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「如懿伝 〜紫禁城に散る宿命の王妃〜」の版間の差分

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: 物語中盤の悪役で、如懿に深い嫉妬を向ける、表の最大の敵。
: 物語中盤の悪役で、如懿に深い嫉妬を向ける、表の最大の敵。
: 乾隆帝の皇子時代の嫡福晋で、彼の即位後は最初の皇后。清国最大の豪族である生家・富察氏の当主。
: 乾隆帝の皇子時代の嫡福晋で、彼の即位後は最初の皇后。清国最大の豪族である生家・富察氏の当主。
: 彼女はもともと皇太后から宝親王の嫡福晋として指名され、立場的には如懿より上で、他の側室にとっても優しい姉分だった。
: 彼女はもともと皇太后から宝親王の嫡福晋として指名され、立場的には如懿より上で、他の側室にとっても優しい姉分だった。初め彼女はただ如懿と乾隆帝の関係を羨ましく思っていたが、時間を経て妻としての愛を奪った如懿を恨むことになった。
: 皇后になった後、周りには慎み深く見られているが、如懿だけを苛めている。如懿を一点集中に攻撃しつつ、何度も彼女を冤罪の罠に陥れる。さらに質素倹約や乾隆帝への献身を如懿に押し付け、捏造された罪を彼女に被せる。理由すらも見つからない場合、直接高晞月と共にほかの側室の前で堂々と如懿を貶める。
: 初め彼女はただ如懿と乾隆帝の関係を羨ましく思っていたが、時間を経て妻としての愛を奪った如懿を恨むことになった。如懿とそんなに対立していない時には主動的な加害行為をしないが、如懿からの助け呼びを一切無視し、彼女を「一人で解決しよう」という思考回路に誘導・放置させた。
: 皇后になった後、周りには慎み深く見られているが、如懿だけを苛めている。本気で如懿を「敵」として認定された後、頻繫に高晞月を呼んで如懿との表の喧嘩を引き起こし、琅嬅自身は如懿が怒る状態中の発言のミスを探して、偽善的な反論をかける。さらに質素倹約や乾隆帝への献身などのいい建前のある仕事を如懿に押し付け、如懿が見事に出来たとしても「あなたは間違っているよ」と言い返し、何度も彼女を捏造された冤罪に陥れた。最後、理由ですらも見つからない場合、直接ほかの側室が全部揃ってる朝会で、配下である高晞月や金玉妍と堂々に如懿を貶めて、認罪させることをする。
: 富察氏の栄光を守ることを人生の目的とし、自分の宮女や宦官を乾隆帝の傍に派遣して情報収集をする。その結果に応じて、乾隆帝の好みの女性を演じることで、皇帝にとって理解ある後宮の女主人としての立場を維持している。自分が産んだ第2皇子や第7皇子が病気になっても、富察家の誇りを優先するため、彼らを一生懸命に勉強させた。娘である和敬公主よりも息子のほうを寵愛していたが、娘を守りたいという側面もあり、モンゴルの[[ハーン]]との縁談を必死に防ごうとして皇太后にも反抗的な態度をとり、嫌悪感を引き起こした。
: 富察氏の栄光を守ることを人生の目的とし、自分の宮女や宦官を乾隆帝の傍に派遣して情報収集をする。その結果に応じて、乾隆帝の好みの女性を演じることで、皇帝にとって理解ある後宮の女主人としての立場を維持している。自分が産んだ第2皇子や第7皇子が病気になっても、富察家の誇りを優先するため、彼らを一生懸命に勉強させた。娘である和敬公主よりも息子のほうを寵愛していたが、娘を守りたいという側面もあり、モンゴルの[[ハーン]]との縁談を必死に防ごうとして皇太后にも反抗的な態度をとり、嫌悪感を引き起こした。
: 後宮内の人望を失うたびに如懿への怨念をつのらせ、それはやがて一生消えないほど重いものとなる。死の直前に、乾隆帝から数々の悪事を見透かされていたことに絶望しながらも、『如懿が次期皇后となることを絶対に許さない』と周りに強く言う。
: 後宮内の人望を失うたびに如懿への怨念をつのらせ、それはやがて一生消えないほど重いものとなる。死の直前に、乾隆帝から数々の悪事を見透かされていたことに絶望しながらも、『如懿が次期皇后となることを絶対に許さない』と周りに強く言う。
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: <small>小説版でつけられた[[漢詩]]:金枝玉葉,尽態極妍;銀雪皚皚,長白山砦;恵醤玉液,物騒童顔;烈火毐毐,傲然姿態。</small>
: <small>小説版でつけられた[[漢詩]]:金枝玉葉,尽態極妍;銀雪皚皚,長白山砦;恵醤玉液,物騒童顔;烈火毐毐,傲然姿態。</small>
: 居所: {{仮リンク|太极殿|zh|太极殿|label=啓祥宮}}/特技: [[剣舞]]・[[チャング|朝鮮太鼓]]の舞・[[伽倻琴]]
: 居所: {{仮リンク|太极殿|zh|太极殿|label=啓祥宮}}/特技: [[剣舞]]・[[チャング|朝鮮太鼓]]の舞・[[伽倻琴]]
: [[李氏朝鮮]]をモデルとする"玉氏王国"の王室出身、[[清王朝]]に献上された[[貢女]]。
