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{{栄養価 | name=青汁 |
{{栄養価 | name=青汁 ケール、粉末製品<ref name=mext7>[[文部科学省]] 「[https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365297.htm 日本食品標準成分表2015年版(七訂)]」</ref>| kJ =1571| water=2.3 g| protein=13.8 g| fat=4.4 g| satfat=0.55 g| monofat = 0.10 g| polyfat =2.08 g| carbs=70.2 g| opt1n=[[食物繊維|水溶性食物繊維]]| opt1v=12.8 g| opt2n=[[食物繊維|不溶性食物繊維]]| opt2v=15.2 g| fiber=28.0 g| sodium_mg=230| potassium_mg=2300| calcium_mg=1200| magnesium_mg=210| phosphorus_mg=270| iron_mg=2.9| zinc_mg=1.8| copper_mg=0.17| Manganese_mg=2.75| selenium_ug =9| betacarotene_ug=10000| vitA_ug =860| vitE_mg =9.4| vitK_ug=1500| thiamin_mg=0.31| riboflavin_mg=0.80| niacin_mg=6.0| vitB6_mg=0.75| folate_ug=820| pantothenic_mg=1.31| opt3n=[[ビオチン|ビオチン(B<sub>7</sub>)]] | opt3v=19.8 μg| vitC_mg=1100| opt4n=[[硝酸イオン]]| opt4v=0.7 g| note =ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した<ref>[[厚生労働省]] 「[https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000114399.pdf 日本人の食事摂取基準(2015年版)]」</ref>。粉末製品 | right=1 }} |
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[[File:やまだの青汁.jpg|thumb|青汁]] |
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'''青汁'''(あおじる)とは、[[ケール]]、[[オオムギ]]若葉、[[アシタバ]]、[[モロヘイヤ]]などの緑葉植物や[[クロレラ]]などを細かくくだき、しぼって作る汁をさす<ref name="hfnet3875">{{hfnet|3875|青汁の健康効果って?}}</ref><ref name="nakamura">{{Cite web |url=https://researchmap.jp/1000060324381/misc/33835494 |title=中村宜督、食品に見る 機能性成分のひみつ(第28回)青汁の材料として有名な葉野菜 スルフォラファンとルテイン ケール |publisher =女子栄養大学出版部 |accessdate=2022-06-02}}</ref>。いわゆる[[健康食品]]の俗称であり、詳細な定義はない<ref name="hfnet3074">{{hfnet|3074|青汁}}</ref>。液体、粉末、[[サプリメント]]形状などの青汁製品が販売されており、単一の素材を原材料とするものや複数の素材を混合したもの、その他の野菜や果物を含むものなど、その種類は多岐にわたる<ref name="hfnet3074" />。個々の製品によって原材料や含有成分が異なるため、人における有効性や安全性は製品に依存する<ref name="hfnet3875" />。[[ビタミンK]]を多く含むものがあるため、[[ワルファリン]] (抗凝固薬)を服用している場合は注意が必要である<ref name="hfnet3875" /><ref name="pmda" />。 |
'''青汁'''(あおじる、{{Lang-en-short|Aojiru, green juice}})とは、[[ケール]]、[[オオムギ]]若葉、[[アシタバ]]、[[モロヘイヤ]]などの緑葉植物や[[クロレラ]]などを細かくくだき、しぼって作る汁をさす<ref name="hfnet3875">{{hfnet|3875|青汁の健康効果って?}}</ref><ref name="nakamura">{{Cite web |url=https://researchmap.jp/1000060324381/misc/33835494 |title=中村宜督、食品に見る 機能性成分のひみつ(第28回)青汁の材料として有名な葉野菜 スルフォラファンとルテイン ケール |publisher =女子栄養大学出版部 |accessdate=2022-06-02}}</ref>。いわゆる[[健康食品]]の俗称であり、詳細な定義はない<ref name="hfnet3074">{{hfnet|3074|青汁}}</ref>。液体、粉末、[[サプリメント]]形状などの青汁製品が販売されており、単一の素材を原材料とするものや複数の素材を混合したもの、その他の野菜や果物を含むものなど、その種類は多岐にわたる<ref name="hfnet3074" />。個々の製品によって原材料や含有成分が異なるため、人における有効性や安全性は製品に依存する<ref name="hfnet3875" />。[[ビタミンK]]を多く含むものがあるため、[[ワルファリン]] (抗凝固薬)を服用している場合は注意が必要である<ref name="hfnet3875" /><ref name="pmda" />。 |
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== 語源 == |
