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{{混同|絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|x1=“IGBT”の略称で呼ばれる}} |
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{{Pathnav|社会的少数者|性的少数者|frame=1}} |
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{{ページ番号|date=2018年6月}} |
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{{LGBTサイドバー|expanded=all}} |
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[[ファイル:Rainbow flag and blue skies.jpg|サムネイル|250x250ピクセル|LGBTのシンボルとなっている[[レインボーフラッグ (LGBT)|レインボーフラッグ]]]] |
[[ファイル:Rainbow flag and blue skies.jpg|サムネイル|250x250ピクセル|LGBTのシンボルとなっている[[レインボーフラッグ (LGBT)|レインボーフラッグ]]]] |
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'''LGBT'''(エルジービーティー)は、[[レズビアン]] (Lesbian)、[[ゲイ]] (Gay)、[[両性愛|バイセクシュアル]] (Bisexual) の3つの[[性的指向]]と、[[トランスジェンダー]] (Transgender) |
'''LGBT'''(エルジービーティー)は、[[レズビアン]] (Lesbian)、[[ゲイ]] (Gay)、[[両性愛|バイセクシュアル]] (Bisexual) の3つの[[性的指向]]と、[[トランスジェンダー]] (Transgender)の[[ジェンダー・アイデンティティ]](性自認・性同一性)、各単語の[[頭文字]]を組み合わせた[[頭字語]]であり、特定の[[性的少数者]]を[[インクルーシブ社会|包括的]]に指す[[総称]]である。[[LGBT#バリエーション|後述]]の通り、'''LGBTQ'''など多くの派生形も存在する。ただの頭字語ではなく、[[連帯|政治的連帯]]を示している{{Sfn|ショーン・高井(訳)|2022|p=14}}。 |
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== 概要 == |
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約50万人の遺伝子を大規模解析した調査によると、性的指向 (LGB) を決定する遺伝子は見つかっておらず、基本的に胎児期を含めた環境による影響が大きい<ref>{{Cite journal|last=Ganna|first=Andrea|last2=Verweij|first2=Karin J. H.|last3=Nivard|first3=Michel G.|last4=Maier|first4=Robert|last5=Wedow|first5=Robbee|last6=Busch|first6=Alexander S.|last7=Abdellaoui|first7=Abdel|last8=Guo|first8=Shengru|last9=Sathirapongsasuti|first9=J. Fah|date=2019-08-30|title=Large-scale GWAS reveals insights into the genetic architecture of same-sex sexual behavior|url=http://www.sciencemag.org/lookup/doi/10.1126/science.aat7693|journal=Science|volume=365|issue=6456|pages=eaat7693|language=en|doi=10.1126/science.aat7693|issn=0036-8075}}</ref>。性自認は[[デイヴィッド・ライマー]]の様に先天性の可能性もある。 |
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=== 主な用語 === |
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LGBTは以下の4つの用語の頭文字から作られた言葉([[頭字語]])である。 |
LGBTは以下の4つの用語の頭文字から作られた言葉([[頭字語]])である{{Sfn|遠藤|2016|p=21}}。 |
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; レズビアン (Lesbian) |
; レズビアン (Lesbian) |
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: [[レズビアン]] ('''L''') は、女性に対して[[恋愛的指向]]または[[性的指向]]を持つ女性のこと<ref name=stonewall-terms>{{Cite web|url= https://www.stonewall.org.uk/list-lgbtq-terms |title= List of LGBTQ+ terms |accessdate=2023/06/20|publisher= Stonewall |author= |date= }}</ref><ref name=glaad-terms>{{Cite web|url= https://glaad.org/reference/terms/ |title= Glossary of Terms: LGBTQ |accessdate=2023/06/20|publisher= GLAAD |author= |date= }}</ref>。 |
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: [[レズビアン]] ('''L''') は、[[性自認]]が女性かつ[[性的指向]]が女性に向けられる同性愛者のこと。 |
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; ゲイ (Gay) |
; ゲイ (Gay) |
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: [[ゲイ]] ('''G''') は、 |
: [[ゲイ]] ('''G''') は、男性に対して恋愛的指向または性的指向を持つ男性のこと{{R|stonewall-terms}}{{R|glaad-terms}}。 |
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; バイセクシュアル(Bisexual) |
; バイセクシュアル(Bisexual) |
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: [[バイセクシュアル]] ('''B''') は、日本語では'''両性愛者'''とも呼び、複数の性別に対する恋愛的指向または性的指向を表すために使用される包括的な用語{{R|stonewall-terms}}{{R|glaad-terms}}。[[パンセクシュアル]]、クィア、およびその他の非モノセクシュアルおよび非モノロマンティックのアイデンティティを含むことがある{{R|stonewall-terms}}。 |
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: バイセクシュアル ('''B''') は、'''[[両性愛]]者'''。伝統的にバイセクシュアリティとは「男性・女性双方に性的魅力を感じる性的指向」として定義されているが、それは、間違っており、正しくは、「2つの性に性的魅力を感じる性的指向」である{{要出典|date=2022年9月}}。同性愛や[[異性愛]]の性的指向の中間であり、どちらへの指向も包含する性的指向のあり方である。より広い概念である[[汎性愛]](パンセクシュアリティ、英:[[:en:Pansexuality|Pansexuality]])も含意することもある。汎性愛とは、相手のジェンダーが何であるかが殆ど、或いは全く関係しない性的指向である。つまり男性、女性など、多様なジェンダー・アイデンティティ([[性自認]])の人に魅力を感じることをいう。 |
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; トランスジェンダー (Transgender) |
; トランスジェンダー (Transgender) |
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: '''[[トランスジェンダー]]''' ('''T''') は、ジェンダー・アイデンティティ |
: '''[[トランスジェンダー]]''' ('''T''') は、'''トランス'''とも略され、[[ジェンダー・アイデンティティ]](性自認・性同一性)が[[性別の割り当て|出生時に割り当てられた性別]]と一致しない人のこと{{R|stonewall-terms}}{{R|glaad-terms}}。[[トランスセクシュアル]]、[[ノンバイナリー]]、[[ジェンダークィア]]、[[性的流動性|ジェンダーフルイド]]、[[ジェンダーレス]]なども含めることがある{{R|stonewall-terms}}{{Sfn|エリス・上田(訳)|2022|p=10}}。日本ではノンバイナリーに類似した用語として[[Xジェンダー]]がある{{Sfn|Label X|2016|p=16}}。 |
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=== バリエーション === |
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; トランスセクシャル (Transsexual) |
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{{Seealso|性的同一性と性自認の一覧}} |
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:'''[[トランスセクシャル]]''' ('''T''') は、性同一性障害者のうち、{{要出典範囲|特に強く自己の解剖学上の性に対して不快感を持ち、外科的手術による解消の欲求が強い人|date=2023年3月}}。 |
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LGBTは頭字語で、[[英語]]では性的多様性集団を表現する[[頭字語]]が複数ある。また、性的少数者を包摂する用語は、その用語を用いる側の政治的・学術的・文化的立ち位置により多岐にわたっており、LGBTに準ずるものにとどまらない。以下は概略である。 |
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== バリエーション == |
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LGBTは頭字語で、[[英語]]は性的多様性集団を表現する[[頭字語]]が複数ある。以下は概略である。 |
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; LGB |
; LGB |
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: レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルのイニシャル語で、3つの[[性的指向]]集団 |
: レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルのイニシャル語で、3つの[[性的指向]]集団。 |
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; LGBTQ |
; LGBTQ |
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: LGBTにQが加わったもので、Q は[[クィア]] (Queer) を意味している場合と、[[クエスチョニング (セクシャリティおよびジェンダー)|クエスチョニング]] (Questioning) を意味している場合がある。 |
: LGBTにQが加わったもので、Q は[[クィア]] (Queer) を意味している場合と、[[クエスチョニング (セクシャリティおよびジェンダー)|クエスチョニング]] (Questioning) を意味している場合がある。 |
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; LGBTQ+ |
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: LGBTQに+を加え、LGBTQで言い表せない人も含め、性の多様性の取りこぼしがないことを目指した呼称。 |
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; LGBTI |
; LGBTI |
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: LGBTにIが加わる。これは[[インターセックス]] (Intersex) の頭文字である。この概念は2010年8月[[ジョグジャカルタ原則]]の解説と同原則を踏まえた世界の人権団体の活動について書かれた文書「[[:en:Yogyakarta Principles in Action|Activist's Guide]] |
: LGBTにIが加わる。これは[[インターセックス]] (Intersex) の頭文字である<ref name=ohchr-lgbti>{{Cite web|url= https://www.ohchr.org/en/sexual-orientation-and-gender-identity |title= About LGBTI people and human rights |accessdate=2023/06/19|publisher= OHCHR |author= |date= }}</ref>。この概念は2010年8月[[ジョグジャカルタ原則]]の解説と同原則を踏まえた世界の人権団体の活動について書かれた文書「[[:en:Yogyakarta Principles in Action|Activist's Guide]]」において一貫して用いられている。 |
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; LGBTA |
; LGBTA |
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: LGBTにAが加わる。これは[[ |
: LGBTにAが加わる。これは[[アセクシュアル]](Asexua)のイニシャルである。アセクシュアル(無性愛)とは、他者に性的に惹かれない性的指向のこと{{Sfn|ジュリー・上田(訳)|2019|p=18}}。別のイニシャルの場合もある。 |
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; LGBTIQ |
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: LGBTにインターセックス、クィアを組み合わせた呼称<ref name=outright>{{Cite web|url= https://outrightinternational.org/engagement-at-un-april-2023 |title= Outright’s Engagement at the UN |accessdate=2023/06/21|publisher= Outright International |author= |date=2023/04/10 }}</ref>。 |
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; LGBTQIA |
; LGBTQIA |
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: LGBTQにインターセックス、アセクシ |
: LGBTQにインターセックス、アセクシュアルを組み合わせた呼称<ref name=cosmopolitan230524>{{Cite web|url= https://www.cosmopolitan.com/uk/love-sex/a20730324/lgbt-meaning/ |title= LGBTQIA+ meaning explained |accessdate=2023/06/20|publisher= Cosmopolitan |author= |date=2023/05/24 }}</ref>。 |
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; LGBTTQQIAAP |
; LGBTTQQIAAP |
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: LGBTQIAに[[ストレート・アライ]] (ally)、[[全性愛|パンセクシュアル]] (pansexual) が加わる。また、Tを2つ重ねることでトランスジェンダーとトランスセクシャルの両方、Qを2つ重ねることでクィアとクエスチョニングの両方を包含する。 |
: LGBTQIAに[[ストレート・アライ]] (ally)、[[全性愛|パンセクシュアル]] (pansexual) が加わる。また、Tを2つ重ねることでトランスジェンダーとトランスセクシャルの両方、Qを2つ重ねることでクィアとクエスチョニングの両方を包含する{{Sfn|社会応援ネットワーク|2021|p=16}}。 |
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;LGBTQQIAAPPO2S |
;LGBTQQIAAPPO2S |
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: LGBTQIAにアライ、パンセクシュアル、[[ポリアモリー]] (polyamorous)、[[オムニセクシャル]](omnisexual)、[[トゥー・スピリット]] (two-spirit) が加わる<ref>{{Cite web |title=What is LGBTQQIAAPPO2S? {{!}} Sustainability from Japan |url=https://zenbird.media/what-is-lgbtqqiaappo2s/ |website=Zenbird |date=2022-02-10 |access-date=2023-03-14 |language=en-US |first=Natsumi |last=Inoue}}</ref>。Qを2つ重ねることでクィアとクエスチョニングの両方を包含する。 |
: LGBTQIAにアライ、パンセクシュアル、[[ポリアモリー]] (polyamorous)、[[オムニセクシャル]](omnisexual)、[[トゥー・スピリット]] (two-spirit) が加わる<ref>{{Cite web |title=What is LGBTQQIAAPPO2S? {{!}} Sustainability from Japan |url=https://zenbird.media/what-is-lgbtqqiaappo2s/ |website=Zenbird |date=2022-02-10 |access-date=2023-03-14 |language=en-US |first=Natsumi |last=Inoue}}</ref>。Qを2つ重ねることでクィアとクエスチョニングの両方を包含する。 |
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以上の他の頭字語や概念としては、以下のものがある。 |
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; SGL |
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: 同性愛コミュニティを意味する。[[アメリカ]]の社会において、[[アフリカ系アメリカ人]]のあいだで、LGBT を白人優位コミュニティの言葉として捉えて使用される。[[:en:Same gender loving|Same gender loving]] のイニシャル。 |
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; LUG、GUG、BUG |
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: 主として若年層の女性が使用する滑稽語である。レスビアン (L)、ゲイ (G)、バイセクシュアル (B) の頭文字に、Until Graduation(卒業まで)の頭字語 (UG) を加えて作られている。大学時代に[[機会的同性愛]]・両性愛を経験した者を指す。参照:[[:en:lesbian until graduation|lesbian until graduation]] |
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;QUILTBAG |
;QUILTBAG |
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: 上述のLGBTQIAにUを加え並べ替えたもので、これはクィアとクエスチョニング両方の意味を持つ。また、Tには[[:en:two-spirit|two-spirit]]、Aにはストレート・アライ, Gには[[Xジェンダー|ジェンダークィア]] (genderqueer) の意味も含む。 |
: 上述のLGBTQIAにUを加え並べ替えたもので、これはクィアとクエスチョニング両方の意味を持つ。また、Tには[[:en:two-spirit|two-spirit]]、Aにはストレート・アライ, Gには[[Xジェンダー|ジェンダークィア]] (genderqueer) の意味も含む。 |
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'''GSM''' |
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これらの用語の後ろに「+」をつけて、頭文字を記述しきれない、さらにより多くのセクシュアル・マイノリティを包括させる場合もある(例えば「'''LGBT+'''」「'''LGBTQ+'''」「'''LGBTQIA+'''」など)<ref name=coe>{{Cite web|url= https://www.coe.int/en/web/gender-matters/lgbt- |title= LGBT+ - Gender Matters |accessdate=2023/04/07|publisher= The Council of Europe |author= |date= }}</ref><ref name=gaycenter>{{Cite web|url= https://gaycenter.org/about/lgbtq/ |title= Defining LGBTQIA+ |accessdate=2023/04/07|publisher= The Lesbian, Gay, Bisexual & Transgender Community Center |author= |date= }}</ref>。「+」の追記によって、文字や言葉ではまだ完全に説明できないすべての性同一性と性的指向を表すことができ{{R| gaycenter}}、既存のカテゴリに自分自身を識別したくない人も含めることもできる{{R| coe}}。 |
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代替フレーズ。 LGBTQ+ のより簡潔な言い方。 LGBTTQQIAAP+ であるすべての人を指す包括的な用語。「(G)ender/(S)exual (M)inority」の頭字語で、通常は研究で使用されます。<ref>{{Cite web |title=性的マイノリティ(LGBT)の人権/とりネット/鳥取県公式サイト |url=https://www.pref.tottori.lg.jp/235803.htm |website=www.pref.tottori.lg.jp |access-date=2023-03-05}}</ref><ref>{{Cite web |title=Sexual & Gender Minority Research Office {{!}} DPCPSI |url=https://dpcpsi.nih.gov/sgmro |website=dpcpsi.nih.gov |access-date=2023-03-05}}</ref> |
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; [[ジェンダーレス]] (Genderless) |
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: 性同一性の欠如。性差のない、またはなくそうとする考え方。 |
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; ジェンダーフルイド (Genderfluid) |
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: 性的思考が流動的に変化し、はっきりと自身のジェンダー定義をせず、その時々によってさまざまな性別を行き来する考え方のこと。 |
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LGBT(もしくはいずれの派生語)には[[性的嗜好]]は含まれない<ref name=outjapan-lgbtq>{{Cite web|url= https://www.outjapan.co.jp/pride_japan/column/1.html |title= LGBTQとは |accessdate=2023/04/07|publisher= PRIDE JAPAN |author= |date= }}</ref>。 |
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== 性的指向のLGBと性自認のT == |
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{{単一の出典|section=1|date=2023年2月}} |
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LGBTという言葉や概念については様々な意見があるが、性的指向のLGBと性自認のTが一緒に纏められたのには背景がある。2006年7月に開催された「第1回[[ワールドアウトゲームズ]]」にて採択された「[[モントリオール宣言]]」以降、[[国際連合]]をはじめとした国際機関において[[性的指向]]や[[性自認|性同一性]]にまつわる[[人権問題]]を扱う公文書においてもこの言葉は用いられている。性的指向に関連するLGB([[同性愛]]、[[両性愛]])と性同一性(性自認)に関連するT([[トランスジェンダー]])は本来全く別のテーマであるが、{{sfn|西野明樹|2018|p=38-41}}。このLGBTという用語が、「モントリオール宣言」や「[[ジョグジャカルタ原則]]」など国際機関において用いられるようになった理由としては、一つに、これらの当事者とりわけ'''トランスジェンダーの数が少なく、'''単独にしないことにしたのが背景にある{{sfn|西野明樹|2018|p=38-41}}。 |
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=== 代替用語 === |
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== 用語関係史・性自認 (T) と纏めることに反発 == |
