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「左翼」を自称あるいは他称される団体は「'''[[市民団体]]'''」<ref>{{Cite web|title=「新聞業界40年 メディアの舞台裏」 |url= https://yab.yomiuri.co.jp/adv/chuo/hakumon/2011winter02.html |website=東洋経済ONLINE|date=2011-10-29|accessdate=2022-10-09}}</ref>と呼ばれる。左翼団体には穏健な市民団体も多いが、中には[[革命的共産主義者同盟全国委員会|中核派]]や[[日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派|革マル派]]や[[南ベトナム解放民族戦線|ベトコン]]などのように[[暴力革命]]を狙う過激な集団もおり、そのような集団は[[過激派]]と呼ばれる。 |
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2022年10月8日 (土) 16:23時点における版
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左翼、左派(さよく、さは/英語: left-wing, the Left)[注 1]とは、政治においては通常、「より平等な社会を目指すための社会変革を支持する層」を指すとされる[1][2]。進歩的、革新的、急進的、暴力的、または革命的な政治勢力や人を指し、いわゆるリベラル、進歩主義あるいは革新主義、社会自由主義、また社会主義(社会民主主義、民主社会主義)、共産主義[3][4][5]のほか、急進的な自由主義、左派リバタリアニズム、無政府主義などの様々な傾向がある。対義語(対立概念)は「右翼」(右派)[6]、「保守派」である。左派の中でも穏健派・漸進的な立場の者は「中道左派」、逆に急進的・極端な立場の者は「極左」と呼ばれる。
ただし、「右派」「保守派」の対義語として用いられる「左派」「革新派」は、必ずしも革新政党・革新勢力に限らず、諸々の組織内、特に政党内で革新的・急進的な勢力を指す場合[7]や、時には保守政党・保守勢力の中でも相対的に穏健派・漸進的な立場を指す場合もある[8][9]。
用語
「左翼」「右翼」の語源はフランス革命である[10][3]。「左翼」という表現は、フランス革命期の「(憲法制定)国民議会」(1789年7月9日 - 1791年9月30日)における1789年9月11日の会議において、「国王の法律拒否権」「一院制・二院制」の是非を巡り、議長席から見て議場右側に「国王拒否権あり・二院制(貴族院あり)」を主張する保守・穏健派が、左側に「国王拒否権なし・一院制(貴族院なし)」を主張する共和・革新派が陣取ったことに端を発し、続く「立法議会」(1791年10月1日 - 1792年9月5日)においても、右側に立憲君主派であるフイヤン派が陣取ったのに対して、左側に共和派や世俗主義などの急進派(ジャコバン派)が陣取ったことに由来する[11]。続く「国民公会」では、穏健共和派であるジロンド派に対して、急進派である山岳派が左翼を形成した。
「左翼」という用語は通常、「より平等な社会を目指すための社会変革を支持する層」を指し[1][2]、革命運動、社会主義、共産主義、社会民主主義[12]、アナキズム[13]などを支持する層を指すことが多い。
概要
「左翼」は相対的な用語であり、何を「左翼」や「右翼」と呼ぶかは時代・国・視点などによって変化する。経済的自由主義や資本主義はフランス革命当初は「左翼」だが、社会主義勢力の拡大後は「右翼」と呼ばれる場合が多い。また「左翼」や「右翼」という用語はレッテル貼りに使われる場合も多い。
ネットで活動する悪質な左翼や左翼活動家に対しては「ネトサヨ」や「パヨク」という揶揄表現が使われる事もある。
左翼と呼ばれる勢力には、多かれ少なかれ根底には専制政治や弱肉強食的な資本主義に対する懐疑がある。左翼は平等、労働条件の改善、社会保障、福祉、平和などを追求する場合が多い。
左翼は総称であり、非常に幅広い潮流を含んでいる。たとえば目標とする国家については、市民や労働者の自治を重視するサンディカリスム、政府を否定する無政府主義、逆に国家の積極的な介入を重視する福祉国家、執権党が一党独裁を行うソ連型社会主義などがある。また変革の方法についても、資本主義の枠内での社会改良主義、議会制民主主義のもとで将来的には社会主義社会を目指す平和革命主義、武力革命を行うべきとする暴力革命主義などがある。
