コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ツレがうつになりまして。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ツレがうつになりまして。
ジャンル エッセイ漫画
漫画
作者 細川貂々
出版社 幻冬舎
発売日 2006年3月
巻数 全3巻
ドラマ
原作 細川貂々
演出 合津直枝、佐藤善木
制作 NHKテレビマンユニオン
放送局 NHK
放送期間 2009年5月29日 - 6月12日
話数 全3話
早川典子
早川明
藤原紀香
原田泰造
映画
監督 佐々部清
制作 「ツレがうつになりまして。」製作委員会
封切日 2011年
上映時間 121分
髙崎晴子
髙崎幹夫
宮﨑あおい
堺雅人
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

ツレがうつになりまして。』は、細川貂々2006年3月幻冬舎より出版したコミックエッセー。略称は「ツレうつ」。続編として『その後のツレがうつになりまして。』を2007年11月25日に、完結編として『7年目のツレがうつになりまして。』を2011年9月7日に発表した[1]

2009年5月テレビドラマ化され、2011年10月には映画化された。

概要

[編集]

スーパーサラリーマン」だったツレ(作者の夫)がある朝「死にたい」と真顔で言い出した。うつ病だった。売れない漫画家の妻(作者)と共に送る闘病生活を描く。

自殺未遂、症状の改善、悪化などあらゆる出来事を決して固くない絵のタッチで表現するという内容、うつ病を「宇宙カゼ」と呼んだり、抑うつ状態の症状が現れている時に憂鬱をキャッチするアンテナが頭に現れているという独特の描写などがある。75万部を出版する[2]

作者は、うつに対する知識として「精神的に弱い人がなる」「神経症のようなもの」というイメージを持っていた。作者の周りの人の病気に対する知識の乏しさや誤解が多いと感じ、自分達の世の中にうつ病の事を広めたい、そしてツレが退職して退職金と失業保険を使い切り、作者の仕事が少ないという経済的理由も相まって出版社に企画を持ち込む。数社から「暗い」などとして断られるも、幻冬舎で発売が決まる[3]

テレビドラマ

[編集]
ツレがうつになりまして。
ジャンル テレビドラマ
原作 細川貂々
「ツレがうつになりまして。」
「その後のツレがうつになりまして。」
脚本 森岡利行
演出 合津直枝
佐藤善木
出演者 藤原紀香
原田泰造ネプチューン
風吹ジュン
濱田マリ
小木茂光
設楽統バナナマン
駿河太郎
黒川芽以
田島令子
宮澤ミシェル
エンディング 大貫妙子Tema Purissima
製作
プロデューサー 合津直枝
制作 NHK総合
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2009年5月29日 - 6月12日
放送時間金曜日22:00 - 22:45(NHK総合
月曜日18:00 - 18:45(BS hi
放送分45分
回数3
公式サイト
テンプレートを表示

2009年5月29日、6月5・12日の全3回、金曜日22:00 - 22:45に、NHK総合の「金曜ドラマ」枠で放送された。

監修は精神科医野村総一郎が担当。一部に脚色が入っているが、原作者の意向も反映されている[4]2010年5月28日にDVDが発売された。

キャスト

[編集]
早川家
明の妻。職業は売れない漫画家で、収入は夫頼みの面があった。明の事を「ツレ」と呼ぶ。
典子の夫。一流企業に勤務するエリート会社員だったが、うつ病を発症してしまい「主夫」となる。典子の事を「てんさん」と呼ぶ。
如月家(ペットショップさつき)
外資系IT関連会社・マッチリバー
スーパーツツミ
氏家家
その他

スタッフ

[編集]

放送日程

[編集]
話数 放送日 サブタイトル 演出 視聴率
第1話 2009年5月29日 突然の発病 合津直枝 6.7%
第2話 2009年6月05日 夫婦崩壊!? 佐藤善木 7.7%
最終話 2009年6月12日 春の予感 6.7%
平均視聴率 7.03%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)
NHK 金曜ドラマ
前番組 番組名 次番組
コンカツ・リカツ
(2009.4.3 - 2009.5.22)
ツレがうつになりまして。
(2009.5.29 - 2009.6.12)
スポットライト
前編〔第1話 - 第7話〕
(2009.6.19 - 2009.7.31)

映画

[編集]
ツレがうつになりまして。
監督 佐々部清
脚本 青島武
原作 細川貂々
「ツレがうつになりまして。」
「その後のツレがうつになりまして。」
「イグアナの嫁」
製作 黒澤満
木下直哉
重村博文
平城隆司
福原英行
久保忠佳
出演者 宮﨑あおい
堺雅人
吹越満
津田寛治
犬塚弘
梅沢富美男
田山涼成
大杉漣
余貴美子
音楽 加羽沢美濃
主題歌 矢沢洋子「アマノジャク」
撮影 浜田毅
編集 大畑英亮
製作会社 「ツレがうつになりまして。」製作委員会
配給 東映
公開 日本の旗 2011年10月8日
上映時間 121分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 8億6000万円[5]
テンプレートを表示