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; '''クィア''' |
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{{複数の問題 |
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{{main|クィア}} |
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| section = 1 |
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同性愛者に対する[[侮蔑語]](差別用語)から転用・{{仮リンク|再領有|en|reappropriation}}した語。LGBT全体を包摂する用語であるが、1990年代以降はLGBTに含まれない人々を指す用語としても使われている<ref name=pinknews230110>{{Cite web|url= https://www.thepinknews.com/2023/01/10/queer-or-gay-slur-debate/ |title= Queer or gay? Why LGBTQ+ people are fiercely debating former slur being reclaimed |accessdate=2023/06/20|publisher= PinkNews |author= |date=2023/01/10 }}</ref>。 |
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| 出典の明記 = 2021年12月 |
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| 参照方法 = 2021年12月 |
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}} |
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{{要出典範囲|[[1960年代]]の[[性の革命]]に至るまで、「[[異性愛]]=正常」とされる人々のコミュニティで使われていた軽蔑的な意味の言葉以外に、上述したような人々やその集団を表した中立的で一般に知られた用語は存在しなかった|date=2023年1月}}。[[第二次世界大戦]]以前には、第三の性 ([[:en:Third gender|Third gender]])」という言葉が使われていたが、大戦後、この用語は使われなくなった。これらの人々が性にまつわる権利を主張する運動が組織化していく過程で、自分たちは如何なる存在であるかを、肯定的な形で表現するための用語が必要となった。異性規範性=ヘテロノーマティヴィティ、[[:en:Heteronormativity|Heteronormativity]] と比較。 |
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; '''ゲイ''' |
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最初に使用された用語である "Homosexuality"(ホモセクシャリティ)は、否定的で余分な意味をあまりに強く帯びていたので、主として男性同性愛者の間で "gay" (ゲイ、陽気の意)という用語に置き換えられた。そしてレスビアンたちが自分たちのアイデンティティを錬成させていくにつれて、ゲイとレスビアンという用語は更に一般なものとなった。このことは間もなく、メジャーな一般社会のなかで、法的に正当な集団範疇としての承認を求めていたバイセクシュアルとトランスジェンダーの人々によって踏襲された。 |
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この場合の「gay」は男性の同性愛者という意味ではなく、1990年代まではセクシュアル・マイノリティ全体を指す総称としてよく使われていた<ref name=jeffryi180610>{{Cite web|url= https://medium.com/queer-history-for-the-people/a-brief-history-of-the-lgbtq-initialism-e89db1cf06e3 |title= Jeffry J. Iovannone - A Brief History of the LGBTQ Initialism |accessdate=2023/06/20|publisher= Medium |author= |date=2018/06/10 }}</ref>。 |
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===「LGBT」と纏めることに当事者らが反発=== |
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{{要出典範囲|しかし、[[1970年代]]後期から[[1980年代]]初期には、感覚的な受け取りにおける変化が始まり、一部のゲイ・レスビアン当事者からは、バイセクシュアルやトランスジェンダーの人々に対する反感・蔑視を表明する動きが表面化する|date=2023年1月}}<ref group="注記">トランスセクシュアルの人々を[[ステレオタイプ]]を演じているという批判や、バイセクシュアルの人々に対しては単に[[カムアウト]]することが恐ろしいだけで、実際のところはゲイの男性またはレスビアンの女性であるなどの批判があった。</ref>。 |
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; '''GSM''' |
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[[イギリス]]では、2019年10月、性自認のTと性的志向のLGBを纏めることへ反発する{{仮リンク|アリソン・ベイリー|en|Allison Bailey}}<ref group="注記">なお、ベイリー自身はレズビアン・フェミニストである。</ref>らによって、[[LGBアライアンス]]が設立された。同団体は、トランスジェンダリズム(性自認至上主義)は「疑似科学」であり、「子供に対し有害」であるとするスタンスをとっており、イギリスの{{仮リンク|ジェンダー承認法|en|Gender Recognition Act 2004}}(Gender Recognition Act、通称GRA)の改正に対し反対キャンペーンを行っている<ref name="scotsman201216">{{Cite web |url=https://www.scotsman.com/news/politics/entirely-inappropriate-quote-lgb-alliance-trans-issues-says-ofcom-chief-3069446 |title=‘Entirely inappropriate’ to quote LGB Alliance on trans issues, says Ofcom chief |accessdate=2023/02/08 |publisher=The Scotsman |author= |date=2020/12/16 |last=Marlborough |first=Conor |language=en}}</ref>。 |
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代替フレーズ。LGBTQ+のより簡潔な言い方。LGBTTQQIAAP+であるすべての人を指す包括的な用語。「(G)ender/(S)exual (M)inority」の頭字語で、通常は研究で使用される<ref>{{Cite web |title=性的マイノリティ(LGBT)の人権/とりネット/鳥取県公式サイト |url=https://www.pref.tottori.lg.jp/235803.htm |website=www.pref.tottori.lg.jp |access-date=2023-03-05}}</ref><ref>{{Cite web |title=Sexual & Gender Minority Research Office {{!}} DPCPSI |url=https://dpcpsi.nih.gov/sgmro |website=dpcpsi.nih.gov |access-date=2023-03-05}}</ref>。 |
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; '''SGL''' |
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== 日本 == |
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同性愛コミュニティを意味する。[[アメリカ]]の社会において、[[アフリカ系アメリカ人]]のあいだで、LGBTを白人優位コミュニティの言葉として捉えて使用される。[[セイム・ジェンダー・ラヴィング|Same gender loving]] のイニシャル。 |
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{{seealso|日本におけるLGBTの権利|日本における同性結婚|日本における同性愛}} |
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日本では同性愛を法的に取り締まったり、キリスト教・イスラム教・ユダヤ教などのように「逸脱した行為」等の宗教的[[異端]]としてないが<ref>{{Cite web|title=同性愛嫌悪を処罰する法案は「信仰の自由を抑制」とバチカン|url=https://christianpress.jp/49529/|website=クリプレ(クリスチャンプレス)|date=2021-06-23|accessdate=2021-11-13|language=ja}}</ref><ref>イスラームにおける同性愛 - researchmap[https://researchmap.jp/ruco/published_papers/32091091/attachment_file.pdf]</ref><ref>{{Cite web|title=ユダヤ教超正統派の男、ゲイパレード襲撃 6人重軽傷 エルサレム|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3056026|website=www.afpbb.com|accessdate=2021-11-13|language=ja}}</ref>、同性婚および[[シビル・ユニオン]]は法的に認められていない。 |
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なお、「[[SOGI]]」「SOGIE」「SOGIESC」は性的指向、性同一性、[[ジェンダー表現|性表現]]、{{仮リンク|性的特徴|en|Sexual characteristics}}の頭文字をとった用語であるが、[[ヘテロセクシュアル]](異性愛者)や[[シスジェンダー]]といったマジョリティを含む、性的指向と性同一性を持つすべての人々を指す{{R|glaad-terms}}。そのためマイノリティのみを指すLGBTの代替用語とはならない。 |
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=== パートナーシップ制度・利用組数 === |
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日本では2015年に初めて、同性カップルを「[[結婚]]に相当する関係」と認める「パートナーシップ証明書」を発行するために、[[東京都]][[渋谷区]]で[[渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例]]が区議会本会議で可決・成立し、同年4月1日より施行された<ref>「渋谷区同性カップル条例が成立 全国初、4月1日施行」朝日新聞、2015年3月31日</ref>。同年11月には、東京都[[世田谷区]]で「世田谷区パートナーシップの宣誓の取扱いに関する要綱」が制定された<ref>[http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/107/157/802/d00140990_d/fil/8.pdf 世田谷区パートナーシップの宣誓の取組みについて]</ref>。パートナーシップ制度は、11月5日に渋谷区と世田谷区で同時に導入された<ref>{{cite web|url=https://www.gqjapan.jp/culture/column/20151224/same-sex-marriage|title=「パートナーシップ証明書」の、その先に|accessdate=2020-3-21}}</ref>。2020年9月30日時点で世田谷は128組、渋谷区は50組が利用している<ref>{{Cite web|title=世田谷区「パートナーシップ制度」5年 性的少数者「特別な存在じゃない」 区役所でパネル展:東京新聞 TOKYO Web|url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/65641|website=東京新聞 TOKYO Web|accessdate=2021-11-13|language=ja}}</ref>。 |
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=== 用語としての歴史 === |
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2017年6月1日、北海道札幌市で、政令指定都市初となるパートナーシップ制度が導入された。同性カップルに限定せず、性同一性障害も配慮し異性同士も対象となっている<ref>[http://www.asahi.com/articles/ASK6143T6K61IIPE00J.html LGBT「パートナーシップ制度」札幌でも 指定市で初]朝日新聞 2017年6月1日</ref>。札幌市の2021年1月末で制度利用しているカップルは112組。詳細は戸籍上の性別女性同士75組、戸籍上の男性同士35組、戸籍上の性別異性間2組である<ref>{{Cite web|title=パートナーシップ制度ではだめ 同性婚求めるワケとは:朝日新聞デジタル|url=https://www.asahi.com/articles/ASP3H5R1LP3HIIPE01F.html|website=朝日新聞デジタル|accessdate=2021-11-13|language=ja}}</ref>。 |
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{{Main|{{ill|LGBTの歴史|en|LGBT history}}|{{ill|LGBT史年表|en|Timeline of LGBT history}}}} |
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最初に広く使われた用語である[[同性愛|ホモセクシャル]]({{Lang-en-short|homosexual}}、同性愛)は、現在では科学的な文脈で使われることの多い言葉だが、アメリカ合衆国においてはネガティブな意味合いを持つことが多かった<ref name="glaad">[https://www.glaad.org/reference/style Media Reference Guide] {{Webarchive|url=https://web.archive.org/web/20191227131845/https://www.glaad.org/reference/style|date=27 December 2019}} (citing AP, [[The Washington Post|Washington Post]] style guides), [[GLAAD]]. Retrieved 23 December 2019.</ref>。ゲイ({{Lang-en-short|gay}}、ここでは単に同性愛者のこと)が一般的な言葉となったのは、[[1970年代]]のことである<ref name="The Social Studies C">{{cite book |last=Ross |first=E. Wayne |title=The Social Studies Curriculum: Purposes, Problems, and Possibilities |publisher=SUNY Press |year=2006 |isbn=978-0-7914-6909-5 |url=https://books.google.com/books?id=4qFMqjxte9IC |access-date=2 July 2015 |archive-date=19 June 2019 |archive-url=https://web.archive.org/web/20190619085357/https://books.google.com/books?id=4qFMqjxte9IC |url-status=live}}</ref>。 |
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レズビアン({{Lang-en-short|lesbian}})の人々がより公のアイデンティティを確立させていくにつれ、「ゲイとレズビアン」({{Lang-en-short|gay and lesbian}})という表現が一般的になっていった<ref name="Gay Pride Nee">{{cite news |last=Swain |first=Keith W. |title=Gay Pride Needs New Direction |newspaper=[[Denver Post]] |date=21 June 2007 |url=http://www.denverpost.com/ci_6198394?source=rss |access-date=5 July 2008 |archive-date=21 April 2016 |archive-url=https://web.archive.org/web/20160421235751/http://www.denverpost.com/ci_6198394?source=rss |url-status=live}}</ref>。レズビアン活動家たちのあいだで生じた、フェミニズムと[[ゲイの権利|同性愛の権利]]のうち、どちらを彼女たちの政治的目標の主眼に置くべきかという論争は、{{仮リンク|デル・マーティンとフィリス・ライアン|en|Del Martin and Phyllis Lyon}}らが設立した「{{仮リンク|ビリティスの娘たち|en|Daughters of Bilitis}}」<ref>{{cite book |url=https://books.google.com/books?id=wqt4krhmQrwC&dq=daughters+of+bilitis+founder&pg=PA394 |title=Rebels, Rubyfruit, and Rhinestones: Queering Space in the Stonewall South - James Thomas Sears - Google Books |isbn=9780813529646 |accessdate=2022-05-02 |last1=Sears |first1=James Thomas |year=2001 |archive-date=14 May 2022 |archive-url=https://web.archive.org/web/20220514161912/https://books.google.com/books?id=wqt4krhmQrwC&dq=daughters+of+bilitis+founder&pg=PA394 |url-status=live}}</ref>(同種の論争により1970年に解散)をはじめとした、いくつかのレズビアン団体を解散させることとなった<ref>{{cite journal|last1=Esterberg|first1=Kristen|year=1994|title=From Accommodation to Liberation: A Social Movement Analysis of Lesbians in the Homophile Movement|journal=Gender and Society|volume=8|issue=3|pages=424–443|doi=10.1177/089124394008003008|s2cid=144795512}}</ref>。{{仮リンク|レズビアン・フェミニズム|en|Lesbian feminism|label=レズビアン・フェミニスト}}にとっては[[男女同権]]こそ最優先事項であり、男性と女性、または[[ブッチとフェム]]の間にある[[性役割]](ジェンダー・ロール)の相違は彼女たちにとって[[家父長制]]的なものであった。レズビアン・フェミニストたちはまた、当時の[[ゲイバー]]で普及していた性役割や、ゲイ男性にみられた[[ショーヴィニズム|男性優位論]](男性ショーヴィニズム)を忌避した。ために、多くのレズビアン・フェミニストはゲイ男性との連帯を拒み、彼らの主張を受けいれなかった<ref>Faderman, Lillian (1991). ''Odd Girls and Twilight Lovers: A History of Lesbian Life in Twentieth Century America'', Penguin Books. {{ISBN|0-14-017122-3}}, p. 210–211.</ref>。 |
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2019年7月1日、茨城県で、都道府県初となるパートナーシップ制度が導入され<ref>{{cite web|url=https://www.huffingtonpost.jp/entry/ibaraki-partnership_jp_5d106c56e4b0aa375f4f1b29|title=都道府県では初、茨城県がパートナーシップ制度をスタート。「当事者の困難をできるだけ早く解消するべき」|accessdate=2020-3-21}}</ref>、2020年9月30日時点34組が利用している<ref name=":2">{{Cite web|title=全国で1301組の同性カップルに証明書 : パートナーシップ制度スタートから5年|url=https://www.nippon.com/ja/japan-data/h00860/|website=nippon.com|date=2020-11-09|accessdate=2021-11-13|language=ja}}</ref>。 |
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「レズビアン」という言葉を[[色気|性的魅力]]を定義するために使い、「同性愛者は生来の同性愛者」という[[本質主義]]的な考えを奉じていたレズビアン――エッセンシャリスト({{Lang-en-short|essentialist}})――たちは、しばしばレズビアン・フェミニストの{{仮リンク|分離派フェミニズム|en|Feminist separatism|label=分離主義的}}な意見<ref group="注記">{{Lang-en-short|Feminist separatism}}</ref>を同性愛者の権利にとって有害であると考えていた<ref>Faderman (1991), p. 217–218.</ref>。また、[[両性愛|バイセクシャル]]({{Lang-en-short|bisexual}}、両性愛者)や[[トランスジェンダー]]({{Lang-en-short|transgender}})の人々も、より大きな性的マイノリティ・コミュニティ内で、自分たちが正当な存在として認められることを望んでいた<ref name="Gay Pride Nee" />。 |
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2020年1月22日には、大阪府で、都道府県2例目となるパートナーシップ制度が導入され<ref>{{cite web|url=https://www.huffingtonpost.jp/entry/osaka-prefecture-partnership_jp_5e1ecfd7c5b674e44b8fd8e8|title=大阪府でパートナーシップ制度開始へ。「本当は国が率先してやるべき」と吉村洋文知事|accessdate=2020-3-21}}</ref>、2020年9月30日時点で46組が利用している<ref name=":2" />。 |
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[[ニューヨーク]]で起きた[[ストーンウォールの反乱]](1969年)での人々の行動をきっかけとした変革の興奮が過ぎ去ったあとの1970年代後半から1980年代前半にかけ、ゲイやレズビアンの一部は、バイセクシャルやトランスジェンダーに対し、より排他的な姿勢を取るようになった<ref name="Transgender Subjectivities">{{cite book |last1=Leli |first1=Ubaldo |first2=Jack |last2=Drescher |title=Transgender Subjectivities: A Clinician's Guide |publisher=Haworth Press |year=2005 |isbn=978-0-7890-2576-0 |url=https://books.google.com/books?id=QiJryCzrZmYC |access-date=2 July 2015 |archive-date=6 September 2015 |archive-url=https://web.archive.org/web/20150906145439/https://books.google.com/books?id=QiJryCzrZmYC |url-status=live}}</ref><ref name="Bisexuality and Transgend">{{cite book |last1=Alexander |first1=Jonathan |first2=Karen |last2=Yescavage |title=Bisexuality and Transgenderism: InterSEXions of The Others |publisher=Haworth Press |year=2003 |isbn=978-1-56023-287-2 |url=https://books.google.com/books?id=2SOe4igsrbgC |access-date=2 July 2015 |archive-date=6 September 2015 |archive-url=https://web.archive.org/web/20150906150516/https://books.google.com/books?id=2SOe4igsrbgC |url-status=live}}</ref>。バイセクシャルやトランスジェンダーに批判的な人々は{{誰|date=2023年5月19日 (金) 16:18 (UTC)}}、トランスジェンダーは[[ステレオタイプ]]な振る舞いをしており、また、バイセクシャルは単に[[カミングアウト]]を恐れ、[[両性愛の消去|自身のアイデンティティに正直になることを恐れるゲイ男性ないしレズビアン女性に過ぎない]]、と主張していた<ref name="Transgender Subjectivities" />。LGBTそれぞれのコミュニティは、他の[[ジェンダー]]や[[性的指向]]に基づくコミュニティと協調すべきかどうか、協調するにせよ、その繋がり方をどうするべきかを含め、独自のアイデンティティを確立するため格闘しつづけ、時にはサブグループ([[社会階級]]・[[人種]]・[[宗教]]など)を排除した。この対立は、現在においても続いている<ref name="Bisexuality and Transgend" />。LGBTQ活動家やアーティストたちは、運動の開始以来、この問題についての意識を高めるためのポスターを作成してきた<ref name="Exhibition Guide">{{cite web |url=http://www.politicalgraphics.org/out-of-the-closet |website=[[Center for the Study of Political Graphics]] |access-date=1 October 2016 |title=Out of the Closet and Into the Streets |archive-date=2 October 2016 |archive-url=https://web.archive.org/web/20161002103737/http://www.politicalgraphics.org/out-of-the-closet |url-status=live}}</ref>。 |
