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「界 (分類学)」の版間の差分

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{{出典の明記|date=2015年3月27日 (金) 10:13 (UTC)}}
{{Biological classification}}
{{Biological classification}}
'''界'''(かい、{{lang-en-short|kingdom}}、{{lang-la-short|regnum}})は、[[生物の分類|生物分類]]の[[リンネ式階層分類体系|リンネ式階級分類]]における階級の1つである。界の上に'''上界'''、下に'''亜界'''・'''下界'''を置くことがある。界は基本的階級(必ず置かなければならない階級)の1つで、基本的階級のうち最上位に位置するが、近年では界の上の[[ドメイン (分類学)|ドメイン]]を基本的階級とみなすことがある。
'''界'''(かい、{{Lang-en-short|kingdom}}、{{Lang-la-short|regnum}})は、[[生物学]]における[[ドメイン (分類学)|ドメイン]]に次いで2番目に高い[[分類階級]]である。界は[[門 (分類学)|門]]と呼ばれるより小さなグループに分けられる。


米国<ref name="en.wikibooks.HighSchoolBiology">{{Cite web |url=https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/b1/High_School_Biology_14-26.pdf#page=22 |title=High School Biology (PDF Version (Part 2)) |access-date=2024/04/28 |publisher=CK-12 Foundation |pages=696-697}}</ref>やカナダの教科書では[[#六界|六界]]([[動物界]]、[[植物界]]、[[菌界]]、[[原生生物界]]、[[古細菌|古細菌界]]、[[細菌]]/真正細菌)が使われるのに対し、日本<ref name="ja.wikibooks.高校生物II">{{Cite web |url=https://ja.wikibooks.org/wiki/%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E7%94%9F%E7%89%A9/%E7%94%9F%E7%89%A9II/%E7%94%9F%E7%89%A9%E3%81%AE%E7%B3%BB%E7%B5%B1#%E7%95%8C%E3%81%A8%E3%83%89%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3 |title=高等学校生物/生物II/生物の系統 |access-date=2024/04/28 |publisher=ウィキメディア財団}}</ref>、イギリス、パキスタン、バングラデシュ、インド、ギリシャ、ブラジルなどの教科書では[[#五界|五界]](動物界、植物界、菌界、原生生物界、[[モネラ界]])が使われている。
界は長らく、(基本的階級以外を含めても)最上位の階級で、[[動物界]]と[[植物界]]の2つのみが認められてきた([[二界説]])。この考えは現在でも一般社会では広く通用している。しかし、[[19世紀]]末からさまざまな界が新設され、特に[[20世紀]]末以降は、界分類の再編が日常的に唱えられている。{{いつ範囲|現在|date=2016年4月}}は10前後の界を置くことが多いが、分類の前提となる系統の段階で諸説あり、一致には遠い。


現代[[分岐学]]に基づいた最近の分類の中には、従来の一部の界が[[単系統群|単系統]]ではない、つまり共通の祖先のすべての子孫から構成されているわけではないことを指摘し、界という用語を明確に放棄しているものもある。また、[[植物相]](''flora'')、[[動物相]](''fauna'')、そして21世紀には真菌類(''{{Ill2|Funga|en|Funga|label=funga}}'')という用語も、特定の地域や時代に存在する生命を表すのに使われる<ref>{{Cite web |url=https://www.iucn.org/sites/dev/files/statement-3f.pdf |title=IUCN SSC acceptance of Fauna Flora Funga |publisher=Fungal Conservation Committee, IUCN SSC |date=2021 |quote=The IUCN Species Survival Commission calls for the due recognition of fungi as major components of biodiversity in legislation and policy. It fully endorses the Fauna Flora Funga Initiative and asks that the phrases '''animals and plants''' and '''fauna and flora''' be replaced with '''animals, fungi, and plants''' and '''fauna, flora, and funga'''. |access-date=2022-03-04 |archive-date=2021-11-11 |archive-url=https://web.archive.org/web/20211111141833/https://www.iucn.org/sites/dev/files/statement-3f.pdf |url-status=dead}}</ref><ref>{{Cite web |title=Re:wild and IUCN SSC become first global organizations to call for the recognition of fungi as one of three kingdoms of life critical to protecting and restoring Earth |author= |website=International Union for Conservation of Nature (IUCN) |date=3 August 2021 |url=https://www.iucn.org/news/species-survival-commission/202108/rewild-and-iucn-ssc-become-first-global-organizations-call-recognition-fungi-one-three-kingdoms-life-critical-protecting-and-restoring-earth |access-date=2022-03-04}}</ref>。
== 界の歴史 ==
生物は[[古代]]から2つ(植物、動物)に分けられ、[[近代]]にはそれぞれが界とされたが、[[微生物]]の知見が高まってくると、三界、五界、八界に分ける説などが登場してきた。


=== 博物学での三界 ===
== 定義と関連用語 ==
1735年、[[カール・リンネ]]が、生物学に[[階級 (生物学)|階級]]に基づく[[命名法]]を導入したとき、最も高い階級に「界」という名称を与え、その後に「[[綱 (分類学)|綱]]」「[[目 (分類学)|目]]」「[[属 (分類学)|属]]」「[[種 (分類学)|種]]」という4つの主要な階級が続いた<ref>{{cite book |author=Linnaeus, C. |title=Systemae Naturae, sive regna tria naturae, systematics proposita per classes, ordines, genera & species |year=1735}}</ref>。その後、さらに2つの主要な階級が導入され、界(kingdom)、[[門 (分類学)|門]](phylum, or division)、[[綱 (分類学)|綱]](class)、[[目 (分類学)|目]](order)、[[科 (分類学)|科]](family)、[[属 (分類学)|属]](genus)、[[種 (分類学)|種]](species)という順序になった<ref>See e.g. {{cite conference|year=2006|editor-last=McNeill|editor-first=J.|display-editors=etal|title=International Code of Botanical Nomenclature (Vienna Code) adopted by the Seventeenth International Botanical Congress, Vienna, Austria, July 2005|edition=electronic|location=Vienna|publisher=International Association for Plant Taxonomy|url=http://ibot.sav.sk/icbn/main.htm|access-date=2011-02-20|archive-url=https://web.archive.org/web/20121006231936/http://ibot.sav.sk/icbn/main.htm|archive-date=6 October 2012}}, {{cite web |url=http://ibot.sav.sk/icbn/no%20frames/0007Ch1Art003.htm |title=article 3.1 |access-date=2012-10-03}}</ref>。1990年、界の上位に[[ドメイン (分類学)|ドメイン]](domain)という階級が導入された。
[[生物学]]が[[博物学]]に属していた時代には、博物学では3つの「界」が認められていた。'''動物界'''(動くもの)・'''植物界'''(動かないが成長するもの)・'''[[鉱物]]界'''(成長しないもの)である。[[カール・フォン・リンネ|リンネ]]も3つの界を認めた。


接頭辞を追加することができ、亜界(subkingdom、''subregnum'')と下界(infrakingdom、''infraregnum'')は、界(kingdom)の直下にある2つの階級である。上界(superkingdom)はドメインや帝国(empire)に相当するもの、あるいは帝国とドメインやサブドメインの中間に位置する独立した階級と考えることができる。分類体系によっては、亜界と下界の間に、さらに枝(''branch、''{{Lang-la-short|''ramus''}})の階級が挿入されることもある、たとえば、キャバリエ=スミスの分類における[[前口動物]]({{Snamei|Protostomia}})や[[後口動物]]({{Snamei|Deuterostomia}})があげられる<ref name="Cavalier-Smith 1998 203–662">{{cite journal|last=Cavalier-Smith|first=T.|year=1998|title=A revised six-kingdom system of life|url=http://journals.cambridge.org/action/displayAbstract?fromPage=online&aid=685|journal=[[:en:Biological Reviews|Biological Reviews]]|volume=73|issue=3|pages=203–66|doi=10.1111/j.1469-185X.1998.tb00030.x|pmid=9809012|s2cid=6557779|url-access=subscription}}</ref>。
=== 界の変遷 ===
==== 二界説 ====
生物学が博物学から独立してくると、生物学の対象となったのは、'''動物界'''・'''植物界'''の2界となった。それぞれの界は、以前は {{lang|en|class}} (類)に分けられていたが、のちに[[門 (分類学)|門]](動物については {{lang|en|phylum}}、植物については {{lang|en|division}})に分けられるようになった。
{{clade
|1={{clade
|label1=生物
|1={{clade
|1=[[植物]]界
|2=[[動物]]界
}}
}}
}}


==== 三界説 ====
== 歴史 ==
[[単細胞生物]]は、それが発見されたとき二つの界に割り振られた。運動性のものは動物としてプロトゾア({{sname|Protozoa}} [[原生動物]]門)に分類され、[[藻類]]と[[細菌]]類は植物とされた。しかし、多数の種が双方に属することになった。たとえば[[ミドリムシ]]や[[変形菌]]などである。また、[[顕微鏡]]が発明されたことなどにより二界説では説明が不十分であることが分かった。


=== 生命の二界 ===
[[1860年]]、[[ジョン・ホッグ (博物学者)|ジョン・ホッグ]]は、動物とも植物ともとれる原始的な生物を {{sname|Primigenum}}にまとめた。[[1866年]]、[[エルンスト・ヘッケル]]はそのグループに[[原生生物]](プロチスタ) {{sname|Protista}} 界と命名し、'''動物界'''、'''植物界'''、'''原生生物界'''の三界とした。なお当初の原生生物は、[[真菌類]]なども含んでいた。1947年に[[ハーバート・コープランド]]が名づけた {{sname|Protoctista}} を使うこともある。しかし、これらの用語は{{いつ範囲|比較的近年|date=2016年4月}}に至るまで一般に広まらなかった。
{{anchors|二界説|三界:動物界、植物界、鉱物界}}


{{Seealso|リンネ式階層分類体系}}
また後年、五界説が提唱されたあとで三界説が再提唱された。この場合、[[原核生物]]は原生生物に含まれる。
{{clade
|1={{clade
|label1=生物
|1={{clade
|1=[[植物]]界
|2=[[原生生物]]界
|3=[[動物]]界
}}
}}
}}


生物を動物と植物に分類することは古くから行われてきた。[[アリストテレス]](紀元前384-322年)は『''History of Animals''([[動物誌 (アリストテレス)|動物誌]])』で動物の種を分類し、弟子の[[テオプラストス]](紀元前371 - 287年頃)は植物について『''Historia Plantarum''({{Ill2|植物誌 (テオプラストスの本)|en|Historia Plantarum (Theophrastus book)|label=植物誌}})』を記述した<ref>{{cite book |last=Singer |first=Charles J. |year=1931 |title=A short history of biology, a general introduction to the study of living things |location=Oxford |publisher=Clarendon Press |oclc=1197036}}</ref>。
==== 四界説 ====
のちに、[[細菌の細胞構造]]が、他の生物と根本的に異なっていることが発見される。つまり細菌は[[原核生物]]であるのに対し、他の生物は[[真核生物]]である。このため[[ハーバート・コープランド]]は細菌を分離した界に置いた。これらは当初は {{sname|Mychota}} と言われたが、後に[[モネラ]] ({{sname|Monera}}) や細菌 ({{sname|Bacteria}}) と呼ばれ、現代は原核生物と呼ばれる。


1735年、[[カール・リンネ]](1707-1778)は、現在では{{Ill2|命名法コード|en|Nomenclature codes|label=命名規約}}によって規定されている近代的な生物学的[[命名法]]の基礎を築いた。彼は、生物を2つの界「[[動物界]]」({{Snamei|Regnum Animale}})と「[[植物界]]」({{Snamei|Regnum Vegetabile}})に分けた。リンネはまた、[[分類学|分類体系]]に[[鉱物]]も含め、それらを第3の界「鉱物界」({{Snamei|Regnum Lapideum}})に位置づけた。
なお、[[1937年]]、[[エドゥアール・シャットン]]は、原核生物と真核生物の分類が根本的なものであるとして、生物を原核生物と真核生物のふたつの上界 ({{lang|en|superkingdom}}) に分けた。この考えが、{{いつ範囲|現在|date=2016年4月}}の[[ドメイン (分類学)|3ドメイン説]]に発展することとなる。


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{{clade
{{clade|{{clade
|label1=&nbsp;&nbsp;生物&nbsp;
|label1=&nbsp;生命&nbsp;|sublabel1=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Life</span>
|1={{clade
|1={{clade
|label1=[[原核生物]]
|2=植物界<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Regnum Vegetabile ('vegetables'/plants)</span>
|1={{clade
|1=[[動物|動物界]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Regnum [[:en:Animal|Animal]]e (animals)</span>
|1=[[モネラ]]界
}}
}}
|label2=&nbsp;非生命&nbsp;|sublabel2=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Non-life</span>
|label2=[[真核生物]]
|2={{clade
|2={{clade
|1=鉱物界 (鉱物)<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Regnum Lapideum (minerals)</span>
|1=[[原生生物]]界
|2=[[植物]]界
|3=[[動物]]界
}}
}}
}}
}}|label1=&emsp;}}
}}


==== ====
=== 生命の三界 ===
{{anchors|三界説|三界:植物、原生生物、動物}}
{{Main|五界説}}
[[五界説]]は、1969年、[[ロバート・ホイッタカー]]が提唱した分類法である。その分類は栄養生産の違いに基礎を置いている。多細胞の独立栄養生物([[生産者]])を植物(界)、多細胞の従属栄養生物([[消費者]])を動物(界)、多細胞の腐食栄養生物([[分解者]])を菌(界)とし、単細胞生物と単純な群体性の細胞の生物は、原生生物界・[[モネラ界]]に含まれた。


{{further|{{ill2|生命樹 (生物学)|en|Tree of life (biology)}}}}
1980年代の[[分岐分類学]]の発展により、動物界・植物界・菌界の単系統性の再評価がなされた。1982年、[[リン・マーギュリス]]によって、それまでの植物からすべての高等[[藻類]]、菌類から[[粘菌]]類・[[卵菌]]類を原生生物界へと移す提案がなされた。ただしこの変更により、原生生物はますます雑多な生物の寄せ集めとなった。
[[ファイル:Haeckel_arbol_bn.png|右|サムネイル|ヘッケルが最初に発表した新しい原生生物界 (kingdom Protista) を含む3つの生命界の概念(1866年)。シアノバクテリウム ({{Snamei|[[:en:Nostoc|Nostoc]]}}) が植物 (Plantae) に含まれていることに注目される。]]
1674年、しばしば「顕微鏡の父」と呼ばれる[[アントニ・ファン・レーウェンフック]]は、初めて[[顕微鏡]]で単細胞生物を観察した結果をロンドン[[王立協会]]に送った。それまでは、このような[[微生物]]の存在はまったく知られていなかった。けれどもリンネは彼の独創的な分類法に微生物を含めなかった。


当初、微生物は動物界と植物界に分類されていた。しかし、19世紀半ばには「植物界と動物界という既存の二分法は急速にその境界が曖昧になり、時代遅れになった」ことは、誰の目にも明らかになった<ref name="Scamardella19992">{{cite journal|last=Scamardella|first=Joseph M.|year=1999|title=Not plants or animals: a brief history of the origin of Kingdoms Protozoa, Protista and Protoctista|journal=[[:en:International Microbiology|International Microbiology]]|volume=2|issue=4|pages=207–16|pmid=10943416}}</ref>。
五界説は一般的な標準となり、いくらかの修正を経て{{いつ範囲|現在|date=2016年4月}}でも多くの論文に採用されている。またそれはより新しい界区分の基礎となった。
{{clade
|1={{clade
|label1=生物
|1={{clade
|1={{clade
|label1=[[原核生物]]
|1={{clade
|1=[[モネラ]]界
}}
}}
|2={{clade
|label1=[[真核生物]]
|1={{clade
|1=[[原生生物]]界
|2=[[菌類|菌界]]
|3=[[植物]]界
|4=[[動物]]界
}}
}}
}}
}}
}}