2011年10月8日から東映系で公開のハートフルドラマ。監督は佐々部清。主演は宮﨑あおい、堺雅人で、宮﨑と堺が夫婦役で共演するのは大河ドラマ篤姫』以来2年半ぶりとなる。医療監修には精神科医院長の五十嵐良雄が務めている[6]。この作品には原作者の細川貂々と夫の望月昭がカメオ出演している。

キャッチコピーは「ガンバらないぞ!」「すこやかなる時も、病める時も、君と一緒にいたい。」。

全国222スクリーンで公開され、2011年10月8、9日の初日2日間で興収1億2,696万1,600円、動員9万5,524人になり映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第4位となった[7]金鶏百花映画祭外国語最優秀作品賞受賞。

宮﨑あおいはこの作品で第24回日刊スポーツ映画大賞 主演女優賞と第35回日本アカデミー賞 優秀主演女優賞を受賞している。

ストーリー (映画)

[編集]

幹夫はクレーム係の仕事をバリバリこなし、毎朝お弁当まで作る。ある朝、イグアナのイグに「食欲が羨ましい」とか、ゴミ箱の前で「これみんな要らないんだよね」とつぶやく。

翌朝、幹夫は真顔で「死にたい」と呟く。病院に行って診察を受けたところ 心因性うつ病と診断され、激務とストレスによる「心の風邪」で元に戻るには半年から1年半かかると医師に告げられる。

幹夫は上司に相談するが「忙しくて皆うつ病みたいなものだ」と言われるだけだった。漫画家で結婚5年目の晴子は古道具屋に器が「割れなかったことで価値がある」といわれ、ツレの幹夫に「会社を辞めないなら離婚する」と告げる。数日後、薬で一時的に元気になるが、主治医からは「揺れがあるから油断は禁物」と言われ、認知行動療法として日記をつけるよう勧められる。

幹夫は「辞職」ではなく「退職」して主夫になり、家事嫌いだった晴子は内心喜ぶ。ツレに時々イラッとするが「宇宙風邪」だと思って「ガンバらないぞ」と誓う。

やがて幹夫の失業保険も切れ、晴子も連載打ち切りで火の車状態になる。晴子は編集部で「ツレがうつになりまして」と談判し、うつ病経験者の編集者から仕事をもらう。

数か月後、幹夫の元の会社は倒産。晴子は結婚同窓会に出て出版すると話すとツレの幹夫は日記を参考に渡す。すると漫画の中からキャラクターが飛び出してくる。

もう薬を飲まなくていいと喜んで帰ってきた幹夫に晴子は新刊を見せる。ツレが講演も引き受け「あとで」が大切で「焦らず」「特別扱いをしない」「できることとできないことを見分けよう」と話す。講演には元の会社でクレーマーだった男も来ており、彼からも感謝される。

キャスト

[編集]
髙崎家
栗田家(栗田理髪店。ハルさんの実家)
ウェブソフト・ラボラトリー(ツレの勤務先)
加茂クリニック
乾坤堂(ハルさんの行きつけの骨董屋)
その他

スタッフ

[編集]

ソフト化

[編集]

2012年4月13日発売。発売・販売元はキングレコード。

  • ツレがうつになりまして。 DVD通常版(1枚組)
    • 映像特典
      • 特報・劇場予告編・TVスポット集
  • ツレがうつになりまして。 プレミアム・エディション(2枚組、ブルーレイとDVDでリリース・初回限定生産)
    • ディスク1:本編ディスク(DVD通常版と同様)
    • ディスク2:特典DVD
      • making of ツレがうつになりまして。
      • イベント集(完成披露試写会舞台挨拶、初日舞台挨拶)
      • インタビュー集
    • 封入特典
      • 自由に書き込める「ガンバらないぞ!」ダイアリー
      • 劇場パンフレット(縮刷版)

書誌情報

[編集]

いずれも幻冬舎幻冬舎文庫から出版されている。映画の原作の一つとなっている『イグアナの嫁』もここに掲載する。

脚注

[編集]
  1. ^ 2006年12月に発売された『イグアナの嫁』(幻冬舎)の帯には「『ツレがうつになりまして。』第二弾!!」と載せている。イグアナを中心に描かれているがツレがうつ病になる経緯も描かれていて、映画でも原作のひとつとしている。
  2. ^ コミコミクリニック みんなの家庭の医学 (2010年11月30日). “大ヒット漫画 『ツレがうつになりまして』 隠された“うつの真相””. 朝日放送. 2010年12月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年9月23日閲覧。
  3. ^ 「続・ツレうつ」19-21,24-26pより
  4. ^ “ツレうつドラマ化のお知らせ”. てん・にっき. (2009年3月31日). http://www.hosoten.com/blog/log/eid640.html 
  5. ^ キネマ旬報」2012年2月下旬決算特別号 206頁
  6. ^ うつ病:ツレがうつになったら 映画を医療監修、五十嵐良雄さんに聞く[リンク切れ]毎日新聞 2011年10月3日
  7. ^ 『猿の惑星』最新作が初登場首位!宮崎あおいと堺雅人、「篤姫」以来の夫婦役『ツレうつ』も4位に初登場!シネマトゥデイ 2011年10月12日
  8. ^ 矢沢永吉長女、映画「ツレうつ」で歌う!サンケイスポーツ 2011年9月17日(2011年1月11日時点のアーカイブ

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]