: [[李氏朝鮮]]をモデルとする"玉氏王国"の王室出身、[[清王朝]]に献上された[[貢女]]。
: 物語前半の黒幕高晞月と富察瑯嬅を傀儡のように操っていた謀略家。
: 物語前半の黒幕であり、高晞月と富察瑯嬅を傀儡のように操っていた異国出身の謀略家。
: 祖国の王世子と情を通じており、乾隆帝への愛はゼロに等しい。高晞月のように富察琅嬅の配下として振舞っているが、彼女への忠誠心無い。乾隆帝の血を引く皇子を産み、その皇子の力で玉氏王国を清国の支配下から解放させ、逆に玉氏王国が清国政治を操る』いう登場人物でも最も壮大な野望を持つ
: 高晞月のように富察琅嬅の配下として振舞っているが、彼女への忠誠心や乾隆帝への愛は無いに等しく、祖国の王世子と情を通じている彼女の目的は乾隆帝の血を引く皇子を産み、その皇子の力をもって、属国ある玉氏王国を清国の支配下から解放することである。同じ玉氏王国出身[[医女]]・貞淑共に如懿と海蘭を含む多く側室、子供、そして胎児や妊産婦までも無慈悲に排除する
: 美人揃いの後宮においても特に容姿が際立っており、色気に溢れた姿態は男性の欲望を真っ直ぐに誘惑する。いつまでも若々しい肉体と妖艶な振る舞いで乾隆帝を魅了するが、正体は人殺しを趣味とする極悪女である。同じ玉氏王国出身[[医女]]・貞淑と共に、如懿海蘭含む多く側室、子供、そして胎児や妊産婦までも無慈悲排除
: 美人揃いの後宮においても特に容姿が際立っており、色気に溢れた姿態は男性の欲望を真っ直ぐに誘惑する。いつまでも若々しい肉体と妖艶な振る舞いで乾隆帝を魅了するが、正体は人殺しを趣味とする極悪女である。他人人間関係を悪化させる術長け内紛を煽るこで、邪魔な人物排除し自身利を図る。目的のためには無関係な者も唆して巻き込み罪加担させ、利用後には切り捨てて、自らは手を汚ことなく物語の前半で大騒動を引き起こした
: 高晞月と富察瑯嬅の死後は利用できる手駒が無くなったため、自ら邪魔者の排除に乗り出す。結果、如懿との直接対決により狡猾な正体が後宮内に広く露呈し、如懿を陥れた罰として腹心の貞淑が玉氏王国へ強制送還されたが、野望諦め実子の第4皇子を皇太子の座につけ、次代の皇帝とすることで清国全土操ろうと目論む。廷臣の妻女に賄賂を贈るなど、後宮内外で立太子のための政治工作を弄した。第4皇子自身は皇子の中でも優秀であり乾隆帝からも目をかけられていたが、如懿と海蘭の一計により母である金玉妍の策謀が裏目に出たことで、やがて母と共に皇宮内での立場を決定的に失
: 他人同士の人間関係を悪化させる術に長け、如懿と高晞月・富察瑯嬅の間の内紛を煽ることで、邪魔な人物を排除し自身の利を図る。目的のためには無関係な者も唆して巻き込み罪に加担させ、利用後には切り捨てて、自らは手を汚すことなく物語の前半で大騒動を引き起こした。
: 高晞月と富察瑯嬅の死後は、有力な手駒が無くなったため、自ら邪魔者の排除に乗り出す。結果、如懿との直接対決により狡猾な正体が後宮内に広く露呈し、如懿を陥れた罰として腹心の貞淑が玉氏王国へ強制送還されてしまう。しかし前述の野望諦めることはなく自身が産んだ第4皇子の立太子を狙って廷臣の妻女に賄賂を贈るなど、政治工作を弄した。第4皇子自身は皇子の中でも優秀であり乾隆帝からも目をかけられていたが、如懿と海蘭の一計により母の策謀が裏目に出たことで、やがて母と共に失脚する
: 後宮第六位の[[貴人 (後宮)|貴人]]の階級にまで落とされ、自身が重ねてきた悪事ゆえに疑心暗鬼に陥り不眠になる。如懿の産んだ公主を死に至らしめた嫌疑で禁足のうえ鞭打ちの刑に処されるが、玉氏王国との外交関係から早々に貴妃へ復位する。しかし第4皇子立太子への執着は捨てられず、如懿の第三子懐妊判明の場において乾隆帝立ち合いの元で野心が白日にさらされ、深い遺恨を持つ海蘭からこれまでの悪事も追及される。最終的に実子すべての養育権を失い、自分の宮殿に軟禁される。
: 後宮第六位の[[貴人 (後宮)|貴人]]の階級にまで落とされ、自身が重ねてきた悪事ゆえに疑心暗鬼に陥り不眠になる。如懿の産んだ公主を死に至らしめた嫌疑で禁足のうえ鞭打ちの刑に処されるが、玉氏王国との外交関係から早々に貴妃へ復位する。しかし第4皇子立太子への執着は捨てられず、如懿の第三子懐妊判明の場において乾隆帝立ち合いの元で野心が白日にさらされ、深い遺恨を持つ海蘭からこれまでの悪事も追及される。最終的に実子すべての養育権を失い、自分の宮殿に軟禁される。
: 一生を通じて玉氏王国の為に生きてきたが、王世子から見捨てられたことを如懿から聞かされた後、精神が崩壊し自殺。死装束として祖国の衣裳まとい、身だしなみを整えながら今生を振り返って、来世の自へ忠告を遺した。
: 一生を通じて玉氏王国の為に生きてきたが、王世子から見捨てられたことを如懿から聞かされた後、精神が崩壊し自殺に及ぶ。死装束として祖国の民族服い、身だしなみを整えながら今生を振り返って、来世の自忠告を遺した。