身分制度や封建主義などに反対して近代化と富の増大を求める面では、資本主義と同様に近代主義・啓蒙主義・自由主義の側面がある場合がある。逆に、資本主義による伝統的な地域共同体の破壊や労働者の搾取に反対する面では、保守主義の側面がある場合もある。
ヨーロッパ、特に大陸では「左派」と政党や政治家が自ら公称することは珍しくない。一方でアメリカ合衆国では「左派」「右派」とも批判的な文脈では使われるが、自称する例は少ない。一般に左派は「リベラル」と称されるが、1980年代以降の政治家はこの呼称で定義されることも避け、中道的立場を強調することが多い。これは「保守」を強調する政治家が一定存在し、また「保守」と定義されることを避ける政治家があまりいない点と異なる。
政党の内部において、党内の「左派」「右派」と呼ばれる例も多い。たとえば、旧日本社会党では、社会民主主義的な勢力は「社会党右派」、労農派マルクス主義の流れをくむ勢力は「社会党左派」と呼ばれた。
極左
左翼の中でも極端に急進的な変革や暴力革命を目指すものは極左と呼ばれ、テロを行う組織もある。ウラジーミル・レーニンは、各国の共産党において左翼派と称する人々が現実を忘れてむやみに急進的な説を唱えることを指摘し、これを嘲笑的に「左翼小児病」と呼んだ[14]。なお極左と極右は全体主義や党派性などに類似性が指摘される事もあり、また反権力の観点から極左と極右が連係する場合もある。
歴史
フランス革命以降
フランス革命直後の国民議会では、王党派に対して共和派が「左翼」と呼ばれた。フランス革命第二期では右翼のフイヤン派が没落し、今まで左翼だった共和派が支配的となる。しかし、政策を巡って再び左右で割れ、新しい軸が生まれる。そして右側には穏健派のジロンド派が座り、左側には過激派のジャコバン派が座ることとなった。
1793年には左翼のジャコバン派が国民公会からジロンド派を追放し、ジャコバンが目指した共和政ローマに似た独裁政治が敷かれた。しかし、ジャコバン派は新興資本家寄りのダントン派と労働者層寄りのエベール派に分裂する。ロベスピエールは両者を粛清して、恐怖政治を強めた。1794年にはテルミドールのクーデターが起き、ジャコバン派が次々と投獄・処刑される(当時はジャコバン派の熱烈な支持者だったナポレオン・ボナパルトもこれに含まれた)。このクーデターによって王党派が復活し、左翼は一時衰退する。
1871年には史上初の社会主義政権であるパリ・コミューンが成立した。
20世紀
20世紀はもっぱら大学教員などの知識人が大衆の左翼運動を指揮し、欧州やロシアではマルクス主義が台頭した。また、欧州では同時に穏健派の社会民主主義も勢力を増大させた。絶対王政が続くロシアでの革命は成功したが、レーニン死後は世界革命を主張するトロツキーが失脚させられ、後継には一国社会主義を主張するスターリンが権力を掌握した。スターリンの独裁体制は、政敵や無辜の民に対する大粛清を行うなど恐怖政治が横行した。
帝政からの解放者としてのソ連共産党が全体主義的な傾向を強めていき民主主義色が薄れていったため、マルクス・レーニン主義から欧州の知識人も離反していった。それゆえ、西欧の共産党や急進左派は反ソ連・反スターリンの傾向を強め、リベラリズムとの親和性が高いユーロコミュニズムを提唱していくことになった。
資本主義を認める穏健左派などと呼ばれるリベラリズム・社会民主主義は欧州(特にフランス・ドイツ・イギリス・北欧など)において福祉国家を建設した。ヨーロッパ大陸の福祉国家は、資本側と労働者側が政府を仲介として協調する(ネオ・コーポラティズム)ことに特色がある。
これに対し、イギリスの社会民主主義は階級制度の残存への対抗から、階級闘争勢力としての社会主義が根強く、ヨーロッパ大陸の左派勢力の福祉国家路線とはやや形態が異なっていた。イギリスの社民主義は、1990年代に新自由主義を大きく取り入れ、第三の道と言われる方向に変化していく。
現在
中国やベトナムは、政治的には一党独裁制を堅持しながら、経済的には鄧小平理論などに基づいて市場原理を導入した。 北朝鮮は社会主義国でありながら、事実上の絶対君主制を導入した[15]。 ラテンアメリカではアメリカが主導するアメリカニゼーション・新自由主義に対する反発から、ベネズエラのウゴ・チャベスやボリビアのエボ・モラレスなどの反米左翼政権が数多く誕生した。また、反米というわけではないがブラジルの前大統領であるルラも労組出身の左翼であり、後継のルセフもルラの政策を引き継いでいる。1980年代以降一部の左派系の政権も新自由主義的な経済政策を取り入れ始めたため、急進左派勢力がある程度勢力を拡大している。
ドイツでも旧東ドイツのドイツ社会主義統一党の流れを汲む民主社会党PDSとドイツ社会民主党SPD左派が合流した左翼党が党勢を伸張している。東欧では市場経済導入以降の国内の経済格差批判から、党綱領と党名を変革した旧共産党の社会民主主義政党が政権に戻りつつある。