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'''導入県市区町村別利用組数一覧''' |
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1988年頃から、アメリカ国内の活動家たちは[[頭字語]]の「LGBT」を使いはじめた<ref>[https://books.google.com/books?id=PiglAQAAIAAJ Research, policy and practice: Annual meeting] {{Webarchive|url=https://web.archive.org/web/20190619085339/https://books.google.com/books?id=PiglAQAAIAAJ|date=19 June 2019}}, American Educational Research Association Verlag AERA, 1988.</ref>。1990年代に至るまで、運動内でゲイとレズビアン、バイセクシャル、トランスジェンダーは同程度の尊重を得ていなかった<ref name="Bisexuality and Transgend" />。「LGBT」の語の普及により、{{仮リンク|GLBT歴史博物館|en|GLBT Historical Society}}(1999年に改称<ref group="注記">同博物館は1985年にthe San Francisco Bay Area Gay and Lesbian Historical Societyとして設立され、1990年にthe Gay and Lesbian Historical Society of Northern Californiaに改称したが、1999年、バイセクシャルとトランスジェンダーの包摂のため現在の名称に変更された。</ref>)をはじめ、一部の組織は新しい名前を採用するようになった<ref>{{cite web |url=https://www.glbthistory.org/timeline |title=Our History |last=Koskovich |first=Gerard |website=The GLBT Historical Society |access-date=January 7, 2022 |archive-date=7 January 2022 |archive-url=https://web.archive.org/web/20220107212644/https://www.glbthistory.org/timeline |url-status=live}}</ref>。LGBTコミュニティは、異なるグループの受けいれるかどうかについて論争を繰り広げてきた(具体的には、バイセクシャルやトランスジェンダーの個人は、より大きなLGBTコミュニティからの[[社会的排除|排除]]を経験していた)。しかしながら、用語としての「LGBT」は、[[社会的包摂|包摂]]の象徴としてポジティブな意味合いを持ち続けた<ref name="The Handbook of Lesb">{{cite book |last=Shankle |first=Michael D. |title=The Handbook of Lesbian, Gay, Bisexual, and Transgender Public Health: A Practitioner's Guide To Service |publisher=Haworth Press |year=2006 |isbn=978-1-56023-496-8 |url=https://books.google.com/books?id=pUUyLSKD5voC |access-date=2 July 2015 |archive-date=6 September 2015 |archive-url=https://web.archive.org/web/20150906170653/https://books.google.com/books?id=pUUyLSKD5voC |url-status=live}}</ref><ref name="Bisexuality and Transgend" />。 |
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2015 年の初制度導入から2020年2月時点で34の自治体が同性パートナーシップ制度を導入・利用は759組<ref>{{cite web|url=https://www.asahi.com/articles/ASN2F4W3FN1PPTIL002.html|title=心支えるパートナーシップ制度、でも…同性カップルに壁|accessdate=2020-3-21}}</ref>、2020年9月30日時点で64の導入自治体が全国で1501組が利用している<ref name=":2" />。 |
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「LGBT」という用語は、厳密には性的少数派に属する個人すべてを包含するわけではないものの([[LGBT#バリエーション|バリエーション節]]を参照)、一般的にはアルファベット4文字の頭字語で明確に名指しされていない個人も含まれる<ref name="The Handbook of Lesb" /><ref name="Bisexuality and Transgend" />。総体としてみれば、LGBTという用語の使用は、時間の経過とともに、他のコミュニティから追いやられていた個人をおおまかなコミュニティに取り込んでいくのに大いに役立ってきた。トランスジェンダーの女優、[[キャンディス・ケイン]]は2009年、LGBTコミュニティは「最後の偉大なマイノリティ」であり、「私たちはまだ公然とハラスメントを受けたり、テレビで攻撃されたりすることがあります」と語っている<ref name="Advocate 2009-03">{{cite news |title=I Advocate... |date=March 2009 |work=[[The Advocate (LGBT magazine)|The Advocate]] |publisher=Issue #1024 |page=80}}</ref>。 |
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'''内訳(2020年9月30日時点'''<ref name=":2" />''')''' |
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2016年、アメリカ合衆国の[[メディアモニタリング]]組織、[[GLAAD]]が発行したメディア・リファレンスガイドによれば、[[クィア]]({{Lang-en-short|queer}}、{{仮リンク|再領有|en|reappropriation|label=再領有語}}のひとつ)をアイデンティティとして自称する、コミュニティ内部のより若い人々を包摂する「'''LGBTQ'''」が頭字語として好まれるとしている<ref>{{cite web |last1=Ring |first1=Trudy |title=Expanding the Acronym: GLAAD Adds the Q to LGBT |url=http://www.advocate.com/media/2016/10/26/expanding-acronym-glaad-adds-q-lgbt |publisher=Advocate |access-date=30 October 2016 |date=26 October 2016 |archive-date=14 May 2022 |archive-url=https://web.archive.org/web/20220514161913/https://www.advocate.com/media/2016/10/26/expanding-acronym-glaad-adds-q-lgbt |url-status=live}}</ref>。一部の人々、特にコミュニティの年配のメンバーの間には「クィア」という言葉を[[ヘイトスピーチ]]に起源を持つ蔑称であると考え、これを受けいれていない<ref name="Nadal-2017">{{cite book |last=Nadal |first=Kevin |title=The SAGE Encyclopedia of Psychology and Gender |url=https://books.google.com/books?id=lVYoDwAAQBAJ&pg=PA1384 |access-date=3 January 2019 |date=15 April 2017 |publisher=SAGE Publications |location=Thousand Oaks, California |isbn=978-1-4833-8427-6 |page=1384 |oclc=994139871 |archive-date=19 June 2019 |archive-url=https://web.archive.org/web/20190619085340/https://books.google.com/books?id=lVYoDwAAQBAJ&pg=PA1384 |url-status=live}}</ref>。 |
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北海道札幌市104、茨城県全域34、栃木県鹿沼市1、群馬県大泉町1、埼玉県さいたま市16、埼玉県川越市9、千葉県千葉市75、東京都港区8、東京都文京区6、東京都世田谷区128、東京都渋谷区50、東京都中野区63、東京都豊島区32、東京都江戸川区15、東京都府中市8、神奈川県横浜市113、神奈川県川崎市19、神奈川県相模原市11、神奈川県横須賀市17、神奈川県鎌倉市5、神奈川県小田原市6、神奈川県逗子市1、神奈川県葉山町3、新潟県新潟市7、静岡県浜松市22、愛知県西尾市0、愛知県豊明市1、三重県いなべ市0、三重県伊賀市5、京都府京都市27、大阪府全域46、大阪府大阪市237、大阪府堺市21、大阪府貝塚市0、大阪枚方市11、大阪府富田林市2、大阪府大東市1、大阪府交野市1、兵庫県尼崎市12、兵庫県芦屋市1、兵庫県伊丹市2、兵庫県宝塚市10、兵庫県川西市0、兵庫県三田市3、奈良県奈良市3、奈良県大和郡山市0、岡山県岡山市5、岡山県総社市2、徳島県徳島市4、香川県高松市6、香川県三豊市3、福岡県北九州市13、福岡県福岡市77福岡県古賀市2、長崎県長崎市5、熊本県熊本市2、宮崎県宮崎市12、宮崎県木城町0、沖縄県那覇市33 |
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=== 制服 === |
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2020年、報道機関の取材では全国の高等学校で制服選択制が600余と報道される<ref>{{cite news|url=https://www.saga-s.co.jp/articles/-/608544|title=制服選択制の公立高600超 佐賀など19都道県 性的少数者に配慮|publisher=佐賀新聞|date=2020年12月6日|accessdate=2020-12-6}}</ref>。制服は学校長判断で変更などを決定するが、2019年4月から、[[中野区]]と[[世田谷区]]では全区立中学校で女子生徒もスラックスの制服(標準服)を選べるようにした<ref>{{Cite news|url=https://www.asahi.com/articles/ASM1Y4R54M1YUTIL01N.html|title=女子中学生の制服もスラックス 世田谷・中野区で選択可|date=2019年1月29日|accessdate=2020-05-17}}</ref>。世田谷区では[[上川あや]]議員の経験による質疑がきっかけとなった<ref>{{Cite news|url=https://www.huffingtonpost.jp/2018/03/19/setagayaunifrom_a_23389202/|title=全区立中学で性別問わずスカート、ズボンが選べるよう検討へ 東京都世田谷区教委が見解|author=錦光山雅子 |date=2018年03月20日|accessdate=2020-05-17}}</ref>。 |
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=== 用語への批判 === |
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[[福岡市]]では中学校長会の代表や保護者代表などによる市立中学校の制服を見直す検討委員会が発足し2019年5月には新たな標準服の案がまとまり、同年福岡市は全69校のうち4校がジェンダーフリーの独自学生服を採用。残り65校も福岡市が準備した新たな標準服となり、市内全校がスラックスとスカートを自由に選べる選択式の標準服を採用した。動きやすさや寒暖への対応のほか、男女に関係なく、ズボン、キュロット、スカートのいずれを着るか選べる<ref>{{cite news|url=https://hbol.jp/206761?cx_clicks_others_art=1_title|title=福岡で市立中の制服を変えた弁護士。「制服を着る着ないを選ぶ権利は生徒にある」|author=今一生|publisher=ハーバー・ビジネス・オンライン|date=2019-11-21|accessdate=2020-07-10}}</ref><ref>{{cite news|url=https://www.nishinippon.co.jp/item/n/510133/|title=中学新制服はブレザー 福岡市の検討委が了承 20年度から スカートとズボン選択も|publisher=西日本新聞|date=2019-5-15|accessdate=2020-07-10}}</ref>。 |
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LGBTの用語は、この表現に包含される誰もから受容されているわけではない<ref name="Counseling Lesbian, G2">{{cite book |last1=Finnegan |first1=Dana G. |first2=Emily B. |last2=McNally |title=Counseling Lesbian, Gay, Bisexual, and Transgender Substance Abusers: Dual Identities |publisher=Haworth Press |year=2002 |isbn=978-1-56023-925-3 |url=https://archive.org/details/counselinglesbia2002finn |url-access=registration}}</ref>。 |
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新しいジェンダーやセクシュアリティが認知されるたびに頭文字が追加され、どんどん長くなる傾向にあり、それを過剰だと非難する人も一部では存在する<ref name=slate180116>{{Cite web|url= https://slate.com/human-interest/2018/01/lgbtq-people-need-more-labels-not-fewer.html |title= Why We Need More Queer Identity Labels, Not Fewer |accessdate=2023/06/20 |publisher= slate.com |author= |date=2018/01/16 }}</ref>。差別的な動機からLGBTの特定のイニシャルを取り除こうとする者もいる([[#Drop the T]]を参照)。 |
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栃木県の県立高校では、コロナ禍対策の換気による防寒もあり6割で女子生徒にもスラックスが導入されている<ref>{{cite news|url=https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/415305|title=女子制服にスラックス導入広がる 県立高6割、換気での寒さも要因に|publisher=下野新聞|date=2021-2-7|accessdate=2021-2-8}}</ref>。世田谷区の区立桜丘中学校では、制服の形状を選択することがカミングアウトにつながるとの校長の配慮もあり制服でも私服でもよいとしている<ref>{{cite web|url=https://news.livedoor.com/article/detail/16105492/|title=校則全廃の公立中、LGBTの生徒にも配慮 制服や修学旅行でも|publisher=live door news|date=2019年3月4日|accessdate=2020-07-10}}</ref>。 |
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一方で、そのラベルは[[連帯]]のために必要であり、誰もが自分自身のジェンダーやセクシュアリティに名前をつけて表現してもいいとの声もある{{R| slate180116}}。完璧な用語や完全に包括的な用語など存在しない<ref name=natiogeo211020>{{Cite web|url= https://www.nationalgeographic.com/history/article/from-lgbt-to-lgbtqia-the-evolving-recognition-of-identity |title= From LGBT to LGBTQIA+: The evolving recognition of identity |accessdate=2023/06/20|publisher= National Geographic |author= |date=2021/10/20 }}</ref>。LGBT史を専門とするジェフリー・J・イオヴァンノンはLGBTのイニシャリズムは、アイデンティティを表す文字をランダムに集めたものではなく、歴史を体現したものであると述べている{{R|jeffryi180610}}。LGBTと関連して[[インターセクショナリティ]]の重要性も指摘されている<ref name=verywellmind230123>{{Cite web|url= https://www.verywellmind.com/the-intersection-of-lgbtq-and-poc-5204007 |title= The Intersection of LGBTQ+ and BIPOC Identities |accessdate=2023/06/21|publisher= Verywell Mind |author= |date=2023/01/23 }}</ref><ref name=amnesty-lgbt>{{Cite web|url= https://www.amnesty.org/en/what-we-do/discrimination/lgbti-rights/ |title= LGBTI Rights |accessdate=2023/06/21|publisher= Amnesty International |author= |date=}}</ref>。 |
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=== その他 === |
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[[ライフネット生命保険]]が死亡[[保険金]]の受け取りに同性パートナーを指定できる<ref>[https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1511/02/news064.html ライフネット生命、同性パートナーを死亡保険金受取人に指定可能に]ITmedia ビジネスオンライン、2015年11月2日</ref>。[[携帯電話]]会社では、同性パートナーを家族割引などの対象にできる<ref>[https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1511/12/news131.html ソフトバンク、同性パートナーで家族割引などへの申し込みを可能に]ITmedia Mobile、2015年11月12日</ref><ref>[http://www.rbbtoday.com/article/2015/10/23/136383.html ドコモも同性パートナーに割引適用拡大……「ファミリー割引」「シェアパック」OKに]RBB TODAY、2015年10月23日</ref><ref>{{Cite web |url=https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1507/21/news060.html |title=KDDI、同性パートナーに「家族割」適用 |accessdate=2020-01-19 |website=ITmedia NEWS |language=ja}}</ref><ref>[https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1507/21/news060.html KDDI、同性パートナーに「家族割」適用]ITmedia、2015年7月21日</ref>。 |
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「LGBT(もしくはLGBTQ)」には[[小児性愛|ペドフィリア(小児性愛)]]が含まれるかのような[[誹謗中傷|中傷]]目的の[[偽情報|虚偽情報]]がインターネット上で出回ることがあるが、LGBTコミュニティがペドフィリアをサポートしている事実はない<ref name=usatoday200730>{{Cite web|url= https://www.usatoday.com/story/news/factcheck/2020/07/30/fact-check-lgbtq-community-rejects-false-association-pedophiles/5462805002/ |title= Fact check: LGBTQ community rejects false association with pedophiles |accessdate=2023/06/25|publisher= USA TODAY |author= |date=2020/07/30 }}</ref>。 |
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[[ソニー]]は同性のパートナーを持つ社員を慶弔や育児・介護休暇、結婚祝い金など福利厚生の対象に<ref>{{Cite web |url=https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ18I71_Y6A210C1TJC000/ |title=同性パートナー持つ社員への対応広がる ソニーやパナソニック |publisher =日経新聞 |date=2016-02-18 |accessdate=2021-04-17}}</ref>、[[パナソニック]]は社内[[同性結婚]](同性婚)を認める方針と報道された。[[国際オリンピック委員会|IOC]]のスポンサーである同社は、「性的差別を行わない」とした[[オリンピック憲章]]を尊重した<ref>{{cite web|url=http://mainichi.jp/articles/20160218/k00/00m/040/110000c|title=パナソニック 同性婚、社内規定で容認 4月から|website=毎日新聞|accessdate=2016-02-18}}</ref>。 |
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「LGBT」といった用語もしくはその運動や文化を、企業や団体が安易に流用し、自身の差別的な構造を改善しようとしてもいない場合、それは[[ピンクウォッシング (LGBT)|ピンクウォッシング]](レインボーウォッシング)として非難されることがある<ref name=lgbtqnation220726>{{Cite web|url= https://www.lgbtqnation.com/2022/07/what-is-pinkwashing/ |title= What is pinkwashing? |accessdate=2023/06/25|publisher= LGBTQ Nation |author= |date=2022/07/26 }}</ref><ref name=pinknews230601>{{Cite web|url= https://www.thepinknews.com/2023/06/01/pride-month-rainbow-washing-lgbt-support-work/ |title= How to avoid rainbow-washing and truly support LGBTQ employees during Pride Month |accessdate=2023/06/25|publisher= PinkNews |author= |date=2023/06/01 }}</ref>。 |
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[[2017年]]7月6日、東京都[[豊島区議会|豊島区議]]の[[石川大我]]、[[世田谷区議会|世田谷区議]]の上川あや、[[中野区議会|中野区議]]の[[石坂わたる]]、[[文京区議会|文京区議]]の[[前田邦博]]、[[埼玉県]][[入間市]]議の[[細田智也]]ら5人の地方議員が「LGBT自治体議員連盟」を設立した。性的少数者の人権を擁護する条例や施策を、地方議会を通じて全国の自治体に拡大していくことを目指す。同連盟には趣旨に賛同する全国62自治体の議員78人(元職も含む)も参加した<ref> |
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{{Cite news |
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|url=http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201707/CK2017070702000115.html |
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|title=LGBT地方議連が発足 差別解消の推進目指し83人 |
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|newspaper=[[東京新聞]] |
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|date=2017-7-7 |
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|accessdate=2017-7-7 |
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|publication-date= |
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|archiveurl=https://web.archive.org/web/20170909190834/http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201707/CK2017070702000115.html |