* '''[[慧賢皇貴妃|高晞月(こうきげつ)]]'''
* '''[[慧賢皇貴妃|高晞月(こうきげつ)]]'''
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: <small>小説版でつけられた[[漢詩]]・其の一:投却尊厳、封了真心,奴顔媚骨、只為逆命;時得意、時惶恐,実交瘁;為鬼、為蜮,悔?</small>
: <small>小説版でつけられた[[漢詩]]・其の一:投却尊厳、封了真心,奴顔媚骨、只為逆命;時得意、時惶恐,実交瘁;為鬼、為蜮,悔?</small>
: <small>小説版でつけられた[[漢詩]]・其の二:勤奮歴志、精力無窮,人為腐肉、我為牙虫;集衆好、百家長,天賜福;自愛、自毉,討!</small>
: <small>小説版でつけられた[[漢詩]]・其の二:勤奮歴志、精力無窮,人為腐肉、我為牙虫;集衆好、百家長,天賜福;自愛、自毉,討!</small>
: 居所: 使用人部屋→{{仮リンク|永寿宮|zh|永寿宫}}/特技:[[舞踏]]・[[崑曲]]・[[弓道]]・[[騎馬]]・[[漢詩]]・{{仮リンク|柳琴|zh|柳琴}}・[[宝石]][[鑑定]]
: 居所: 使用人部屋→{{仮リンク|永寿宮|zh|永寿宫}}/特技: [[舞踏]]・[[崑曲]]・[[弓道]]・[[騎馬]]・[[漢詩]]・{{仮リンク|柳琴|zh|柳琴}}・[[宝石]][[鑑定]]
: 物語後半の悪役。後ろ盾を持たない一介の女官から皇貴妃に昇りつめた努力家であり野心家。
: 物語後半の悪役。後ろ盾を持たない一介の女官から皇貴妃に昇りつめた努力家であり野心家。
: 天才的な策略で如懿や海蘭関係者を次々と窮地に追い込み、如懿を孤立へと導いた。
: 天才的な策略で如懿や海蘭を初めとした関係者を次々と窮地に追い込み、如懿を孤立へと導いた。
: 実家は貧しくしばしば無心されるが、母は女である嬿婉よりも、無職の弟・佐録を偏愛している。女官時代は後宮の争いと全く関係なかったが、金玉妍に目を付けられ衆前で一方的かつ執拗な虐めを受けるようになった。
: 実家は貧しくしばしば無心されるが、母は女である嬿婉よりも、無職の弟・佐録を偏愛している。女官時代は後宮の争いと全く関係な、金玉妍に目を付けられたことにより衆前で虐めを受けるようになった。幼馴染で恋人である凌雲徹には幾度となく助けられ親密な関係を築いていたが、凌雲徹は彼女の過酷な境遇を知っても、慰めたり如懿を通じて仕事の融通を図ることが精一杯であった。
: 幼馴染かつ恋人の凌雲徹は彼女の過酷な環境を知って何度も救出をこころみたが失敗し、慰めたり、如懿を通じて仕事を融通したりするのみだった。しかし彼女自身は諦めず、乾隆帝の傍仕えである宦官・進忠と手を組んで、乾隆帝の目に留まる。この皇帝に会う機会を活かし、自分を助けてくれない恋人家族と縁を切り、進忠と共謀して玉妍への復讐を開始する。
: 一方、彼女自身は自分の境地に諦めず、乾隆帝の傍仕えである宦官・進忠と手を組んで、乾隆帝の目に留まる。この機会を活かし、自分を助けることもできない恋人家族を切り捨て、進忠と共謀して玉妍への復讐の旗掲げる。
: 女官から妃嬪へと成り上がる過程、人の窮地を的確に狙って助け舟を出すことで、宮廷[[助産師]]をはじめ、[[妃嬪]]・[[侍医]]・[[官吏]]・[[皇太后]]・[[皇子]]の側福晋などを協力者にし、密かな手駒とした。結果嬿婉は後宮での立場を自在に操り、物語後半は策謀のいくつかを玉妍の所業に見せかけることに成功。濡れ衣を着せられた玉妍が断罪に窮する場面に立ち会い、敵だった彼女短期間内で蹴落とした。
: 物語前半では金玉妍から一方的で執拗な虐めを受けるが、女官から妃嬪へと成り上がる過程の中、人の窮地を的確に狙って助け舟を出すことで、宮廷[[助産師]]をはじめ、[[妃嬪]]・[[侍医]]・[[官吏]]・[[皇太后]]・[[皇子]]の側福晋などを協力者にし、密かな手駒とするその結果として衛嬿婉は後宮での立場を自在に操り、物語後半においては策謀の内の幾つかを玉妍の所業に見せかけ濡れ衣を着せられた彼女が断罪に窮する場面に立ち会い、敵だった金玉妍急速に蹴落とした。
: 当初、如懿に対しては玉妍ほどの遺恨を抱いていなかった。やがて、妃嬪となった自分に如懿と雲徹が冷たく接することや、雲徹が抱く如懿への好意を敏感に察知したこと如懿が自分へ子宝に恵まれない理由を明かさなかったこと、如懿派のモンゴル出身の側室達から対等扱われず苦汁をなめたこと玉妍に攻撃された理由が『あんたの面差しが如懿に似ていから』だっこと、皇后とった如懿家族を呪詛した罪で自身の母が死んだことなどから、自分の人生不幸にしいるのは如懿の存在そのものだと思い込んでいく。
: 当初、如懿に対しては玉妍ほどの遺恨を抱いていなかった。しかし、妃嬪となった自分に如懿と雲徹が冷たく接するや、雲徹が抱く如懿への好意を敏感に察知した、子宝に恵まれない理由を如懿が明かさなかった、如懿派のモンゴル出身の側室達から相手れず苦汁をなめる事、面差しが如懿に似ていたために金玉妍から攻撃され過去から、自分の人生不幸は全て如懿のせいだと思い込んでいく。
: 呪詛の件では分を愛さず面倒ばかり持ちこむ母を切り捨てた、それでも一時的に答応の階級へ落ち、如懿派の妃達から中傷された。しかし苦難の中に在っても研鑽けるること栄達を成しえる最速の方法と悟り、[[舞踏]]・[[崑曲]]・[[弓道]]・[[騎馬]]・[[漢詩]]・柳琴・宝石鑑定どの芸を次々と習得したこうして、教養の無さは自身の努力で逆転できると乾隆帝にアピールし、を『衛嬿婉なら、ゼロから万能な女性にれる』という思考回路へ導いてふたたび莫大な寵愛を得た
: 自が如懿よりずっと低いことから誹りけるも、知識を高めることこそ栄達を成しえる唯一の方法と悟り、様々な芸を学び始める。教養の無さは自身の努力で逆転できるアピールし、乾隆帝を『衛嬿婉なら、ゼロから自分好みの女性に育てられる』という思考回路へ導短期間内で莫大な寵愛を手にする
: 皇后となった如懿の家族に対する呪詛が明るみになった際には、苦悩を窺わせながらも重荷である実母を切り捨てた。それでも一時的に答応の階級へ落ちたが、巧みに和敬公主と手を組むことによって返り咲き、さらに貴妃を経て如懿を凋落させた。
: 乾隆帝の第一皇女である和敬公主の息子が落水した際に助けたことで、和敬公主と手を組む。その後は答応から急速に妃の階級に返り咲き、貴妃を歴て順調に如懿の実権を凋落させ、皇貴妃の位まで昇格した。後宮差配役として大手を振ったが、養女となっていた実子への仕打ちによるモンゴル系妃嬪達との対立が表面化する。乾隆帝は嬿婉を信頼していたものの、モンゴル妃たちと良好的な関係を築いていた如懿と比較して、より劣ると嬿婉を評価した。
: 皇貴妃の位まで順調に昇格を重ね、後宮差配役として大手を振ったが、養女となっていた実子への仕打ちによるモンゴル系妃嬪達との攻防が表面化。乾隆帝はこの事から、衛嬿婉へ如懿に劣る評価をつけた。やがて、後宮内での権力を完全に失っていたはずの如懿が皇太后と画策し、罠によって乾隆帝の前で自身の数々の悪事が暴かれてしまう。
: 物語のクライマックスで、嬿婉如懿が皇太后と組んでしかけた罠にかかりその数々の悪事を乾隆帝の前で暴かれてしまう。彼女は毒を飲みつつも開き直、乾隆帝一生淫乱や過ちを断罪し呪い、壮絶な最期を迎える。
: 物語のクライマックスでは、毒を飲まされながらも開き直って、乾隆帝自身驕りと過ちを断罪し呪いさえ掛けて、壮絶な最期を迎える。


