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[[1990年代]]前半に、主に育児雑誌に連載された[[育児コミック]](例:[[田島みるく]]『[[あたし天使あなた悪魔]]』、[[青沼貴子]]『[[ママはぽよぽよザウルスがお好き]]』、[[石坂啓]]『[[赤ちゃんが来た]]』)からジャンルとして定着<ref>[https://www.ajpea.or.jp/column/data/20090302.html コミックエッセイの刊行続々と]</ref>。また、[[大田垣晴子]]が[[ミニコミ]]誌「[[話の特集]]」にてイラストと文章を組み合わせた「イラスト・エッセイ」を発表して日常観察漫画を切り開き、[[西原理恵子]]の[[ルポ漫画]](『[[恨ミシュラン]]』『[[鳥頭紀行]]』など)が[[無頼派]]という新機軸を切り開く。 |
[[1990年代]]前半に、主に育児雑誌に連載された[[育児コミック]](例:[[田島みるく]]『[[あたし天使あなた悪魔]]』、[[青沼貴子]]『[[ママはぽよぽよザウルスがお好き]]』、[[石坂啓]]『[[赤ちゃんが来た]]』)からジャンルとして定着<ref>[https://www.ajpea.or.jp/column/data/20090302.html コミックエッセイの刊行続々と]</ref>。また、[[大田垣晴子]]が[[ミニコミ]]誌「[[話の特集]]」にてイラストと文章を組み合わせた「イラスト・エッセイ」を発表して日常観察漫画を切り開き、[[西原理恵子]]の[[ルポ漫画]](『[[恨ミシュラン]]』『[[鳥頭紀行]]』など)が[[無頼派]]という新機軸を切り開く。 |
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[[2000年代]]以降、メディアファクトリー(現・KADOKAWA)の雑誌『[[ダ・ヴィンチ]]』が前述の大田垣などを起用して「コミックエッセイ」という呼称を浸透させる。その中でも[[小栗左多里]]『[[ダーリンは外国人]]』([[2002年]])は[[国際結婚]]という特殊な体験と日常を描いて大ヒットし、「コミックエッセイ」の作風の基盤となった。その後はウェブ上で発表していた漫画から出版化されるケースなども増えた。最近では、『ダ・ヴィンチ』との連携で開催する『コミックエッセイプチ大賞』など、エッセイ漫画に対象を限定した漫画賞も現れている。 |
[[2000年代]]以降、メディアファクトリー(現・KADOKAWA)の雑誌『[[ダ・ヴィンチ (雑誌)|ダ・ヴィンチ]]』が前述の大田垣などを起用して「コミックエッセイ」という呼称を浸透させる。その中でも[[小栗左多里]]『[[ダーリンは外国人]]』([[2002年]])は[[国際結婚]]という特殊な体験と日常を描いて大ヒットし、「コミックエッセイ」の作風の基盤となった。その後はウェブ上で発表していた漫画から出版化されるケースなども増えた。最近では、『ダ・ヴィンチ』との連携で開催する『コミックエッセイプチ大賞』など、エッセイ漫画に対象を限定した漫画賞も現れている。 |
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== 代表的な作品 == |
== 代表的な作品 == |
2022年12月7日 (水) 21:54時点における版
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エッセイ漫画(エッセイまんが)とは、漫画作者の身の回りで起きた出来事やその感想をつづった漫画作品。コミックエッセイとも称される。実録漫画の一種。
概要
文学における随筆(エッセイ)になぞらえられるところから名づけられた。メディアファクトリー(現・KADOKAWA)の「コミックエッセイ劇場」では「フツーの漫画と違う『作者の体験をベースにしたコミック』と言えばいいでしょうか?」と定義している[1]。キャラクターや演出よりも読みやすさとテーマ性を重視することから、簡素で砕けた絵柄で描かれる傾向が強い。
作品の内容は基本的にノンフィクションであるが、エッセイ漫画の体裁を用いたフィクションである作品(例:野原広子『離婚してもいいですか?』)や、基本はノンフィクションだが創作を織り交ぜて虚実を曖昧にして描かれる作品(例:桜玉吉『漫玉日記シリーズ』、みずしな孝之『いい電子』)も少なくない。
古くから漫画家は近況や実体験を綴ったおまけ漫画を単行本に描き下ろすことがあったが、1980年代からそういった漫画が独立した作品として成立しはじめた。漫画研究者の竹内美帆は、少女漫画雑誌『りぼん』に1986年から連載されたさくらももこ『ちびまる子ちゃん』が、シンプルで単純化されたコマ割りと描線により、エッセイ漫画を少女読者の枠を超えた広い層へ浸透させたと指摘する[2]。南信長は、80年代後半に登場した絵日記風の漫画(例:赤星たみこ『コロッケ通信』、まついなつき『みりん星通信』、もん『ザ・カリフラワーズトーク』)をエッセイ漫画の先駆けとみなしており、エッセイとギャグ漫画を融合させたという点ではとり・みき『愛のさかあがり』を嚆矢としている[3]。
