目社章を廃止しCI章を採用するとともに、車体の「NANKAI」ロゴがCIと同じ斜字体となった[3](1 - 3次車も後に統一)。また4次車では前面・側面とも車両番号のフォントがやや小さくなったほか、製造年表示をこれまでの年号表示から西暦表示に変更している[3]

3次車の2031F・2032Fは1・2次車と同様、2005年秋の高野線ダイヤ改正以来、運転休止状態であったが、2007年8月11日の南海線ダイヤ変更から南海本線・空港線で営業運転を開始している[5]。両編成は常時連結となり、実質4両固定編成となっている。

5 - 7次車

5次車(1995年5月竣工):2035F - 2039F・2041F(計14両)
6次車(1996年8月竣工):2040F・2042F - 2044F(計14両)
7次車(1997年7 - 8月竣工):2021F - 2024F・2045F2046F(計16両)
太字は4両編成。

4両編成6本と2両編成10本の合計44両が在籍し、本系列の大半を占めている。

本グループでは車端部にクロスシートを設置しており、連結面の妻窓が廃止されている[6]。中間部は3・4次車同様のバケット式ロングシートだが、14人掛けに短縮することでドア周りの立席スペースを広く確保している[3]。列車種別選別装置は最初から双方向デジタル伝送(トランスポンダ)方式を採用している[3](1 - 4次車も同時期に更新)。

2042F・2043Fは2005年秋の高野線ダイヤ改正以降、運転休止となったが、両編成とも2007年8月11日の南海線ダイヤ変更から南海本線・空港線で営業運転を開始している[5]。なお2042Fは、2012年9月から2015年8月にかけて車両不足を補うため高野線に再転属していた[7][8]が、現在は南海本線に復帰している。

2007年10月より2044Fが「花のラッピング電車」として、シャクナゲサルスベリなど沿線の花を沿線の小学校に通う小学生200人がデザインした「花の絵」を部分ラッピングして出場し、運転を継続してきたが、2011年3月を以ってこのラッピングは解除された[9]。その後、同編成は2015年11月1日より、2016年NHK大河ドラマ真田丸」の主人公である真田幸村蟄居の地である九度山活性化を目的として、赤を基調とした外装の「真田赤備え列車」として運行[10][11]。当初は1年間の予定だったが継続され[10][12]、当該車両の定期検査に入る2019年2月20日まで運行された[13]

運用の推移

高野線へ導入・旧型車を置き換え

南海では、1990年前後のバブル期に乗客が増加し車両を増備する必要があったが、20m4扉車については当時8200系9000系からモデルチェンジする構想(現在の1000系)があったものの、具体的にその内容はまとまっていなかった。高野線については17m車で増備分を賄うこととし、従前の21001系や22001系との汎用性を考慮した本系列を導入した。高野線の橋本駅までの複線化拡大や小原田検車区の開設を数年後に控えており、この時点では老朽化が進みつつあった21001系の置き換え用としての必要最小限の増備が考えられていた。[要出典]

ところが、1992年(平成4年)の高野線ダイヤ改正で金剛駅特急急行が新たに停車することになり、ズームカー急行への乗客集中から朝ラッシュ時に連日5分以上の遅れが常態化する事態が1年以上も続き対応策が必要となった。本系列と22001系・2200系を併結した場合、走行特性に著しい相違があった[14]ことがダイヤの遅れを回復できない大きな要因の1つとなっていた。また将来の速度向上にも支障をきたす[2]ことから、すべての17m車を本系列に置き換えて性能を統一することとなった。最終的に、以前の21001系と22001系の合計と同数の64両が新製された。

4両編成は難波駅 - 極楽橋駅間の「大運転」とラッシュ時の難波駅 - 橋本駅間4両増結車として、2両編成は終日にわたって難波駅 - 橋本駅間2両増結車として使用されるほか2編成をつないで4両編成として使用された。1995年(平成7年)に橋本駅までの複線化が完成した際には朝ラッシュ時に設定されたズームカー10両の急行にも使用されるようになった[15][注 3]

高野線平坦運用に本格的に進出・朝ラッシュ時の上り急行運用から撤退

2003年(平成15年)5月31日のダイヤ改正からは35年ぶりに運行を開始した快速急行に使用される一方で、朝ラッシュ時の上り急行に女性専用車両が導入され、これに20m車8両編成が充てられたため本系列は朝ラッシュ時の急行運用から撤退、それに伴い本系列による10両運用も消滅した。20m車が急行運用に捻出されたため、従来20m車が担ってきた橋本以北での区間急行各駅停車にも運用されるようになった[16]