1860年、[[ジョン・ホッグ (博物学者)|ジョン・ホッグ]]は、「すべての下等生物、あるいは原始的な有機生物」からなる第3の生命界である原生生物({{Snamei|Protoctista}})を提案した。彼は、第4の界である鉱物界(Regnum {{Snamei|Lapideum}})を残した<ref name="Scamardella19992" />。1866年、[[エルンスト・ヘッケル]]もまた、動物でも植物でもない「中立的な生物」あるいは「原始的な形態の界」として、第3の生命界である[[原生生物界]]({{Snamei|Protista}})を提唱した。しかし、ヘッケルはこの枠組みに鉱物界を含めなかった<ref name="Scamardella19992" />。ヘッケルは、生物が単細胞(原生生物界)か多細胞(動物界と植物界)かに基づく分類に落ち着くまで、この界の内容を何度も修正した<ref name="Scamardella19992" />。
==== 六界説 ====
[[1977年]][[カール・ウーズ]]は、[[rRNA]]の研究を基礎にして、原核生物を[[細菌|真正細菌]]界と[[古細菌]]界に分けた([[1990年]]には真核生物と併せて[[ドメイン (分類学)#3ドメイン説|3ドメイン説]]<ref name="ref1">{{ cite journal | author = Woese CR, Kandler O, Wheelis ML | date = 1990 | title = Towards a natural system of organisms: proposal for the domains Archaea, Bacteria, and Eucarya | journal = Proc Natl Acad Sci U S A | volume = 87 | issue = 12 | pages = 4576&ndash;9 | id = PMID 2112744 }}</ref>を提唱している)。


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1984年にはレイクらが、好熱古細菌と真核生物が互いに近縁なことを示し、好熱古細菌を古細菌から分離し、[[エオサイト説|エオサイト界]]とした。
{{clade|{{clade
|label1=生物|sublabel1=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Life</span>
|1={{clade
|1=[[原生生物界]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Protista|Protista]] or Protoctista</span>
|2=[[植物界]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Plantae|Plantae]]</span>
|3=[[動物界]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Animalia|Animalia]]</span>
}}
|label2=&nbsp; 非生物 &nbsp;|sublabel2=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Non-life</span>
|2={{clade
|1=鉱物界 (鉱物)<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Regnum Lapideum (minerals)</span>
}}
}}|label1=&emsp;}}


=== 四界 ===
{{anchors|四界説}}

[[顕微鏡]]の発達により、細胞に明瞭な[[細胞核|核]](細胞核)を持たない生物([[原核生物]])と、細胞に明瞭な核を持つ生物([[真核生物]])の重要な違いが明らかになった。1937年、[[エドゥアール・シャットン]]はこれらの生物を区別するために「原核生物(prokaryote)」と「真核生物(eukaryote)」という用語を導入した<ref name="sapp2005" />。

1938年、{{Ill2|ハーバート・F・コープランド|en|Herbert Copeland}}は、原核生物からなる新しい[[モネラ界|モネラ]]界を創設し、四界の分類を提案した。これは原生生物界のモネラ門を改訂したもので、現在では[[細菌]]と[[古細菌]]に分類されている生物が含まれていた。エルンスト・ヘッケルは、1904年の著書『''[https://openlibrary.org/works/OL16420977W/Wonders_of_life_A_Popular_Study_of_Biological_Philosophy The Wonders of Life]''(生命の不思議)』の中で、[[藍藻類]](またはPhycochromacea)をモネラ門に分類した。これは次第に受け入れられ、藍藻は[[シアノバクテリア]]門の細菌として分類されるようになった<ref name="Scamardella1999">{{cite journal|last=Scamardella|first=Joseph M.|year=1999|title=Not plants or animals: a brief history of the origin of Kingdoms Protozoa, Protista and Protoctista|journal=[[:en:International Microbiology|International Microbiology]]|volume=2|issue=4|pages=207–16|pmid=10943416}}</ref><ref name="sapp2005">{{Cite journal |last1=Sapp |first1=J. | author-link1=Jan Sapp |title=The Prokaryote-Eukaryote Dichotomy: Meanings and Mythology |doi=10.1128/MMBR.69.2.292-305.2005 |journal=[[:en:Microbiology and Molecular Biology Reviews|Microbiology and Molecular Biology Reviews]] |volume=69 |issue=2 |pages=292–305 |year=2005 |pmid=15944457 |pmc=1197417}}</ref>。

1960年代、{{Ill2|ロジャー・スタニエ|en|Roger Stanier}}と[[コーネリアス・ヴァン・ニール|C.B.ヴァン・ニール]]は、エドゥアール・シャットンの初期の研究、特に1962年の論文「''The Concept of a Bacterium''(バクテリアの概念)」を取り上げ、普及させた。これによって初めて、原核生物と真核生物の{{Ill2|2帝系|en|Two-empire system}}より上位の階級、すなわち上界(''superkingdom'')あるいは帝国(''empire'')が創設された<ref name="sapp2005" />。後に2帝系は、古細菌、細菌、真核生物の{{Ill2|3ドメイン系|en|Three-domain system}}に拡張される<ref name="Stanier">{{cite journal |last1=Stanier |first1=R.Y. |last2=Van Neil |first2=C.B. |year=1962 |title=The concept of a bacterium |journal=[[:en:Archiv für Mikrobiologie|Archiv für Mikrobiologie]] |volume=42 |issue=1 |pages=17–35 |pmid=13916221 |name-list-style=amp |doi=10.1007/BF00425185 |s2cid=29859498 }}</ref>。

<!-- --- 消さないで。ビジュアルエディアの誤動作を防ぐためのダミーのコメントです。 --- -->
{{clade
{{clade
|label1=&nbsp; 生命 &nbsp;
|1={{clade
|1={{clade
|label1=生物
|label1=[[原核生物]]帝|sublabel1=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Empire&nbsp;[[:en:Prokaryota|Prokaryota]]</span>
|1={{clade
|1={{clade
|label1=[[原核生物]]
|1={{clade
|1={{clade
|1=[[モネラ|モネラ界]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Monera|Monera]]</span>
|1=[[真正細菌]]界
|2=[[古細菌]]界
}}
|label2=[[真核生物]]帝|sublabel2=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Empire&nbsp;[[:en:Eukaryota|Eukaryota]]</span>
|2={{clade
|1=[[原生生物界]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Protista|Protista]] or Protoctista</span>
|2=[[植物界]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Plantae|Plantae]]</span>
|3=[[動物界]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Animalia|Animalia]]</span>
}}
}}
}}
|sublabel1=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">[[:en:Life|Life]]</span>}}
}}
|2={{clade
|label1=[[真核生物]]
|1={{clade
|1=[[原生生物]]界
|2=[[菌類|菌界]]
|3=[[植物]]界
|4=[[動物]]界
}}
}}
}}
}}
}}


==== ====
=== 界 ===
{{anchors|五界説}}
五界説における原生生物というくくりは、植物、菌、動物ではない「その他」的なくくりであって、分類群としては非常に雑多であるという面がある。これに手をつけたのが、[[トーマス・キャバリエ=スミス|キャバリエ=スミス]] (1987) である。彼は、原生生物界を[[クロミスタ]]界、[[アーケゾア]]界、[[原生動物]]界に3分し、'''八界説'''を提唱した<ref>{{cite
|last=Cavalier-Smith
|First=T.
|year=1993
|title=Kingdom Protozoa and Its 18 Phyla
|journal=Microbiological Reviews
|volume=57
|pages=953-994
||url=http://mmbr.asm.org/cgi/reprint/57/4/953
}}</ref>。クロミスタ界はワカメなどの[[褐藻]]植物を含む[[黄色植物]]や[[ハプト藻]]類、[[クリプト藻]]類などの藻類および、それらと近縁だが2次的に葉緑体を失った(とキャヴァリエ=スミスが考えた)生物である。アーケゾア界はミトコンドリアを持たない生物である。原生動物界は動物的単細胞由来のもののうち胚分割しない生物である。


真菌類と、植物とみなされる他の生物との違いは、以前から一部の人々により認識されていた。ヘッケルは、当初の分類の後、真菌類を植物界から原生生物界に移動したが<ref name="Scamardella1999" />、この分割は、当時の科学者からほとんど無視されていた。[[ロバート・ホイッタカー]]は、[[真菌類]]のための界({{Snamei|Fungi}})の創設を認めた<ref name="Whittaker5">{{cite journal |last=Whittaker |first=R.H. |date=January 1969 |title=New concepts of kingdoms or organisms. Evolutionary relations are better represented by new classifications than by the traditional two kingdoms |journal=[[:en:Science (journal)|Science]] |volume=163 |issue=3863 |pages=150–60 |pmid=5762760 |doi=10.1126/science.163.3863.150|bibcode = 1969Sci...163..150W |citeseerx=10.1.1.403.5430 }}</ref>。その結果、1969年にホイッタカーによって提案された五界分類系は一般的な標準となり、今でも改良を加えながら多くの著作で使用され、新しい多界分類系<!-- new multi-kingdom systems -->の基礎となっている。これは主に[[栄養]]の違いに基づいており、植物界のほとんどは多細胞の[[独立栄養生物]]で、動物界は多細胞の[[従属栄養生物]]で、そして菌界は多細胞の{{Ill2|腐生栄養|en|Saprotrophic nutrition|label=腐生生物}}であった。
この場合、真核生物は、動物界・菌界・原生動物界の3つの従属栄養生物群と、植物界([[紅藻]]を含む)とクロミスタ界の2つの独立栄養生物群に分けられる。ただし、クロミスタ界には[[卵菌]]類や[[ラビリンチュラ]]のような従属栄養の生物群が含まれる。これらに加え、古細菌・真正細菌の2つの原核生物の界がある。しかし、この分類は一部の専門家以外には広く使われなかった。キャヴァリエ=スミスが仮定した進化史が必ずしも正しくなく、アーケゾア、クロミスタ、原生動物の[[単系統性]]が疑わしかったためである。実際、アーケゾアと原生動物は単系統ではなかった(クロミスタについては{{いつ範囲|現在|date=2016年4月}}も結論は出ていない)。


残りの2つの界、原生動物とモネラには、単細胞コロニーと単純型細胞コロニーが含まれていた<ref name="Whittaker5" />。五界系は{{Ill2|2帝系|en|Two-empire system}}と組み合わされることもある。ホイッタカーの体系では植物界は一部の藻類を含んでいた。[[リン・マーギュリス]]の五界系のような別の体系では、植物には陸上植物({{Ill2|有胚植物|en|Embryophyte|preserve=1}}、{{Snamei|Embryophyta}})だけを含み、原生生物界はより広い定義を持っている<ref>{{Cite book |url=https://books.google.com/books?id=9IWaqAOGyt4C |title=Kingdoms and Domains: An Illustrated Guide to the Phyla of Life on Earth |last1=Margulis |first1=Lynn |last2=Chapman |first2=Michael J. |name-list-style=vanc |date=2009-03-19 |publisher=[[:en:Academic Press|Academic Press]] |isbn=9780080920146 |via=[[:en:Google Books|Google Books]]}}</ref>。

ホイッタカーの体系が発表された後、五界モデルは高校の生物学の教科書で広く使われるようになった<ref name="Emily Case" />。しかし、ほとんどの科学者が二界系から五界系へと移行したにもかかわらず、1975年になっても一部の著者は伝統的な動物と植物の2界体系を使い続け、植物界を原核生物門(細菌とシアノバクテリア)、真菌類門(真菌類とその近縁種)、緑藻類門(藻類と陸上植物)の亜界(subkingdoms)に分割した<ref>{{cite book |last1=Palmer |first1=E. Laurence |last2=Fowler |first2=Seymour H. |date=January 1975 |title=Fieldbook of Natural History |edition=2nd |url=https://archive.org/details/fieldbookofnatur00palm |publisher=[[:en:McGraw-Hill|McGraw-Hill]] |isbn=978-0-070-48425-2 |url-access=registration}}</ref>。

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|label1=生物
|label1=[[原核生物]]帝|sublabel1=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Empire [[:en:Prokaryota|Prokaryota]]</span>
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|label2=[[真核生物]]帝|sublabel2=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Empire [[:en:Eukaryota|Eukaryota]]</span>
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|1=[[原生生物界]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Protista|Protista]] or Protoctista</span>
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}}
}}
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|sublabel1=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">[[:en:Life|Life]]</span>}}
}}
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}}
}}
}}
}}
}}


{| class="wikitable mw-collapsible mw-collapsed" role="presentation" style="white-space:nowrap"
==== 修正六界説 ====
|+ ホイッタカーの五界分類系 (1969)<ref name="Whittaker5"/>
しばらくすると、ミトコンドリアを持たない生物はもともと持っていなかったものに加え、退化的にミトコンドリアを喪失したものもあることが指摘され、アーケゾア界というくくりに意義がなくなってくる。また、現在から見れば逆行であるが、真正細菌と古細菌の違いは本質的でないとの説も現れた。そのため、キャバリエ=スミス (1998) は、アーケゾアを原生動物に含め、真正細菌と古細菌を細菌に再統合した修正六界説 {{lang|en|revised six-kingdom system}} を唱えた。
|- style="font-size: 87%;vertical-align: top;background: white"
||
'''Kingdom [[:en:Monera|Monera]]'''
*Branch Myxomonera
**Phylum [[:en:Cyanophyta|Cyanophyta]]
**Phylum Myxobacteriae
*Branch Mastigomonera
**Phylum Eubacteriae
**Phylum [[:en:Actinomycota|Actinomycota]]
**Phylum [[:en:Spirochaetae|Spirochaetae]]
||
'''Kingdom [[:en:Protista|Protista]]'''
*Phylum [[:en:Euglenophyta|Euglenophyta]]
*Phylum [[:en:Chrysophyta|Chrysophyta]]
*Phylum [[:en:Pyrrophyta|Pyrrophyta]]
*Phylum [[:en:Hyphochytridiomycota|Hyphochytridiomycota]]
*Phylum [[:en:Plasmodiophoromycota|Plasmodiophoromycota]]
*Phylum [[:en:Sporozoa|Sporozoa]]
*Phylum [[:en:Cnidosporidia|Cnidosporidia]]
*Phylum [[:en:Zoomastigina|Zoomastigina]]
*Phylum [[:en:Sarcodina|Sarcodina]]
*Phylum [[:en:Ciliophora|Ciliophora]]
||
'''Kingdom [[:en:Plantae|Plantae]]'''
*Subkingdom [[:en:Rhodophyta|Rhodophycophyta]]
**Phylum [[:en:Rhodophyta|Rhodophyta]]
*Subkingdom [[:en:Phaeophyta|Phaeophycophyta]]
**Phylum [[:en:Phaeophyta|Phaeophyta]]
*Subkingdom [[:en:Viridiplantae|Euchlorophyta]]
**Branch [[:en:Green algae|Chlorophycophyta]]
***Phylum [[:en:Chlorophyta|Chlorophyta]]
***Phylum [[:en:Charophyta|Charophyta]]
**Branch [[:en:Embryophyta|Metaphyta]]
***Phylum [[:en:Moss|Bryophyta]]
***Phylum [[:en:Tracheophyta|Tracheophyta]]
||
'''Kingdom [[:en:Fungi|Fungi]]'''
*Subkingdom Gymnomycota
**Phylum [[:en:Mycetozoa|Myxomycota]]
**Phylum [[:en:Acrasiomycota|Acrasiomycota]]
**Phylum [[:en:Labyrinthulomycota|Labyrinthulomycota]]
*Subkingdom Dimastigomycota
**Phylum [[:en:Oomycota|Oomycota]]
*Subkingdom [[:en:Eumycota|Eumycota]]
**Branch Opisthomastigomycota
***Phylum [[:en:Chytridiomycota|Chytridiomycota]]
**Branch [[:en:Amastigomycota|Amastigomycota]]
***Phylum [[:en:Zygomycota|Zygomycota]]
***Phylum [[:en:Ascomycota|Ascomycota]]
***Phylum [[:en:Basidiomycota|Basidiomycota]]
||
'''Kingdom [[:en:Animalia|Animalia]]'''
*Subkingdom Agnotozoa
**Phylum [[:en:Mesozoa|Mesozoa]]
*Subkingdom Parazoa
**Phylum [[:en:Porifera|Porifera]]
**Phylum [[:en:Archaeocyatha|Archaeocyatha]] {{Extinct symbol}}
*Subkingdom [[:en:Eumetazoa|Eumetazoa]]
**Branch [[:en:Radiata|Radiata]]
***Phylum [[:en:Cnidaria|Cnidaria]]
***Phylum [[:en:Ctenophora|Ctenophora]]
**Branch [[:en:Bilateria|Bilateria]]
***Grade [[:en:Acoelomata|Acoelomata]]
****Phylum [[:en:Platyhelminthes|Platyhelminthes]]
****Phylum [[:en:Nemertea|Nemertea]] or Rhynchocoela
***Grade [[:en:Pseudocoelomata|Pseudocoelomata]]
****Phylum [[:en:Acanthocephala|Acanthocephala]]
****Phylum [[:en:Aschelminthes|Aschelminthes]]
****Phylum [[:en:Entoprocta|Entoprocta]] or [[:en:Kamptozoa|Kamptozoa]]
***Grade [[:en:Coelomata|Coelomata]]
****Subgrade [[:en:Protostome|Schizocoela]]
*****Phylum [[:en:Bryozoa|Bryozoa]] or [[:en:Ectoprocta|Ectoprocta]]
*****Phylum [[:en:Brachiopoda|Brachiopoda]]
*****Phylum [[:en:Phoronida|Phoronida]]
*****Phylum [[:en:Mollusca|Mollusca]]
*****Phylum [[:en:Sipunculoidea|Sipunculoidea]]
*****Phylum [[:en:Echiuroidea|Echiuroidea]]
*****Phylum [[:en:Annelida|Annelida]]
*****Phylum [[:en:Arthropoda|Arthropoda]]
****Subgrade [[:en:Deuterostome|Enterocoela]]
*****Phylum Brachiata or [[:en:Pogonophora (worm)|Pogonophora]]
*****Phylum [[:en:Chaetognatha|Chaetognatha]]
*****Phylum [[:en:Echinodermata|Echinodermata]]
*****Phylum [[:en:Hemichordata|Hemichordata]]
*****Phylum [[:en:Chordata|Chordata]]
|}