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[[緑]]色なのに「[[青]]」汁としているのは、戦後までの緑と青を区別せず「あお」という言葉を使っていた[[日本語]]に基づく用法である<ref name="ao" />。今でも青菜や青リンゴ、青信号のように、緑のものに青という言葉が使われることがある<ref name="ao">{{cite news | url=http://www.empiricalzeal.com/2012/06/05/the-crayola-fication-of-the-world-how-we-gave-colors-names-and-it-messed-with-our-brains-part-i/ | title=The crayola-fication of the world: How we gave colors names, and it messed with our brains (part I) | first=Aatish | last=Bhatia | website=Empirical Zeal | date=June 5, 2012 |accessdate=2022-07-02}}</ref>。英語では“green juice“と呼ばれるが、これは日本語の意味をそのまま訳したものである<ref>{{Cite web |url=https://wonect.life/aojiru-japans-green-juice/ |title=Why You Should Be Drinking Aojiru, Japan’s Green Juice |publisher =wonect.life |date=2019-03-22 |accessdate=2022-07-02}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://context.reverso.net/翻訳/日本語-英語/青汁#green+juice|title=「青汁」を英語に翻訳する |publisher =reverso |accessdate=2022-07-02}}</ref>。 |
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[[健康食品]]として飲用される。液状のまま、もしくは水で溶かして飲用する乾燥[[粉末]]や、そのまま服用する錠剤状のものも存在する。 |
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色が[[緑]]なのに「[[青]]」汁としているのは、緑色野菜を「青菜」などと表現する、暗色に類する色を「あお」とする[[日本語]][[古語]]に基づく用法である。 |
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野菜汁や果汁を用いる[[民間療法]]は、昔から存在した<ref name="kiku" />。日本最古の医書『[[医心方]]』や漢医方『[[本草綱目]]』にも、生葉の汁が出てくる<ref name="kiku">{{Cite book|和書|author=遠藤仁郎 |title=青汁は効く |publisher=主婦の友社 |date=1986 |page= |isbn=978-4079319683}}</ref>。戦後、アメリカから日本に入り流行した[[:en:Gayelord_Hauser|ハウザー]]食も、生野菜や果物のジュースを摂る健康法である<ref name="kiku" /><ref>{{Cite web |url=https://kotobank.jp/word/ハウザー食-1576715 |title=ハウザー食 |publisher =コトバンク |accessdate=2022-07-02}}</ref><ref name="nytimes">{{Cite web |url=https://www.nytimes.com/1984/12/29/obituaries/gayelord-hauser-89-author-proponent-of-natural-foods.html |title=GAYELORD HAUSER, 89, AUTHOR: PROPONENT OF NATURAL FOODS |publisher =The New York Times |date=1984-12-29 |accessdate=2022-07-02}}</ref>。 |
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=== 遠藤仁郎 === |
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元々は、戦時の食糧難の対策の一環として食されていた摂取しにくい食べ物を摂りやすくする目的で考案されたので、その時でも身の回りにあって余りやすい大根の葉などの緑葉食を用いた青汁が主だった。その後、食糧難が解消し、摂取は効率的な栄養の補給以上の意味を持たなくなったため、多くの栄養をバランスよく含んだ[[ケール]]を使った青汁が主になる。その後、品質・食味の改良や多種化が進み、最近は[[大麦]]若葉・[[小松菜]]・[[ヨモギ]]・[[抹茶]]等の原材料を使い食味を改善したものや[[ワサビノキ|モリンガ]]、[[カワラボウフウ属|ボタンボウフウ]](長命草)など栄養素を補強できる材料を加えたものが増えている。 |
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[[1943年]](昭和18年)、戦時中の食糧難の中、当時、大阪女子医学専門学校(現[[関西医科大学]])の教授だった遠藤仁郎(にろう)が、それまで捨てられていた緑の葉(大根やサツマイモ、里芋の葉や野草)を乾燥させ、食料とすることを考えた<ref name="osaka">{{Cite web |url=http://www.endo-aojiru.com/kenko/index.html |title=青汁健康法とは |publisher =遠藤青汁大阪研究所 |accessdate=2022-07-02}}</ref><ref name="Greenlife">{{Cite web |url=https://www.endoaojiru.com/rekisi.html |title=青汁と遠藤青汁グリーンライフの歩み |publisher =遠藤青汁グリーンライフ |accessdate=2022-07-02}}</ref>。 |