* '''[[孝聖憲皇后|皇太后 鈕祜禄(ニオフル)氏]]'''
* '''[[孝聖憲皇后|皇太后 鈕祜禄(ニオフル)氏]]'''

2023年5月13日 (土) 07:01時点における版

如懿伝 〜紫禁城に散る宿命の王妃〜
ジャンル 時代劇恋愛
原作 リュウ・リエンズー『後宮・如懿伝』
脚本 リュウ・リエンズー
監督 ワン・ジュン
出演者 ジョウ・シュン
ウォレス・フォ
チャン・チュンニン
ドン・ジエ
シン・ジーレイ
トン・ヤオ
リー・チュン
国・地域 中華人民共和国の旗 中国
言語 普通話
話数 87
製作
製作総指揮 黄瀾
撮影地 横店影視城
製作 新麗電視文化投資有限公司
放送チャンネル江蘇衛星テレビ
東方衛星テレビ
放送国・地域中華人民共和国の旗 中国
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如懿伝 〜紫禁城に散る宿命の王妃〜』(にょいでん しきんじょうにちるしゅくめいのおうひ、繁体字: 如懿傳簡体字: 如懿传拼音: Rúyì Zhuàn英語: Ruyi's Royal Love in the Palace)は、2018年に放映された中国のテレビドラマ。制作期間は2016年8月23日から2017年5月5日。

物語の舞台は清朝第6代皇帝乾隆帝時代の紫禁城後宮である。

原作としてWeb小説の『後宮・如懿伝』が存在し、小説版は中国テレビドラマ『宮廷の諍い女』の続編であるが、テレビドラマ版は時間軸や登場人物の最期など一部の設定とエピソードが異なっており、続編の位置づけにはなっていない。物語としては『宮廷の諍い女』のような派閥争いに関する描写もあるが、主に女達の恋愛や嫉妬を中心に展開する。

あらすじ

主人公・如懿(幼名: 青桜)は、幼馴染である乾隆帝との愛を静かに育みたいが、乾隆帝の側室の高晞月や正室の富察瑯嬅らから敵視され、彼女らによって、如懿を陥れるための策謀が次々とめぐらされる。乾隆帝の養母である皇太后からも、出自による軋轢のため寵妃としての権勢を警戒されている。

乾隆帝の即位に伴い、如懿は嫻妃の階級に冊封され、彼の後宮に入った。表立って対立することを厭わない高晞月、良妻賢母の姿勢を保ちながら攻勢の手を緩めない皇后・富察瑯嬅、徐々に毒牙をむき出しにしていく金玉妍などの側室達から保身し、乾隆帝の寵愛をめぐって争っていく。

物語の前半、如懿は後宮内で相次いだ皇子殺しの濡れ衣を着せられ冷宮に送られてしまう。冷宮とは罪を犯した妃嬪が生涯幽閉される宮殿のことであったが、一生の親友である海蘭や凌雲徹に救われた如懿は機転によって陰謀を乗り越え、奇跡的に復位し寵愛の深さを知らしめた。

如懿は敵の配下に窮余を救う素振りを示すことによって高晞月や富察瑯嬅による加害の証拠を見つけ出し、二人は自業自得の運命に追い込まれて命を落とす。その同時に、後ろ盾であり隠れ蓑でもあった高晞月と富察瑯嬅を失った金玉妍は自ら動き始める。皇后である富察瑯嬅の死後、皇子2人の生母である純妃の台頭や如懿への牽制を弛めない皇太后らの思惑を退け、如懿はついに継皇后として冊封され正妻となった。徹底的に知恵を磨いた如懿により、金玉妍は化けの皮を剥がされ、間も無く自滅にいたる。

物語の後半では派閥争いに関する描写は減り、相思相愛だった如懿と乾隆帝がすれ違いによる衝突を度々起こし、二人の絆に亀裂が刻まれていく様が描かれる。皇后となった如懿は乾隆帝との関係に心を痛めつつ、野望を抱く新たな寵妃・衛嬿婉と対峙していくこととなる。

衛嬿婉はかつての仇だった金玉妍を利用して彼女と如懿・海蘭派の遺恨を煽動し、自身の若い肉体と乾隆帝の老いへの恐怖を駆け引きに使い手段を問わず、その歓心を買うことに成功する。如懿は宮女から妃嬪に成り上がった衛嬿婉の保身による見境のなさを疎んではいたが、歴然とした地位の差もあり、2人の緊張関係は当初表面化するほどではなかった。

しかし、衛嬿婉は如懿に遺恨を持つ前皇后の公主・璟瑟を後ろ盾にすることによって、いつの間にか皇后の如懿にすら対峙できる存在となり、矢継ぎ早に皇子・公主も儲け、皇后に次ぐ皇貴妃の位を手に入れる。如懿と乾隆帝のすれ違いによる諍いが顕著になるにつれ、衛嬿婉はその隙を突く形で後宮内での権力を拡大し、如懿が乾隆帝からも疎まれ孤立するように仕向けた。

乾隆帝からの度重なる裏切りのため諦観の念に達していた如懿は、江南巡幸の帰路、自身の髪を匕首で切り落としてしまう。断髪は当時の満洲族としての禁忌であった。乾隆帝と決別し皇后位を剥奪された如懿は、自身の宮殿に軟禁となる。さらにその体は結核に蝕まれていたが、如懿は結核の積極的な治療を拒否し他の妃嬪達との接触も固辞して、表向き、後宮内での気配を消した。

後宮内で頂点に上り詰めた衛嬿婉は、息子の十五皇子に言い聞かせた軽口が後ろ盾であった公主・璟瑟の耳に入り、十五皇子を含む実子全員と引き離される。乾隆帝は璟瑟からの進言もあり、モンゴル出身の妃嬪達との不和も解消できずにいる衛嬿婉への失望を募らせる。乾隆帝は太子密建に則り皇太子を指名するが、間もなくして疲労による発作のため意識を失う。衛嬿婉は皇太子に指名された皇子の名を実子の十五皇子・永琰に差し替えようと目論むが、すんでのところで阻まれる。衛嬿婉の妄動を見越した皇太后らによる罠であった。衛嬿婉の正体がついに乾隆帝の前で暴かれ、皇太后、海蘭、そして衛嬿婉の配下たちにより、全ての悪事が暴露・糾弾され、翻って如懿の無実と誠実な愛が証明される。