=== 六界 ===
真正細菌と古細菌は分離したままの七界説などもあった。
{{anchors|六界説}}

1977年、[[カール・ウーズ]]らは、[[リボソームRNA]]の[[遺伝子]]構造に基づいて、原核生物を真正細菌(Eubacteria、後に細菌/Bacteriaと呼ばれる)と古細菌(Archaebacteria、後のArchaea)に基本的に分類することを提案した<ref name="Balch_Magrum_Fox_Wolfe_Woese" />。これは後に、細菌、古細菌、真核生物という「生命の[[#生命の3ドメイン|3ドメイン]]」の提案につながる<ref name="Woese" />。これと五界モデルを組み合わせることで、モネラ界を菌界(kingdom Bacteria)と古細菌界(kingdom Archaea)に置き換えた六界モデルが作られた<ref>{{Cite web |title=The Six Kingdoms |url=http://www.ric.edu/faculty/ptiskus/six_kingdoms/index.htm |access-date=2020-07-25 |website=www.ric.edu |publisher=[[:en:Rhode Island College|Rhode Island College]]}}</ref>。この六界モデルは、最近では米国の高校でも生物学の教科書に使われているが、現在の[[科学的コンセンサス]]を危うくするという批判もある<ref name="Emily Case">{{Cite journal |last=Case |first=Emily |date=2008-10-01 |title=Teaching Taxonomy: How Many Kingdoms? |url=https://eric.ed.gov/?id=EJ813862 |access-date=2020-07-28 |journal=[[:en:American Biology Teacher|American Biology Teacher]] |volume=70 |issue=8 |pages=472–477 |doi=10.2307/30163328 |jstor=30163328 |language=en|url-access=subscription }}</ref>。しかし、原核生物を2つの界に分けることは、主に原生動物({{Snamei|Protista}})が[[原生動物]]({{Snamei|Protozoa}})と[[クロミスタ]]({{Snamei|Chromista}})に置き換えた点で異なるものの、トーマス・キャバリエ=スミスによる最近の[[#七界|七界説]]でもまだ使われている<ref name="Cavalier-Smith 2015" />。

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|label1=生物
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|1={{clade
|1={{clade
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|2=[[古細菌|古細菌界]] (アーキア)<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Archaebacteria|Archaebacteria]] (Archaea)</span>
|1=[[細菌]]界 &mdash; ウニバクテリア亜界(単膜細菌)に古細菌門を含む
}}
}}
}}
}}
|2={{clade
|2={{clade
|label1=[[真核生物]]帝|sublabel1=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Empire [[:en:Eukaryote|Eukaryota]]</span>
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}}
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|sublabel1=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">[[:en:Life|Life]]</span>}}
}}
}}
}}


=== 八界 ===
リンネの二界説からキャバリエ=スミスの六界説までの変遷を下表にまとめる。
{{anchors|八界説}}
{| width="850" style="margin-left: 0.5em;"

! '''[[カール・フォン・リンネ|リンネ]]<br />([[1735年]])<br />二界説'''
[[トーマス・キャバリエ=スミス]]は、[[真正細菌]]({{Snamei|Eubacteria}})と[[古細菌]]({{Snamei|Archaebacteria}})の違いは非常に大きく(特にリボソームRNA遺伝子の遺伝的距離を考慮すると)、原核生物を2つの異なる界に分離する必要があるという当時のコンセンサスを支持した。そして真正細菌を2つの亜界、[[ネギバクテリア]]([[グラム陰性細菌]])と[[ポジバクテリア]]([[グラム陽性細菌]])に分けた。電子顕微鏡の技術的進歩により、[[植物界]]から[[クロミスタ]]を分離することが可能になった。実際、クロミスタの葉緑体は([[細胞質]]ではなく)[[小胞体]]の内腔に位置している。さらに、クロミスタだけが{{Ill2|クロロフィルc|en|Chlorophyll c|label=クロロフィル''c''}}を含む。それ以来、二次的に葉緑体を失ったと考えられる多くの非光合成的な原生生物門が、クロミスタ界に統合された。
! '''[[エルンスト・ヘッケル|ヘッケル]]<br />([[1866年]])<br />三界説'''

! '''[[エドゥアール・シャットン|シャットン]]<br />([[1925年]])<br />[[ドメイン (分類学)|二帝説]]'''
やがてついに、ミトコンドリアを持たない原生生物が発見された<ref>{{cite journal |last=Cavalier-Smith |first=Thomas |date=March 26, 1987 |title=Eucaryotes with no mitochondria |journal=[[:en:Nature (journal)|Nature]] |volume=326 |issue=6111 |pages=332–333 |doi=10.1038/326332a0 |pmid=3561476 |bibcode=1987Natur.326..332C |s2cid=4351363 |doi-access=}}</ref>。ミトコンドリアは[[プロテオバクテリア]]の[[内部共生体|内部共生]]の結果であることが知られていたため、これらのミトコンドリアを欠く真核生物は、{{Ill2|真核形成|en|Eukaryogenesis}}の重要な一歩を踏み出した原始的なものであると考えられた。その結果、これらのミトコンドリアを欠く原生生物は原生生物界から分離され、上界および界として[[アーケゾア]](kingdom {{Snamei|Archezoa}})が同時に誕生した。この上界は、他の5つの真核生物界([[動物界]]、[[原生動物界]]、[[菌界]]、[[植物界]]、[[クロミスタ界]])をまとめた{{Ill2|メタカリオタ|en|Metakaryota|label=メタカリオタ上界}}({{Snamei|Metakaryota}})と対立していた。この[[アーケゾア#仮説|アーケゾア仮説]]は後に放棄され<ref>{{cite journal|last=Poole |first=Anthony |author2=Penny, David |title=Engulfed by speculation |journal=[[:en:Nature (journal)|Nature]] |date=21 June 2007 |volume=447 |issue=7147 |pages=913 |doi=10.1038/447913a |pmid=17581566 |s2cid=7753492 |url=http://www.cecm.usp.br/~cewinter/aulas/artigos/2007/eukarya_orig.pdf |access-date=15 March 2011 |url-status=dead |archive-url=https://web.archive.org/web/20110706162409/http://www.cecm.usp.br/~cewinter/aulas/artigos/2007/eukarya_orig.pdf |archive-date=6 July 2011}}</ref>、後の仮説にはアーケゾアとメタカリオタの区分を含めなかった<ref name="Cavalier-Smith 1998 203–66">{{cite journal|last=Cavalier-Smith|first=T.|year=1998|title=A revised six-kingdom system of life|url=http://journals.cambridge.org/action/displayAbstract?fromPage=online&aid=685|journal=[[:en:Biological Reviews|Biological Reviews]]|volume=73|issue=3|pages=203–66|doi=10.1111/j.1469-185X.1998.tb00030.x|pmid=9809012|s2cid=6557779|url-access=subscription}}</ref><ref name="Cavalier-Smith 2015" />。
! '''[[:en:Herbert Copeland|コープランド]]<br />([[1938年]])<br />四界説'''

! '''[[ロバート・ホイッタカー|ホイッタカー]]<br />([[1959年]])<br />[[五界説]]'''
<!-- --- 消さないで。ビジュアルエディアの誤動作を防ぐためのダミーのコメントです。 --- -->
! '''[[カール・ウーズ|ウーズ]]<br />([[1977年]])<br />六界説'''
{{clade
! '''ウーズ<br />([[1990年]])<br />[[ドメイン (分類学)|3ドメイン説]]'''
|label1=&nbsp; 生命 &nbsp;
! '''[[トーマス・キャバリエ=スミス|キャバリエ=スミス]]<br />([[1993年]])<br />八界説'''
|1={{clade
! '''キャバリエ=スミス<br />([[1998年]])<br />修正六界説'''
|1={{clade
|-
|label1=[[原核生物]]上界|sublabel1=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Superkingdom [[:en:Prokaryote|Prokaryota]]</span>
| rowspan="5" | &nbsp;
|1={{clade
| bgcolor="khaki" rowspan="5" | '''[[原生生物]]界'''
|1=[[真正細菌|真正細菌界]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Eubacteria|Eubacteria]]</span>
| bgcolor="lightgrey" rowspan="2" | '''[[原核生物]]帝'''
|2=[[古細菌|古細菌界]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Archaebacteria|Archaebacteria]]</span>
| bgcolor="lightgrey" rowspan="2" | '''[[モネラ界]]'''
}}
| bgcolor="lightgrey" rowspan="2" | '''[[モネラ界]]'''
}}
| bgcolor="lightgrey" | '''[[細菌|真正細菌]]界'''
|2={{clade
| bgcolor="lightgrey" | '''[[細菌]]'''
|label1=[[アーケゾア]]上界‡|sublabel1=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Superkingdom [[:en:Archezoa|Archezoa]]</span>
| bgcolor="lightgrey" | '''[[細菌|真正細菌]]界'''
|1={{clade
| bgcolor="lightgrey" rowspan="2" | '''[[細菌]]界'''
|1=[[アーケゾア|アーケゾア界]]‡<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Archezoa|Archezoa]]</span>
|-
}}
| bgcolor="#F3E0E0" | '''[[古細菌]]界'''
}}
| bgcolor="#F3E0E0" | '''[[古細菌]](アーキア)'''
|3={{clade
| bgcolor="#F3E0E0" | '''[[古細菌]]界'''
|label1={{ill2|メタカリオタ|en|Metakaryota}}上界‡|sublabel1=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Superkingdom [[:en:Metakaryota|Metakaryota]]</span>
|-
|1={{clade
| bgcolor="#e0d0b0" rowspan="6" | '''[[真核生物]]帝'''
|1=[[原生動物界]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Protozoa|Protozoa]]</span>
| bgcolor="khaki" rowspan="3" | '''[[原生生物]]界'''
|2=[[クロミスタ界]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Chromista|Chromista]]</span>
| bgcolor="khaki" rowspan="3" | '''[[原生生物]]界'''
|3=[[植物界]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Plant|Plant]]ae</span>
| bgcolor="khaki" rowspan="3" | '''[[原生生物]]界'''
|4=[[菌界]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Fungus|Fungi]]</span>
| bgcolor="#e0d0b0" rowspan="6" | '''[[真核生物]]'''
|5=[[動物界]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Animal|Animal]]ia</span>
| bgcolor="PeachPuff" | '''[[アーケゾア]]界'''
}}
| bgcolor="khaki" rowspan="2" | '''[[原生動物]]界'''
}}
|-
}}
| bgcolor="khaki" rowspan="1" | '''[[原生動物]]界'''
|sublabel1=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">[[:en:Life|Life]]</span>}}
|-

| bgcolor="burlywood" | '''[[クロミスタ]]界'''
 ‡[[分類学者]]にはもう認識されていない。
| bgcolor="burlywood" | '''[[クロミスタ]]界'''

|-
=== 六界(1998) ===
| bgcolor="lightgreen" rowspan="2" | '''[[植物]]界'''
{{anchors|修正六界説}}
| bgcolor="lightgreen" rowspan="2" | '''[[植物]]界'''

| bgcolor="lightgreen" rowspan="2" | '''[[植物]]界'''
1998年、キャバリエ=スミスは六界モデルを発表したが<ref name="Cavalier-Smith 1998 203–66" />、その後の論文で改訂されている。次に、2009年に発表された改訂版を説明する<ref name="CavalierSmith2009">{{cite journal |last=Cavalier-Smith |first=Thomas |author-link=Thomas Cavalier-Smith |year=2009 |title=Kingdoms Protozoa and Chromista and the eozoan root of the eukaryotic tree |journal=Biology Letters |volume=6 |issue=3 |pages=342–345 |doi=10.1098/rsbl.2009.0948 |pmc=2880060 |pmid=20031978}}</ref>{{Efn-la|キャバリエ<nowiki>=</nowiki>スミスが2004年に発表したバージョンと比較すると、[[アルベオラータ]]と[[リザリア]]は原生動物界からクロミスタ界に移動している。}}<ref>{{cite journal |last=Cavalier-Smith |first=T. |year=2004 |title=Only six kingdoms of life |journal=[[:en:Proceedings of the Royal Society of London B|Proceedings of the Royal Society of London B]] |volume=271 |pages=1251–1262 |url=http://www.cladocera.de/protozoa/cavalier-smith_2004_prs.pdf |access-date=2010-04-29 |doi=10.1098/rspb.2004.2705 |pmid=15306349 |issue=1545 |pmc=1691724 |df=dmy-all}}</ref>。キャバリエ=スミスは、ウーズらによって提唱され、最近の研究によって裏付けられている基本的な真正細菌({{Snamei|Eubacteria}})と古細菌({{Snamei|Archaebacteria}})を区別することの重要性を否定している<ref name="DagenEtAl2010" />。[[細菌|細菌界]]([[原核生物]]帝の唯一の界)は{{Ill2|膜トポロジー|en|Membrane topology}}によって、[[ウニバクテリア]]({{Snamei|Unibacteria}})と[[ネギバクテリア]]({{Snamei|Negibacteria}}、グラム陰性細菌)の2つの亜界に分割された。ウニバクテリアは[[古細菌]]({{Snamei|Archaebacteria}})と[[ポジバクテリア]]({{Snamei|Posibacteria}}、グラム陽性細菌)に分けられた。古細菌の遺伝的距離の長い枝よりも、二膜性-単膜性を区別する方がはるかに本質的であり、これには特に生物学的意義はないと見なすものであった。
| bgcolor="lightgreen" | '''[[植物]]界'''

| bgcolor="lightgreen" | '''[[植物]]界'''
キャバリエ=スミスは、分類群は[[単系統群|単系統]]{{Efn-la|monophyletic (彼の用語では完系統(holophyletic))}}でなければならないという要件を有効とは認めていない。彼は、原核生物、細菌、ネギバクテリア、ウニバクテリア、ポジバクテリアを有効な[[側系統群|側系統]]{{Efn-la|paraphyla(したがって、彼がこの用語を使う意味では単系統(monophyletic))}}分類群として定義し、(生物学的[[ニッチ]]の概念に関して)生物学的意義の重要な革新を示している。
| bgcolor="lightgreen" | '''[[植物]]界'''

| bgcolor="lightgreen" | '''[[植物]]界'''
同じように、彼の側系統的な原生動物界には、動物界、菌界、植物界、クロミスタのそれぞれの祖先が含まれている。系統発生学的な研究の進歩により、キャバリエ=スミスは、[[アーケゾア]](すなわちミトコンドリアを持たない原始的な真核生物)であると考えられていたすべての系統が、実際には、ミトコンドリアを二次的に失い、典型的にはミトコンドリアを新しい細胞小器官である[[ハイドロジェノソーム]]に変化させていたことに気づいた。つまり、キャバリエ=スミスによって与えられた用語の意義によれば、すべての生きている真核生物は実際にはメタカリオタである。[[微胞子虫]]門(phylum {{Snamei|Microsporidia}})のように、消滅した[[アーケゾア]]界の一部は、[[菌界]]に再分類された。他には、現在[[エクスカバータ]]下界に属している[[メタモナーダ]]のように、[[原生動物界]]に再分類されたものもある。
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| bgcolor="lightblue" | '''[[菌類|菌界]]'''
キャバリエ=スミスは[[側系統]]を認めているので、下の図は「祖先図」ではなく「組織図」であり、進化系統樹を表しているわけではない。
| bgcolor="lightblue" | '''[[菌類|菌界]]'''