イギリスでは、労働党のトニー・ブレア首相は、労働党の政策を新自由主義を取り入れた第三の道へ変えることで政権を獲得したが、第三の道は支持母体の労働組合の反発を招き、党勢の衰退をもたらした。
ヨーロッパの学派は、日本の沈滞状況とは対称的に、ネグリ、ハート、アルチュセール、ジジェク、ラクラウ、デリダ、バトラーなど、新保守主義、リベラルとは違う第三極として、ニューレフトを模索する運動が盛んである。これらは、カルチュラル・スタディーズやポストモダンなど政治を離れて文化的、哲学的な論及も行うため、文化左翼といった呼び方もされる。
左翼団体
「左翼」を自称あるいは他称される団体は「市民団体」[16]と呼ばれる。左翼団体には穏健な市民団体も多いが、中には中核派や革マル派やベトコンなどのように暴力革命を狙う過激な集団もおり、そのような集団は過激派と呼ばれる。
世界各国の主な左翼政党
「左翼」とされている主なマスコミ
- 日本 - 朝日新聞[44]、毎日新聞[44]、東京新聞[44]
- 韓国 - ソウル新聞
- アメリカ合衆国 - CNN[45]、MSNBC[46]、ロサンゼルス・タイムズ、ハフィントンポスト、Vox Media
- フランス - リュマニテ
- ドイツ - ディー・ターゲスツァイトゥング、ノイエス・ドイチェラント
- イタリア - ラ・レプッブリカ
脚注
- 注
- ^ 語義については「左派 (ウィクショナリー)」も参照のこと。
- 出典
- ^ a b T. Alexander Smith, Raymond Tatalovich. Cultures at war: moral conflicts in western democracies. Toronto, Canada: Broadview Press, Ltd, 2003. Pp 30.
- ^ a b Left and right: the significance of a political distinction, Norberto Bobbio and Allan Cameron, pg. 37, University of Chicago Press, 1997.
- ^ a b 大辞林. 三省堂
- ^ 広辞苑. 岩波書店
- ^ 左翼(さよく)とは - コトバンク ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 (2018年3月30日閲覧)
- ^ 日本大百科全書(ニッポニカ) コトバンク. 2018年8月13日閲覧。
- ^ デジタル大辞泉 コトバンク. 2018年8月13日閲覧。
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- ^ Andrew Knapp and Vincent Wright (2006). The Government and Politics of France. Routledge
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- ^ Brooks, Frank H. (1994). The Individualist Anarchists: An Anthology of Liberty (1881–1908). Transaction Publishers. p. xi. "Usually considered to be an extreme left-wing ideology, anarchism has always included a significant strain of radical individualism...
- ^ 公娼『大思想エンサイクロペヂア』30巻 (春秋社, 1930) p102
- ^ “潜入!北朝鮮:金王朝の継承”. ナショナル ジオグラフィック (2022年3月25日). 2022年10月8日閲覧。
- ^ “「新聞業界40年 メディアの舞台裏」”. 東洋経済ONLINE (2011年10月29日). 2022年10月9日閲覧。
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- ^ “新党合流に不参加20人規模 新「国民民主」改憲など独自色”. 産経新聞 (2020年9月3日). 2022年10月8日閲覧。
- ^ “連合が「国民市民の目線」から遊離か 立民支援で組織内に大亀裂”. SankeiBis (2020年9月30日). 2022年10月8日閲覧。
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