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|archivedate=2017年9月9日 |
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}} |
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</ref><ref>{{Cite news |
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|url=http://www.asahi.com/articles/ASK765JHHK76UTFK00Z.html |
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|title=「LGBT自治体議連」発足 上川あや氏ら地方議員5人 |
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|newspaper=[[朝日新聞]] |
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|date=2017-7-7 |
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|accessdate=2017-7-7 |
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}}</ref>。その後、同年10月9日に開かれたLGBT関連の撮影会で[[北海道]][[滝川市]]議がカミングアウト<ref>{{Cite news |
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|url=http://www.outjapan.co.jp/lgbtcolumn_news/news/2017/10/8.html |
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|title=「OUT IN JAPAN」札幌撮影会で、滝川市議の舘内孝夫さんがカミングアウト |
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|newspaper=OUT JAPAN |
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|date=2017-10-24 |
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|accessdate=2018-01-16 |
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}}</ref>。同年12月に[[京都府]][[長岡京市]]議が市議会本会議でカミングアウトを行った<ref>{{Cite news |
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|url=http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20171224000097 |
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|title=「奇異の目なくすのが行政」 京都・長岡京市議がLGBT告白 |
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|newspaper=京都新聞 |
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|date=2017-12-25 |
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|accessdate=2018-01-16 |
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}}</ref>。 |
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[[2022年]]6月13日、[[安倍晋三]]元首相が会長を務め、[[自由民主党 (日本)|自民党]]の国会議員が多数参加している[[神道政治連盟国会議員懇談会]]の研修会でA5版90ページに及ぶ冊子が配布され、研修会で大学教授らが[[夫婦別姓]]や[[同性結婚|同性婚]]について講演した内容などがまとめられている。そこには「同性愛は心の中の問題であり、先天的なものではなく後天的な精神の障害」「世界には同性愛や性同一性障害から脱した多くの元LGBTの人たちがいる」などの内容が書かれていた<ref> {{Cite web |url= https://www.asahi.com/articles/ASQ715RWXQ71UTFK019.html |title=「同性愛は精神の障害か依存症」 自民会合で配布の文書に差別的内容 |website= |publisher= [[朝日新聞]]|date=2022-07-01 |accessdate=2022-07-02}}</ref><ref>{{Cite web |url= https://smart-flash.jp/entame/189500/1 |title= 自民党議員の会合で「同性愛は障害」文書を配布 |website= |publisher=[[FLASH (写真週刊誌)|FLASH]]|date=2022-07-01|accessdate=2022-07-02}}</ref>。 |
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「性的マイノリティのうち、'''ストレート'''な(反社会的ではない)人々」という定義もありうるので、同性愛者を「レズ」「ゲイ」を「ホモセクシャル」に分類し、異性愛者を「ヘテロセクシャル」と呼称するという主張もある(「ホモ」(ゲイ)と「ビアン」と「ノンケ」に分類する場合もあるが、「ゲイ」というとキャンプ(女装をし、いわゆる「オネェ言葉」を使う、いわゆる「オカマ」)が連想されがちであるため、議論がある。 |
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== 欧米 == |
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{{複数の問題 |
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| section = 1 |
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| 出典の明記 = 2023年2月 |
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| 独自研究 = 2023年2月 |
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}} |
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=== 用語のイメージに関連する議論 === |
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LGBTあるいはGLBTといった用語は、この表現に包含される誰もから受容されているわけではない<ref name="Counseling Lesbian, G">{{cite book|last1=Finnegan|first1=Dana G.|first2=Emily B.|last2=McNally|title=Counseling Lesbian, Gay, Bisexual, and Transgender Substance Abusers: Dual Identities|publisher=Haworth Press|year=2002|isbn=978-1-56023-925-3|url=https://archive.org/details/counselinglesbia2002finn|url-access=registration}}</ref>。 |
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「インターセクシャル」は LGBT に含まれないことになるので LGBT という呼称に反対する立場もある。[[六花チヨ]]『IS 〜男でも女でもない性〜』や[[新井祥]]の『性別が、ない!』は、L・G・B・T というカテゴリーのどこにも入らないため、[[優生学]]的な立場に基いているという議論もある。[[ヒジュラー]]も参照のこと。 |
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{{要出典|範囲=LGBTとできるだけ多くの性のあり方を言うことで性の多様性を尊重するという面もある一方、いろいろな性のあり方を一緒くたにしてしまっていることから当事者からは自身の性を蔑ろにされていると感じられる面もある|date=2022年10月}}。 |
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== 世界におけるLGBTの人権 == |
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{{要出典範囲|トランスジェンダーやトランスセクシュアルの一部はこの用語を好まない。彼らは、ある団体の行う活動内容がトランスである人々を念頭したものとは考えられない場合、団体の名称のイニシャル語あるいは[[頭字語]]にTを加えることに対し異議を唱える。LGB の一部の人々は、同じ理由からTを好まない。|date=2023年1月}}。LGBとTの間には大きな違いがあるにも関わらず、ひと括りにされている結果、特に少数派であるトランスジェンダーの声が届かなくなっているという主張もある{{sfn|西野明樹|2018|p=38-41}}。報道がLGBのみに関する内容であっても、キャッチーであるLGBTという呼称が用いられることがあり、これもマイナスに作用しているとされる{{sfn|西野明樹|2018|p=40-41}}。企業などのLGBT対応の制度は必ずしもトランスジェンダーには利点がない{{sfn|西野明樹|2018|p=40-41}}。 |
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{{Seealso|国・地域別のLGBTの権利|{{仮リンク|同性愛の犯罪化|en|Criminalization of homosexuality}}|国際連合におけるLGBTの権利}}{{World homosexuality laws map|align=right|size=350px}} |
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;沿革 |
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[[1990年代]]初頭以来、[[国際連合]]組織下の、[[国際連合人権高等弁務官事務所]](以下OHCHR)をはじめとした人権機構においては、LGBTの人々に対するさまざまな形の人権侵害についての報告が行われてきた。 |
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2006年7月29日、[[カナダ]]の[[モントリオール]]で開催された[[ワールドアウトゲームズ]](第1回)では[[裁判官]][[ルイーズ・アルブール]]が中心的役割を果たし、百カ国以上から約2000人の代表者が集まり、「[[モントリオール宣言|レスビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの人権についてのモントリオール宣言]]」(略称: モントリオール宣言)を議決した。同年は次いで、[[国際法律家委員会]]や元[[国際連合人権委員会]]構成員が、[[ジョグジャカルタ原則]](性的指向と性同一性に関わる国際人権法の適用に関する原則)も採択した{{Sfn|大阪弁護士会人権擁護委員会|2016|p=4}}。 |
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{{要出典範囲|また多数の人々が、[[性的指向]]とジェンダー・アイデンティティ(英:[[:en:Gender identity|Gender identity]]、性同一性)とのあいだに明瞭な線引きがあると考えている|date=2023年3月}}。'''GLB'''([[ゲイ]]、レスビアン、[[両性愛|バイセクシュアル]])は性的指向に関係するのに対し、'''TTI'''([[トランスジェンダー]]、[[トランスセクシュアル]])はジェンダー・アイデンティティに関係するからである<ref name="Bisexuality and Transgend">{{cite book|last1=Alexander|first1=Jonathan|first2=Karen|last2=Yescavage|title=Bisexuality and Transgenderism: InterSEXions of The Others|publisher=Haworth Press|year=2004|isbn=978-1-56023-287-2|url=https://books.google.com/books?id=2SOe4igsrbgC}}</ref>。同様に、インターセックスの一部は、LGBT グループに含まれることを望み、'''LGBTI'''という頭字語を好む者もいる。しかし、インターセックスの人々の一部には、自分たちは LGBT コミュニティの一部ではなく、この用語にむしろ含めるべきでないと主張する者もいる。 |
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2011年には[[国際連合人権理事会]]で「人権と性的指向・性自認」という決議が採択もされた{{Sfn|LGBT法連合会|2019|p=11}}。以降、国連が中心となって「{{仮リンク|United Nations Free & Equal|en|United Nations Free & Equal}}」という啓発キャンペーンが行われるようになり、合わせて「Born Free and Equal」という冊子がOHCHRから刊行された。 |
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上述の逆の状況が、レスビアンとゲイにおける分離主義の信念に明瞭に見て取れる。似た言葉にレスビアン分離主義 ([[:en:Separatist feminism|Lesbian Separatism]]) があるが、これは男性無用の女性だけのコミュニティを形成しようとする[[フェミニズム]]の形態である。{{要出典|範囲=この立場でレスビアン及びゲイである者は、通常は'''LGBT あるいはLGBTQ+'''の共同体圏に含まれている他のグループと区別または分離し、彼ら独自のコミュニティを形成形する必要がある、と考える。|date=2022年10月}}。 |
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;現在 |
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{{要出典|範囲=この種類のグループは、社会運動と呼べるほどの十分な人数や組織には必ずしも見えないが、LGBT コミュニティのほとんどの場面で非常に目立ち、しばしば声高にその意見を主張して積極的な要素集団としてのあり方に固執する。この見解に立脚する人々はまた、非「モノセクシュアル=単性愛 ([[:en:Monosexuality|Monosexual]])」的な[[性的指向]]及びトランスセクシュアルの存在またはその平等性権利に、通常否定的である。この立場は、社会一般の[[バイフォビア]] ([[:en:Biphobia|Biphobia]]) 及び「[[トランスフォビア]] ([[:en:Transphobia|Transphobia]]) へと繋がる可能性が否定できない|date=2022年10月}}。 |
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現在、LGBTの権利は国際人権として位置づけられている。国際連合の認識では、国連に加盟する各国が負う、LGBTの人々を暴力や差別から守るための義務は、[[世界人権宣言]]([[1948年]][[批准]])、ならびに同宣言の後に成った[[国際人権規約|国際人権条約]]に基づく[[国際人権法]]を根拠とする。各国の法的義務には、以下のものが含まれる<ref>{{Cite web |title=LGBT |url=https://www.unic.or.jp/activities/humanrights/discrimination/lgbt/ |website=国連広報センター |access-date=2023-05-07 |language=ja}}</ref>: |
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* [[ホモフォビア|同性愛者]]や[[トランスフォビア|トランスジェンダー]]を標的とする[[ヘイトクライム|暴力]]から個人を守ること |
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モノセクシュアルは異性愛または同性愛のことで性的指向の対象が単一であり、両性愛などは非モノセクシュアルとなる。バイフォビアは両性愛者(バイセクシュアル)に対する嫌悪感などで、トランスフォビアはトランスセクシュアルやトランスジェンダーの人々に対する様々な形態での嫌悪感や拒絶である。 |
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* 拷問や残虐など、非人道的な、および品位を傷つける取り扱いを防止すること |
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* {{仮リンク|同性愛の犯罪化|en|Criminalization of homosexuality|label=同性愛を犯罪とする法律}}を撤廃すること |
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* 性的指向や性同一性に基づく差別を禁じること |
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* すべてのLGBTの人々に[[表現の自由]]、[[結社の自由]]および[[集会の自由|平和的集会の自由]]を保障すること |
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20世紀半ばの雪崩れ的な独立後、旧[[植民地]]の支配者たちは[[欧米]]の[[ソドミー法]]などの規範を逆に利用して、自国内の反体制勢力や性的少数者を[[弾圧]]して、投獄・処刑する根拠ともしている。 |
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人々はLGBTなどのイニシャル、[[頭字語]]、[[略語]]に代わる一般的で包括的な用語を探していた。 |
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===ヨーロッパ=== |
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{{要出典|範囲=[[クィア]]やレインボー(虹)などの言葉が、包括的用語として提案されたが、一般的に広く採択されなかった。クィアは、この言葉が嘲りや侮辱の意味で使われた記憶を有する年長の人々にとっては、多くの否定的な暗示的含意を持っており、また現在でもこの用語は、そういう意味を持って使用されている。多数の若い人々もまた、クィアがLGBTに較べ、政治的により感情的な論争を誘発する言葉であることを理解している|date=2022年10月}}。 |
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{{Main|ヨーロッパにおけるLGBTの権利}} |
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1981年に[[欧州人権裁判所]]が[[ソドミー法]]を[[ヨーロッパ人権条約]]8条に違反するとの判決を下した{{Sfn|大阪弁護士会人権擁護委員会|2016|p=3}}。 |
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=== アメリカ大陸 === |
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{{要出典|範囲=レインボーは、[[ヒッピー]]や[[ニューエイジ]]運動、[[ジェシー・ジャクソン]] の虹の連合 ([[:en:Rainbow Coalition|Rainbow Coalition]]) などの政治運動を想起させる含意を持っている。|date=2022年10月}}。 |
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{{Main|南北アメリカにおけるLGBTの権利|{{仮リンク|アメリカ合衆国の部族における同性婚|en|Same-sex marriage in tribal nations in the United States}}}} |
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[[15世紀]]以降、[[アメリカ大陸|南北アメリカ大陸]]および[[カリブ海地域]]のほぼすべての地域に定住したイギリス人、フランス人、スペイン人、ポルトガル人入植者は、ヨーロッパから[[キリスト教]]をもたらした。[[カトリック教会|カトリック]]、[[メインライン・プロテスタント]]、[[福音主義]]、[[正教会|東方正教]]をはじめ、キリスト教は宗派を問わず同性愛の法的承認に対し抑圧的ないし否定的な態度を取っていた。しかし、20世紀以降は、[[米国聖公会]]のようにLGBTコミュニティや同性結婚を受け入れる宗派も見られるようになった<ref>{{Cite web |url=http://www.rmnetwork.org/newrmn/ |title=Reconciling Ministries Network |accessdate=13 July 2016 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20160426011247/http://www.rmnetwork.org/newrmn/ |archivedate=26 April 2016}}</ref>。また、ユダヤ教の諸宗派はLGBTに対し肯定的な姿勢でのぞんでいる。 |
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{{要出典範囲|date=2023年7月|欧米においては違法化されてきた歴史が長いが、1961年、[[アメリカ・ユニテリアン協会]]([[:en:the American Unitarian Association|AUA]])と[[米国ユニヴァーサリズム協会]]([[:en:Universalist Church of America|UCA]])が統合され[[ユニテリアン・ユニヴァーサリズム]](UU)を基礎とする[[ユニテリアン・ユニヴァーサリスト協会]]([[:en:Unitarian Universalist Association|UUA]])が創設され、UU教徒には[[奴隷制度廃止運動]]、[[フェミニズム]]など社会制度改革をしてきた思想家が多かったこともあり、1960年代にはUUAと[[カナダ・ユニテリアン評議会]]([[:en:Canadian Unitarian Council|CUC]])が共同でLGBTQ問題に関する支援を始めた}}。 |
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* 可視性 (visibility) は、[[19世紀]]より[[20世紀]]にあって欧米において、同性愛や両性愛、トランスジェンダーの人々などは[[精神障害]]であり病であって正常な存在ではないとされ、社会の表からは存在が隠蔽されて来たことによる。隠蔽から脱して、存在が公然となり誰の目にも存在が見えるようになることが「可視性」である。 |
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* [[欧米]]の[[ソドミー法]]などの規範を旧[[植民地]]の支配者たちは、20世紀半ばの雪崩れ的な独立後、逆に利用して、自国内の反体制勢力や性的多様性を持つ人々を[[弾圧]]して投獄・処刑する根拠ともしている。 |
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* [[アフリカにおけるLGBTの権利]]は、性の多様性の周縁化や隠蔽が現在も進行しており、[[アムネスティ・インターナショナル|国際アムネスティ]]などは[[迫害]]や[[弾圧]]の実態の把握に努めている<ref>[https://www.huffingtonpost.jp/amnesty-international-japan/lgbti_b_8268524.html アフリカでまん延するLGBTI差別~制度だけでは変えられない憎悪の心~]</ref>。 |
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[[ラテンアメリカ|中南米]]においては、2018年1月、{{仮リンク|米州人権裁判所|en|Inter-American Court of Human Rights}}({{Lang-en-short|Inter-American Court of Human Rights}})は、[[米州人権条約]]が同性婚を人権として認めているとの判決を下した<ref>{{Cite news|和書 |title=Inter-American Human Rights Court backs same-sex marriage |url=https://www.bbc.com/news/world-latin-america-42633891 |date=2018-01-10 |access-date=2023-05-17 |language=en-GB |newspaper=[[BBC]]}}</ref>。これにより、同条約の加盟国は[[シビルユニオン]]の法制化への義務が課せられた。一方で、同地域においては、[[ジャマイカ]]、[[ドミニカ国|ドミニカ]]、[[バルバドス]]等9ヶ国においてソドミーに対する処罰が刑法において定められている。これらの国はすべて[[英領西インド諸島]]のかつての領土である<ref name="ILGA">{{Cite web |title=State Sponsored Homophobia 2016: A world survey of sexual orientation laws: criminalisation, protection and recognition |url=http://ilga.org/downloads/02_ILGA_State_Sponsored_Homophobia_2016_ENG_WEB_150516.pdf |website=[[International Lesbian, Gay, Bisexual, Trans and Intersex Association]] |accessdate=19 May 2016 |date=17 May 2016}}</ref>。 |
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== 脚注 == |
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{{脚注ヘルプ}} |
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==== アメリカ合衆国 ==== |
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{{Seealso|{{仮リンク|アメリカ合衆国におけるLGBTの権利|en|LGBT rights in the United States}}|アメリカ合衆国におけるLGBTの人々に対する暴力の歴史|ゲイ解放運動}}{{節スタブ|[[ハーヴェイ・ミルク]]以降の動向|date=2023年5月18日 (木) 11:48 (UTC)}} |