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| bgcolor="lightblue" | '''[[菌類|菌界]]'''
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|label1=&nbsp; 生命 &nbsp;
| bgcolor="pink" | '''[[動物]]界'''
|1={{clade
| bgcolor="pink" | '''[[動物]]界'''
|1={{clade
| bgcolor="pink" | '''[[動物]]界'''
|label1=[[原核生物]]帝|sublabel1=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Empire [[:en:Prokaryote|Prokaryota]]</span>
| bgcolor="pink" | '''[[動物]]界'''
|1={{clade
| bgcolor="pink" | '''[[動物]]界'''
|1=[[細菌|細菌界]] - [[古細菌]]を亜界に含む<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Bacteria|Bacteria]] — includes [[:en:Archaebacteria|Archaebacteria]] as part of a subkingdom</span>
| bgcolor="pink" | '''[[動物]]界'''
}}
| bgcolor="pink" | '''[[動物]]界'''
}}
|2={{clade
|label1=[[真核生物]]帝|sublabel1=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Empire [[:en:Eukaryote|Eukaryota]]</span>
|1={{clade
|1=[[原生動物界]] - [[アメーボゾア]]、[[コアノゾア]]、[[エクスカバータ]]など<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Protozoa|Protozoa]] — e.g. [[:en:Amoebozoa|Amoebozoa]], [[:en:Choanozoa|Choanozoa]], [[:en:Excavata|Excavata]]</span>
|2=[[クロミスタ界]] - [[アルベオラータ]]、[[クリプト藻]]、[[不等毛類]]([[褐藻]]、[[珪藻]]など)、[[ハプト藻]]、[[リザリア]]など<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Chromista|Chromista]] — e.g. [[:en:Alveolata|Alveolata]], [[:en:Cryptomonad|cryptophytes]], [[:en:Heterokonta|Heterokonta]] ([[:en:Brown Algae|Brown Algae]], [[:en:Diatoms|Diatoms]] etc.), [[:en:Haptophyta|Haptophyta]], [[:en:Rhizaria|Rhizaria]]</span>
|3=[[植物界]] - [[灰色藻]]、[[紅藻]]、[[緑藻]]、[[陸上植物]]など<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Plant|Plant]]ae — e.g. [[:en:glaucophyte|glaucophyte]]s, [[:en:red alga|red]] and [[:en:green alga|green alga]]e, [[:en:land plants|land plants]]</span>
|4=[[菌界]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Fungus|Fungi]]</span>
|5=[[動物界]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Animal|Animal]]ia</span>
}}
}}
}}
|sublabel1=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">[[:en:Life|Life]]</span>}}
{| class="wikitable mw-collapsible mw-collapsed" role="presentation" style="white-space:nowrap"
|+ キャバリエ=スミスによる六界系の一覧表 (1998)<ref name="Cavalier-Smith 1998 203–66"/>
|- style="font-size: 80%;vertical-align: top;background: white"
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'''Kingdom [[:en:Bacteria|Bacteria]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subkingdom [[:en:Negibacteria|Negibacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Infrakingdom [[:en:Lipobacteria|Lipobacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Superphylum [[:en:Eobacteria|Eobacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Heliobacteria|Heliobacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Hadobacteria|Hadobacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Chlorobacteria|Chlorobacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Deinobacteria|Deinobacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Superphylum [[:en:Endoflagellata|Endoflagellata]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Spirochaetae|Spirochaetae]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Euspirochaetae|Euspirochaetae]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Leptospirae|Leptospirae]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Infrakingdom [[:en:Glycobacteria|Glycobacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Superphylum [[:en:Pimelobacteria|Pimelobacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Sphingobacteria|Sphingobacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Chlorobibacteria|Chlorobibacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Flavobacteria|Flavobacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Eurybacteria|Eurybacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Sclenobacteria|Sclenobacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Fusobacteria|Fusobacteria]]{{br}}
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&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Cyanobacteria|Cyanobacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Gloeobacteria|Gloeobacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Phycobacteria|Phycobacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Proteobacteria|Proteobacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Rhodobacteria|Rhodobacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Infraphylum [[:en:Alphabacteria|Alphabacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Infraphylum [[:en:Chromatibacteria|Chromatibacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Thiobacteria|Thiobacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Superphylum [[:en:Planctobacteria|Planctobacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Planctobacteria|Planctobacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;Subkingdom [[:en:Unibacteria|Unibacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Infrakingdom [[:en:Posibacteria|Posibacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Posibacteria|Posibacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Teichobacteria|Teichobacteria]]{{br}}
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&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Infrakingdom [[:en:Archaebacteria|Archaebacteria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Mendosicutes|Mendosicutes]]{{br}}
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&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Infraphylum [[:en:Eurytherma|Eurytherma]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Sulfobacteria|Sulfobacteria]]
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'''Kingdom [[:en:Protozoa|Protozoa]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;'''Subkingdom [[:en:Archezoa|Archezoa]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Metamonada|Metamonada]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Eopharyngia|Eopharyngia]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Axostylaria|Axostylaria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Trichozoa|Trichozoa]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Anaeromonada|Anaeromonada]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Parabasala|Parabasala]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;'''Subkingdom [[:en:Neozoa|Neozoa]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;'''Infrakingdom [[:en:Sarcomastigota|Sarcomastigota]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Neomonada|Neomonada]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Apusozoa|Apusozoa]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Isomita|Isomita]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Choanozoa|Choanozoa]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Cercozoa|Cercozoa]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Phytomyxa|Phytomyxa]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Reticulofilosa|Reticulofilosa]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Monadofilosa|Monadofilosa]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Foraminifera|Foraminifera]]{{br}}
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&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Infraphylum [[:en:Mycetozoa|Mycetozoa]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Superclass [[:en:Eumyxa|Eumyxa]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Superclass [[:en:Dictyostelia|Dictyostelia]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;'''Infrakingdom [[:en:Discicristata|Discicristata]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Percolozoa|Percolozoa]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Tetramitia|Tetramitia]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Pseudociliata|Pseudociliata]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Euglenozoa|Euglenozoa]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Plicostoma|Plicostoma]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Saccostoma|Saccostoma]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;'''Infrakingdom [[:en:Alveolata|Alveolata]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Superphylum [[:en:Miozoa|Miozoa]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Dinozoa|Dinozoa]]{{br}}
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&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Sporozoa|Sporozoa]]{{br}}
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'''Kingdom [[:en:Fungi|Fungi]]'''{{br}}
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&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Superorder [[:en:Trichomycetalia|Trichomycetalia]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Superorder [[:en:Pyxomycetalia|Pyxomycetalia]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;'''Phylum [[:en:Microsporidia|Microsporidia]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Class [[:en:Minisporea|Minisporea]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Class [[:en:Microsporea|Microsporea]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subclass [[:en:Pleistophorea|Pleistophorea]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subclas [[:en:Disporea|Disporea]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;'''Subkingdom [[:en:Neomycota|Neomycota]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;'''Phylum [[:en:Ascomycota|Ascomycota]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Hemiascomycotina|Hemiascomycotina]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Class [[:en:Taphrinomycetes|Taphrinomycetes]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Class [[:en:Geomycetes|Geomycetes]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Class [[:en:Endomycetes|Endomycetes]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subclass [[:en:Dipomycetidae|Dipomycetidae]]{{br}}
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&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;'''Phylum [[:en:Basidiomycota|Basidiomycota]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Septomycotina|Septomycotina]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Class [[:en:Septomycetes|Septomycetes]]{{br}}
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&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Superclass [[:en:Hemibasidiomycetia|Hemibasidiomycetia]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Class [[:en:Ustomycetes|Ustomycetes]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Superclass [[:en:Hymenomycetia|Hymenomycetia]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Class [[:en:Gelimycetes|Gelimycetes]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subclass [[:en:Tremellomycetidae|Tremellomycetidae]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subclass [[:en:Dacrymycetidae|Dacrymycetidae]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subclass [[:en:Auromycetidae|Auromycetidae]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Class [[:en:Homobasidiomycetes|Homobasidiomycetes]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subclass [[:en:Clavomycetidae|Clavomycetidae]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subclass [[:en:Pileomycetidae|Pileomycetidae]]
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'''Kingdom [[:en:Animalia|Animalia]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;'''Subkingdom [[:en:Radiata|Radiata]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;'''Infrakingdom [[:en:Spongiaria|Spongiaria]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Porifera|Porifera]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Hyalospongiae|Hyalospongiae]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Calcispongiae|Calcispongiae]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Archaeocyatha|Archaeocyatha]] {{Extinct symbol}}{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;'''Infrakingdom [[:en:Coelenterata|Coelenterata]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Cnidaria|Cnidaria]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Anthozoa|Anthozoa]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Medusozoa|Medusozoa]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;'''Infrakingdom [[:en:Placozoa|Placozoa]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Placozoa|Placozoa]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;'''Subkingdom [[:en:Myxozoa|Myxozoa]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Myxosporidia|Myxosporidia]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;'''Subkingdom [[:en:Bilateria|Bilateria]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;'''Branch [[:en:Protostomia|Protostomia]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;'''Infrakingdom [[:en:Lophozoa|Lophozoa]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Superphylum [[:en:Polyzoa|Polyzoa]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Bryozoa|Bryozoa]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Gymnolaemata|Gymnolaemata]]{{br}}
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&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Superphylum [[:en:Vermizoa|Vermizoa]]{{br}}
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&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Infraphylum [[:en:Operculata|Operculata]]{{br}}
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&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Echiura|Echiura]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Pogonophora (worm)|Pogonophora]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Nemertina|Nemertina]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;'''Infrakingdom [[:en:Chaetognathi|Chaetognathi]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Chaetognatha|Chaetognatha]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;'''Infrakingdom [[:en:Ecdysozoa|Ecdysozoa]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Superphylum [[:en:Haemopoda|Haemopoda]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Arthropoda|Arthropoda]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Cheliceromorpha|Cheliceromorpha]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Infraphylum [[:en:Pycnogonida|Pycnogonida]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Infraphylum [[:en:Chelicerata|Chelicerata]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Trilobitomorpha|Trilobitomorpha]] {{Extinct symbol}}{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Mandibulata|Mandibulata]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Infraphylum [[:en:Crustacea|Crustacea]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Infraphylum [[:en:Myriapoda|Myriapoda]]{{br}}
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&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Hemichordata|Hemichordata]]{{br}}
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&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;'''Infrakingdom [[:en:Chordonia|Chordonia]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Urochorda|Urochorda]]{{br}}
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&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Chordata|Chordata]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Acraniata|Acraniata]]{{br}}
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&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Infraphylum [[:en:Conodonta|Conodonta]] {{Extinct symbol}}{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Vertebrata|Vertebrata]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Infraphylum [[:en:Agnatha|Agnatha]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Infraphylum [[:en:Gnathostomata|Gnathostomata]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;'''Subkingdom [[:en:Mesozoa|Mesozoa]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Mesozoa|Mesozoa]]
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'''Kingdom [[:en:Plantae|Plantae]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;'''Subkingdom [[:en:Biliphyta|Biliphyta]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;'''Infrakingdom [[:en:Glaucophyta|Glaucophyta]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Glaucophyta|Glaucophyta]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;'''Infrakingdom [[:en:Rhodophyta|Rhodophyta]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Rhodophyta|Rhodophyta]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Rhodellophytina|Rhodellophytina]]{{br}}
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&nbsp;&nbsp;'''Subkingdom [[:en:Viridiplantae|Viridiplantae]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;'''Infrakingdom [[:en:Chlorophyta|Chlorophyta]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Chlorophyta|Chlorophyta]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Chlorophytina|Chlorophytina]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Infraphylum [[:en:Prasinophytae|Prasinophytae]]{{br}}
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&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Infraphylum [[:en:Rudophytae|Rudophytae]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;'''Infrakingdom [[:en:Cormophyta|Cormophyta]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Moss|Bryophyta]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Hepaticae|Hepaticae]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Anthocerotae|Anthocerotae]]{{br}}
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&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Tracheophyta|Tracheophyta]]{{br}}
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'''Kingdom [[:en:Chromista|Chromista]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;'''Subkingdom [[:en:Cryptista|Cryptista]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Cryptophyta|Cryptophyta]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;'''Subkingdom [[:en:Chromobiota|Chromobiota]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;'''Infrakingdom [[:en:Heterokonta|Heterokonta]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Superphylum [[:en:Sagenista|Sagenista]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Sagenista|Sagenista]]{{br}}
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&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Labyrinthista|Labyrinthista]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Ochrophyta|Ochrophyta]]{{br}}
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&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Bigyromonada|Bigyromonada]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Pseudofungi|Pseudofungi]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Subphylum [[:en:Opalinata|Opalinata]]{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;'''Infrakingdom [[:en:Haptophyta|Haptophyta]]'''{{br}}
&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;Phylum [[:en:Haptophyta|Haptophyta]]
|}
|}


== 現在の・界以上の分類 ==
=== ===
{{anchors|七界説}}
[[1990年]]、ウーズは、細菌・古細菌・真核生物を3つの基本的な系統とみなし、これらを'''[[ドメイン (分類学)|ドメイン]]''' ({{lang|en|domain}}) に格上げして{{sname|Bacteria}}、{{sname|Archaea}}、{{sname|Eucarya}} と命名した。この3ドメイン説は議論をまき起こしたが、従来の2上界説(原核生物界と真核生物界)にかわって、界以上の分類法の標準となっている。この時、ウーズは[[16S rRNA系統解析]]に基づき古細菌を[[ユーリ古細菌]]界と[[クレン古細菌]]界の2界に分割している。また、レイクらは、[[伸長因子]]の系統解析に基づき古細菌類は、より基礎的な古細菌界(=ユーリ古細菌)と、[[真核生物]]に近いエオサイト界に分かれるとした([[エオサイト説]])。