大幅な運用減・南海本線へ転属

2005年(平成17年)10月の高野線白紙ダイヤ改正後は、難波駅 - 極楽橋駅間の急行は一部を除き系統分割が行われ橋本折り返しとされ、昼間時は快速急行以外の運用はすべて橋本までの運用となった。そして、橋本折り返し急行の大半は6000系列などの20m車に、橋本で接続する極楽橋発着の各駅停車の多くも本形式をベースにした2300系ワンマン運転に変更された。大運転や山岳区間運転の運用が大幅に減った本系列は、平坦区間の各駅停車や区間急行の運用が増えたものの、半数近い車両が余剰となって1年以上の間運転休止となった[14]

南海本線用2000系の普通運用。種別幕の下に「2扉車」の表記がある。
(2007年8月、新今宮駅で撮影)

その後、運転休止となっていた編成については2007年(平成19年)8月11日のダイヤ変更以後、南海本線空港線普通車に運用されるようになった[14] 。これにより老朽化の進行している7000系の一部を置き換えた。

2001F・2002F・2003F・2042F・2043Fの4両編成5本と、2031F・2032Fの2両編成2本が転用された[5]。2両編成の2031Fと2032Fは常時連結して4両編成で運用されている。これらの編成に対しては、主制御器のプログラム変更が行われている[5]。また利用客の混乱防止のため、先頭車前面の助手側窓ガラスに2扉車の大型ステッカーが貼付されているほか、各駅では両数・扉数案内表示器や乗車位置目標が整備された。

現在に至るまで南海本線・空港線での優等種別運用は存在せず、専ら普通車として運転されている。空港線での定期運用は2014年10月のダイヤ変更以降は平日・土休日とも1往復のみとなっている。正月3が日や岸和田だんじり祭春木だんじり祭が開催される日は、普通車も混雑することなどから運用から外れ、該当電車は全て4扉車が代走する。また、検査で2000系が不足する場合も4扉車による代走となる。2009年10月4日のダイヤ変更で土曜・休日ダイヤでは2000系で運用される普通車の本数が増加している。

高野線のさらなる運用削減・支線へ進出(予定)

高野線では2017年8月26日ダイヤ変更で、橋本以北での区間急行・各駅停車運用からは撤退、さらに快速急行・急行の運用も削減された。

2022年5月、30000系1本が脱線事故[17]のため運用不能となり高野線特急車が慢性的に車両不足となったことから、特急「こうや」「りんかん」の一部列車と同ダイヤにて自由席特急が運転されることとなり[18]、この運用に本系列が使用された[19]。代走は同年11月2日まで続けられ、以降は特急「泉北ライナー」に使用されていた11000系が「りんかん」に復帰することで対応された[20]

2022年10月、本系列にワンマン化改造を施工し、支線の2200系を置き換える予定であることが開示された[21]

編成表

4両編成

 
← 難波
関西空港・和歌山市・極楽橋 →
     
形式    ◆
モハ2001
(Mc1)

モハ2051
(M2)
   ◆
モハ2101
(M1)

モハ2151
(Mc2)
所属線区 竣工 仕様 備考
機器類 CONT SIV, CP CONT SIV, CP
車両番号 2001 2051 2101 2151 南海本線 1990年2月8日 1次車
2002 2052 2102 2152 1990年6月12日 2次車 前照灯LED化
2003 2053 2103 2153
形式 ◆  ◆
モハ2001
(Mc1)

モハ2051
(M2)

モハ2101
(M1)

モハ2151
(Mc2)
所属線区 竣工 仕様 備考
機器類 CONT SIV, CP CONT SIV, CP
車両番号 2041 2091 2141 2191 高野線 1995年5月25日 5次車
2042 2092 2142 2192 南海本線 1996年7月29日 前照灯LED化
2043 2093 2143 2193 1996年8月13日 6次車
2044 2094 2144 2194 高野線 1996年8月30日 7次車
2045 2095 2145 2195 1997年7月19日
2046 2096 2146 2196 1997年8月26日

2両編成

 
← 難波/
関西空港・和歌山市・極楽橋 →
       
形式 ◆  ◆
モハ2001
(Mc1)