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{{Reflist|group="注記"}} |
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[[ファイル:Del Martin and Phyllis Lyon.jpg|サムネイル|結婚に臨むデル・マーティンとフィリス・ライアン 2008年]] |
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1924年、[[シカゴ]]に「{{仮リンク|ソサエティー・フォー・ヒューマン・ライツ|en|Society for Human Rights}}」という、最古のゲイ権利団体が誕生した(政治的圧力を背景に一年後に解散)<ref name=":1">[https://amview.japan.usembassy.gov/with-liberty-and-justice-for-all/ 自由と公正をすべての人に:アメリカのLGBTIの権利向上]アメリカン・ビュー アメリカ大使館 公式マガジン</ref>。第二次世界大戦直後のアメリカでは、[[マッカーシズム]]を背景とした[[反共主義|反共主義政策]]の影響により、LGBTQ当事者は[[連邦捜査局]](FBI)の監視下に置かれただけでなく、就業の機会が奪われたり、解雇された{{Sfn|トッド|2022|p=15}}。1950年には初の全米ゲイ権利団体となる「{{仮リンク|マタシン協会|en|Mattachine Society}}」が{{仮リンク|ハリー・ヘイ|en|Harry Hay}}によって{{Sfn|トッド|2022|pp=16-17}}、1955年にはレズビアン権利団体の「{{仮リンク|ビリティスの娘たち|en|Daughters of Bilitis}}」が{{仮リンク|デル・マーティンとフィリス・ライアン|en|Del Martin and Phyllis Lyon}}らによって、[[サンフランシスコ]]で設立された<ref group="注記">同団体はゲイとバイセクシャルの女性の支援を目的としていた。また、マーティンとフィリスは、2008年、カルフォルニア州最初の法的な同性カップルとして入籍した。</ref><ref name=":1" />。1962年、[[イリノイ州]]が他州に10年ほど先駆け、全米で初めて、合意の同性の成人同士の私的な性行為を非犯罪化した<ref name=":1" />{{Sfn|トッド|2022|p=18}}。1966年8月には、[[コンプトンズ・カフェテリアの反乱]]をうけ、米国初のトランスジェンダー支援団体「全国トランスセクシュアル・カウンセリング・ユニット」({{Lang-en-short|the National Transsexual Counseling Unit}})が設立された{{Sfn|トッド|2022|p=19}}。翌1967年、ロサンゼルスで、[[警察の暴力|警察による嫌がらせと暴力]]を契機とした平和的な抗議活動のなかで、集まった支援者らは「自己防衛と教育における個人の権利<ref group="注記">{{Lang-en-short|Personal Rights In Defense and Education}}</ref>」('''[[ゲイ・プライド|PRIDE]]''')と称した。この事件は、「プライド」という言葉が初めてLGBTの権利と関連して使われたできごととなった{{Sfn|トッド|2022|p=19}}。 |
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[[ファイル:Nu gay lib demo 03.jpg|サムネイル|[[ベトナム戦争に対する反戦運動]]に参加する、[[ノースウェスタン大学]]のゲイ解放運動グループ 1970年代初頭、[[ワシントンD.C.]]]] |
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[[1969年]]6月29日、ニューヨークの[[ゲイバー]]{{Refnest|ストーンウォール・イン・は、中流階級のゲイ男性のみならず、有色人種や{{仮リンク|ジェンダー・ノンコンフォーミング|en|gender non-conformity}}(既存の性的規範に従わない人の総称)、[[ブッチとフェム|ブッチ]]レズビアン、[[ストリートチルドレン]]が利用していた{{sfn|トッド|2022|p=54}}。|group=注記}}、[[ストーンウォール・イン]]での暴動、[[ストーンウォールの反乱]]をきっかけに、LGBTQ権利擁護運動のなかに「{{仮リンク|ゲイ解放戦線|en|Gay Liberation Front}}<ref group="注記">{{Lang-en-short|Gay Liberation Front}}</ref>」(GLF)や「{{仮リンク|ゲイ活動家同盟|en|Gay Activists Alliance}}」をはじめとした、より[[急進主義|急進]]的・[[積極行動主義]]的な組織が生まれた{{Sfn|トッド|2022|pp=61-62}}。一方、(相対的に穏健路線であった)マタシン協会は、遡ること1965年で[[ホワイトハウス]]周辺で[[ピケッティング|ピケ]]を張るなどの行動を起こしていたが、ストーンウォールの反乱の発生をうけて、この抗議活動を記念する全国的な同時多発デモを毎年おこなうこと、ならびに6月の最終日を「{{仮リンク|クリストファー・ストリート・デー|en|Christopher Street Day|label=クリストファー・ストリート解放の日}}」と定めることを提案した。ストーンウォールの反乱一周年を記念して1970年6月28日に行われたこのデモは、史上初の[[ゲイ・プライド|ゲイ・プライド・パレード]]となった{{Sfn|トッド|2022|pp=62-64}}。パレードは、翌1971年にはアメリカ国内外に波及し、アメリカ国内では[[ボストン]]、[[ダラス]]、[[ミルウォーキー]]、国外では[[パリ]]、[[西ベルリン]]、[[ストックホルム]]、[[ロンドン]]でも行われた{{Sfn|トッド|2022|pp=64-65}}。性的少数者の権利擁護の運動は拡大をつづけたが、1973年前後にはLGBTQコミュニティ内でも異なる社会経験グループ、すなわちトランスジェンダー等ジェンダー・ノンコンフォーミング、有色人種、(白人中心の)中流階級のあいだで早くも緊張があらわれつつあった{{Sfn|トッド|2022|p=65}}。 |
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[[ファイル:Jean O'Leary of Lesbian Feminist Liberation speaks at 1973 NYC Pride.webm|サムネイル|1973年のクリストファー・ストリート解放の日で演説するジーン・オレアリー。]] |
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{{Quote|[{{仮リンク|シルヴィア・リベラ|en|Sylvia Rivera}}、[[ドラァグクイーン]]のちに[[トランスジェンダー]]を自認]「STARハウスにいる人たちに会いに来てください……必要なのは、白人中流階級の白人専用クラブにいる人たちのためじゃなくて、あたしたちみんなのためになにかをしようとしている人たち。それこそあなたたちよ。さあ、革命を起こそう!」 |
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<br />次にステージにあがったのはレズビアンのフェミニスト、{{仮リンク|ジーン・オレアリー|en|Jean O'Leary}}で、ドラァグ・クイーンは「女性を利己的に利用」していると批判するスピーチを行った。次にステージに上ったドラァグ・クイーンの{{仮リンク|リー・ブリュースター|en|Lee Brewster}}は叫んだ。「……今日みなさんが祝っているのは、ドラァグ・クイーンがストーンウォールでやったことの結果よ」。|3=『LGBT運動の歴史』第6章クリストファー・ストリート解放の日|4={{sfn|トッド|2022|p=66}}}} |
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2015年6月26日の米連邦最高裁の判決により同性婚は全ての州で合法となった<ref name=":1" />。 |
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=== 出典 === |
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{{Reflist|2}} |
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=== アフリカ大陸 === |
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{{Seealso|アフリカにおけるLGBTの権利|{{仮リンク|ウガンダ反同性愛法 (2014年)|en|Uganda Anti-Homosexuality Act, 2014}}}} |
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* {{Cite book|和書|author=ヴァネッサ・ベアード|title=性的マイノリティの基礎知識|publisher=[[作品社]]|year=2005|ISBN=4-86182-012-X}} |
|||
[[アフリカにおけるLGBTの権利]]は、性の多様性の周縁化や隠蔽が現在も進行しており、[[アムネスティ・インターナショナル|国際アムネスティ]]などは[[迫害]]や[[弾圧]]の実態の把握に努めている<ref>[https://www.huffingtonpost.jp/amnesty-international-japan/lgbti_b_8268524.html アフリカでまん延するLGBTI差別~制度だけでは変えられない憎悪の心~]</ref>。 |
|||
* {{Cite book|和書|author=藤井ひろみ・桂木祥子・はたちさこ・[[筒井真樹子]] 編著|title=医療・看護スタッフのためのLGBTIサポートブック|publisher=[[メディカ出版]]|year=2007|ISBN=4-8404-2093-9}} |
|||
* {{Cite book |和書 |author = 西野明樹 |authorlink = 西野明樹 |date = 2018-04-04 |title = 子どもの性同一性障害に向き合う |publisher = 日東書院本社 |ISBN = 4528021854 |ref = harv }} |
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== |
=== アジア === |
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{{see also|[[タイ王国におけるLGBTの権利]]|[[ウズベキスタンにおけるLGBTの権利]]|[[中華民国におけるLGBTの権利]]|[[中華人民共和国におけるLGBTの権利]]|[[モンゴル国におけるLGBTの権利]]}} |
|||
*{{Cite book|和書|author=社会応援ネットワーク|title=図解でわかる 14歳からのLGBTQ+|date=2021.9.17|publisher=太田出版|isbn=9784778317737}}(電子版あり) |
|||
*{{Cite book|和書|author=社会福祉法人共生会SHOWA 編著|title=性的マイノリティサポートブック|date=2021年11月|publisher=かもがわ出版|isbn=978-4-7803-1179-2}} |
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== |
====日本==== |
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{{seealso|日本におけるLGBTの権利|日本における同性結婚|日本における同性愛|日本におけるLGBTの権利#権利運動団体|日本におけるLGBTと政治}} |
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{{Commonscat|LGBT}} |
|||
* [[社会構築主義]]/ [[ジェンダー・セルフID]] |
|||
* [[SOGI]](性的指向と性自認。英:Sexual Orientation and Gender Identity) |
|||
* [[性的少数者]] |
|||
** [[性的指向]] -[[同性愛]]/[[両性愛]]/[[対物性愛]] |
|||
** [[性自認]](性同一性) - [[トランスジェンダー]]/[[Xジェンダー]] |
|||
* [[LGBTQのシンボル]] |
|||
* [[モントリオール宣言]]/[[ジョグジャカルタ原則]] |
|||
* [[クィア理論]] |
|||
* [[人間の性]] |
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** [[性別]]/[[ジェンダー]] |
|||
* [[ゲイ・コミュニティ]] |
|||
* [[性的少数者]] |
|||
* [[フェミニズム]] |
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* [[マスキュリズム]] |
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* [[ジェンダーフリー]] |
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日本では同性愛を法的に取り締まったり、キリスト教・イスラム教・ユダヤ教などのように「逸脱した行為」等の宗教的[[異端]]としてないが<ref>{{Cite web|title=同性愛嫌悪を処罰する法案は「信仰の自由を抑制」とバチカン|url=https://christianpress.jp/49529/|website=クリプレ(クリスチャンプレス)|date=2021-06-23|accessdate=2021-11-13|language=ja}}</ref><ref>イスラームにおける同性愛 - researchmap[https://researchmap.jp/ruco/published_papers/32091091/attachment_file.pdf]</ref><ref>{{Cite web|title=ユダヤ教超正統派の男、ゲイパレード襲撃 6人重軽傷 エルサレム|url=https://www.afpbb.com/articles/-/3056026|website=www.afpbb.com|accessdate=2021-11-13|language=ja}}</ref>、国単位では同性婚および[[シビル・ユニオン]]は法的に認められていない。また、LGBT当事者を中心とした性的少数者の権利を擁護・主張し、法整備を含む要求・活動をおこなう団体が複数存在する。 |
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=== LGBTの人物 === |
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* [[:Category:LGBTの人物]]を参照。 |
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同性愛に関連したものであれば、日本では2015年に初めて、同性カップルを「[[結婚]]に相当する関係」と認める「パートナーシップ証明書」を発行するために、[[東京都]][[渋谷区]]で[[渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例]]が区議会本会議で可決・成立し、同年4月1日より施行された<ref>「渋谷区同性カップル条例が成立 全国初、4月1日施行」朝日新聞、2015年3月31日</ref>。同年11月には、東京都[[世田谷区]]で「世田谷区パートナーシップの宣誓の取扱いに関する要綱」が制定された<ref>[http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/107/157/802/d00140990_d/fil/8.pdf 世田谷区パートナーシップの宣誓の取組みについて]</ref>。パートナーシップ制度は、11月5日に渋谷区と世田谷区で同時に導入された<ref>{{cite web|url=https://www.gqjapan.jp/culture/column/20151224/same-sex-marriage|title=「パートナーシップ証明書」の、その先に|accessdate=2020-3-21}}</ref>。2020年9月30日時点で世田谷は128組、渋谷区は50組が利用している<ref>{{Cite web|title=世田谷区「パートナーシップ制度」5年 性的少数者「特別な存在じゃない」 区役所でパネル展:東京新聞 TOKYO Web|url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/65641|website=東京新聞 TOKYO Web|accessdate=2021-11-13|language=ja}}</ref>。その後も、北海道札幌市<ref>[http://www.asahi.com/articles/ASK6143T6K61IIPE00J.html LGBT「パートナーシップ制度」札幌でも 指定市で初]朝日新聞 2017年6月1日</ref><ref>{{Cite web|title=パートナーシップ制度ではだめ 同性婚求めるワケとは:朝日新聞デジタル |url=https://www.asahi.com/articles/ASP3H5R1LP3HIIPE01F.html |website=朝日新聞デジタル |accessdate=2021-11-13|language=ja}}</ref>など各地で同様の取り組みが行われ、2019年7月1日、茨城県で、都道府県初となるパートナーシップ制度が導入され<ref>{{cite web|url=https://www.huffingtonpost.jp/entry/ibaraki-partnership_jp_5d106c56e4b0aa375f4f1b29|title=都道府県では初、茨城県がパートナーシップ制度をスタート。「当事者の困難をできるだけ早く解消するべき」|accessdate=2020-3-21}}</ref><ref name=":2">{{Cite web|title=全国で1301組の同性カップルに証明書 : パートナーシップ制度スタートから5年|url=https://www.nippon.com/ja/japan-data/h00860/|website=nippon.com|date=2020-11-09|accessdate=2021-11-13|language=ja}}</ref>、大阪府などが続いている<ref>{{cite web|url=https://www.huffingtonpost.jp/entry/osaka-prefecture-partnership_jp_5e1ecfd7c5b674e44b8fd8e8|title=大阪府でパートナーシップ制度開始へ。「本当は国が率先してやるべき」と吉村洋文知事|accessdate=2020-3-21}}</ref>。 |
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=== LGBTの関連団体 === |
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* [[:Category:LGBT関連の組織]]を参照。 |
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{{main|「結婚の自由をすべての人に」訴訟}} |
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=== LGBTを題材とした作品 === |
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<!--'''導入県市区町村別利用組数一覧''' |
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2015 年の初制度導入から2020年2月時点で34の自治体が同性パートナーシップ制度を導入・利用は759組<ref>{{cite web|url=https://www.asahi.com/articles/ASN2F4W3FN1PPTIL002.html|title=心支えるパートナーシップ制度、でも…同性カップルに壁|accessdate=2020-3-21}}</ref>、2020年9月30日時点で64の導入自治体が全国で1501組が利用している<ref name=":2" />。 |
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'''内訳(2020年9月30日時点'''<ref name=":2" />''')''' |
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北海道札幌市104、茨城県全域34、栃木県鹿沼市1、群馬県大泉町1、埼玉県さいたま市16、埼玉県川越市9、千葉県千葉市75、東京都港区8、東京都文京区6、東京都世田谷区128、東京都渋谷区50、東京都中野区63、東京都豊島区32、東京都江戸川区15、東京都府中市8、神奈川県横浜市113、神奈川県川崎市19、神奈川県相模原市11、神奈川県横須賀市17、神奈川県鎌倉市5、神奈川県小田原市6、神奈川県逗子市1、神奈川県葉山町3、新潟県新潟市7、静岡県浜松市22、愛知県西尾市0、愛知県豊明市1、三重県いなべ市0、三重県伊賀市5、京都府京都市27、大阪府全域46、大阪府大阪市237、大阪府堺市21、大阪府貝塚市0、大阪枚方市11、大阪府富田林市2、大阪府大東市1、大阪府交野市1、兵庫県尼崎市12、兵庫県芦屋市1、兵庫県伊丹市2、兵庫県宝塚市10、兵庫県川西市0、兵庫県三田市3、奈良県奈良市3、奈良県大和郡山市0、岡山県岡山市5、岡山県総社市2、徳島県徳島市4、香川県高松市6、香川県三豊市3、福岡県北九州市13、福岡県福岡市77福岡県古賀市2、長崎県長崎市5、熊本県熊本市2、宮崎県宮崎市12、宮崎県木城町0、沖縄県那覇市33--> |
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[[性表現]]に関わるものだと、学校の制服の選択制が取り上げられる<ref>{{cite news|url=https://www.saga-s.co.jp/articles/-/608544|title=制服選択制の公立高600超 佐賀など19都道県 性的少数者に配慮|publisher=佐賀新聞|date=2020年12月6日|accessdate=2020-12-6}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://www.asahi.com/articles/ASM1Y4R54M1YUTIL01N.html|title=女子中学生の制服もスラックス 世田谷・中野区で選択可|date=2019年1月29日|accessdate=2020-05-17}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://www.huffingtonpost.jp/entry/setagayaunifrom_jp_5c5d6475e4b0974f75b224ff|title=全区立中学で性別問わずスカート、ズボンが選べるよう検討へ 東京都世田谷区教委が見解|author=錦光山雅子 |date=2018年03月20日|accessdate=2020-05-17}}</ref>。取り組みは各地の学校で起きている<ref>{{cite news|url=https://hbol.jp/206761?cx_clicks_others_art=1_title|title=福岡で市立中の制服を変えた弁護士。「制服を着る着ないを選ぶ権利は生徒にある」|author=今一生|publisher=ハーバー・ビジネス・オンライン|date=2019-11-21|accessdate=2020-07-10}}</ref><ref>{{cite news|url=https://www.nishinippon.co.jp/item/n/510133/|title=中学新制服はブレザー 福岡市の検討委が了承 20年度から スカートとズボン選択も|publisher=西日本新聞|date=2019-5-15|accessdate=2020-07-10}}</ref><ref>{{cite news|url=https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/415305|title=女子制服にスラックス導入広がる 県立高6割、換気での寒さも要因に|publisher=下野新聞|date=2021-2-7|accessdate=2021-2-8}}</ref><ref>{{cite web|url=https://news.livedoor.com/article/detail/16105492/|title=校則全廃の公立中、LGBTの生徒にも配慮 制服や修学旅行でも|publisher=live door news|date=2019年3月4日|accessdate=2020-07-10}}</ref>。 |
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政治においては、[[2017年]]7月6日、東京都[[豊島区議会|豊島区議]]の[[石川大我]]、[[世田谷区議会|世田谷区議]]の上川あや、[[中野区議会|中野区議]]の[[石坂わたる]]、[[文京区議会|文京区議]]の[[前田邦博]]、[[埼玉県]][[入間市]]議の[[細田智也]]ら5人の地方議員が「LGBT自治体議員連盟」を設立した。性的少数者の人権を擁護する条例や施策を、地方議会を通じて全国の自治体に拡大していくことを目指す。同連盟には趣旨に賛同する全国62自治体の議員78人(元職も含む)も参加した<ref>{{Cite news|url=http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201707/CK2017070702000115.html|title=LGBT地方議連が発足 差別解消の推進目指し83人|newspaper=[[東京新聞]]|date=2017-7-7|accessdate=2017-7-7|publication-date=|archiveurl=https://web.archive.org/web/20170909190834/http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201707/CK2017070702000115.html |
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|archivedate=2017年9月9日}}</ref><ref>{{Cite news|url=http://www.asahi.com/articles/ASK765JHHK76UTFK00Z.html|title=「LGBT自治体議連」発足 上川あや氏ら地方議員5人|newspaper=[[朝日新聞]]|date=2017-7-7|accessdate=2017-7-7}}</ref>。その後、同年10月9日に開かれたLGBT関連の撮影会で[[北海道]][[滝川市]]議がカミングアウト<ref>{{Cite news|url=http://www.outjapan.co.jp/lgbtcolumn_news/news/2017/10/8.html|title=「OUT IN JAPAN」札幌撮影会で、滝川市議の舘内孝夫さんがカミングアウト|newspaper=OUT JAPAN|date=2017-10-24|accessdate=2018-01-16}}</ref>。同年12月に[[京都府]][[長岡京市]]議が市議会本会議でカミングアウトを行った<ref>{{Cite news|url=http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20171224000097|title=「奇異の目なくすのが行政」 京都・長岡京市議がLGBT告白|newspaper=京都新聞|date=2017-12-25|accessdate=2018-01-16}}</ref>。 |