{{see also|ドメイン (分類学)}}
キャバリエ=スミスらは、2015年に分類を改訂した。彼らはこの枠組みで、原核生物と真核生物の2つの上界と、その下に7つの界を導入した。原核生物には[[細菌|細菌界]]と[[古細菌|古細菌界]]という2つの界がある。(これは「{{Ill2|細菌の分類学|en|Bacterial taxonomy|label=細菌と古細菌の分類学的概要}}」と「{{Ill2|生命のカタログ|en|Catalogue of Life}}」に示されたコンセンサスに基づいている)。真核生物には、原生動物界、クロミスタ界、植物界、菌界、動物界の5つの界がある。この分類のもとで、[[原生生物]](protist)は、[[真核生物|真核]]の[[単細胞生物]]のどれかに位置づけられる<ref name="Cavalier-Smith 2015">{{cite journal|last1=Ruggiero|first1=Michael A.|last2=Gordon|first2=Dennis P.|last3=Orrell|first3=Thomas M.|last4=Bailly|first4=Nicolas|last5=Bourgoin|first5=Thierry|last6=Brusca|first6=Richard C.|last7=Cavalier-Smith|first7=Thomas|last8=Guiry|first8=Michael D.|last9=Kirk|first9=Paul M.|date=2015|title=A higher level classification of all living organisms|journal=[[:en:PLOS ONE|PLOS ONE]]|volume=10|issue=4|pages=e0119248|bibcode=2015PLoSO..1019248R|doi=10.1371/journal.pone.0119248|pmc=4418965|pmid=25923521|last10=Thuesen|first10=Erik V.|doi-access=free}}</ref>。

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{{clade
{{clade
|label1=&nbsp; 生命 &nbsp;
|1={{clade
|1={{clade
|label1=生物
|1={{clade
|1={{clade
|label1=[[原核生物]]上界|sublabel1=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Superkingdom [[:en:Prokaryote|Prokaryota]]</span>
|1=[[細菌]]ドメイン
|1={{clade
|2=[[古細菌]]ドメイン
|1=[[細菌|細菌界]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Bacteria|Bacteria]]</span>
|3=[[真核生物]]ドメイン
|2=[[古細菌|古細菌界]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Archaea|Archaea]]</span>
}}
}}
}}
}}
}}
|2={{clade
|label1=[[真核生物]]上界|sublabel1=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Superkingdom [[:en:Eukaryote|Eukaryota]]</span>
|1={{clade
|1=[[原生動物界]] - [[アメーボゾア]]、[[コアノゾア]]、[[エクスカバータ]]など<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Protozoa|Protozoa]] — e.g. [[:en:Amoebozoa|Amoebozoa]], [[:en:Choanozoa|Choanozoa]], [[:en:Excavata|Excavata]]</span>
|2=[[クロミスタ界]] - [[アルベオラータ]]、[[クリプト藻]]、[[不等毛類]]([[褐藻]]、[[珪藻]]など)、[[ハプト藻]]、[[リザリア]]など<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Chromista|Chromista]] — e.g. [[:en:Alveolata|Alveolata]], [[:en:Cryptomonad|cryptophytes]], [[:en:Heterokonta|Heterokonta]] ([[:en:Brown Algae|Brown Algae]], [[:en:Diatoms|Diatoms]] etc.), [[:en:Haptophyta|Haptophyta]], [[:en:Rhizaria|Rhizaria]]</span>
|3=[[植物界]] - [[灰色藻]]、[[紅藻]]、[[緑藻]]、[[陸上植物]]など<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Plant|Plant]]ae — e.g. [[:en:glaucophyte|glaucophyte]]s, [[:en:red alga|red]] and [[:en:green alga|green alga]]e, [[:en:land plants|land plants]]</span>
|4=[[菌界]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Fungus|Fungi]]</span>
|5=[[動物界]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Kingdom [[:en:Animal|Animal]]ia</span>
}}
}}
}}
|sublabel1=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">[[:en:Life|Life]]</span>}}


=== まとめ ===
[[2005年]]、[[国際原生生物学会]]は、真核生物の新しい分類を発表した。この分類にはリンネ式[[階級 (生物学)|階級]]は使われていないが、従来の界に類似したグループ<!-- six clusters of eukaryotes that may represent the basic groupings similar to traditional "kingdoms." (Adl et al 2005 より)-->として[[アメーボゾア]]、[[オピストコンタ]](動物と菌類など)、[[リザリア]]、[[エクスカヴァータ]]、[[クロマルベオラータ]](クロミスタなど)、[[アーケプラスティダ]](植物)の6つの'''[[スーパーグループ (分類学)|スーパーグループ]]'''が置かれ、これが真核生物の分類の標準となった。階級を当てはめる場合、これらは界として扱われることがある。ただし、オピストコンタは従来の動物界と菌界を含んでいるので上界とすることが多く、単純に6界とは言えない。また、これらのいくつかには当時からすでに単系統性に疑問が持たれており、<!-- より細分化される傾向がある。-->後に再編された分類体系が発表されている。
{{Full biological kingdom classification}}


生物の界レベルの分類は、(この手法にはいくつかの問題があるにもかかわらず)生物をグループ分けする有用な方法として今でも広く使われている。
{{Main2|詳細は「[[生物の分類]]」の [[生物の分類#真核生物の大分類群|§真核生物の大分類群]]・[[生物の分類#分子系統学的分類例|§分子系統学的分類例]]、「[[真核生物#下位分類]]」を}} <!-- 、[[スーパーグループ (分類学)|スーパーグループ]] -->
* 原生動物界({{Snamei|Protozoa}})のような界は、[[クレード]]というよりむしろ{{Ill2|進化段階|en|Evolutionary grade|label=段階}}を表しているため、[[分類学|系統分類]]システムでは否定されている。
* 最新の研究は、真核生物をどの標準的な分類体系に分類することも支持していない。2010年の時点では、どの界も研究によって十分に裏付けられておらず、広く受け入れられるには至っていない。2009年、アンドリュー・ロジャーとアラステア・シンプソンは、新発見を分析する際には慎重であるべきと強調し、「真核生物の生命樹に関する我々の理解における現在の変化のペースを考えると、我々は慎重に進まなければならない」と語った<ref>{{cite journal |last1=Roger |first1=A.J. |last2=Simpson |first2=A.G.B. |year=2009 |title=Evolution: Revisiting the Root of the Eukaryote Tree |journal=[[:en:Current Biology|Current Biology]] |volume=19 |issue=4 |pages=R165–7 |doi=10.1016/j.cub.2008.12.032 |pmid=19243692 |s2cid=13172971 |name-list-style=amp |doi-access=free}}</ref>。


== 伝統的な界の後継 ==
{{anchors|現在の界・界以上の分類|現代の見解}}

界という概念は一部の分類学者によって使用され続けているものの、生物を[[クレード|自然のグループ]]に並べることに重点を置く[[分岐分類|分岐]]分類を提供するものとは見なされておらず、伝統的な界から脱却する動きがある<ref name="SimpsonRoger2004" />。

=== 生命の3ドメイン ===
{{main|{{ill2|3ドメイン系|en|Three-domain system}}|ドメイン (生物学)}}

{{PhylomapB||caption=ウーズの{{ill2|3ドメイン系|en|Three-domain system}}を示す[[リボソームRNA]]データに基づく[[系統樹]]。小さい枝はすべて界とみなすことができる。|size = 440px}}

1970年代半ば以降、分類の主な要因として[[分子]]レベルの遺伝子(当初は[[リボソームRNA]]遺伝子)の比較が重視されるようになり、外見や行動よりも遺伝子の[[相同|相同性]]が強調されるようになった。界を含む分類階級は、[[単系統群]](共通祖先の「すべての子孫」)であれ、[[側系統群]](共通祖先の「一部の子孫」のみ)であれ、共通の祖先を持つ生物のグループとされた{{citation needed|date=January 2017}}。

このようなRNAの研究に基づいて、[[カール・ウーズ]]は、生命は3つの大きな区分に分けられると考え、それらを「3超界(three primary kingdom)」モデルあるいは「超界(urkingdom)」モデルと呼んだ<ref name="Balch_Magrum_Fox_Wolfe_Woese">{{cite journal |last1=Balch |first1=W.E. |last2=Magrum |first2=L.J. |last3=Fox |first3=G.E. |last4=Wolfe |first4=C.R. |last5=Woese |first5=C.R. |name-list-style=amp |date=August 1977 |title=An ancient divergence among the bacteria |journal=[[:en:Journal of Molecular Evolution|Journal of Molecular Evolution]] |volume=9 |issue=4 |pages=305–311 |doi=10.1007/BF01796092 |pmid=408502 |bibcode=1977JMolE...9..305B |s2cid=27788891}}</ref>。

ウーズらは、1990年、最高位の名称として「ドメイン」を提案した<ref name="Woese" />。この用語は、1974年にムーアによって導入された「ドミニオン」(dominion、{{Lang-la-short|''dominium''}})というカテゴリーの同義語である<ref name="Moore1974">{{cite journal |last=Moore |first=R.T. |year=1974 |title=Proposal for the recognition of super ranks |journal=Taxon |volume=23 |issue=4 |pages=650–652 |doi=10.2307/1218807 |jstor=1218807 |url=http://www.iapt-taxon.org/historic/Congress/IBC_1975/Prop034bis-037.pdf}}</ref>。ムーアと異なるのは、1990年にウーズらがこのカテゴリに対するラテン語を提案していなかったことで、的確に導入された用語であるドミニオンが支持される論拠となっている<ref name="Luketa2012">{{cite journal |last=Luketa |first=S. |year=2012 |title = New views on the megaclassification of life |journal=[[:en:Protistology|Protistology]] |volume=7 |issue=4 |pages=218–237 |url=http://protistology.ifmo.ru/num7_4/luketa_protistology_7-4.pdf}}</ref>。

ウーズは原核生物(以前はモネラ界に分類されていた)を[[真正細菌]]と[[古細菌]]という2つのグループに分け、この2つのグループの間にある遺伝的な差異は、そのどちらか一方と、すべての真核生物の間にある差異と同じくらい多くあることを強調した。

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{{clade
{{clade
|label1=&nbsp; [[生命]] &nbsp;
|1={{clade
|1={{clade
|label1=[[真核生物]]
|1=[[細菌]]ドメイン<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Domain [[:en:Bacteria|Bacteria]] ([[:en:Eubacteria|Eubacteria]])</span>
|1={{clade
|2=[[古細菌]]ドメイン<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Domain [[:en:Archaea|Archaea]] ([[:en:Archaebacteria|Archaebacteria]])</span>
|1=[[エクスカバータ]] &mdash; 種々の鞭毛原虫類など
|3=[[真核生物]]ドメイン<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Domain [[:en:Eukaryote|Eukarya]] ([[:en:Eukaryota|Eukaryota]])</span>
|2=[[アメーボゾア]] &mdash; [[アメーバ]]類の一部, [[粘菌]]類など
}}
|3=[[オピストコンタ]] &mdash; [[後生動物]], [[菌類]], [[襟鞭毛虫]]類など
|sublabel1=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">[[:en:Life|Life]]</span>}}
|4=[[リザリア]] &mdash; [[有孔虫]]類, [[放散虫]]類, [[ケルコゾア]]など
|5=[[クロムアルベオラータ]] &mdash; [[ストラメノパイル]], ハプト植物, クリプト植物, [[アルベオラータ]]
|6=[[アーケプラスチダ]] &mdash; [[陸上植物]], [[緑藻]]類, [[紅藻]]類, [[灰色藻]]類
}}
}}
}}


遺伝子データによれば、植物、真菌類、動物などの真核生物グループは、見た目は異なるかもしれないが、真正細菌や古細菌よりも互いに近縁である。また、真核生物は真正細菌よりも古細菌に近いこともわかった。真正細菌と古細菌とを区別する優位性は疑問視されてきたが、その後の研究によって支持されてきた<ref name="DagenEtAl2010">{{cite journal |last1=Dagan |first1=T. |last2=Roettger |first2=M. |last3=Bryant |last4=Martin |first4=W. |year=2010 |title=Genome Networks Root the Tree of Life between Prokaryotic Domains |journal=[[:en:Genome Biology and Evolution|Genome Biology and Evolution]] |volume=2 |pages=379–92 |doi=10.1093/gbe/evq025 |pmid=20624742 |pmc=2997548 |name-list-style=amp }}</ref>。ウーズが提唱した分類体系にいくつの界が存在するかについては、コンセンサスを得ていない。
一方、古細菌もユーリ古細菌、クレン古細菌以外の系統が多数発見されたことで、単純に2系統とは言えなくなってきている。2014年にはそれが整理され、ユーリ古細菌界と[[プロテオ古細菌界]]の2界に分割する考え方が出てきた。

=== 真核生物のスーパーグループ ===
{{anchors|真核生物の界}}

{{Main|スーパーグループ (分類学)}}[[File:Eukaryote Phylogeny.png|alt=Eukaryotic tree of life showing the diversity of eukaryotic cells.|thumb|400px|アラステア・シンプソンによる真核生物の関係の仮説。彼らの論文から複製。(2004) <ref name="SimpsonRoger2004" />]]

2004年、シンプソンとロジャーは総説論文で、原生生物は「動物、植物、真菌類以外のすべての[[ゴミ箱分類群|種々雑多]]な[[真核生物]]である」と指摘した。彼らは、分類の正式な階級として認められるのは単系統グループのみに限るべきで、以前はこのアプローチは非現実的だったが(文字どおり数10もの真核生物の界を必要とした)、今では真核生物を「おそらくはすべて単系統である、わずか数個の主要なグループ」に分けることが可能になったと主張した<ref name="SimpsonRoger2004">{{cite journal |title=The real 'kingdoms' of eukaryotes |last1=Simpson |first1=Alastair G.B. |last2=Roger |first2=Andrew J. |journal=[[:en:Current Biology|Current Biology]] |volume=14 |issue=17 |pages=R693–R696 |doi=10.1016/j.cub.2004.08.038 |pmid=15341755|year=2004 |s2cid=207051421 |doi-access=free}}</ref>。

これに基づいて作られた真核生物の実際の「界」(引用符は彼らによる)を右側の図に示す<ref name="SimpsonRoger2004" />。2005年、この方法を用いた分類が、国際原生生物学会に向けて「多くの学会の専門家と協力した」委員会によって作成された。ここでは、真核生物を同じ6つの「スーパーグループ」に分割した<ref name="Adl2005">{{cite journal |authors=Adl SM, ((Simpson AGB)), Farmer MA, Andersen RA, Anderson OR, Barta JR, Bowser SS, Brugerolle G, Fensome RA, Fredericq S, James TY, Karpov S, Kugrens P, Krug J, Lane CE, Lewis LA, Lodge J, Lynn DH, Mann DG, Mccourt RM, Mendoza L, Moestrup Ø, Mozley-Standridge SE, Nerad TA, Shearer CA, Smirnov AV, Spiegel FW, Taylor MF |display-authors=6 |title=The new higher-level classification of eukaryotes with emphasis on the taxonomy of protists |journal=[[:en:Journal of Eukaryotic Microbiology|Journal of Eukaryotic Microbiology]] |year=2005 |volume=52 |issue=5 |pages=399–451 |doi=10.1111/j.1550-7408.2005.00053.x |pmid=16248873 |s2cid=8060916 |doi-access=free|url=http://doc.rero.ch/record/14409/files/PAL_E1847.pdf }}</ref>。発表された分類では「界」を含む正式な分類階級を意図的に使用していない。