真相を知った乾隆帝は深く後悔するが、その後も如懿は蟄居を続けたまま、かつて乾隆帝に贈られ今はもう蕾さえつけなくなった緑梅を傍らに、ある夜半静かにこの世を去った。

最終回、乾隆帝は保管していた如懿が切り落とした髪を取り出し、少女のころの彼女と邂逅しながら1人でこの世を去る。その時、彼の傍の緑梅には再び花が咲いていた。

キャスト

以下の役名・分類は日本版公式サイトによる。

主人公

設定によって主人公は如懿と乾隆帝の2人になっている。

演者:ジョウ・シュン[1]
女性貴族→宝親王の格格→宝親王の側福晉→嫻妃→冷宮の庶人→嫻妃→嫻貴妃→皇貴妃→継皇后→(死後)無名氏
小説版でつけられた漢詩:垂眸斂眉氷凝,猶見青桜紅荔;年少牆馬崑音,壱生壱次動心。醒來血涙分明,万事追悔不已;怨否恨否仇否?或許本該清浄。
居所: 延禧宮中国語版翊坤宮中国語版/特技: 漢詩書道詩経論語京劇鑑賞
愛新覚羅弘暦とは幼なじみ。皇子時代の彼の妃選びに参加し、正室に当たる嫡福晋に選ばれるが、雍正帝の皇后烏拉那拉氏の姪であるため、皇后と敵対する熹貴妃に疎まれる。叔母が幽閉されたため、側福晋へ降格されて弘暦に嫁いだ。弘暦の即位と共に嫻妃となって豪華絢爛の後宮生活をおくり、彼からの寵愛を一身に受けるが、他の妃嬪から激しく嫉妬され様々な陰謀に巻き込まれていく。如懿は何度も計略によって陥れられながらも、乾隆帝への愛を守って生きていた。愛し合う2人だったが、如懿が皇后に冊封されて以降、2人の関係には知らず知らずのうちに暗雲が垂れ込めていた。
如懿は善の心を維持し、若き日からの恋人である乾隆帝を一途に愛していたが、目の前の乾隆帝の人格が変わりつつあることを目の当たりにしていく。変わらぬ献身も虚しく、終盤では如懿は乾隆帝から嫌悪されて遠ざけられ、『2度と会わない』という勅命を受けて、皇后の身分を事実上剥奪される。如懿は事態の重さを自覚し、乾隆帝との関係修復を諦めた。やがて叔母である雍正帝の皇后・烏拉那拉氏と同じ境地に立たされ、そのまま宮殿の中で一生幽閉されることとなる。1人で悲しい晩年生活を過ごしていた如懿は、最後まで乾隆帝との純情期を思いながらも運命の無情さを受け入れ、自らの使命を終えて穏やかに最期を迎える。
演者:ウォレス・フォ[2]
雍正帝の四皇子→宝親王→皇太子→乾隆帝
小説版でつけられた漢詩:卑猥男人皮,残虐帝王心,年少自卑渡,年長殺知音。貪淫乎?怕老乎?或有情深之幾許,但無常人之憐憫。
居所: 養心殿中国語版乾清宮中国語版/特技: 漢詩書道詩経論語京劇鑑賞
母の鈕祜禄氏とお互いを利用しつつ、玉座に昇った清国第六代皇帝。初期は皇太后になった母や雍正帝の腹心だった大臣たちに傀儡のように操られていたが、如懿からの真の愛に包まれ徐々に自らの権威を確立しようとしていった。壮年期以降、様々な計略を巡らされたことで疑心に囚われ陰湿になり、妃嬪への扱いなどにおいて軽率さや粗暴な一面を見せ始める。物語の後半では、老いた皇太后の束縛から解放されて独裁的な皇帝となり、彼を愛する妃嬪さえも構わず傷付けていくようになる。衛嬿婉の正体が露呈し、如懿への誤解を深く後悔していたが、如懿は既に皇帝との関係修復を諦めていたため皇后としての身分を拒み、乾隆帝自身もそれを受け入れるしかなかった。晩年は、もはや会うことの出来ない如懿の面影を追いつつ、皇帝でありながら不幸な一生を終える。