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政治内での差別にも注目が集まることもある。[[2022年]]6月13日、[[安倍晋三]]元首相が会長を務め、[[自由民主党 (日本)|自民党]]の国会議員が多数参加している[[神道政治連盟国会議員懇談会]]の研修会でA5版90ページに及ぶ冊子が配布され、研修会で大学教授らが[[夫婦別姓]]や[[同性結婚|同性婚]]について講演した内容などがまとめられている。そこには「同性愛は心の中の問題であり、先天的なものではなく後天的な精神の障害」「世界には同性愛や性同一性障害から脱した多くの元LGBTの人たちがいる」などの内容が書かれていた<ref> {{Cite web |url= https://www.asahi.com/articles/ASQ715RWXQ71UTFK019.html |title=「同性愛は精神の障害か依存症」 自民会合で配布の文書に差別的内容 |website= |publisher= [[朝日新聞]]|date=2022-07-01 |accessdate=2022-07-02}}</ref><ref>{{Cite web |url= https://smart-flash.jp/entame/189500/1/ |title= 自民党議員の会合で「同性愛は障害」文書を配布 |website= |publisher=[[FLASH (写真週刊誌)|FLASH]]|date=2022-07-01|accessdate=2022-07-02}}</ref>。 |
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[[2023年]]6月16日に参議院本会議で[[性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律|LGBT理解増進法]]が自民、公明、日本維新の会、国民民主の4党などの賛成多数で可決、成立した<ref>{{Cite news|url=https://mainichi.jp/articles/20230616/k00/00m/010/055000c|title=LGBT理解増進法が成立 性自認に関する表現を当初案から修正|newspaper=毎日新聞|date=2023-06-16|accessdate=2023-06-18}}</ref>。 |
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==反LGBT== |
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{{Main|{{ill|LGBT権利への反対|en|LGBT rights opposition}}|{{ill|アンチLGBTのレトリック|en|Anti-LGBT rhetoric}}}} |
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LGBTの人々は世界中いたるところで差別に直面している<ref name=stonewall-global>{{Cite web|url= https://www.stonewall.org.uk/global-context-lgbt-people |title= The global context for LGBT people |accessdate=2023/06/25|publisher= Stonewall|author= |date= }}</ref>。そして甚大な人権侵害が起きている<ref name=un-lgbt>{{Cite web|url= https://www.un.org/en/fight-racism/vulnerable-groups/lgbtqi-plus |title= LGBTQI+ |accessdate=2023/06/25|publisher= United Nations |author= |date= }}</ref>。 |
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セクシュアル・マイノリティに対して抱く恐怖・憎悪・不快感・不信感を、同性愛の場合は「[[ホモフォビア]]」、バイセクシュアルの場合は「[[バイフォビア]]」、トランスジェンダーの場合は「[[トランスフォビア]]」と呼ぶ<ref name=parenthood-phobia>{{Cite web|url= https://www.plannedparenthood.org/learn/sexual-orientation/sexual-orientation/what-homophobia |title= What is homophobia? |accessdate=2023/06/20|publisher= Planned Parenthood |author= |date= }}</ref>。アセクシュアルの場合は「エースフォビア(acephobia)」<ref name= galop-ace>{{Cite web|url= https://www.galop.org.uk/anti-asexual-hate-crime/ |title= Acephobia & Anti-asexual hate crime |accessdate=2023/06/20|publisher= Galop |author= |date= }}</ref>もしくは「aphobia」<ref name= vice-ace>{{Cite web|url= https://www.vice.com/el/article/gqw5ay/wondering-on-asexuality |title= Asexuality Is All the Rage |accessdate=2023/06/20|publisher= Vice |author= |date= }}</ref>と呼ばれる。LGBT全体を対象とする場合は「LGBTフォビア」と言ったりする<ref name=proudtrust-lgbt>{{Cite web|url= https://www.theproudtrust.org/trusted-adults/lgbt-inclusion/challenging-lgbtphobia/ |title= Challenging LGBTphobia |accessdate=2023/06/20|publisher= The Proud Trust |author= |date= }}</ref>。 |
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LGBTの人々の権利と平等に反対する活動は昔から現在に至るまで広くみられる。 |
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セクシュアル・マイノリティの権利を擁護していたドイツ系[[ユダヤ人]]の性科学者[[マグヌス・ヒルシュフェルト]]が1919年に設立した[[性科学研究所]]は、当時の同性愛者やトランスジェンダーの人々に支援を提供していたが、1933年に[[国民社会主義ドイツ労働者党|ナチス]]によって「[[公序良俗]]に反する」という理由で焼き払われ閉鎖された<ref name=magnus>{{Cite web|url= https://magnus-hirschfeld.de/ausstellungen/institute/ |title= The first Institute for Sexual Science (1919-1933) |accessdate=2023/06/19|publisher= Magnus-Hirschfeld-Gesellschaft e.V.|author= |date= }}</ref><ref name=scientificame210510>{{Cite web|url= https://www.scientificamerican.com/article/the-forgotten-history-of-the-worlds-first-trans-clinic/ |title= The Forgotten History of the World's First Trans Clinic |accessdate=2023/06/19|publisher= Scientific American|author= |date=2021/05/10 }}</ref>。ナチスはセクシュアル・マイノリティを迫害する法律を利用して、とくに男性同性愛者を大勢拘束し、[[強制収容所 (ナチス)|強制収容所]]へと送った([[ナチス・ドイツとホロコーストによる同性愛者迫害]])<ref name=nytimes221207>{{Cite web|url= https://www.nytimes.com/2022/12/07/arts/design/queer-lives-exhibit-munich.html |title= The Queer Cultures That the Nazis Destroyed |accessdate=2023/06/19|publisher= The New York Times |author= |date=2022/12/07 }}</ref><ref name=dw190611>{{Cite web|url= https://www.dw.com/en/germanys-gay-paragraph-175-abolished-25-years-ago/a-49124549 |title= German 'gay' paragraph abolished 25 years ago |accessdate=2023/06/19|publisher= DW |author= |date=2019/06/11 }}</ref>。 |
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{{See also|{{ill|ナチス・ドイツにおけるレズビアン|en|Lesbians in Nazi Germany}}|{{ill|ナチス・ドイツにおけるトランスジェンダー|en|Transgender people in Nazi Germany}}}} |
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セクシュアル・マイノリティを社会の敵とみなす動きはこの後も世界各地で続いた。[[第二次世界大戦]]後、1950年代のアメリカは、[[赤狩り]]の流れで政府職からセクシュアル・マイノリティを調査・尋問・排除する政策をとり、これは「{{仮リンク|ラベンダーの恐怖|en|Lavender scare}}」と呼ばれた<ref name=time201222>{{Cite web|url= https://time.com/5922679/lavender-scare-history/ |title= You've Probably Heard of the Red Scare, but the Lesser-Known, Anti-Gay 'Lavender Scare' Is Rarely Taught in Schools |accessdate=2023/06/25|publisher= Time |author= |date=2020/12/22 }}</ref><ref name=cbs190609>{{Cite web|url= https://www.cbsnews.com/news/the-lavender-scare-how-the-federal-government-purged-gay-employees/ |title= The lavender scare: How the federal government purged gay employees |accessdate=2023/06/25|publisher= CBS News |author= |date=2019/06/09 }}</ref>。1970年代には[[キリスト教右派]]がLGBTに激しく反発するようになり、「セクシュアル・マイノリティは子どもに有害であり、子どもを守らなければいけない」として「[[:en:Save Our Children|Save Our Children]]」というキャンペーンを展開し、[[アニタ・ブライアント]]などの著名人が先頭に立った<ref name=nbcnews220414>{{Cite web|url= https://www.nbcnews.com/nbc-out/out-news/1970s-christian-crusader-anita-bryant-helped-spawn-floridas-lgbtq-cult-rcna24215 |title= How 1970s Christian crusader Anita Bryant helped spawn Florida's LGBTQ culture war |accessdate=2023/06/19|publisher= NBC News |author= |date=2022/04/14 }}</ref>。この反LGBT運動の結果、[[マイアミ・デイド郡 (フロリダ州)|マイアミ・デイド郡]]におけるセクシュアル・マイノリティへの差別を禁止する条例は一時的に廃止された<ref name=them210729>{{Cite web|url= https://www.them.us/story/anita-bryant-lesbian-granddaughter |title= Anita Bryant Devoted Her Life to Terrorizing LGBTQ+ People. Now She Has a Bisexual Granddaughter |accessdate=2023/06/19|publisher= Them |author= |date=2021/07/29 }}</ref>。1980年代の[[後天性免疫不全症候群|HIV/AIDS]]のパンデミックも同性愛者への差別に拍車をかけた<ref name=spl-anti-gay-history>{{Cite web|url= https://www.splcenter.org/fighting-hate/intelligence-report/2005/history-anti-gay-movement-1977 |title= History of the Anti-Gay Movement Since 1977 |accessdate=2023/06/19|publisher= Southern Poverty Law Center |author= |date= }}</ref>。キリスト教テレビ[[伝道師]]である[[パット・ロバートソン]]が設立した「[[:en: American Center for Law & Justice|American Center for Law & Justice]]」は同性結婚を「社会の根幹である伝統的家族を直接攻撃するもの」として非難した{{R| spl-anti-gay-history}}。反LGBTの主張の中では「LGBTは思想にすぎない」として「LGBTイデオロギー」という言葉が使われることもあり<ref name=krakowpost200620>{{Cite web|url= http://www.krakowpost.com/22453/2020/06/what-is-lgbt-ideology-and-why-are-polish-people-talking-about-it |title= What is ‘LGBT ideology,’ and why are Polish people talking about it? |accessdate=2023/06/25|publisher= The Krakow Post |author= |date=2020/06/20 }}</ref>、ポーランドの[[調査報道]]ウェブサイト「{{仮リンク|OKO.press|en|OKO.press}}」は「LGBTイデオロギーという言葉は伝統的な家族・宗教・社会秩序を保持して右翼への政治的支持を構築するのに役立つ右翼[[プロパガンダ]]の用語である」と[[文化的マルクス主義陰謀論|文化的マルクス主義]]と関連させて説明している<ref name=okopress200805>{{Cite web|url= https://oko.press/intelektualisci-prawicy-o-lgbt-nihilizm-bolszewia-hitleryzm-o-co-chodzi-tlumaczymy-ten-obled |title= Intelektualiści prawicy o LGBT: nihilizm, bolszewia, hitleryzm. O co chodzi? Tłumaczymy ten obłęd |accessdate=2023/06/25|publisher= OKO.press |author= |date=2020/08/05 }}</ref>。 |
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2020年代からは、[[クー・クラックス・クラン]]などの[[白人至上主義|白人至上主義団体]]<ref name=lgbtqnation230616>{{Cite web|url= https://www.lgbtqnation.com/2023/06/the-ku-klux-klan-pulls-guns-on-lgbtq-demonstrators-in-kentucky/ |title= The Ku Klux Klan pulls guns on LGBTQ+ demonstrators in Kentucky |accessdate=2023/06/19|publisher= The Economist |author= |date=2023/06/16 }}</ref>、[[ネオナチ]]などの[[極右]]<ref name=economist230113>{{Cite web|url= https://www.economist.com/graphic-detail/2023/01/13/americas-far-right-is-increasingly-protesting-against-lgbt-people |title= America’s far right is increasingly protesting against LGBT people |accessdate=2023/06/19|publisher= The Economist |author= |date=2023/01/13 }}</ref><ref name=pinknews230319>{{Cite web|url= https://www.thepinknews.com/2023/03/19/dan-andrews-neo-nazis-posie-parker-event-australia/ |title= Australian premier slams neo-Nazis at Posie Parker event, tells trans citizens: ‘Our government will always support you’ |accessdate=2023/06/20|publisher= PinkNews |author= |date=2023/03/19 }}</ref>などが反LGBT運動に続々と参加している。「[[:en:Alliance Defending Freedom|Alliance Defending Freedom]]」<ref name= theguardian230619>{{Cite web|url= https://www.theguardian.com/world/2023/jun/19/alliance-defending-freedom-lgbtq-rights-america |title= Well-funded Christian group behind US effort to roll back LGBTQ+ rights |accessdate=2023/06/24|publisher= The Guardian |author= |date=2023/06/19 }}</ref>や「[[:en:Moms for Liberty|Moms for Liberty]]」<ref name=npr230607>{{Cite web|url= https://www.npr.org/2023/06/07/1180486760/splc-moms-for-liberty-extremist-group |title= Moms for Liberty among conservative groups named 'extremist' by civil rights watchdog |accessdate=2023/06/19|publisher= NPR |author= |date=2023/06/07 }}</ref>などの比較的新しく結成されたばかりの反LGBT団体も登場している。 |
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{{See also|{{ill|南部貧困法律センターによって反LGBTヘイトグループとして指定された組織のリスト|en|List of organizations designated by the Southern Poverty Law Center as anti-LGBT hate groups}}}} |
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日本では、LGBTに反発する勢力として[[神道政治連盟]]や旧[[統一教会]]などの宗教右派、そしてその宗教右派と繋がりの深い[[保守|保守派政治家]]の存在が指摘されている<ref name=yahoo-matsuoka230501>{{Cite web|url= https://news.yahoo.co.jp/byline/matsuokasoshi/20230501-00347749 |title= 松岡宗嗣 - 明白な「LGBT法案」賛否の構図。国内外から成立求める声、反発する宗教右派と保守派議員 |accessdate=2023/06/19|publisher= Yahoo!|author= |date=2023/05/01 }}</ref><ref name=yahoo-huruya230616>{{Cite web|url= https://news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20230616-00354087 |title= 古谷経衡 - なぜ保守派はLGBT法案に激しく反対するのか?ーLGBT法ついに成立 |accessdate=2023/06/19|publisher= Yahoo!|author= |date=2023/06/16 }}</ref><ref name=mainichi230423>{{Cite web|url= https://mainichi.jp/articles/20230422/k00/00m/040/145000c |title= 旧統一教会「反LGBTQ」02年から鮮明 教祖発言録の邦訳を境に |accessdate=2023/06/19|publisher= 毎日新聞 |author= |date=2023/04/23 }}</ref>。 |
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世界中には依然としてLGBTの人々の平等な権利を認めず、法的に迫害する国や州がいくつもある<ref name=hrw-anti-lgbt-country>{{Cite web|url= https://features.hrw.org/features/features/lgbt_laws/index.html |title= Maps of anti-LGBT Laws Country by Country |accessdate=2023/06/19|publisher= Human Rights Watch |author= |date= }}</ref><ref name=aclu-us-lgbtq>{{Cite web|url= https://www.aclu.org/legislative-attacks-on-lgbtq-rights |title= Mapping Attacks on LGBTQ Rights in U.S. State Legislatures |accessdate=2023/06/22|publisher= American Civil Liberties Union |author= |date= }}</ref>。こうしたLGBTを迫害する法律は、医療におけるLGBT差別を悪化させ、生命に関わる健康格差の拡大を招いている<ref name=aamc-lgbt-health>{{Cite web|url= https://www.aamc.org/what-we-do/equity-diversity-inclusion/lgbt-health-resources/reports/anti-lgbt-legislation|title= The Current Wave of Anti-LGBT Legislation: Historical Context and Implications for LGBT Health |accessdate=2023/06/19|publisher= Association of American Medical Colleges |author= |date= }}</ref>。LGBTの人々は[[ヘイトクライム]]の攻撃に遭いやすく、LGBTの人々が受ける[[LGBTの人々に対する暴力|暴力]]被害の約10件に1件がヘイトクライムという調査もある<ref name=williams-lgbt-hatecrime>{{Cite web|url= https://williamsinstitute.law.ucla.edu/press/lgbt-hate-crimes-press-release/ |title= LGBT people nine times more likely than non-LGBT people to be victims of violent hate crimes |accessdate=2023/06/20|publisher= Williams Institute |author= |date= }}</ref>。[[ILGA]]の報告によれば、反LGBTの[[ヘイトスピーチ]]は増加傾向にある<ref name=ilga-anti-lgbt>{{Cite web|url= https://www.ilga-europe.org/press-release/deadliest-rise-anti-lgbti-violence-decade/ |title= Deadliest Rise in Anti-LGBTI Violence in Over a Decade, our annual Report Shows |accessdate=2023/06/21|publisher= ILGA-Europe |author= |date=2023/02/20 }}</ref>。LGBT活動家が活動中に暴力を受ける事例もみられ<ref name=pinknews230624>{{Cite web|url= https://www.thepinknews.com/2023/06/24/met-police-honor-oak-turning-point-uk/ |title= LGBTQ+ activist left bloodied after ‘punch from Met officer’ at anti-drag protest |accessdate=2023/06/25|publisher= PinkNews |author= |date=2023/06/24 }}</ref>、[[プライド・パレード]]が犯罪予告で妨害されることもある<ref name=advocate230622-kansas>{{Cite web|url= https://www.advocate.com/crime/nashville-pride-threatened-kansas-man |title= Kansas Man Arrested for Threatening to Shoot Up, Bomb Nashville Pride |accessdate=2023/06/25|publisher= The Advocate |author= |date=2023/06/22 }}</ref>。 |