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{{clade
{{clade
|label1=&nbsp; [[生命]] &nbsp;
|1={{clade
|1={{clade
|label1=古細菌
|1={{clade
|1={{clade
|label1=[[細菌]]ドメイン|sublabel1=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Domain [[:en:Bacteria|Bacteria]]</span>
|1=[[ユーリ古細菌]]界 &mdash; ユーリ古細菌門や[[DPANN群]]など
|1={{clade |1= [[原核生物|原核]][[細菌]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">[[:en:prokaryotic|prokaryotic]] [[:en:Bacteria|Bacteria]]</span> }}
|2=[[プロテオ古細菌界]] &mdash; [[クレン古細菌]]や[[タウム古細菌]]など
}}
}}
|2={{clade
}}
|label1=[[古細菌]]ドメイン|sublabel1=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Domain [[:en:Archaea|Archaea]]</span>
|1={{clade |1=[[原核生物|原核]][[古細菌]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">[[:en:prokaryotic|prokaryotic]] [[:en:Archaea|Archaea]]ns</span> }}
}}
|3={{clade
|label1=[[真核生物]]ドメイン|sublabel1=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">Domain [[:en:Eukaryota|Eukaryota]]</span>
|1={{clade
|label1= [[エクスカバータ]]|sublabel1=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">[[:en:Excavata|Excavata]]</span>
|1= さまざまな[[鞭毛虫|鞭毛原虫類]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">various [[:en:flagellate|flagellate]] protozoa</span>
|label2= [[アメーボゾア]]|sublabel2=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">[[:en:Amoebozoa|Amoebozoa]]</span>
|2= ほとんどの葉状[[アメーバ]]類と[[粘菌]]類<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">most lobose [[:en:amoeboid|amoeboid]]s and [[:en:slime mould|slime mould]]s</span>
|label3= [[オピストコンタ]]|sublabel3=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">[[:en:Opisthokonta|Opisthokonta]]</span>
|3= [[動物|動物類]]、[[真菌類]]、[[襟鞭毛虫]]など<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">[[:en:animal|animal]]s, [[:en:fungus|fungi]], [[:en:choanoflagellate|choanoflagellate]]s, etc.</span>
|label4= [[リザリア]]|sublabel4=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">[[:en:Rhizaria|Rhizaria]]</span>
|4= [[有孔虫]]、[[放散虫]]、その他様々な[[アメーバ]]様原生動物<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">[[:en:Foraminifera|Foraminifera]], [[:en:Radiolaria|Radiolaria]], and various other [[:en:amoeboid|amoeboid]] protozoa</span>
|label5= [[クロムアルベオラータ]]|sublabel5=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">[[:en:Chromalveolate|Chromalveolata]]</span>
|5= [[ストラメノパイル]]([[褐藻]]、[[珪藻]]、[[不等毛藻|その他]])、[[ハプト藻]]、[[クリプト藻]](またはクリプトモナス類)、[[アルベオラータ]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">[[:en:Heterokont|Stramenopiles]] ([[:en:Brown Algae|Brown Algae]], [[:en:Diatoms|Diatoms]], [[:en:Ochrophyte|etc.]]), [[:en:haptophyte|Haptophyta]], [[:en:cryptomonad|Cryptophyta]] (or cryptomonads), and [[:en:alveolate|Alveolata]]</span>
|label6= [[アーケプラスチダ]]<span style="vertical-align:top; font-size:smaller"> (または一次植物)</span>|sublabel6=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">[[:en:Archaeplastida|Archaeplastida]] (or [[:en:Primoplantae|Primoplantae]])</span>
|6= [[陸上植物]]、[[緑藻]]類、[[紅藻]]類、[[灰色藻]]<br/><span style="vertical-align:top; font-size:smaller">[[:en:Embryophyte|Land plants]], [[:en:green alga|green alga]]e, [[:en:red alga|red alga]]e, and [[:en:glaucophyte|glaucophyte]]s</span>
}}
}}
}}
}}
|sublabel1=<span style="vertical-align:top; font-size:smaller">[[:en:Life|Life]]</span>}}


このシステムでは、多細胞動物({{Snamei|Metazoa}}、[[後生動物]])は、単細胞の[[襟鞭毛虫]]や真菌類と同じく、[[オピストコンタ]]を形成する祖先の子孫である<ref name="Adl2005" />。植物は、動物と真菌よりも遠い関係にあると考えられている。
== 注と出典 ==

しかし、国際原生生物学会の分類が発表された同じ年(2005年)には、これらのスーパーグループの一部、特にクロムアルベオラータ(Chromalveolata)が単系統であるかどうかについて疑問が表明され<ref>{{cite journal |last1=Harper |first1=J. T. |last2=Waanders |first2=E. |last3=Keeling |first3=P. J. |year=2005 |title=On the monophyly of chromalveolates using a six-protein phylogeny of eukaryotes |journal=[[:en:International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology|International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology]] |volume=55 |issue=Pt 1 |pmid=15653923 |pages=487–496 |name-list-style=amp |doi=10.1099/ijs.0.63216-0 |df=dmy-all |doi-access=free}}</ref>、2006年の再調査では、提案された6つのスーパーグループのいくつかに証拠がないことが指摘された<ref name="parfrey">{{cite journal |last1=Parfrey |first1=Laura W. |last2=Barbero |first2=Erika |last3=Lasser |first3=Elyse |last4=Dunthorn |first4=Micah |year=2006 |last5=Bhattacharya |first5=Debashish |last6=Patterson |first6=David J. |last7=Katz |first7=Laura A. |name-list-style=amp |title=Evaluating support for the current classification of eukaryotic diversity |journal=[[:en:PLOS Genetics|PLOS Genetics]] |volume=2 |issue=12 |pages=e220 |doi=10.1371/journal.pgen.0020220 |pmid=17194223 |pmc=1713255 |doi-access=free }}</ref>。

2010年現在、リザリア(Rhizaria)は[[ストラメノパイル]](Stramenopiles)およびアルベオラータ(Alveolata)と一緒に[[SARスーパーグループ]]と呼ばれる[[クレード]]に属し<ref name="Burki2007p4">{{Harvnb|Burki|Shalchian-Tabrizi|Minge|Skjæveland |2007|p=4}}</ref>、リザリアは主要な真核生物グループの1つではないという見解が広まっている<ref name="CavalierSmith2009" /><ref name="Burki2007" /><ref name="Burki2008">{{cite journal |last1=Burki |first1=Fabien |last2=Shalchian-Tabrizi |first2=Kamran |last3=Pawlowski |first3=Jan |year=2008 |title=Phylogenomics reveals a new 'megagroup' including most photosynthetic eukaryotes |journal=[[:en:Biology Letters|Biology Letters]] |pmid=18522922 |volume=4 |issue=4 |pmc=2610160 |pages=366–369 |doi=10.1098/rsbl.2008.0224 |name-list-style=amp}}</ref><ref name="Burki2009">{{cite journal |last1=Burki |first1=F. |last2=Inagaki |year=2009 |first2=Y. |last3=Brate |first3=J. |last4=Archibald |first4=J. M. |last5=Keeling |first5=P. J. |last6=Cavalier-Smith |first6=T. |last7=Sakaguchi |first7=M. |last8=Hashimoto |first8=T. |last9=Horak |first9=A. |last10=Kumar |first10=S. |last11=Klaveness |first11=D.|author-link11=Dag Klaveness (limnologist) |last12=Jakobsen |first12=K. S. |last13=Pawlowski |first13=J. |last14=Shalchian-Tabrizi |first14=K. |title=Large-scale phylogenomic analyses reveal that two enigmatic protist lineages, Telonemia and Centroheliozoa, are related to photosynthetic Chromalveolates |journal=[[:en:Genome Biology and Evolution|Genome Biology and Evolution]] |volume=1 |pages=231–238 |doi=10.1093/gbe/evp022 |pmc=2817417 |pmid=20333193 |display-authors=8}}</ref><ref name="Hackett2007">{{cite journal |last1=Hackett |first1=J.D. |last2=Yoon |first2=H.S. |last3=Li |first3=S. |last4=Reyes-Prieto |first4=A.|last5=Rummele |first5=S.E. |last6=Bhattacharya |first6=D. |name-list-style=amp |year=2007 |title=Phylogenomic analysis supports the monophyly of cryptophytes and haptophytes and the association of Rhizaria with chromalveolates |journal=[[:en:Molecular Biology and Evolution|Molecular Biology and Evolution]] |volume=24 |issue=8 |pages=1702–1713 |doi=10.1093/molbev/msm089 |pmid=17488740 |doi-access=free}}</ref>。それ以上のコンセンサスはないようである。Rogozinらは、2009年、「真核生物の深い系統分類は、極めて困難で議論の多い問題である」と指摘した<ref>{{cite journal |last1=Rogozin |first1=I.B. |last2=Basu |first2=M.K. |last3=Csürös |first3=M.|last4=Koonin |first4=E.V. |year=2009 |title=Analysis of rare genomic changes does not support the unikont–bikont phylogeny, and suggests cyanobacterial symbiosis as the point of primary radiation of eukaryotes |journal=[[:en:Genome Biology and Evolution|Genome Biology and Evolution]] |volume=1 |pages=99–113 |doi=10.1093/gbe/evp011 |pmc=2817406 |name-list-style=amp |pmid=20333181}}</ref>。2010年の時点で、2005年に提唱された6つのスーパーグループモデルは、真核生物の真の系統を反映しておらず、したがって真核生物はどのように分類されるべきかという点では合意が得られているようだが、どのようなモデルがそれに代わるべきかという点での合意は得られていない<ref name="Burki2007">{{cite journal |last1=Burki |first1=Fabien |last2=Shalchian-Tabrizi |first2=Kamran |last3=Minge |first3=Marianne |last4=Skjæveland |first4=Åsmund |last5=Nikolaev |first5=Sergey I. |last6=Jakobsen |first6=Kjetill S. |last7=Pawlowski |first7=Jan |name-list-style=amp |editor1-last=Butler |year=2007 |editor1-first=Geraldine |title=Phylogenomics reshuffles the eukaryotic supergroups |journal=[[:en:PLOS ONE|PLOS ONE]] |volume=2 |issue=8 |pages=e790 |doi=10.1371/journal.pone.0000790 |pmid=17726520 |pmc=1949142 |bibcode=2007PLoSO...2..790B |doi-access=free}}</ref><ref name="Burki2008" /><ref name="KimGraham2008">{{cite journal |last1=Kim |first1=E. |last2=Graham |first2=L. E. |year=2008 |title=EEF2 analysis challenges the monophyly of Archaeplastida and Chromalveolata |journal=[[:en:PLOS ONE|PLOS ONE]] |volume=3 |issue=7 |pages=e2621 |editor1-last=Redfield |editor1-first=Rosemary Jeanne |doi=10.1371/journal.pone.0002621 |pmid=18612431 |pmc=2440802 |name-list-style=amp |last3=Redfield |first3=Rosemary Jeanne |bibcode=2008PLoSO...3.2621K |author3-link=Rosemary Redfield |doi-access=free}}</ref>。

{{clear}}

=== 最上位の分類の比較 ===
{{further|{{ill2|生命樹 (生物学)#Developments since 1990|en|Tree of life (biology)#Developments since 1990}}}}

著者の中には、分類に{{Ill2|非細胞生物|en|Non-cellular life}}を加えたものもいる。これによって、非細胞生命の Acytota(Aphanobionta とも呼ばれる)というスーパードメインが作られ、もう1つのスーパードメインが細胞生命である [[細胞|Cytota]] によって構成される<ref name="pmidhttps://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26305806/">{{cite journal |author=Trifonov EN, Kejnovsky E |title=Acytota - associated kingdom of neglected life. |journal=J Biomol Struct Dyn |year=2016 |volume= 34 |issue= 8 |pages=1641–8 |pmid=26305806 |doi=10.1080/07391102.2015.1086959 |pmc= |s2cid=38178747 |url=https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26305806/}}</ref><ref name="Biological systematics : the state of the art p.">{{cite book |title=Biological systematics: The state of the art |publication-place=London |isbn=0-412-36440-9 |oclc=27895507 |page= |last1=Minelli |first1=Alessandro |year=1993}}</ref>。[[エオサイト説]]では、[[真核生物]]は[[古細菌]]の中の{{Ill2|テルモプロテオータ|en|Thermoproteota}}({{Snamei|Thermoproteota}}、以前はエオサイト(eocytes)または[[クレン古細菌|クレン古細菌門]]({{Snamei|Crenarchaeota}})として知られていた)と呼ばれる門から出現したと提案している<ref name="Archibald">{{cite journal |first1=John M. |last1=Archibald |title=The eocyte hypothesis and the origin of eukaryotic cells |journal=[[:en:PNAS|PNAS]] |volume=105 |issue=51 |pages=20049–20050 |date=23 December 2008 |doi=10.1073/pnas.0811118106|pmid=19091952 |bibcode=2008PNAS..10520049A |pmc=2629348 |doi-access=free }}</ref><ref name="Lake">{{cite journal |first1=James A. |last1= Lake |first2=Eric |last2=Henderson |first3=Melanie |last3=Oakes |first4=Michael W. |last4=Clark |title=Eocytes: A new ribosome structure indicates a kingdom with a close relationship to eukaryotes |journal=[[:en:PNAS|PNAS]] |volume=81 |pages=3786–3790 |date=June 1984 |issue=12 |doi=10.1073/pnas.81.12.3786 |pmid=6587394 |pmc=345305 |bibcode=1984PNAS...81.3786L |doi-access=free}}</ref>。

{{biological classification with acellular}}

== ウイルス ==
[[国際ウイルス分類委員会]]は、[[ウイルス]]の分類に「界(kingdom)」という分類階級(接尾辞 -''virae'' が付く)を使用しているが、これは{{Ill2|レルム (ウイルス学)|en|Realm (virology)|label=レルム}}とサブレルムという最上位分類よりも下に位置する<ref name="ictvcode">{{cite web |url=https://ictv.global/about/code |title=ICTV Code |website=talk.ictvonline.org |publisher=International Committee on Taxonomy of Viruses |access-date=26 April 2020}}</ref>。

ウイルスが生命樹に含まれるかどうかについては、現在も議論が続いている。反対の論拠としては、ウイルスは[[代謝]]を欠き、宿主細胞の外で[[自己複製|複製]]することができない偏性細胞内[[寄生|寄生生物]]であるという事実がある<ref name="Moreira and López-García">{{cite journal |last=Moreira |first=David |author2=Purificación López-García |title=Ten reasons to exclude viruses from the tree of life |journal=[[:en:Nature Reviews Microbiology|Nature Reviews Microbiology]] |year=2009 |volume=7 |pages=306–311 |issue=4 |doi=10.1038/nrmicro2108 |pmid=19270719 |s2cid=3907750}}</ref><ref name="Luketa 2012">{{cite journal |title=New views on the megaclassification of life |journal=[[:en:Protistology|Protistology]] |date=2012 |first=Stefan |last=Luketa |volume=7 |issue=4 |pages=218–237 |url=http://protistology.ifmo.ru/num7_4/luketa_protistology_7-4.pdf}}</ref>。あるいは、ウイルスにはさまざまな進化的起源があると考えられており<ref name="Moreira and López-García" />、宿主から[[塩基配列|ヌクレオチド配列]]を取り入れる傾向をもつため、系統樹に含めるのは問題があるという意見もある。