主要人物

演者:チャン・チュンニン
刺繡労働者→宝親王の格格→海常在→海貴人→愉嬪→愉妃→(死後)愉貴妃
小説版でつけられた漢詩:在宮中,一声姉姉可以叫得百転千回,掩蓋万般算計;唯有她,把姉姉叫成了一生執念。
居所: 咸福宮中国語版延禧宮中国語版/特技: 刺繡
少女時代に宝親王だった弘暦に強姦され、名節のため側室として乾隆帝に嫁いで、称号無しの格格の階級を得た。
内向的な性格で、後宮になじめず辛い宮廷生活を送っていた中、後宮で唯一彼女を助ける人間だったのが如懿である。渦巻く陰謀によって如懿が冷宮入りしたことをきっかけに海蘭は覚醒し、艶やかに装って乾隆帝の目に留まり、寵愛を受けた。
妊娠中でも自身の体をかえりみずに少量の毒酒を飲み、如懿が犯人では無い証拠だと捏造して、彼女を冷宮から救った。妊娠中に金玉妍に謀られて腹部に醜い脂肪線が残り、第5皇子・永琪の出産後は乾隆帝からの寵愛を失う。だが彼女にとっては如懿との友情こそが最も大事であり、寵愛を失ったことについては特に金玉妍に対して不満を持たなかった。しかし、如懿を傷つけた犯人が金玉妍だと発覚する際に、一瞬で大激怒し、衛嬿婉と共に様々な方法を用いて、陰に日向に金玉妍を虐待をした。
中盤以降、彼女が如懿に向ける愛は依存傾向にますます強くなり、如懿の敵と見なせば皇帝や皇太后でさえも策略にかけるようになる。如懿が皇后になった後、その後宮差配役としての能力が常に全側室たちに問われるよになっても、海蘭だけが如懿を無条件に支えた。彼女は主動的に如懿の右腕的な存在となり、自分の家族や息子である永琪さえも、如懿の地位を支えるための武器として計略を巡らせた。永琪に対して、如懿やその子供たちへ従順であることや、自らの才能をひけらかさず注目を浴びずに紫禁城で生き延びることを教育する。衛嬿婉が如懿の最大の敵になった時も、復讐しない原則を貫徹する如懿に代わって、海蘭は衛嬿婉を断固として排除する。
演者:ドン・ジエ
富察家の当主→宝親王の嫡福晉→皇后→(死後)孝賢皇后
小説版でつけられた漢詩:嫡妻、皇后,是尊栄、也是枷鎖;心羨她人幾重愁,想求、不能求。
居所: 長春宮中国語版/特技: 漢詩・宝石鑑定・書道
物語中盤の悪役で、如懿に深い嫉妬を向ける、表の最大の敵。
乾隆帝の皇子時代の嫡福晋で、彼の即位後は最初の皇后。清国最大の豪族である生家・富察氏の当主。
彼女はもともと皇太后から宝親王の嫡福晋として指名され、立場的には如懿より上で、他の側室にとっても優しい姉分だった。初め彼女はただ如懿と乾隆帝の関係を羨ましく思っていたが、時間を経て妻としての愛を奪った如懿を恨むことになった。
皇后になった後、周りには慎み深く見られているが、如懿だけを苛めている。如懿を一点集中に攻撃しつつ、何度も彼女を冤罪の罠に陥れる。さらに質素倹約や乾隆帝への献身を如懿に押し付け、捏造された罪を彼女に被せる。理由すらも見つからない場合、直接高晞月と共にほかの側室の前で堂々と如懿を貶める。
富察氏の栄光を守ることを人生の目的とし、自分の宮女や宦官を乾隆帝の傍に派遣して情報収集をする。その結果に応じて、乾隆帝の好みの女性を演じることで、皇帝にとって理解ある後宮の女主人としての立場を維持している。自分が産んだ第2皇子や第7皇子が病気になっても、富察家の誇りを優先するため、彼らを一生懸命に勉強させた。娘である和敬公主よりも息子のほうを寵愛していたが、娘を守りたいという側面もあり、モンゴルのハーンとの縁談を必死に防ごうとして皇太后にも反抗的な態度をとり、嫌悪感を引き起こした。
後宮内の人望を失うたびに如懿への怨念をつのらせ、それはやがて一生消えないほど重いものとなる。死の直前に、乾隆帝から数々の悪事を見透かされていたことに絶望しながらも、『如懿が次期皇后となることを絶対に許さない』と周りに強く言う。
演者:シン・ジーレイ[3]
貢女→宝親王の格格→嘉貴人→嘉嬪→嘉妃→嘉貴妃→(死後)淑嘉皇貴妃
小説版でつけられた漢詩:金枝玉葉,尽態極妍;銀雪皚皚,長白山砦;恵醤玉液,物騒童顔;烈火毐毐,傲然姿態。
居所: 啓祥宮中国語版/特技: 剣舞朝鮮太鼓の舞・伽倻琴
李氏朝鮮をモデルとする"玉氏王国"の王室出身、清王朝に献上された貢女
物語前半の黒幕であり、高晞月と富察瑯嬅を傀儡のように操っていた異国出身の謀略家。
高晞月のように富察琅嬅の配下として振舞っているが、彼女への忠誠心や乾隆帝への愛は無いに等しく、祖国の王世子と情を通じている。彼女の目的は乾隆帝の血を引く皇子を産み、その皇子の力をもって、属国である玉氏王国を清国の支配下から解放することである。同じ玉氏王国出身の医女・貞淑と共に、如懿と海蘭を含む多くの側室、子供、そして胎児や妊産婦までも無慈悲に排除する。
美人揃いの後宮においても特に容姿が際立っており、色気に溢れた姿態は男性の欲望を真っ直ぐに誘惑する。いつまでも若々しい肉体と妖艶な振る舞いで乾隆帝を魅了するが、正体は人殺しを趣味とする極悪女である。他人同士の人間関係を悪化させる術に長け、内紛を煽ることで、邪魔な人物を排除し自身の利を図る。目的のためには無関係な者も唆して巻き込み罪に加担させ、利用後には切り捨てて、自らは手を汚すことなく物語の前半で大騒動を引き起こした。
高晞月と富察瑯嬅の死後は利用できる手駒が無くなったため、自ら邪魔者の排除に乗り出す。結果、如懿との直接対決により狡猾な正体が後宮内に広く露呈し、如懿を陥れた罰として腹心の貞淑が玉氏王国へ強制送還されたが、野望は諦めず、実子の第4皇子を皇太子の座につけ、次代の皇帝とすることで清国全土を操ろうと目論む。廷臣の妻女に賄賂を贈るなど、後宮内外で立太子のための政治工作を弄した。第4皇子自身は皇子の中でも優秀であり乾隆帝からも目をかけられていたが、如懿と海蘭の一計により母である金玉妍の策謀が裏目に出たことで、やがて母と共に皇宮内での立場を決定的に失う。
後宮第六位の貴人の階級にまで落とされ、自身が重ねてきた悪事ゆえに疑心暗鬼に陥り不眠になる。如懿の産んだ公主を死に至らしめた嫌疑で禁足のうえ鞭打ちの刑に処されるが、玉氏王国との外交関係から早々に貴妃へ復位する。しかし第4皇子立太子への執着は捨てられず、如懿の第三子懐妊判明の場において乾隆帝立ち合いの元で野心が白日にさらされ、深い遺恨を持つ海蘭からこれまでの悪事も追及される。最終的に実子すべての養育権を失い、自分の宮殿に軟禁される。
一生を通じて玉氏王国の為に生きてきたが、王世子から見捨てられたことを如懿から聞かされた後、精神が崩壊し自殺に及ぶ。死装束として祖国の民族服を纏い、身だしなみを整えながら今生を振り返って、来世の自身への忠告を遺した。
演者:トン・ヤオ
大臣の娘→宝親王の格格→宝親王の側福晉→慧貴妃→(死後)慧賢皇貴妃
小説版でつけられた漢詩:素手挑絃音,只為一博君;宮商角徴羽,意訴一芳情;奈何深深宮苑,一切変調又変心。