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これらの反LGBT運動にて取り上げられるトピックには、[[同性結婚|同性同士の結婚]]への反対、{{仮リンク|ジェンダー・トランジション|en|Gender transition}}の規制、{{仮リンク|ジェンダー・アイデンティティに基づく公衆トイレの利用制限|en|Bathroom bill}}、{{仮リンク|LGBTに関する本の禁書|en|2021–2022 book banning in the United States}}<ref name=nbcnews230426>{{Cite web|url= https://www.nbcnews.com/nbc-out/out-politics-and-policy/half-2022s-challenged-books-lgbtq-themes-rcna81324 |title= Over half of 2022's most challenged books have LGBTQ themes |accessdate=2023/06/21|publisher= NBC News |author= |date=2023/04/26 }}</ref>、LGBTを学校で教えることの禁止<ref name=historians230210>{{Cite web|url= https://www.historians.org/research-and-publications/perspectives-on-history/february-2023/dont-say-gay-stop-woke-banned-books-and-anti-trans-laws-the-ahas-teaching-through-the-backlash-webinar |title= Don’t Say Gay, Stop WOKE, Banned Books, and Anti-Trans Laws |accessdate=2023/06/22|publisher= AHA|author= |date=2023/02/10 }}</ref>、[[LGBTグルーミング陰謀論]]、[[ドラァグ・パニック]]<ref name=scientificame230519>{{Cite web|url= https://www.scientificamerican.com/article/anti-trans-moral-panics-endanger-all-young-people/ |title= Anti-Trans Moral Panics Endanger All Young People |accessdate=2023/06/19|publisher= Scientific American |author= |date=2023/05/19 }}</ref>、[[転向療法]]<ref name=hrc-therapy>{{Cite web|url= https://www.hrc.org/resources/the-lies-and-dangers-of-reparative-therapy |title= The Lies and Dangers of Efforts to Change Sexual Orientation or Gender Identity |accessdate=2023/06/25|publisher= Human Rights Campaign |author= |date= }}</ref>、[[ストレート・アライ|LGBTに親和的な]]企業や作品への[[ボイコット]]<ref name=pinknews230604>{{Cite web|url= https://www.thepinknews.com/2023/06/04/anti-lgbtq-bigots-boycott-brand-list/ |title= All the brands homophobes and transphobes have attempted to boycott, from Bud Light to Build-a-Bear |accessdate=2023/06/25|publisher= PinkNews |author= |date=2023/06/04 }}</ref>などが挙げられる。 |
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===Drop the T=== |
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「LGBT」という言葉もしくは運動自体からトランスジェンダーを排除することを主張する人たちが一部には存在する([[反ジェンダー運動]])。こうしたLGBT組織にトランスジェンダーの人々のサポートを停止するよう促すために作られたスローガンとして「Drop the T」というものがある<ref name=advocate151106>{{Cite web|url= https://www.advocate.com/transgender/2015/11/06/lgbt-groups-respond-petition-asking-drop-t |title= LGBT Groups Respond to Petition Asking to 'Drop the T' |accessdate=2023/06/19|publisher= The Advocate |author= |date=2015/11/06 }}</ref>。これを訴える者たちは、表向きは「LGB(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル)は性的指向に関するもので、T(トランスジェンダー)は性同一性に関するものである」と説明しているものの、その背景として[[トランス排除的ラディカルフェミニスト|トランス排他的ラディカル・フェミニスト(TERF)]]がしばしば主張する[[トランスフォビア|反トランスジェンダーの差別や偏見]]の再利用があると指摘されている{{R| advocate151106}}<ref name=teenvogue151109>{{Cite web|url= https://www.teenvogue.com/story/drop-the-t-petition-backlash |title= Why More Than 1,000 People Have Signed a Petition to Drop the "T" From LGBT |accessdate=2023/06/19|publisher= Teen Vogue |author= |date=2015/11/09 }}</ref>。 |
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対して、「LGBT」という言葉(もしくはその派生語)を支持する擁護者は、LGBT運動の原点となった[[ストーンウォールの反乱]]を主導したのはトランスジェンダーや{{仮リンク|ジェンダー・ノンコンフォーミング|en| Gender nonconforming}}の[[有色人種]]であったという広く認められている歴史を根底に「LGBT」の重要性を語っている{{R| advocate151106}}。「Transgender Equity Consulting」のセシリア・ジェンティーリはLGBTコミュニティはトランスジェンダーへの支援に向き合うべきであると述べている<ref name=nytimes190619>{{Cite web|url= https://www.nytimes.com/2019/06/19/us/cecilia-gentili-transgender-lgbtq.html |title= Cecilia Gentili: Did the ‘T’ Fall Off of ‘L.G.B.T.Q.’?|accessdate=2023/06/26|publisher= The New York Times |author= |date=2019/06/19 }}</ref>。 |
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それでもLGBT運動からトランスジェンダーを排除することを主張する団体は一部に存在しており、例えば「[[LGBアライアンス|LGB Alliance]]」<ref name=pinknews220914>{{Cite web|url= https://www.thepinknews.com/2022/09/14/lgb-alliance-transphobia-charity-history/ |title= LGB Alliance: Anti-trans lobby group’s troubling, ugly history|accessdate=2023/06/19|publisher= PinkNews |author= |date=2022/09/14 }}</ref>や「[[グルーミングと戦うゲイ|Gays Against Groomers]]」<ref name=mediamatters220207>{{Cite web|url= https://www.mediamatters.org/qanon-conspiracy-theory/grifter-gays-how-conspiracy-theorists-and-right-wing-operatives-created |title= Grifter Gays: How conspiracy theorists and right-wing operatives created Gays Against Groomers |accessdate=2023/06/19|publisher= Media Matters for America |author= |date=2023/02/07 }}</ref>などがある。これらの団体が極右と関わっていることがたびたび批判されている<ref name=hopenothate220316>{{Cite web|url= https://hopenothate.org.uk/2022/03/16/transphobia-and-the-far-right/#_ftn1 |title= Transphobia and The Far Right |accessdate=2023/06/19|publisher= Hope not Hate |author= |date=2022/03/16 }}</ref>。こうした反トランスジェンダー活動家や団体は「[[トランスジェンダリズム]]」という言葉を好んで用いる傾向がある<ref name=fair230310>{{Cite web|url= https://fair.org/home/a-taste-of-whats-in-store-if-right-wing-zealots-get-green-light-to-sue-media/ |title=A Taste of What’s in Store if Right-Wing Zealots Get Green Light to Sue Media |accessdate=2023/06/22|publisher= FAIR |author= |date=2023/03/10 }}</ref>。 |
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== LGBTの人物 == |
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* [[:Category:LGBTの人物]] |
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== LGBTの関連団体 == |
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* [[:Category:LGBT関連の組織]] |
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== LGBTを題材とした作品 == |
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* [[:Category:LGBT作品]]を参照。 |
* [[:Category:LGBT作品]]を参照。 |
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== 関連項目 == |
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* [[LGBTの社会運動]] |
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* [[LGBTの人々に対する暴力]] |
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* [[LGBTQのシンボル]] |
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* [[LGBTの文化]] |
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* [[LGBTツーリズム]] |
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* [[LGBT史年表]] |
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* [[LGBTコミュニティ]] |
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* [[LGBTと老い]] |
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* [[LGBTプライド]] |
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* [[LGBTコミュニティセンター]] |
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* [[レインボーフラッグ (LGBT)]] |
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* [[ピンクウォッシング (LGBT)]] |
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* [[ハンガリーにおける反LGBT法]] |
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* [[イスラム教におけるLGBT]] |
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* [[LGBTのシンボル]] |
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* [[LGBTに関連した医療テーマ]] |
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* [[性的指向]] |
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* [[LGBT関連トピックのアウトライン]] |
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* [[モントリオール宣言]] |
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=== 英語版関連項目 === |
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* [[:en:Androphilia and gynephilia|Androphilia and gynephilia]] |
* [[:en:Androphilia and gynephilia|Androphilia and gynephilia]]症([[男性愛|男性性愛症]]と[[女性愛|女性性愛症]]) |
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* [[:en:Bisexual community|Bisexual community]]([[両性愛]][[コミュニティ]]・バイセクシュアル・コミュニティ) |
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* [[:en:Bisexual community|Bisexual community]]([[両性愛]](バイセクシュアル)[[コミュニティ]]) |
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* [[:en:List of transgender-related topics|List of transgender-related topics]]([[トランスジェンダー]]関連項目) |
* [[:en:List of transgender-related topics|List of transgender-related topics]]([[トランスジェンダー]]関連項目) |
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* [[:en:List of LGBT publications|List of LGBT publications]](LGBT広報の一覧) |
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== 脚注 == |
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== 参考文献 == |
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* {{Wikicite|ref={{Sfnref|遠藤|2016}} |reference=遠藤まめた 著『先生と親のための LGBTガイド: もしあなたがカミングアウトされたなら』 [[合同出版]]、2016年、223頁。{{ISBN2|978-4772612715}}}} |
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* {{Wikicite|ref={{Sfnref|大阪弁護士会人権擁護委員会|2016}} |reference=大阪弁護士会人権擁護委員会性的指向と性自認に関するプロジェクトチーム 著『LGBTsの法律問題Q&A』 [[LABO]]、2016年、152頁。{{ISBN2|978-4904497289}}}} |
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* {{Wikicite|ref={{Sfnref|LGBT法連合会|2019}} |reference=LGBT法連合会 編『日本と世界のLGBTの現状と課題』 [[かもがわ出版]]、2019年、160頁。{{ISBN2|978-4780310160}}}} |
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* {{Wikicite|ref={{Sfnref|エリス・上田(訳)|2022}} |reference=エリス・ヤング 著、上田勢子 訳『ノンバイナリーがわかる本 ――heでもsheでもない、theyたちのこと』 [[明石書店]]、2022年、352頁。{{ISBN2|978-4750353272}}}} |
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* {{Wikicite|ref={{Sfnref|Label X|2016}} |reference=Label X 編『Xジェンダーって何?―日本における多様な性のあり方』 [[緑風出版]]、2016年、255頁。{{ISBN2|978-4846116156}}}} |
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* {{Wikicite|ref={{Sfnref|ショーン・高井(訳)|2022}} |reference=ショーン・フェイ 著、高井ゆと里 訳『トランスジェンダー問題——議論は正義のために』 [[明石書店]]、2022年、516頁。{{ISBN2|978-4750354637}}}} |
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* {{Wikicite|ref={{Sfnref|ジュリー・上田(訳)|2019}} |reference=ジュリー・ソンドラ・デッカー 著、上田勢子 訳『見えない性的指向 アセクシュアルのすべて――誰にも性的魅力を感じない私たちについて』 [[明石書店]]、2019年、320頁。{{ISBN2|978-4750348148}}}} |
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* {{Cite book|和書|author=社会応援ネットワーク|title=図解でわかる 14歳からのLGBTQ+|date=2021-09-17|publisher=太田出版|isbn=9784778317737|author2=高比良美穂|author3=若染雄太|author4=里井普美|edition=初|ref={{SfnRef|社会応援ネットワーク|2021}}}} |
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* {{Cite book |和書 |author = 西野明樹 |authorlink = 西野明樹 |date = 2018-04-04 |title = 子どもの性同一性障害に向き合う |publisher = 日東書院本社 |ISBN = 4528021854 |ref = harv }} |
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* {{Cite journal|author=渡辺桃子<!-- 東京都立大学文学部教授-->|year=2004|title=トランスジェンダーとは--その歴史,その可能性|journal=アメリカ研究 = The American review|volume=36|pages=75-89|publisher=アメリカ学会|ref={{SfnRef|渡辺|2002}}|issn=03872815}} |
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* {{Cite book|和書 |title=Pride: The story of LGBTQ equality movement |year= |publisher={{仮リンク|ウェルベック・パブリッシング・グループ |en|Welbeck Publishing Group|label=Welbeck}} |last=Todd |first=Mathew |isbn=978-1787396869 |date=2021-05-13 |language=en}} |
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** {{Cite book|和書 |title=[ヴィジュアル版]LGBTQ運動の歴史 |date=2022-01-30 |publisher=[[原書房]] |author={{仮リンク|マシュー・トッド|en|Matthew Todd (writer)}} |translator=龍 和子 |isbn=978-4-562-05974-4 |ref={{SfnRef|トッド|2022}}}} |
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== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
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* [https://www.unic.or.jp/activities/humanrights/discrimination/lgbt/ LGBT | 国連広報センター] - [[国際連合]] |
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* {{Youtube|link=https://www.youtube.com/watch?v=b5g4qFLkEKc&list=PLNe0pDYSfDiv2Mk1L35AP5R0sNKX8Tw-d&index=4|title=国連とLGBT}}(国連広報センター) |
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{{Normdaten}} |
{{Normdaten}} |
2023年7月29日 (土) 00:59時点における版
LGBT関連トピックの概略 |
LGBT |
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レズビアン ∙ ゲイ ∙ バイセクシュアル ∙ トランスジェンダー |
LGBTポータル |
LGBT(エルジービーティー)は、レズビアン (Lesbian)、ゲイ (Gay)、バイセクシュアル (Bisexual) の3つの性的指向と、トランスジェンダー (Transgender)のジェンダー・アイデンティティ(性自認・性同一性)、各単語の頭文字を組み合わせた頭字語であり、特定の性的少数者を包括的に指す総称である。後述の通り、LGBTQなど多くの派生形も存在する。ただの頭字語ではなく、政治的連帯を示している[1]。
概要
主な用語
LGBTは以下の4つの用語の頭文字から作られた言葉(頭字語)である[2]。
- バイセクシュアル(Bisexual)
- バイセクシュアル (B) は、日本語では両性愛者とも呼び、複数の性別に対する恋愛的指向または性的指向を表すために使用される包括的な用語[3][4]。パンセクシュアル、クィア、およびその他の非モノセクシュアルおよび非モノロマンティックのアイデンティティを含むことがある[3]。
- トランスジェンダー (Transgender)
- トランスジェンダー (T) は、トランスとも略され、ジェンダー・アイデンティティ(性自認・性同一性)が出生時に割り当てられた性別と一致しない人のこと[3][4]。トランスセクシュアル、ノンバイナリー、ジェンダークィア、ジェンダーフルイド、ジェンダーレスなども含めることがある[3][5]。日本ではノンバイナリーに類似した用語としてXジェンダーがある[6]。
バリエーション
LGBTは頭字語で、英語では性的多様性集団を表現する頭字語が複数ある。また、性的少数者を包摂する用語は、その用語を用いる側の政治的・学術的・文化的立ち位置により多岐にわたっており、LGBTに準ずるものにとどまらない。以下は概略である。
- LGB
- レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルのイニシャル語で、3つの性的指向集団。
- LGBTQ
- LGBTにQが加わったもので、Q はクィア (Queer) を意味している場合と、クエスチョニング (Questioning) を意味している場合がある。
- LGBTI
- LGBTにIが加わる。これはインターセックス (Intersex) の頭文字である[7]。この概念は2010年8月ジョグジャカルタ原則の解説と同原則を踏まえた世界の人権団体の活動について書かれた文書「Activist's Guide」において一貫して用いられている。
- LGBTA
- LGBTにAが加わる。これはアセクシュアル(Asexua)のイニシャルである。アセクシュアル(無性愛)とは、他者に性的に惹かれない性的指向のこと[8]。別のイニシャルの場合もある。
- LGBTIQ
- LGBTにインターセックス、クィアを組み合わせた呼称[9]。
- LGBTQIA
- LGBTQにインターセックス、アセクシュアルを組み合わせた呼称[10]。
- LGBTTQQIAAP
- LGBTQIAにストレート・アライ (ally)、パンセクシュアル (pansexual) が加わる。また、Tを2つ重ねることでトランスジェンダーとトランスセクシャルの両方、Qを2つ重ねることでクィアとクエスチョニングの両方を包含する[11]。