その一方では、ウイルスを含めることに賛成する論拠もある<ref name="Nagendra et al. 2009">{{cite journal |last1=Hegde |first1=Nagendra |first2=Mohan S. |last2=Maddur |first3=Srini V. |last3=Kaveri |first4=Jagadeesh |last4=Bayry |name-list-style=amp |title=Reasons to include viruses in the tree of life |journal=[[:en:Nature Reviews Microbiology|Nature Reviews Microbiology]] |year=2009 |volume=7 |pages=615 |issue=8 |doi=10.1038/nrmicro2108-c1 |pmid=19561628 |doi-access=free}}</ref>。そのひとつが、典型的な細胞遺伝子を持つ[[ミミウイルス]]({{Snamei|Mimivirus}})のような、異常に大きく複雑なウイルスの発見からきている<ref name="Raoult et al., 2004">{{cite journal |last1=Raoult |first1=Didier |first2=Stéphane |last2=Audic |first3=Catherine |last3=Robert |first4=Chantal |last4=Abergel |first5=Patricia |last5=Renesto |first6=Hiroyuki |last6=Ogata |first7=Bernard |last7=La Scola |first8=Marie |last8=Suzan |first9=Jean-Michel |last9=Claverie |title=The 1.2&nbsp;megabase genome sequence of Mimivirus |journal=[[:en:Science (journal)|Science]] |year=2004 |volume=306 |pages=1344–1350 |doi=10.1126/science.1101485 |bibcode=2004Sci...306.1344R |pmid=15486256 |issue=5700|s2cid=84298461 }}</ref>。

== 注釈 ==
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<!-- == 参考文献 == -->
== 出典 ==
{{reflist|refs=
<ref name=Woese>{{cite journal |last1=Woese |first1=C.R. |last2=Kandler |first2=O. |last3=Wheelis |first3=M.L. |year=1990 |title=Towards a natural systs: proposal for the domains Archaea, Bacteria, and Eucarya |journal=Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America |volume=87 |issue=12 |pages=4576–9 |pmid=2112744 |pmc=54159 |doi=10.1073/pnas.87.12.4576 |bibcode=1990PNAS...87.4576W |doi-access=free}}</ref>
}}

== 推薦文献 ==
* {{Cite book |edition=Eighth edition |title=Biology of plants |url=https://www.worldcat.org/title/781446671 |publisher=W.H. Freeman and Company Publishers |date=2013 |location=New York |isbn=978-1-4292-1961-7 |oclc=781446671 |first=Peter H. |last=Raven |first2=Ray Franklin |last2=Evert |first3=Susan E. |last3=Eichhorn}}{{En icon}}
* {{Cite web |url=http://www.empirebiota.info/ |title=Empire Biota: a comprehensive taxonomy |access-date=2015-10-11 |archive-url=https://web.archive.org/web/20140202201721/http://www.empirebiota.info/ |archive-date=2014-02-02 |author=Pelentier, B. |year=2007-2015}}- 歴史的概要{{En icon}}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
* {{Ill2|分岐分類学|en|Cladistics|label=分岐分類学|preserve=1}} - 生物をクレードに分類する生物学的な分類法
<!-- {{Wiktionary|}} -->
* {{Ill2|系統学|en|Phylogenetics|preserve=1}} - 生物のグループ間またはグループ内の歴史と関係を研究する学問
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* {{Ill2|体系学|en|Systematics|preserve=1}} - 生物の多様化および生物間の時間的な関係を研究する学問
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* {{Ill2|分類学|en|Taxonomy (biology)|preserve=1}} - 共通の特徴に基づいて生物群を命名/定義/分類する科学的研究
* [[生物の分類]]
* [[生物の分類]] - 共通の特徴に基づいて生物群を命名し、定義し、分類する科学的研究
* [[ドメイン (分類学)]]
* [[階級 (生物学)]] - 祖先または遺伝的階層における生物群(分類群)の相対的な水準
* [[スーパーグループ (分類学)]]
* [[リンネ式階層分類体系]] - カール・リンネによる生物学的分類体系(1735年)、または伝統的な意味での分類学

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2024年6月27日 (木) 14:00時点における最新版

(かい、: kingdom: regnum)は、生物学におけるドメインに次いで2番目に高い分類階級である。界はと呼ばれるより小さなグループに分けられる。

米国[1]やカナダの教科書では六界動物界植物界菌界原生生物界古細菌界細菌/真正細菌)が使われるのに対し、日本[2]、イギリス、パキスタン、バングラデシュ、インド、ギリシャ、ブラジルなどの教科書では五界(動物界、植物界、菌界、原生生物界、モネラ界)が使われている。

現代分岐学に基づいた最近の分類の中には、従来の一部の界が単系統ではない、つまり共通の祖先のすべての子孫から構成されているわけではないことを指摘し、界という用語を明確に放棄しているものもある。また、植物相flora)、動物相fauna)、そして21世紀には真菌類(funga英語版)という用語も、特定の地域や時代に存在する生命を表すのに使われる[3][4]

定義と関連用語

[編集]

1735年、カール・リンネが、生物学に階級に基づく命名法を導入したとき、最も高い階級に「界」という名称を与え、その後に「」「」「」「」という4つの主要な階級が続いた[5]。その後、さらに2つの主要な階級が導入され、界(kingdom)、(phylum, or division)、(class)、(order)、(family)、(genus)、(species)という順序になった[6]。1990年、界の上位にドメイン(domain)という階級が導入された。

接頭辞を追加することができ、亜界(subkingdom、subregnum)と下界(infrakingdom、infraregnum)は、界(kingdom)の直下にある2つの階級である。上界(superkingdom)はドメインや帝国(empire)に相当するもの、あるいは帝国とドメインやサブドメインの中間に位置する独立した階級と考えることができる。分類体系によっては、亜界と下界の間に、さらに枝(branch、: ramus)の階級が挿入されることもある、たとえば、キャバリエ=スミスの分類における前口動物Protostomia)や後口動物Deuterostomia)があげられる[7]

歴史

[編集]

生命の二界

[編集]

生物を動物と植物に分類することは古くから行われてきた。アリストテレス(紀元前384-322年)は『History of Animals動物誌)』で動物の種を分類し、弟子のテオプラストス(紀元前371 - 287年頃)は植物について『Historia Plantarum植物誌英語版)』を記述した[8]

1735年、カール・リンネ(1707-1778)は、現在では命名規約英語版によって規定されている近代的な生物学的命名法の基礎を築いた。彼は、生物を2つの界「動物界」(Regnum Animale)と「植物界」(Regnum Vegetabile)に分けた。リンネはまた、分類体系鉱物も含め、それらを第3の界「鉱物界」(Regnum Lapideum)に位置づけた。

 生命 

動物界
Regnum Animale (animals)

植物界
Regnum Vegetabile ('vegetables'/plants)

Life
 非生命 

鉱物界 (鉱物)
Regnum Lapideum (minerals)

Non-life

生命の三界

[編集]

ヘッケルが最初に発表した新しい原生生物界 (kingdom Protista) を含む3つの生命界の概念(1866年)。シアノバクテリウム (Nostoc) が植物 (Plantae) に含まれていることに注目される。

1674年、しばしば「顕微鏡の父」と呼ばれるアントニ・ファン・レーウェンフックは、初めて顕微鏡で単細胞生物を観察した結果をロンドン王立協会に送った。それまでは、このような微生物の存在はまったく知られていなかった。けれどもリンネは彼の独創的な分類法に微生物を含めなかった。

当初、微生物は動物界と植物界に分類されていた。しかし、19世紀半ばには「植物界と動物界という既存の二分法は急速にその境界が曖昧になり、時代遅れになった」ことは、誰の目にも明らかになった[9]

1860年、ジョン・ホッグは、「すべての下等生物、あるいは原始的な有機生物」からなる第3の生命界である原生生物(Protoctista)を提案した。彼は、第4の界である鉱物界(Regnum Lapideum)を残した[9]。1866年、エルンスト・ヘッケルもまた、動物でも植物でもない「中立的な生物」あるいは「原始的な形態の界」として、第3の生命界である原生生物界Protista)を提唱した。しかし、ヘッケルはこの枠組みに鉱物界を含めなかった[9]。ヘッケルは、生物が単細胞(原生生物界)か多細胞(動物界と植物界)かに基づく分類に落ち着くまで、この界の内容を何度も修正した[9]

生物

原生生物界
Kingdom Protista or Protoctista

植物界
Kingdom Plantae

動物界
Kingdom Animalia

Life
  非生物  

鉱物界 (鉱物)
Regnum Lapideum (minerals)

Non-life

四界

[編集]

顕微鏡の発達により、細胞に明瞭な(細胞核)を持たない生物(原核生物)と、細胞に明瞭な核を持つ生物(真核生物)の重要な違いが明らかになった。1937年、エドゥアール・シャットンはこれらの生物を区別するために「原核生物(prokaryote)」と「真核生物(eukaryote)」という用語を導入した[10]

1938年、ハーバート・F・コープランド英語版は、原核生物からなる新しいモネラ界を創設し、四界の分類を提案した。これは原生生物界のモネラ門を改訂したもので、現在では細菌古細菌に分類されている生物が含まれていた。エルンスト・ヘッケルは、1904年の著書『The Wonders of Life(生命の不思議)』の中で、藍藻類(またはPhycochromacea)をモネラ門に分類した。これは次第に受け入れられ、藍藻はシアノバクテリア門の細菌として分類されるようになった[11][10]

1960年代、ロジャー・スタニエ英語版C.B.ヴァン・ニールは、エドゥアール・シャットンの初期の研究、特に1962年の論文「The Concept of a Bacterium(バクテリアの概念)」を取り上げ、普及させた。これによって初めて、原核生物と真核生物の2帝系英語版より上位の階級、すなわち上界(superkingdom)あるいは帝国(empire)が創設された[10]。後に2帝系は、古細菌、細菌、真核生物の3ドメイン系英語版に拡張される[12]

  生命  
原核生物

モネラ界
Kingdom Monera

Empire Prokaryota
真核生物

原生生物界
Kingdom Protista or Protoctista

植物界
Kingdom Plantae

動物界
Kingdom Animalia

Empire Eukaryota
Life

五界

[編集]

真菌類と、植物とみなされる他の生物との違いは、以前から一部の人々により認識されていた。ヘッケルは、当初の分類の後、真菌類を植物界から原生生物界に移動したが[11]、この分割は、当時の科学者からほとんど無視されていた。ロバート・ホイッタカーは、真菌類のための界(Fungi)の創設を認めた[13]。その結果、1969年にホイッタカーによって提案された五界分類系は一般的な標準となり、今でも改良を加えながら多くの著作で使用され、新しい多界分類系の基礎となっている。これは主に栄養の違いに基づいており、植物界のほとんどは多細胞の独立栄養生物で、動物界は多細胞の従属栄養生物で、そして菌界は多細胞の腐生生物英語版であった。

残りの2つの界、原生動物とモネラには、単細胞コロニーと単純型細胞コロニーが含まれていた[13]。五界系は2帝系英語版と組み合わされることもある。ホイッタカーの体系では植物界は一部の藻類を含んでいた。リン・マーギュリスの五界系のような別の体系では、植物には陸上植物(有胚植物英語版Embryophyta)だけを含み、原生生物界はより広い定義を持っている[14]

ホイッタカーの体系が発表された後、五界モデルは高校の生物学の教科書で広く使われるようになった[15]。しかし、ほとんどの科学者が二界系から五界系へと移行したにもかかわらず、1975年になっても一部の著者は伝統的な動物と植物の2界体系を使い続け、植物界を原核生物門(細菌とシアノバクテリア)、真菌類門(真菌類とその近縁種)、緑藻類門(藻類と陸上植物)の亜界(subkingdoms)に分割した[16]

  生命  
原核生物

モネラ
Kingdom Monera

Empire Prokaryota
真核生物

原生生物界
Kingdom Protista or Protoctista

植物界
Kingdom Plantae

菌界
Kingdom Fungi

動物界
Kingdom Animalia

Empire Eukaryota
Life

六界

[編集]

1977年、カール・ウーズらは、リボソームRNA遺伝子構造に基づいて、原核生物を真正細菌(Eubacteria、後に細菌/Bacteriaと呼ばれる)と古細菌(Archaebacteria、後のArchaea)に基本的に分類することを提案した[17]。これは後に、細菌、古細菌、真核生物という「生命の3ドメイン」の提案につながる[18]。これと五界モデルを組み合わせることで、モネラ界を菌界(kingdom Bacteria)と古細菌界(kingdom Archaea)に置き換えた六界モデルが作られた[19]。この六界モデルは、最近では米国の高校でも生物学の教科書に使われているが、現在の科学的コンセンサスを危うくするという批判もある[15]。しかし、原核生物を2つの界に分けることは、主に原生動物(Protista)が原生動物Protozoa)とクロミスタChromista)に置き換えた点で異なるものの、トーマス・キャバリエ=スミスによる最近の七界説でもまだ使われている[20]

  生命  
原核生物

真正細菌界 (菌界)
Kingdom Eubacteria (Bacteria)

古細菌界 (アーキア)
Kingdom Archaebacteria (Archaea)

Empire Prokaryota
真核生物

原生生物界
Kingdom Protista or Protoctista

植物界
Kingdom Plantae

菌界
Kingdom Fungi

動物界
Kingdom Animalia

Empire Eukaryota
Life

八界

[編集]

トーマス・キャバリエ=スミスは、真正細菌Eubacteria)と古細菌Archaebacteria)の違いは非常に大きく(特にリボソームRNA遺伝子の遺伝的距離を考慮すると)、原核生物を2つの異なる界に分離する必要があるという当時のコンセンサスを支持した。そして真正細菌を2つの亜界、ネギバクテリアグラム陰性細菌)とポジバクテリアグラム陽性細菌)に分けた。電子顕微鏡の技術的進歩により、植物界からクロミスタを分離することが可能になった。実際、クロミスタの葉緑体は(細胞質ではなく)小胞体の内腔に位置している。さらに、クロミスタだけがクロロフィルc英語版を含む。それ以来、二次的に葉緑体を失ったと考えられる多くの非光合成的な原生生物門が、クロミスタ界に統合された。

やがてついに、ミトコンドリアを持たない原生生物が発見された[21]。ミトコンドリアはプロテオバクテリア内部共生の結果であることが知られていたため、これらのミトコンドリアを欠く真核生物は、真核形成英語版の重要な一歩を踏み出した原始的なものであると考えられた。その結果、これらのミトコンドリアを欠く原生生物は原生生物界から分離され、上界および界としてアーケゾア(kingdom Archezoa)が同時に誕生した。この上界は、他の5つの真核生物界(動物界原生動物界菌界植物界クロミスタ界)をまとめたメタカリオタ上界英語版Metakaryota)と対立していた。このアーケゾア仮説は後に放棄され[22]、後の仮説にはアーケゾアとメタカリオタの区分を含めなかった[23][20]

  生命  
原核生物上界

真正細菌界
Kingdom Eubacteria

古細菌界
Kingdom Archaebacteria

Superkingdom Prokaryota
アーケゾア上界‡

アーケゾア界
Kingdom Archezoa

Superkingdom Archezoa
メタカリオタ英語版上界‡

原生動物界
Kingdom Protozoa

クロミスタ界
Kingdom Chromista

植物界
Kingdom Plantae

菌界
Kingdom Fungi

動物界
Kingdom Animalia

Superkingdom Metakaryota
Life

 ‡分類学者にはもう認識されていない。

六界(1998)

[編集]

1998年、キャバリエ=スミスは六界モデルを発表したが[23]、その後の論文で改訂されている。次に、2009年に発表された改訂版を説明する[24][a][25]。キャバリエ=スミスは、ウーズらによって提唱され、最近の研究によって裏付けられている基本的な真正細菌(Eubacteria)と古細菌(Archaebacteria)を区別することの重要性を否定している[26]細菌界原核生物帝の唯一の界)は膜トポロジー英語版によって、ウニバクテリアUnibacteria)とネギバクテリアNegibacteria、グラム陰性細菌)の2つの亜界に分割された。ウニバクテリアは古細菌Archaebacteria)とポジバクテリアPosibacteria、グラム陽性細菌)に分けられた。古細菌の遺伝的距離の長い枝よりも、二膜性-単膜性を区別する方がはるかに本質的であり、これには特に生物学的意義はないと見なすものであった。

キャバリエ=スミスは、分類群は単系統[b]でなければならないという要件を有効とは認めていない。彼は、原核生物、細菌、ネギバクテリア、ウニバクテリア、ポジバクテリアを有効な側系統[c]分類群として定義し、(生物学的ニッチの概念に関して)生物学的意義の重要な革新を示している。