居所:咸福宮中国語版/特技: 琵琶囲碁書道水墨画
物語初期の悪役。誉れ高い美貌を持ち合わせた実力者。
側室の中では一番の琵琶の技術を有し、高官出身であることや琴碁書画に秀でていることなどから、プライドが高い。
大臣である父の権力を躊躇なく利用し、後宮で暴言暴行をしながら、皇后に次ぐ絶対的な立場を誇示する。一時的な美しさに頼ることなく、てらいのない愛嬌で乾隆帝の寵愛をほしいままにする、男性にとっては魅力的な性格の持ち主。さらに、乾隆帝から得ている寵愛は本物の愛情ではないという自覚があり、愛情を求めて執着を見せることは一度も無かった。
"乾隆帝の寵妃"を率先して害するが、個人としての如懿に対してはそれほど恨みはない。乾隆帝との初夜では、自分と同じ高貴な家柄に生まれながらも乾隆帝から冷たい態度で袖にされた富察琅嬅に対して親近感を抱き、主動的にその配下になった。
乾隆帝の真の愛を得ている如懿に対して嫌悪を持ってはいたが、同じく子供に恵まれないことから、彼女へ一定の心情理解も示していた。第1皇子・永璜の養育権を巡って如懿への憎悪を深めていくと共に、歯牙にもかけていなかったが、如懿の腹心である海蘭をターゲットとして定める。海蘭への虐待に失敗した後、策を変え、単純な虐めではなく如懿や海蘭への妨害行為をし続ける。
当初、彼女の素直さは乾隆帝に愛されていたが、彼女自身は侍女や宦官を叱責することが多く、皇后以外の側室へは敬意を払わず、表向きは共謀者である金玉妍に対してさえも見下した態度で対応する。こうしたことから、姉のように慕っていた富察琅嬅には如懿派からの攻撃を防ぐ楯として扱われ、金玉妍からもその軽率さを自分の隠れ蓑として利用される。
演者:リー・チュン
四執庫の女官→純嬪の女官→花房の女官→嘉妃の女官→衛答応→炩貴人→炩嬪→炩妃→炩貴妃→炩皇貴妃→(死後)炩懿皇貴妃→(死後)孝儀純皇后
小説版でつけられた漢詩・其の一:投却尊厳、封了真心,奴顔媚骨、只為逆命;時得意、時惶恐,実交瘁;為鬼、為蜮,悔?
小説版でつけられた漢詩・其の二:勤奮歴志、精力無窮,人為腐肉、我為牙虫;集衆好、百家長,天賜福;自愛、自毉,討!
居所: 使用人部屋→永寿宮中国語版/特技: 舞踏崑曲弓道騎馬漢詩柳琴中国語版宝石鑑定
物語後半の悪役。後ろ盾を持たない一介の女官から皇貴妃に昇りつめた努力家であり野心家。
天才的な策略で如懿や海蘭を初めとした関係者を次々と窮地に追い込み、如懿を孤立へと導いた。
実家は貧しくしばしば無心されるが、母は女である衛嬿婉よりも、無職の弟・佐録を偏愛している。女官時代は後宮の争いと全く関係なく、金玉妍に目を付けられたことにより衆前で虐めを受けるようになった。幼馴染で恋人である凌雲徹には幾度となく助けられ親密な関係を築いていたが、凌雲徹は彼女の過酷な境遇を知っても、慰めたり如懿を通じて仕事の融通を図ることが精一杯であった。
一方、彼女自身は自分の境地に諦めず、乾隆帝の傍仕えである宦官・進忠と手を組んで、乾隆帝の目に留まる。この機会を活かし、自分を助けることもできない恋人と家族を切り捨て、進忠と共謀して金玉妍への復讐の旗を掲げる。
物語前半では金玉妍から一方的で執拗な虐めを受けるが、女官から妃嬪へと成り上がる過程の中、人の窮地を的確に狙って助け舟を出すことで、宮廷助産師をはじめ、妃嬪侍医官吏皇太后皇子の側福晋などを協力者にし、密かな手駒とする。その結果として衛嬿婉は後宮での立場を自在に操り、物語後半においては策謀の内の幾つかを金玉妍の所業に見せかけ、濡れ衣を着せられた彼女が断罪に窮する場面に立ち会い、敵だった金玉妍を急速に蹴落とした。
当初、如懿に対しては金玉妍ほどの遺恨を抱いていなかった。しかし、妃嬪となった自分に如懿と凌雲徹が冷たく接する事や、凌雲徹が抱く如懿への好意を敏感に察知した事、子宝に恵まれない理由を如懿が明かさなかった事、如懿派のモンゴル出身の側室達から相手にされず苦汁をなめる事、面差しが如懿に似ていたために金玉妍から攻撃された過去などの事から、自分の人生の不幸は全て如懿のせいだと思い込んでいく。
出自が如懿よりずっと低いことから誹りを受けるも、知識を高めることこそ栄達を成しえる唯一の方法と悟り、様々な芸を学び始める。教養の無さは自身の努力で逆転できることをアピールし、乾隆帝を『衛嬿婉なら、ゼロから自分好みの女性に育てられる』という思考回路へ導き、短期間内で莫大な寵愛を手にする。
皇后となった如懿の家族に対する呪詛が明るみになった際には、苦悩を窺わせながらも重荷である実母を切り捨てた。それでも一時的に答応の階級へ落ちたが、巧みに和敬公主と手を組むことによって返り咲き、さらに貴妃を経て如懿を凋落させた。
皇貴妃の位まで順調に昇格を重ね、後宮差配役として大手を振ったが、養女となっていた実子への仕打ちによるモンゴル系妃嬪達との攻防が表面化。乾隆帝はこの事から、衛嬿婉へ如懿に劣る評価をつけた。やがて、後宮内での権力を完全に失っていたはずの如懿が皇太后と画策し、罠によって乾隆帝の前で自身の数々の悪事が暴かれてしまう。
物語のクライマックスでは、毒を飲まされながらも開き直って、乾隆帝自身の驕りと過ちを断罪し呪いさえ掛けて、壮絶な最期を迎える。
演者:ヴィヴィアン・ウー
雍正帝の熹貴妃→聖母皇太后→(死後)孝聖憲皇后
小説版でつけられた漢詩:殺雍正、控乾隆,気騰騰、龍中鳳,願得女児清白身,不悔当初奪皇栄。
居所: 慈寧宮中国語版/特技: 古箏書道論語詩経
雍正帝の皇后・烏拉那拉(ウラナラ)氏との闘争に決着を付け、乾隆帝の即位の時点で、皇帝の権威を超える聖母皇太后となった。ようやく長い後宮の諍いから解放されたが、物語の前半ではしばしば聖母皇太后の身分を利用し、乾隆帝の政治判断に口を挟み、後宮に干渉しながら如懿たちの諍いを静かに見守る。物語の後半では女帝としての野望を止め、平穏な日々を送っていた。
  • 侍衛 凌雲徹(りょううんてつ)
演者:ジン・チャオ中国語版
冷宮の侍衛→宮門の三等侍衛→騎馬場の清掃員→皇帝御前の一等侍衛→宦官→(死後)無名氏
小説版でつけられた漢詩:英俊木訥堪当用,老実無能一場空,燕舞雲間霄霄竄,如意雲紋針針痛。
居所: 使用人部屋/特技: 馬術格闘術
衛嬿婉とは幼なじみで将来を誓い合った仲だったが、飲酒しながら勤務するなどの不真面目な態度のせいで出世が見込めないため、振られてしまう。冷宮での出会いで如懿を救い、如懿から信頼されるようになる。冷宮を出て妃嬪の身分に戻った如懿に対して愛情を抱き始め、それを察知した衛嬿婉に利用されて、如懿を乾隆帝の目の前で陥れる。これに激怒した乾隆帝によって宮刑に処され、翊坤宮の宦官として如懿のもとに送られる。密通の汚名を着せられた如懿の名誉回復のため、自らの命を差し出すよう海蘭からの密命を言い渡され、如懿のため承諾。拷問により人生を終える。