- LGBTQQIAAPPO2S
- LGBTQIAにアライ、パンセクシュアル、ポリアモリー (polyamorous)、オムニセクシャル(omnisexual)、トゥー・スピリット (two-spirit) が加わる[12]。Qを2つ重ねることでクィアとクエスチョニングの両方を包含する。
- QUILTBAG
- 上述のLGBTQIAにUを加え並べ替えたもので、これはクィアとクエスチョニング両方の意味を持つ。また、Tにはtwo-spirit、Aにはストレート・アライ, Gにはジェンダークィア (genderqueer) の意味も含む。
これらの用語の後ろに「+」をつけて、頭文字を記述しきれない、さらにより多くのセクシュアル・マイノリティを包括させる場合もある(例えば「LGBT+」「LGBTQ+」「LGBTQIA+」など)[13][14]。「+」の追記によって、文字や言葉ではまだ完全に説明できないすべての性同一性と性的指向を表すことができ[14]、既存のカテゴリに自分自身を識別したくない人も含めることもできる[13]。
LGBT(もしくはいずれの派生語)には性的嗜好は含まれない[15]。
代替用語
- クィア
同性愛者に対する侮蔑語(差別用語)から転用・再領有した語。LGBT全体を包摂する用語であるが、1990年代以降はLGBTに含まれない人々を指す用語としても使われている[16]。
- ゲイ
この場合の「gay」は男性の同性愛者という意味ではなく、1990年代まではセクシュアル・マイノリティ全体を指す総称としてよく使われていた[17]。
- GSM
代替フレーズ。LGBTQ+のより簡潔な言い方。LGBTTQQIAAP+であるすべての人を指す包括的な用語。「(G)ender/(S)exual (M)inority」の頭字語で、通常は研究で使用される[18][19]。
- SGL
同性愛コミュニティを意味する。アメリカの社会において、アフリカ系アメリカ人のあいだで、LGBTを白人優位コミュニティの言葉として捉えて使用される。Same gender loving のイニシャル。
なお、「SOGI」「SOGIE」「SOGIESC」は性的指向、性同一性、性表現、性的特徴の頭文字をとった用語であるが、ヘテロセクシュアル(異性愛者)やシスジェンダーといったマジョリティを含む、性的指向と性同一性を持つすべての人々を指す[4]。そのためマイノリティのみを指すLGBTの代替用語とはならない。
用語としての歴史
最初に広く使われた用語であるホモセクシャル(英: homosexual、同性愛)は、現在では科学的な文脈で使われることの多い言葉だが、アメリカ合衆国においてはネガティブな意味合いを持つことが多かった[20]。ゲイ(英: gay、ここでは単に同性愛者のこと)が一般的な言葉となったのは、1970年代のことである[21]。
レズビアン(英: lesbian)の人々がより公のアイデンティティを確立させていくにつれ、「ゲイとレズビアン」(英: gay and lesbian)という表現が一般的になっていった[22]。レズビアン活動家たちのあいだで生じた、フェミニズムと同性愛の権利のうち、どちらを彼女たちの政治的目標の主眼に置くべきかという論争は、デル・マーティンとフィリス・ライアンらが設立した「ビリティスの娘たち」[23](同種の論争により1970年に解散)をはじめとした、いくつかのレズビアン団体を解散させることとなった[24]。レズビアン・フェミニストにとっては男女同権こそ最優先事項であり、男性と女性、またはブッチとフェムの間にある性役割(ジェンダー・ロール)の相違は彼女たちにとって家父長制的なものであった。レズビアン・フェミニストたちはまた、当時のゲイバーで普及していた性役割や、ゲイ男性にみられた男性優位論(男性ショーヴィニズム)を忌避した。ために、多くのレズビアン・フェミニストはゲイ男性との連帯を拒み、彼らの主張を受けいれなかった[25]。
「レズビアン」という言葉を性的魅力を定義するために使い、「同性愛者は生来の同性愛者」という本質主義的な考えを奉じていたレズビアン――エッセンシャリスト(英: essentialist)――たちは、しばしばレズビアン・フェミニストの分離主義的な意見[注記 1]を同性愛者の権利にとって有害であると考えていた[26]。また、バイセクシャル(英: bisexual、両性愛者)やトランスジェンダー(英: transgender)の人々も、より大きな性的マイノリティ・コミュニティ内で、自分たちが正当な存在として認められることを望んでいた[22]。
ニューヨークで起きたストーンウォールの反乱(1969年)での人々の行動をきっかけとした変革の興奮が過ぎ去ったあとの1970年代後半から1980年代前半にかけ、ゲイやレズビアンの一部は、バイセクシャルやトランスジェンダーに対し、より排他的な姿勢を取るようになった[27][28]。バイセクシャルやトランスジェンダーに批判的な人々は[誰?]、トランスジェンダーはステレオタイプな振る舞いをしており、また、バイセクシャルは単にカミングアウトを恐れ、自身のアイデンティティに正直になることを恐れるゲイ男性ないしレズビアン女性に過ぎない、と主張していた[27]。LGBTそれぞれのコミュニティは、他のジェンダーや性的指向に基づくコミュニティと協調すべきかどうか、協調するにせよ、その繋がり方をどうするべきかを含め、独自のアイデンティティを確立するため格闘しつづけ、時にはサブグループ(社会階級・人種・宗教など)を排除した。この対立は、現在においても続いている[28]。LGBTQ活動家やアーティストたちは、運動の開始以来、この問題についての意識を高めるためのポスターを作成してきた[29]。
1988年頃から、アメリカ国内の活動家たちは頭字語の「LGBT」を使いはじめた[30]。1990年代に至るまで、運動内でゲイとレズビアン、バイセクシャル、トランスジェンダーは同程度の尊重を得ていなかった[28]。「LGBT」の語の普及により、GLBT歴史博物館(1999年に改称[注記 2])をはじめ、一部の組織は新しい名前を採用するようになった[31]。LGBTコミュニティは、異なるグループの受けいれるかどうかについて論争を繰り広げてきた(具体的には、バイセクシャルやトランスジェンダーの個人は、より大きなLGBTコミュニティからの排除を経験していた)。しかしながら、用語としての「LGBT」は、包摂の象徴としてポジティブな意味合いを持ち続けた[32][28]。
「LGBT」という用語は、厳密には性的少数派に属する個人すべてを包含するわけではないものの(バリエーション節を参照)、一般的にはアルファベット4文字の頭字語で明確に名指しされていない個人も含まれる[32][28]。総体としてみれば、LGBTという用語の使用は、時間の経過とともに、他のコミュニティから追いやられていた個人をおおまかなコミュニティに取り込んでいくのに大いに役立ってきた。トランスジェンダーの女優、キャンディス・ケインは2009年、LGBTコミュニティは「最後の偉大なマイノリティ」であり、「私たちはまだ公然とハラスメントを受けたり、テレビで攻撃されたりすることがあります」と語っている[33]。
2016年、アメリカ合衆国のメディアモニタリング組織、GLAADが発行したメディア・リファレンスガイドによれば、クィア(英: queer、再領有語のひとつ)をアイデンティティとして自称する、コミュニティ内部のより若い人々を包摂する「LGBTQ」が頭字語として好まれるとしている[34]。一部の人々、特にコミュニティの年配のメンバーの間には「クィア」という言葉をヘイトスピーチに起源を持つ蔑称であると考え、これを受けいれていない[35]。
用語への批判
LGBTの用語は、この表現に包含される誰もから受容されているわけではない[36]。
新しいジェンダーやセクシュアリティが認知されるたびに頭文字が追加され、どんどん長くなる傾向にあり、それを過剰だと非難する人も一部では存在する[37]。差別的な動機からLGBTの特定のイニシャルを取り除こうとする者もいる(#Drop the Tを参照)。
一方で、そのラベルは連帯のために必要であり、誰もが自分自身のジェンダーやセクシュアリティに名前をつけて表現してもいいとの声もある[37]。完璧な用語や完全に包括的な用語など存在しない[38]。LGBT史を専門とするジェフリー・J・イオヴァンノンはLGBTのイニシャリズムは、アイデンティティを表す文字をランダムに集めたものではなく、歴史を体現したものであると述べている[17]。LGBTと関連してインターセクショナリティの重要性も指摘されている[39][40]。
「LGBT(もしくはLGBTQ)」にはペドフィリア(小児性愛)が含まれるかのような中傷目的の虚偽情報がインターネット上で出回ることがあるが、LGBTコミュニティがペドフィリアをサポートしている事実はない[41]。
「LGBT」といった用語もしくはその運動や文化を、企業や団体が安易に流用し、自身の差別的な構造を改善しようとしてもいない場合、それはピンクウォッシング(レインボーウォッシング)として非難されることがある[42][43]。
「性的マイノリティのうち、ストレートな(反社会的ではない)人々」という定義もありうるので、同性愛者を「レズ」「ゲイ」を「ホモセクシャル」に分類し、異性愛者を「ヘテロセクシャル」と呼称するという主張もある(「ホモ」(ゲイ)と「ビアン」と「ノンケ」に分類する場合もあるが、「ゲイ」というとキャンプ(女装をし、いわゆる「オネェ言葉」を使う、いわゆる「オカマ」)が連想されがちであるため、議論がある。
「インターセクシャル」は LGBT に含まれないことになるので LGBT という呼称に反対する立場もある。六花チヨ『IS 〜男でも女でもない性〜』や新井祥の『性別が、ない!』は、L・G・B・T というカテゴリーのどこにも入らないため、優生学的な立場に基いているという議論もある。ヒジュラーも参照のこと。
世界におけるLGBTの人権
同性愛を合法とする国 | |||
| 結婚1 | | 結婚は認められているが法的適用は無し1 |
| シビル・ユニオン | | 事実婚 |
| 同性結婚は認められていない | | 表現や団体の自由を法的に制限 |
同性愛を違法とする国 | |||
| 強制的罰則はない2 | | 拘禁 |
| 終身刑 | | 死刑 |
1このカテゴリに入っている一部の地域では現在他の種類のパートナーシップも存在するとされている。
2過去3年間、もしくはモラトリアムにより法的な逮捕はない。
- 沿革
1990年代初頭以来、国際連合組織下の、国際連合人権高等弁務官事務所(以下OHCHR)をはじめとした人権機構においては、LGBTの人々に対するさまざまな形の人権侵害についての報告が行われてきた。
2006年7月29日、カナダのモントリオールで開催されたワールドアウトゲームズ(第1回)では裁判官ルイーズ・アルブールが中心的役割を果たし、百カ国以上から約2000人の代表者が集まり、「レスビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの人権についてのモントリオール宣言」(略称: モントリオール宣言)を議決した。同年は次いで、国際法律家委員会や元国際連合人権委員会構成員が、ジョグジャカルタ原則(性的指向と性同一性に関わる国際人権法の適用に関する原則)も採択した[44]。
2011年には国際連合人権理事会で「人権と性的指向・性自認」という決議が採択もされた[45]。以降、国連が中心となって「United Nations Free & Equal」という啓発キャンペーンが行われるようになり、合わせて「Born Free and Equal」という冊子がOHCHRから刊行された。
- 現在
現在、LGBTの権利は国際人権として位置づけられている。国際連合の認識では、国連に加盟する各国が負う、LGBTの人々を暴力や差別から守るための義務は、世界人権宣言(1948年批准)、ならびに同宣言の後に成った国際人権条約に基づく国際人権法を根拠とする。各国の法的義務には、以下のものが含まれる[46]:
- 同性愛者やトランスジェンダーを標的とする暴力から個人を守ること
- 拷問や残虐など、非人道的な、および品位を傷つける取り扱いを防止すること
- 同性愛を犯罪とする法律を撤廃すること
- 性的指向や性同一性に基づく差別を禁じること
- すべてのLGBTの人々に表現の自由、結社の自由および平和的集会の自由を保障すること
20世紀半ばの雪崩れ的な独立後、旧植民地の支配者たちは欧米のソドミー法などの規範を逆に利用して、自国内の反体制勢力や性的少数者を弾圧して、投獄・処刑する根拠ともしている。
ヨーロッパ
1981年に欧州人権裁判所がソドミー法をヨーロッパ人権条約8条に違反するとの判決を下した[47]。
アメリカ大陸
15世紀以降、南北アメリカ大陸およびカリブ海地域のほぼすべての地域に定住したイギリス人、フランス人、スペイン人、ポルトガル人入植者は、ヨーロッパからキリスト教をもたらした。カトリック、メインライン・プロテスタント、福音主義、東方正教をはじめ、キリスト教は宗派を問わず同性愛の法的承認に対し抑圧的ないし否定的な態度を取っていた。しかし、20世紀以降は、米国聖公会のようにLGBTコミュニティや同性結婚を受け入れる宗派も見られるようになった[48]。また、ユダヤ教の諸宗派はLGBTに対し肯定的な姿勢でのぞんでいる。
欧米においては違法化されてきた歴史が長いが、1961年、アメリカ・ユニテリアン協会(AUA)と米国ユニヴァーサリズム協会(UCA)が統合されユニテリアン・ユニヴァーサリズム(UU)を基礎とするユニテリアン・ユニヴァーサリスト協会(UUA)が創設され、UU教徒には奴隷制度廃止運動、フェミニズムなど社会制度改革をしてきた思想家が多かったこともあり、1960年代にはUUAとカナダ・ユニテリアン評議会(CUC)が共同でLGBTQ問題に関する支援を始めた[要出典]。
中南米においては、2018年1月、米州人権裁判所(英: Inter-American Court of Human Rights)は、米州人権条約が同性婚を人権として認めているとの判決を下した[49]。これにより、同条約の加盟国はシビルユニオンの法制化への義務が課せられた。一方で、同地域においては、ジャマイカ、ドミニカ、バルバドス等9ヶ国においてソドミーに対する処罰が刑法において定められている。これらの国はすべて英領西インド諸島のかつての領土である[50]。
アメリカ合衆国
この節の加筆が望まれています。 |
1924年、シカゴに「ソサエティー・フォー・ヒューマン・ライツ」という、最古のゲイ権利団体が誕生した(政治的圧力を背景に一年後に解散)[51]。第二次世界大戦直後のアメリカでは、マッカーシズムを背景とした反共主義政策の影響により、LGBTQ当事者は連邦捜査局(FBI)の監視下に置かれただけでなく、就業の機会が奪われたり、解雇された[52]。1950年には初の全米ゲイ権利団体となる「マタシン協会」がハリー・ヘイによって[53]、1955年にはレズビアン権利団体の「ビリティスの娘たち」がデル・マーティンとフィリス・ライアンらによって、サンフランシスコで設立された[注記 3][51]。1962年、イリノイ州が他州に10年ほど先駆け、全米で初めて、合意の同性の成人同士の私的な性行為を非犯罪化した[51][54]。1966年8月には、コンプトンズ・カフェテリアの反乱をうけ、米国初のトランスジェンダー支援団体「全国トランスセクシュアル・カウンセリング・ユニット」(英: the National Transsexual Counseling Unit)が設立された[55]。翌1967年、ロサンゼルスで、警察による嫌がらせと暴力を契機とした平和的な抗議活動のなかで、集まった支援者らは「自己防衛と教育における個人の権利[注記 4]」(PRIDE)と称した。この事件は、「プライド」という言葉が初めてLGBTの権利と関連して使われたできごととなった[55]。
1969年6月29日、ニューヨークのゲイバー[注記 5]、ストーンウォール・インでの暴動、ストーンウォールの反乱をきっかけに、LGBTQ権利擁護運動のなかに「ゲイ解放戦線[注記 6]」(GLF)や「ゲイ活動家同盟」をはじめとした、より急進的・積極行動主義的な組織が生まれた[57]。一方、(相対的に穏健路線であった)マタシン協会は、遡ること1965年でホワイトハウス周辺でピケを張るなどの行動を起こしていたが、ストーンウォールの反乱の発生をうけて、この抗議活動を記念する全国的な同時多発デモを毎年おこなうこと、ならびに6月の最終日を「クリストファー・ストリート解放の日」と定めることを提案した。ストーンウォールの反乱一周年を記念して1970年6月28日に行われたこのデモは、史上初のゲイ・プライド・パレードとなった[58]。パレードは、翌1971年にはアメリカ国内外に波及し、アメリカ国内ではボストン、ダラス、ミルウォーキー、国外ではパリ、西ベルリン、ストックホルム、ロンドンでも行われた[59]。性的少数者の権利擁護の運動は拡大をつづけたが、1973年前後にはLGBTQコミュニティ内でも異なる社会経験グループ、すなわちトランスジェンダー等ジェンダー・ノンコンフォーミング、有色人種、(白人中心の)中流階級のあいだで早くも緊張があらわれつつあった[60]。
[シルヴィア・リベラ、ドラァグクイーンのちにトランスジェンダーを自認]「STARハウスにいる人たちに会いに来てください……必要なのは、白人中流階級の白人専用クラブにいる人たちのためじゃなくて、あたしたちみんなのためになにかをしようとしている人たち。それこそあなたたちよ。さあ、革命を起こそう!」
次にステージにあがったのはレズビアンのフェミニスト、ジーン・オレアリーで、ドラァグ・クイーンは「女性を利己的に利用」していると批判するスピーチを行った。次にステージに上ったドラァグ・クイーンのリー・ブリュースターは叫んだ。「……今日みなさんが祝っているのは、ドラァグ・クイーンがストーンウォールでやったことの結果よ」。—『LGBT運動の歴史』第6章クリストファー・ストリート解放の日、[61]
2015年6月26日の米連邦最高裁の判決により同性婚は全ての州で合法となった[51]。
アフリカ大陸
アフリカにおけるLGBTの権利は、性の多様性の周縁化や隠蔽が現在も進行しており、国際アムネスティなどは迫害や弾圧の実態の把握に努めている[62]。
アジア
日本
日本では同性愛を法的に取り締まったり、キリスト教・イスラム教・ユダヤ教などのように「逸脱した行為」等の宗教的異端としてないが[63][64][65]、国単位では同性婚およびシビル・ユニオンは法的に認められていない。また、LGBT当事者を中心とした性的少数者の権利を擁護・主張し、法整備を含む要求・活動をおこなう団体が複数存在する。
同性愛に関連したものであれば、日本では2015年に初めて、同性カップルを「結婚に相当する関係」と認める「パートナーシップ証明書」を発行するために、東京都渋谷区で渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例が区議会本会議で可決・成立し、同年4月1日より施行された[66]。同年11月には、東京都世田谷区で「世田谷区パートナーシップの宣誓の取扱いに関する要綱」が制定された[67]。パートナーシップ制度は、11月5日に渋谷区と世田谷区で同時に導入された[68]。2020年9月30日時点で世田谷は128組、渋谷区は50組が利用している[69]。その後も、北海道札幌市[70][71]など各地で同様の取り組みが行われ、2019年7月1日、茨城県で、都道府県初となるパートナーシップ制度が導入され[72][73]、大阪府などが続いている[74]。
性表現に関わるものだと、学校の制服の選択制が取り上げられる[75][76][77]。取り組みは各地の学校で起きている[78][79][80][81]。
政治においては、2017年7月6日、東京都豊島区議の石川大我、世田谷区議の上川あや、中野区議の石坂わたる、文京区議の前田邦博、埼玉県入間市議の細田智也ら5人の地方議員が「LGBT自治体議員連盟」を設立した。性的少数者の人権を擁護する条例や施策を、地方議会を通じて全国の自治体に拡大していくことを目指す。同連盟には趣旨に賛同する全国62自治体の議員78人(元職も含む)も参加した[82][83]。その後、同年10月9日に開かれたLGBT関連の撮影会で北海道滝川市議がカミングアウト[84]。同年12月に京都府長岡京市議が市議会本会議でカミングアウトを行った[85]。
政治内での差別にも注目が集まることもある。2022年6月13日、安倍晋三元首相が会長を務め、自民党の国会議員が多数参加している神道政治連盟国会議員懇談会の研修会でA5版90ページに及ぶ冊子が配布され、研修会で大学教授らが夫婦別姓や同性婚について講演した内容などがまとめられている。そこには「同性愛は心の中の問題であり、先天的なものではなく後天的な精神の障害」「世界には同性愛や性同一性障害から脱した多くの元LGBTの人たちがいる」などの内容が書かれていた[86][87]。
2023年6月16日に参議院本会議でLGBT理解増進法が自民、公明、日本維新の会、国民民主の4党などの賛成多数で可決、成立した[88]。
反LGBT
LGBTの人々は世界中いたるところで差別に直面している[89]。そして甚大な人権侵害が起きている[90]。
セクシュアル・マイノリティに対して抱く恐怖・憎悪・不快感・不信感を、同性愛の場合は「ホモフォビア」、バイセクシュアルの場合は「バイフォビア」、トランスジェンダーの場合は「トランスフォビア」と呼ぶ[91]。アセクシュアルの場合は「エースフォビア(acephobia)」[92]もしくは「aphobia」[93]と呼ばれる。LGBT全体を対象とする場合は「LGBTフォビア」と言ったりする[94]。
LGBTの人々の権利と平等に反対する活動は昔から現在に至るまで広くみられる。
セクシュアル・マイノリティの権利を擁護していたドイツ系ユダヤ人の性科学者マグヌス・ヒルシュフェルトが1919年に設立した性科学研究所は、当時の同性愛者やトランスジェンダーの人々に支援を提供していたが、1933年にナチスによって「公序良俗に反する」という理由で焼き払われ閉鎖された[95][96]。ナチスはセクシュアル・マイノリティを迫害する法律を利用して、とくに男性同性愛者を大勢拘束し、強制収容所へと送った(ナチス・ドイツとホロコーストによる同性愛者迫害)[97][98]。
セクシュアル・マイノリティを社会の敵とみなす動きはこの後も世界各地で続いた。第二次世界大戦後、1950年代のアメリカは、赤狩りの流れで政府職からセクシュアル・マイノリティを調査・尋問・排除する政策をとり、これは「ラベンダーの恐怖」と呼ばれた[99][100]。1970年代にはキリスト教右派がLGBTに激しく反発するようになり、「セクシュアル・マイノリティは子どもに有害であり、子どもを守らなければいけない」として「Save Our Children」というキャンペーンを展開し、アニタ・ブライアントなどの著名人が先頭に立った[101]。この反LGBT運動の結果、マイアミ・デイド郡におけるセクシュアル・マイノリティへの差別を禁止する条例は一時的に廃止された[102]。1980年代のHIV/AIDSのパンデミックも同性愛者への差別に拍車をかけた[103]。キリスト教テレビ伝道師であるパット・ロバートソンが設立した「American Center for Law & Justice」は同性結婚を「社会の根幹である伝統的家族を直接攻撃するもの」として非難した[103]。反LGBTの主張の中では「LGBTは思想にすぎない」として「LGBTイデオロギー」という言葉が使われることもあり[104]、ポーランドの調査報道ウェブサイト「OKO.press」は「LGBTイデオロギーという言葉は伝統的な家族・宗教・社会秩序を保持して右翼への政治的支持を構築するのに役立つ右翼プロパガンダの用語である」と文化的マルクス主義と関連させて説明している[105]。
2020年代からは、クー・クラックス・クランなどの白人至上主義団体[106]、ネオナチなどの極右[107][108]などが反LGBT運動に続々と参加している。「Alliance Defending Freedom」[109]や「Moms for Liberty」[110]などの比較的新しく結成されたばかりの反LGBT団体も登場している。
日本では、LGBTに反発する勢力として神道政治連盟や旧統一教会などの宗教右派、そしてその宗教右派と繋がりの深い保守派政治家の存在が指摘されている[111][112][113]。
世界中には依然としてLGBTの人々の平等な権利を認めず、法的に迫害する国や州がいくつもある[114][115]。こうしたLGBTを迫害する法律は、医療におけるLGBT差別を悪化させ、生命に関わる健康格差の拡大を招いている[116]。LGBTの人々はヘイトクライムの攻撃に遭いやすく、LGBTの人々が受ける暴力被害の約10件に1件がヘイトクライムという調査もある[117]。ILGAの報告によれば、反LGBTのヘイトスピーチは増加傾向にある[118]。LGBT活動家が活動中に暴力を受ける事例もみられ[119]、プライド・パレードが犯罪予告で妨害されることもある[120]。
これらの反LGBT運動にて取り上げられるトピックには、同性同士の結婚への反対、ジェンダー・トランジションの規制、ジェンダー・アイデンティティに基づく公衆トイレの利用制限、LGBTに関する本の禁書[121]、LGBTを学校で教えることの禁止[122]、LGBTグルーミング陰謀論、ドラァグ・パニック[123]、転向療法[124]、LGBTに親和的な企業や作品へのボイコット[125]などが挙げられる。
Drop the T
「LGBT」という言葉もしくは運動自体からトランスジェンダーを排除することを主張する人たちが一部には存在する(反ジェンダー運動)。こうしたLGBT組織にトランスジェンダーの人々のサポートを停止するよう促すために作られたスローガンとして「Drop the T」というものがある[126]。これを訴える者たちは、表向きは「LGB(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル)は性的指向に関するもので、T(トランスジェンダー)は性同一性に関するものである」と説明しているものの、その背景としてトランス排他的ラディカル・フェミニスト(TERF)がしばしば主張する反トランスジェンダーの差別や偏見の再利用があると指摘されている[126][127]。
対して、「LGBT」という言葉(もしくはその派生語)を支持する擁護者は、LGBT運動の原点となったストーンウォールの反乱を主導したのはトランスジェンダーやジェンダー・ノンコンフォーミングの有色人種であったという広く認められている歴史を根底に「LGBT」の重要性を語っている[126]。「Transgender Equity Consulting」のセシリア・ジェンティーリはLGBTコミュニティはトランスジェンダーへの支援に向き合うべきであると述べている[128]。
それでもLGBT運動からトランスジェンダーを排除することを主張する団体は一部に存在しており、例えば「LGB Alliance」[129]や「Gays Against Groomers」[130]などがある。これらの団体が極右と関わっていることがたびたび批判されている[131]。こうした反トランスジェンダー活動家や団体は「トランスジェンダリズム」という言葉を好んで用いる傾向がある[132]。
LGBTの人物
LGBTの関連団体
LGBTを題材とした作品
- Category:LGBT作品を参照。
関連項目
英語版関連項目
- Androphilia and gynephilia症(男性性愛症と女性性愛症)
- Bisexual community(両性愛コミュニティ・バイセクシュアル・コミュニティ)
- List of transgender-related topics(トランスジェンダー関連項目)
- List of LGBT publications(LGBT広報の一覧)
- List of LGBT events(LGBTイベントの一覧)
- Unitarian Universalism and LGBT people(ユニテリアン・ユニヴァーサリズムとLGBT)
脚注
- 注釈
- ^ 英: Feminist separatism
- ^ 同博物館は1985年にthe San Francisco Bay Area Gay and Lesbian Historical Societyとして設立され、1990年にthe Gay and Lesbian Historical Society of Northern Californiaに改称したが、1999年、バイセクシャルとトランスジェンダーの包摂のため現在の名称に変更された。
- ^ 同団体はゲイとバイセクシャルの女性の支援を目的としていた。また、マーティンとフィリスは、2008年、カルフォルニア州最初の法的な同性カップルとして入籍した。
- ^ 英: Personal Rights In Defense and Education
- ^ ストーンウォール・イン・は、中流階級のゲイ男性のみならず、有色人種やジェンダー・ノンコンフォーミング(既存の性的規範に従わない人の総称)、ブッチレズビアン、ストリートチルドレンが利用していた[56]。
- ^ 英: Gay Liberation Front
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