同じように、彼の側系統的な原生動物界には、動物界、菌界、植物界、クロミスタのそれぞれの祖先が含まれている。系統発生学的な研究の進歩により、キャバリエ=スミスは、アーケゾア(すなわちミトコンドリアを持たない原始的な真核生物)であると考えられていたすべての系統が、実際には、ミトコンドリアを二次的に失い、典型的にはミトコンドリアを新しい細胞小器官であるハイドロジェノソームに変化させていたことに気づいた。つまり、キャバリエ=スミスによって与えられた用語の意義によれば、すべての生きている真核生物は実際にはメタカリオタである。微胞子虫門(phylum Microsporidia)のように、消滅したアーケゾア界の一部は、菌界に再分類された。他には、現在エクスカバータ下界に属しているメタモナーダのように、原生動物界に再分類されたものもある。

キャバリエ=スミスは側系統を認めているので、下の図は「祖先図」ではなく「組織図」であり、進化系統樹を表しているわけではない。

  生命  
原核生物

細菌界 - 古細菌を亜界に含む
Kingdom Bacteria — includes Archaebacteria as part of a subkingdom

Empire Prokaryota
真核生物

原生動物界 - アメーボゾアコアノゾアエクスカバータなど
Kingdom Protozoa — e.g. Amoebozoa, Choanozoa, Excavata

クロミスタ界 - アルベオラータクリプト藻不等毛類褐藻珪藻など)、ハプト藻リザリアなど
Kingdom Chromista — e.g. Alveolata, cryptophytes, Heterokonta (Brown Algae, Diatoms etc.), Haptophyta, Rhizaria

植物界 - 灰色藻紅藻緑藻陸上植物など
Kingdom Plantae — e.g. glaucophytes, red and green algae, land plants

菌界
Kingdom Fungi

動物界
Kingdom Animalia

Empire Eukaryota
Life

七界

[編集]

キャバリエ=スミスらは、2015年に分類を改訂した。彼らはこの枠組みで、原核生物と真核生物の2つの上界と、その下に7つの界を導入した。原核生物には細菌界古細菌界という2つの界がある。(これは「細菌と古細菌の分類学的概要英語版」と「生命のカタログ英語版」に示されたコンセンサスに基づいている)。真核生物には、原生動物界、クロミスタ界、植物界、菌界、動物界の5つの界がある。この分類のもとで、原生生物(protist)は、真核単細胞生物のどれかに位置づけられる[20]

  生命  
原核生物上界

細菌界
Kingdom Bacteria

古細菌界
Kingdom Archaea

Superkingdom Prokaryota
真核生物上界

原生動物界 - アメーボゾアコアノゾアエクスカバータなど
Kingdom Protozoa — e.g. Amoebozoa, Choanozoa, Excavata

クロミスタ界 - アルベオラータクリプト藻不等毛類褐藻珪藻など)、ハプト藻リザリアなど
Kingdom Chromista — e.g. Alveolata, cryptophytes, Heterokonta (Brown Algae, Diatoms etc.), Haptophyta, Rhizaria

植物界 - 灰色藻紅藻緑藻陸上植物など
Kingdom Plantae — e.g. glaucophytes, red and green algae, land plants

菌界
Kingdom Fungi

動物界
Kingdom Animalia

Superkingdom Eukaryota
Life

まとめ

[編集]
リンネ
1735[27]
ヘッケル
1866[28]
シャットン
1925[29][30]
コープランド英語版
1938[31][32]
ホイッタカー
1969[33]
ウーズ
1977[34][35]
ウーズら
1990[36]
キャバリエ=スミス
1993[37][38][39]
キャバリエ=スミス
1998[40][41][42]
Ruggiero et al.
2015[43]
二帝英語版 二帝英語版 二帝英語版 二帝英語版 3ドメイン 三上界 二帝英語版 二上界英語版
二界 三界 四界 五界 六界 八界 修正六界 七界
原生生物界
Protista
原核生物
Prokaryota
モネラ界
Monera
モネラ界
Monera
真正細菌界
Eubacteria
細菌
Bacteria
真正細菌界
Eubacteria
細菌界
Bacteria
細菌
Bacteria
古細菌界
Archaebacteria
古細菌
Archaea
古細菌界
Archaebacteria
古細菌
Archaea
真核生物
Eukaryota
原生生物界
Protoctista
原生生物界
Protista
原生生物界
Protista
真核生物
Eucarya
アーケゾア界
Archezoa
原生動物界
Protozoa
原生動物界
Protozoa
原生動物界
Protozoa
クロミスタ界
Chromista
クロミスタ界
Chromista
クロミスタ界
Chromista
植物界
Vegetabilia
植物界
Plantae
植物界
Plantae
植物界
Plantae
植物界
Plantae
植物界
Plantae
植物界
Plantae
植物界
Plantae
菌界
Fungi
菌界
Fungi
菌界
Fungi
菌界
Fungi
菌界
Fungi
動物界
Animalia
動物界
Animalia
動物界
Animalia
動物界
Animalia
動物界
Animalia
動物界
Animalia
動物界
Animalia
動物界
Animalia


生物の界レベルの分類は、(この手法にはいくつかの問題があるにもかかわらず)生物をグループ分けする有用な方法として今でも広く使われている。

  • 原生動物界(Protozoa)のような界は、クレードというよりむしろ段階英語版を表しているため、系統分類システムでは否定されている。
  • 最新の研究は、真核生物をどの標準的な分類体系に分類することも支持していない。2010年の時点では、どの界も研究によって十分に裏付けられておらず、広く受け入れられるには至っていない。2009年、アンドリュー・ロジャーとアラステア・シンプソンは、新発見を分析する際には慎重であるべきと強調し、「真核生物の生命樹に関する我々の理解における現在の変化のペースを考えると、我々は慎重に進まなければならない」と語った[44]

伝統的な界の後継

[編集]

界という概念は一部の分類学者によって使用され続けているものの、生物を自然のグループに並べることに重点を置く分岐分類を提供するものとは見なされておらず、伝統的な界から脱却する動きがある[45]

生命の3ドメイン

[編集]
細菌古細菌真核生物アクウィフェクス門テルモトガ門バクテロイデス門プランクトミケス門シアノバクテリア門シュードモナス門スピロヘータ門グラム陽性クロロフレクサス門テルモプロテウス目テルモコックス・セラー (英語版)メタノコックス属 (英語版)メタノバクテリウム属メタノサルキナ属ハロバクテリウム綱エントアメーバ属 (英語版)粘菌類動物類菌類植物類繊毛虫類鞭毛虫類トリコモナス類微胞子虫類ディプロモナス類
ウーズの3ドメイン系英語版を示すリボソームRNAデータに基づく系統樹。小さい枝はすべて界とみなすことができる。

1970年代半ば以降、分類の主な要因として分子レベルの遺伝子(当初はリボソームRNA遺伝子)の比較が重視されるようになり、外見や行動よりも遺伝子の相同性が強調されるようになった。界を含む分類階級は、単系統群(共通祖先の「すべての子孫」)であれ、側系統群(共通祖先の「一部の子孫」のみ)であれ、共通の祖先を持つ生物のグループとされた[要出典]

このようなRNAの研究に基づいて、カール・ウーズは、生命は3つの大きな区分に分けられると考え、それらを「3超界(three primary kingdom)」モデルあるいは「超界(urkingdom)」モデルと呼んだ[17]

ウーズらは、1990年、最高位の名称として「ドメイン」を提案した[18]。この用語は、1974年にムーアによって導入された「ドミニオン」(dominion、: dominium)というカテゴリーの同義語である[46]。ムーアと異なるのは、1990年にウーズらがこのカテゴリに対するラテン語を提案していなかったことで、的確に導入された用語であるドミニオンが支持される論拠となっている[47]

ウーズは原核生物(以前はモネラ界に分類されていた)を真正細菌古細菌という2つのグループに分け、この2つのグループの間にある遺伝的な差異は、そのどちらか一方と、すべての真核生物の間にある差異と同じくらい多くあることを強調した。

  生命  

細菌ドメイン
Domain Bacteria (Eubacteria)

古細菌ドメイン
Domain Archaea (Archaebacteria)

真核生物ドメイン
Domain Eukarya (Eukaryota)

Life

遺伝子データによれば、植物、真菌類、動物などの真核生物グループは、見た目は異なるかもしれないが、真正細菌や古細菌よりも互いに近縁である。また、真核生物は真正細菌よりも古細菌に近いこともわかった。真正細菌と古細菌とを区別する優位性は疑問視されてきたが、その後の研究によって支持されてきた[26]。ウーズが提唱した分類体系にいくつの界が存在するかについては、コンセンサスを得ていない。

真核生物のスーパーグループ

[編集]

Eukaryotic tree of life showing the diversity of eukaryotic cells.
アラステア・シンプソンによる真核生物の関係の仮説。彼らの論文から複製。(2004) [45]

2004年、シンプソンとロジャーは総説論文で、原生生物は「動物、植物、真菌類以外のすべての種々雑多真核生物である」と指摘した。彼らは、分類の正式な階級として認められるのは単系統グループのみに限るべきで、以前はこのアプローチは非現実的だったが(文字どおり数10もの真核生物の界を必要とした)、今では真核生物を「おそらくはすべて単系統である、わずか数個の主要なグループ」に分けることが可能になったと主張した[45]

これに基づいて作られた真核生物の実際の「界」(引用符は彼らによる)を右側の図に示す[45]。2005年、この方法を用いた分類が、国際原生生物学会に向けて「多くの学会の専門家と協力した」委員会によって作成された。ここでは、真核生物を同じ6つの「スーパーグループ」に分割した[48]。発表された分類では「界」を含む正式な分類階級を意図的に使用していない。

  生命  
細菌ドメイン

原核細菌
prokaryotic Bacteria

Domain Bacteria
古細菌ドメイン

原核古細菌
prokaryotic Archaeans

Domain Archaea
真核生物ドメイン
エクスカバータ

さまざまな鞭毛原虫類
various flagellate protozoa

Excavata
アメーボゾア

ほとんどの葉状アメーバ類と粘菌
most lobose amoeboids and slime moulds

Amoebozoa
オピストコンタ

動物類真菌類襟鞭毛虫など
animals, fungi, choanoflagellates, etc.

Opisthokonta
リザリア

有孔虫放散虫、その他様々なアメーバ様原生動物
Foraminifera, Radiolaria, and various other amoeboid protozoa

Rhizaria
クロムアルベオラータ

ストラメノパイル褐藻珪藻その他)、ハプト藻クリプト藻(またはクリプトモナス類)、アルベオラータ
Stramenopiles (Brown Algae, Diatoms, etc.), Haptophyta, Cryptophyta (or cryptomonads), and Alveolata

Chromalveolata
アーケプラスチダ (または一次植物)

陸上植物緑藻類、紅藻類、灰色藻
Land plants, green algae, red algae, and glaucophytes

Archaeplastida (or Primoplantae)
Domain Eukaryota
Life

このシステムでは、多細胞動物(Metazoa後生動物)は、単細胞の襟鞭毛虫や真菌類と同じく、オピストコンタを形成する祖先の子孫である[48]。植物は、動物と真菌よりも遠い関係にあると考えられている。

しかし、国際原生生物学会の分類が発表された同じ年(2005年)には、これらのスーパーグループの一部、特にクロムアルベオラータ(Chromalveolata)が単系統であるかどうかについて疑問が表明され[49]、2006年の再調査では、提案された6つのスーパーグループのいくつかに証拠がないことが指摘された[50]

2010年現在、リザリア(Rhizaria)はストラメノパイル(Stramenopiles)およびアルベオラータ(Alveolata)と一緒にSARスーパーグループと呼ばれるクレードに属し[51]、リザリアは主要な真核生物グループの1つではないという見解が広まっている[24][52][53][54][55]。それ以上のコンセンサスはないようである。Rogozinらは、2009年、「真核生物の深い系統分類は、極めて困難で議論の多い問題である」と指摘した[56]。2010年の時点で、2005年に提唱された6つのスーパーグループモデルは、真核生物の真の系統を反映しておらず、したがって真核生物はどのように分類されるべきかという点では合意が得られているようだが、どのようなモデルがそれに代わるべきかという点での合意は得られていない[52][53][57]

最上位の分類の比較

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著者の中には、分類に非細胞生物英語版を加えたものもいる。これによって、非細胞生命の Acytota(Aphanobionta とも呼ばれる)というスーパードメインが作られ、もう1つのスーパードメインが細胞生命である Cytota によって構成される[58][59]エオサイト説では、真核生物古細菌の中のテルモプロテオータ英語版Thermoproteota、以前はエオサイト(eocytes)またはクレン古細菌門Crenarchaeota)として知られていた)と呼ばれる門から出現したと提案している[60][61]

無細胞生物を含めた生物学的分類
分類学的ルートノード 2スーパードメイン
(議論あり)
2帝系英語版 3ドメイン系英語版 5ドミニオン[62]
5 6界 エオサイト説
2ドメイン系英語版
生物群 / 生命

Biota / Vitae / Life
非細胞生物
非細胞生命英語版

Acytota / Aphanobionta
Virusobiota (ウイルス, ウイロイド)

Virusobiota (Viruses, Viroids)
Prionobiota (プリオン)

Prionobiota (Prions)
細胞生物

Cytota
原核生物
(モネラ)

Prokaryota / Procarya
(Monera)
細菌

Bacteri
細菌

Bacteria
モネラ

Monera
真正細菌

Eubacteria
細菌

Bacteria
古細菌

Archae
古細菌

Archaea
古細菌

Archaebacteria
古細菌 (真核生物を含む)

Archaea incl. eukaryotes
真核生物

Eukaryota/Eukarya
原核生物界 Protista
菌界 Fungi
植物界 Plantae
動物界 Animalia

ウイルス

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国際ウイルス分類委員会は、ウイルスの分類に「界(kingdom)」という分類階級(接尾辞 -virae が付く)を使用しているが、これはレルム英語版とサブレルムという最上位分類よりも下に位置する[63]

ウイルスが生命樹に含まれるかどうかについては、現在も議論が続いている。反対の論拠としては、ウイルスは代謝を欠き、宿主細胞の外で複製することができない偏性細胞内寄生生物であるという事実がある[64][65]。あるいは、ウイルスにはさまざまな進化的起源があると考えられており[64]、宿主からヌクレオチド配列を取り入れる傾向をもつため、系統樹に含めるのは問題があるという意見もある。

その一方では、ウイルスを含めることに賛成する論拠もある[66]。そのひとつが、典型的な細胞遺伝子を持つミミウイルスMimivirus)のような、異常に大きく複雑なウイルスの発見からきている[67]

注釈

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  1. ^ キャバリエ=スミスが2004年に発表したバージョンと比較すると、アルベオラータリザリアは原生動物界からクロミスタ界に移動している。
  2. ^ monophyletic (彼の用語では完系統(holophyletic))
  3. ^ paraphyla(したがって、彼がこの用語を使う意味では単系統(monophyletic))

出典

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推薦文献

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関連項目

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  • 分岐分類学英語版 - 生物をクレードに分類する生物学的な分類法
  • 系統学英語版 - 生物のグループ間またはグループ内の歴史と関係を研究する学問
  • 体系学英語版 - 生物の多様化および生物間の時間的な関係を研究する学問
  • 分類学英語版 - 共通の特徴に基づいて生物群を命名/定義/分類する科学的研究
  • 生物の分類 - 共通の特徴に基づいて生物群を命名し、定義し、分類する科学的研究
  • 階級 (生物学) - 祖先または遺伝的階層における生物群(分類群)の相対的な水準
  • リンネ式階層分類体系 - カール・リンネによる生物学的分類体系(1735年)、または伝統的な意味での分類学