その他の人物

後宮の妃達

古参
演者:フー・カー中国語版
大臣の娘→宝親王の格格→純嬪→純妃→純貴妃→(死後)純惠皇貴妃
如懿や海蘭とは同時期に嫁いだ仲。穏やかな人柄で、他の妃嬪に先んじて男児を出産し妊娠や育児の先輩的な立場にあるが、それを金玉妍らに利用されてしまう。皇后が溺れたときは、責められるのではないかと狼狽していた。
演者:曹曦文
大臣の娘→宝親王の格格→婉答応→婉常在→婉貴人→婉嬪→婉妃
侍女出身
演者:韓丹彤
富察瑯嬅の侍女→格格→儀貴人→(死後)儀嬪
演者:ツォン・イーシュエン
如懿の侍女→慎常在→慎貴人→慎嬪→庶人→(死後)無名氏
如懿が嫁ぐ前から懇意にしている侍女だが、美貌や賢さ、父親が功をなしたことなどを鼻にかけており高慢な性格。自身に比べ家柄の低い惢心を下働きと見下したり、宦官との結婚が決まった富察瑯嬅の侍女・蓮心に罵詈雑言を浴びせたりしていた。そのことを如懿が諫めると、今度は美しい自分に如懿が嫉妬していると思い込み、密かに敵と手を結び如懿を裏切る。その後、乾隆帝に見初められ慎常在となる。
太后派
演者:ハー・ホンシャン
南府の楽伎→玫答応→玫常在→玫貴人→玫嬪→(死後)玫嬪
市井の芸妓出身で琵琶の演奏に長け、乾隆帝の目に留まり入宮。身分が低いため他の妃嬪に軽んじられており、そのためか不遜な振る舞いが多く慧貴妃を怒らせたことも。乾隆帝即位後、初となる子供を身篭る。
演者:チェン・ハオユー
女性貴族→舒貴人→舒嬪→舒妃→(死後)舒妃
演者:于洋
大臣の娘→慶常在→慶貴人→慶嬪→慶妃
モンゴル出身
演者:劉美彤
モンゴルハンの娘→恪貴人→恪嬪
演者:張佳寧
モンゴルハンの娘→穎嬪→穎妃
演者:趙柯
モンゴルハンの娘→豫嬪→豫妃→庶人→(死後)豫妃
寒部出身
演者:リー・チン
寒部(回部がモデル)の姫→容貴人→容嬪→容妃

その他

控えめだが思慮深く、幼なじみの侍医・江与彬、宦官の李玉と協力し如懿に誠実に仕える。両名から思いを寄せられていたが、後に江与彬と結ばれる。
皇三女→和敬公主→ホルチン王家の王妃→富察家の当主→ホルチン王家の王太后
小説版でつけられた漢詩:孝女幼時嫁蒙韃,喜誕世子飛天華,後宮一回降魔懿,若敢当后我必罰。
居所: 長春宮中国語版モンゴル北京公主府中国語版
乾隆帝に最も溺愛された娘。簡単明瞭で傲慢な性格。モンゴルのホルチン王家との結婚は望んでいなかったが、如懿によって説得され、愛する母・富察琅嬅の傍から離れて一人でモンゴルへ行った。五年後、モンゴルの世子を見事に出産してホルチン家の王太后の地位を得て、母亡き後には清国の富察家当主の資格も得て、皇后の如懿よりも格上の立場となる。
母の悲願の影響で、かつて母に圧勝した如懿を皇后の座から追い落としたいことから、モンゴルから離れ、北京に殺到した。物語の後半で如懿の最後の敵・衛嬿婉と手を組み、父帝の前で何度も衛嬿婉を褒め称え、この衛嬿婉への寵愛や自分の説得力を利用し、親孝行として如懿を顎で使う。

各話タイトル

  • 第1話 「如意の行方」
  • 第2話 「移りゆく時代」
  • 第3話 「新帝即位」
  • 第4話 「新しい名」
  • 第5話 「“音”がつなぐ思い」
  • 第6話 「新しい妃嬪」
  • 第7話 「雪夜の裁き」
  • 第8話 「疑惑の塗り薬」
  • 第9話 「後宮の新年」
  • 第10話 「冷遇」
  • 第11話 「皇子の選択」
  • 第12話 「悲しき婚礼」
  • 第13話 「やまない雨」
  • 第14話 「心ない噂」
  • 第15話 「新妻の妙計」
  • 第16話 「取り戻した信頼」
  • 第17話 「啓蟄の悪夢」
  • 第18話 「裏切り」
  • 第19話 「断ち切れぬ情」
  • 第20話 「冷宮送り」
  • 第21話 「凌霄花と銀子」
  • 第22話 「返り咲き」
  • 第23話 「出会いと別れ」
  • 第24話 「ひそかな見守り」
  • 第25話 「身ごもらぬ理由」
  • 第26話 「止まぬ攻撃」
  • 第27話 「冷宮を出る日」
  • 第28話 「寵愛の裏側」
  • 第29話 「毒の贈り物」
  • 第30話 「命懸けの出産」
  • 第31話 「亡霊騒動」
  • 第32話 「身代わり」
  • 第33話 「末期の報復」
  • 第34話 「献身と思惑」
  • 第35話 「女官の野望」
  • 第36話 「敵討ち」
  • 第37話 「譲れぬ親御心」
  • 第38話 「権勢と犠牲」
  • 第39話 「皇后の死」
  • 第40話 「貴妃の台頭」
  • 第41話 「疑心暗鬼」
  • 第42話 「窮余の一策」
  • 第43話 「翊坤宮の刺客」
  • 第44話 「対句の意味」
  • 第45話 「七宝の赤い石」
  • 第46話 「侍女の門出」
  • 第47話 「孤独な頂へ」
  • 第48話 「戒めの耳飾り」
  • 第49話 「子宝の薬」
  • 第50話 「腹いせの昇格」
  • 第51話 「太監の誤算」
  • 第52話 「最後の告白」
  • 第53話 「甘言と苦言」
  • 第54話 「皇子か公主か」
  • 第55話 「木蘭囲場の罠」
  • 第56話 「君主の苦悩」
  • 第57話 「絶望の果てに」
  • 第58話 「抜け駆け」
  • 第59話 「寵妃の復活」
  • 第60話 「誤算」
  • 第61話 「皇子の悲劇」
  • 第62話 「赤い衣の公主」
  • 第63話 「ついえた野心」
  • 第64話 「虚しい最後」
  • 第65話 「悲しみの雪」
  • 第66話 「深い溝」
  • 第67話 「非情な選択」
  • 第68話 「新たな後ろ盾」
  • 第69話 「大局と忍耐」
  • 第70話 「異郷の公主」
  • 第71話 「偏愛の波紋」
  • 第72話 「皇后の責任」
  • 第73話 「届かぬ想い」
  • 第74話 「剣と琴」
  • 第75話 「勇敢な侍衛」
  • 第76話 「雲の刺繍」
  • 第77話 「沈黙の夕餉」
  • 第78話 「御花園の幻」
  • 第79話 「残された指輪」
  • 第80話 「舟上の誘惑」
  • 第81話 「決別」
  • 第82話 「愛と復讐」
  • 第83話 「格格の告発」
  • 第84話 「残された時間」
  • 第85話 「口封じ」
  • 第86話 「暴かれた真実」
  • 第87話 「緑梅の記憶」

脚注

外部リンク