モハ2151
(Mc2)
所属線区 竣工 仕様 備考
機器類 CONT SIV, CP
車両番号 2031 2181 南海本線 1992年11月16日 3次車 Mc1前照灯LED化
2032 2182 Mc2前照灯LED化
2033 2183 高野線 1994年4月2日 4次車 前照灯LED化
2034 2184
2035 2185 1995年4月13日 5次車
2036 2186
2037 2187
2038 2188
2039 2189
2040 2190 1996年8月30日 6次車
2021 2171 1997年8月12日 7次車
2022 2172
2023 2173
2024 2174 1997年8月26日

凡例

  • CONT:VVVFインバータ制御器
  • SIV:静止形インバータ
  • CP:空気圧縮機

モハ2000形、モハ2050形は本形式では2代目となる。 2023年現在、前照灯を随時LEDに換装している[22]

参考文献

  • 「高野線にデビュー 南海2000系」『鉄道ファン』1990年5月号(通巻349号)、交友社、1990年、67-69頁。

脚注

注釈

  1. ^ このため、山岳区間でのワンマン運転開始時には専用車両として2300系を新たに導入している。
  2. ^ これはその準備工事を行っていなかった他の既存車両も共通で、従来の列車種別選別装置が使用後20年近く経過し、設備機器の老朽化までもが著しくなってきたためである。南海線では空港線開業、高野線では橋本までの複線化開業を目処にそれぞれ更新を実施した。
  3. ^ 従来の計画では橋本までの複線化が完成した暁には橋本までの平坦区間は20m車・山岳区間は17m車として運行区間を分割する計画であったという。しかしこの時点では17m車の平坦区間運行を置き換えるための20m車は捻出できず、17m車に10両を組ませることとなった。この時点では21001系・22001系・2200系もまだ「大運転」運用に残っており、4系列混用で10両を組んでいた。

出典

  1. ^ 現在の車両 - 鉄道博物館 - 南海電気鉄道
  2. ^ a b 藤井信夫『車両発達史シリーズ 6 南海電気鉄道 下巻』関西鉄道研究会、1998年12月、120-122頁。
  3. ^ a b c d e f g h i j 「私鉄車両めぐり」『鉄道ピクトリアル』1995年12月号臨時増刊 、電気車研究会、1995年、246-248頁。
  4. ^ 「南海電気鉄道車両履歴表」『鉄道ピクトリアル』1995年12月号臨時増刊、電気車研究会、1995年、266頁。
  5. ^ a b c d e 「大手私鉄車両ファイル2008 車両データバンク」『鉄道ファン』2008年9月号(通巻569号)特別付録、交友社、2008年。
  6. ^ a b 「車両総説」『鉄道ピクトリアル』1995年12月号臨時増刊 、電気車研究会、1995年、36-37頁。
  7. ^ 「大手私鉄車両ファイル2013 車両データバンク」『鉄道ファン』2013年8月号(通巻628号)特別付録、交友社、2013年。
  8. ^ 「大手私鉄車両ファイル2016 車両データバンク」『鉄道ファン』2016年8月号(通巻664号)特別付録、交友社、2016年。
  9. ^ 南海電鉄 高野線 こうや花鉄道 天空|こうや花鉄道プロジェクト/これまで実施したプロジェクト 2段目の「花のラッピング電車」の項目より- 南海高野ほっと・ねっと
  10. ^ a b 高野線車両(1編成)と九度山駅を「真田色」に装飾します (PDF) - 南海電気鉄道・和歌山県九度山町共同ニュースリリース、2015年8月11日
  11. ^ “南海高野線で「真田赤備え列車」の運転開始”. 鉄道ファン. railf.jp. (2015年11月2日). http://railf.jp/news/2015/11/02/120000.html 
  12. ^ 南海・真田赤備え列車、運行延長” (pdf). 南海電気鉄道 (2016年10月27日). 2020年3月29日閲覧。
  13. ^ 2019年2月20日(水)南海・真田赤備え列車の運行が終了します” (pdf). 南海電気鉄道 (2019年2月7日). 2020年3月29日閲覧。
  14. ^ a b c 「南海電気鉄道 現有車両プロフィール2008」『鉄道ピクトリアル』2008年8月号臨時増刊 、電気車研究会、2008年、265-267頁。
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