1990年代前半に、主に育児雑誌に連載された育児コミック(例:田島みるく『あたし天使あなた悪魔』、青沼貴子『ママはぽよぽよザウルスがお好き』、石坂啓『赤ちゃんが来た』)からジャンルとして定着[4]。また、大田垣晴子がミニコミ誌「話の特集」にてイラストと文章を組み合わせた「イラスト・エッセイ」を発表して日常観察漫画を切り開き、西原理恵子のルポ漫画(『恨ミシュラン』『鳥頭紀行』など)が無頼派という新機軸を切り開く。
2000年代以降、メディアファクトリー(現・KADOKAWA)の雑誌『ダ・ヴィンチ』が前述の大田垣などを起用して「コミックエッセイ」という呼称を浸透させる。その中でも小栗左多里『ダーリンは外国人』(2002年)は国際結婚という特殊な体験と日常を描いて大ヒットし、「コミックエッセイ」の作風の基盤となった。その後はウェブ上で発表していた漫画から出版化されるケースなども増えた。最近では、『ダ・ヴィンチ』との連携で開催する『コミックエッセイプチ大賞』など、エッセイ漫画に対象を限定した漫画賞も現れている。
代表的な作品
自伝漫画
- サザエさんうちあけ話(長谷川町子)
- まんが道(藤子不二雄Ⓐ)
- コミック昭和史(水木しげる)
- 劇画漂流(辰巳ヨシヒロ)
- ちびまる子ちゃん (さくらももこ)[5]
- 失踪日記(吾妻ひでお)
- 地を這う魚(吾妻ひでお)
- 僕の小規模な失敗(福満しげゆき)
- 僕の小規模な生活(福満しげゆき)
- ど根性ガエルの娘(大月悠祐子)
- 人間仮免中(卯月妙子)
- ピコピコ少年(押切蓮介)
- 酔うと化け物になる父がつらい(菊池真理子)
- ゆがみちゃん(原わた)
- わが輩は「男の娘」である!(いがらし奈波)
- 母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。(宮川サトシ)
- かんもくって 何なの!? しゃべれない日々を脱け出た私[6](モリナガアメ)
- 機能不全家族(夏目ユキ)
- 新人漫画家、風俗嬢になる(エバラユカ+ふてね)
日記漫画
漫画家が身辺の日常を描いた作品。
- セキララシリーズ(けらえいこ)
- しあわせのかたち(桜玉吉)
- 防衛漫玉日記(桜玉吉)
- 幽玄漫玉日記(桜玉吉)
- 御緩漫玉日記(桜玉吉)
- 漫喫漫玉日記 深夜便(桜玉吉)
- まあじゃんほうろうき(西原理恵子)
- うちの妻ってどうでしょう?(福満しげゆき)
- 監督不行届(安野モヨコ)
- 東京都北区赤羽(清野とおる)
- おさんぽ大王(須藤真澄)
- 百姓貴族(荒川弘)
- まゆみ!(田辺真由美)
- ダーリンは外国人(小栗左多里)
- ねこまんが(こいずみまり)
- 神の見えざる金玉(相原コージ)[7]
- ニューヨークで考え中(近藤聡乃)
- 独りでできるもん(森下えみこ)
- 猫背を伸ばして(押切蓮介)
- 蓮介漫画日記(押切蓮介)
- 実話マンガ 愛が重たい女の子とばかりつきあう俺のヒリヒリ恋愛日記[8](永瀬ようすけ)
- だんな様はひろゆき(西村ゆか)
- リアル風俗嬢日記(Ω子)
レポート漫画
漫画家が実際に取材してその感想を綴ったり、自らの特殊な経験を紹介したりする漫画。紀行ものや闘病記も含む。
- ぢるぢる旅行記(ねこぢる)
- 高齢出産ドンとこい!!(藤田素子)
- 鳥頭紀行(西原理恵子)
- できるかな(西原理恵子)
- 刑務所の中(花輪和一)
- ツレがうつになりまして。(細川貂々)
- 日本人の知らない日本語(海野凪子・蛇蔵)
- 性別が、ない!(新井祥)
- みんな元気に病んでいる。 心がしんどい普通の人々(藤臣柊子)
- 病気じゃないよ、フツーだよ 神経科に行ってみよー(藤臣柊子)
- ヨメトレ(新條まゆ)
- 失踪日記2 アル中病棟(吾妻ひでお)
- アル中ワンダーランド(まんしゅうきつこ)
- ドキばぐ(柴田亜美)
- 理系の人々 (よしたに)
- おごってジャンケン隊(現代洋子)
- いい電子(みずしな孝之)
- 実録企画モノ(卯月妙子)
- あんたっちゃぶる(鈴木みそ)
- 銭(鈴木みそ)
- 毒親サバイバル(菊池真理子)
育児漫画
育児を題材とした漫画。
ペット漫画
ペット(まれに野生動物)の観察を題材とした動物漫画。日記漫画の一種でもある。
グルメ漫画
料理・グルメ漫画のうち、作者自身が登場するもの。レポート漫画の一種でもある。
時事漫画
作者自身が作品の中に登場し、時事問題に対して自身の見解を描く漫画。
脚注
- ^ コミックエッセイとは? アーカイブ 2012年3月5日 - ウェイバックマシン - コミックエッセイ劇場
- ^ エッセイマンガというジャンルとさくらももこ――『漫画版ひとりずもう』から――
- ^ 南信長『現代マンガの冒険者たち』222p。
- ^ コミックエッセイの刊行続々と
- ^ ただし途中まであり、実質的なモキュメンタリーとなっている。
- ^ 旧題は「かんもく少女が同人BL漫画を描いて人生救われる話」。
- ^ 『マンガ図書館Z』など電子書籍サイトでの作品解説では「随筆漫画と称して文章と漫画を組み合わせた(中略)エッセイ・コミックの先駆けともいえる画期的な作品」と紹介している。
- ^ 旧題は「実話だよ!! メンヘラ彼女」。