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[[1944年]](昭和19年)、緑の葉をたくさん食べるために、[[三つ葉]]をしぼり汁にして飲むことを開始し、夫人が「青汁(あおしる)」と命名する<ref name="Greenlife" /><ref name="kateigaho">{{cite web|url=http://int.kateigaho.com/spr05/tea-aojiru.html |title=Japanese Aojiru - Tree Kale Juice |accessdate=2022-07-02|work=Kateigaho |date=Spring 2005 |url-status=dead |archiveurl=https://web.archive.org/web/20061208215935/http://int.kateigaho.com/spr05/tea-aojiru.html |archivedate=2006-12-08 }}</ref><ref name="kochi">{{Cite web |url=https://aojirukochi.co.jp/aojirutowa1/ |title=遠藤青汁とは |publisher =遠藤青汁高知センター |accessdate=2022-07-02}}</ref>。 |
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栄養価が高いことから草食・雑食の[[爬虫類]]、動物[[プランクトン]]などの[[ペット]]の常用食や、病気療養食として使われることもある。液状のため[[スポイト]]や[[シリンジ]]を使っての強制給餌にも使い易い。 |
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[[1945年]](昭和20年)、[[倉敷中央病院]]に赴任し青汁を患者にすすめるが、当初はあまり受け入れられなかった<ref name="kiku" />。やがて[[:en:Gayelord_Hauser|ハウザー]]食のベストセラー本に野菜の生汁の意義が書かれていたこともあり、患者の中で青汁の信奉者が増えていく<ref name="kiku" />。 |
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== 用法 == |
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液状の製品はそのまま、粉末の製品は水を加えて飲むのが基本である。 |
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[[1954年]](昭和29年)、園芸書で注目した[[ケール]]の種をアメリカから送ってもらい<ref name="Greenlife" /><ref name="diamond_nishikawa" />、ケールの青汁「遠藤青汁」が誕生する<ref name="endo">{{Cite web |url=https://www.aoshiru.com/endohakase.htm |title=遠藤仁郎博士・青汁の創始者 |publisher = |accessdate=2022-07-02}}</ref><ref name="URBAN LIFE METRO">{{Cite web |url=https://urbanlife.tokyo/post/43865/ |title=CM「まず~い、もう一杯」で話題になった青汁 実は戦後間もなく誕生していた【連載】アタマで食べる東京フード(8) |publisher =URBAN LIFE METRO |date=2020-09-25 |accessdate=2022-07-02}}</ref>。今でもこの作り方に従って作ったケール100%の青汁だけを販売する企業が存在する<ref name="kochi" /><ref>{{Cite web |url=https://www.aoshiru.com/aosirunokai.htm |title=遠藤青汁の会 |publisher = |accessdate=2022-07-02}}</ref>。 |
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だが現在はそれだけでなく、飲みにくさを軽減するため粉末を[[牛乳]]やスープに溶かしたりヨーグルトに混ぜる、[[クッキー]]や[[ホットケーキ]]生地に混ぜて焼くなど飲みにくさを補うための工夫した使い方も存在する。 |
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[[1961年]](昭和36年)、著書『青汁の効用』がベストセラーになり、「青汁教の教祖」「青汁博士<ref>{{Cite book|和書|author=遠藤仁郎 |title=もっと緑を!―青汁博士大いに語る |publisher=文芸社 |date=2007 |page= |isbn=9784286015217}}</ref>」と呼ばれる<ref name="URBAN LIFE METRO" /><ref name="tanabe" />。 |
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このような家庭単位での努力だけではなく、企業が販売する商品にも果汁を添加して飲みやすくした「フルーツ青汁」、蜂蜜を加えた「蜂蜜青汁」などの飲みにくさを改善する努力が見られる。これらは基本的に水を加えて飲む。 |
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[[1962年]](昭和37年)、遠藤青汁友の会が乾燥青汁粉末を発売<ref name="QSAI" />。粉末青汁は、水や牛乳に溶かして飲むだけでなく、クッキーやホットケーキなどの料理に使うこともできる<ref>{{Cite web |url=https://www.kyusai.co.jp/aojiru/powder/recipe/ |title= ザ・ケール(青汁)おすすめレシピ |publisher =キューサイ |accessdate=2022-06-20}}</ref>。 |
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[[1943年]](昭和18年)、遠藤仁郎によって青汁が創案される。飢えを凌ぐために食していた葉が食べにくいという経験と、液体ならば摂取しやすいのではないか、という遠藤仁郎の考えの下開発された<ref name="a">[http://www.endo-aojiru.co.jp/aojiru/index.html 遠藤青汁大阪研究所]</ref>。当時は現代で親しまれている『あおじる』ではなく『あおしる』と遠藤仁郎の妻ヒナ子によって命名された<ref name="b">[https://aojirukochi.co.jp/aojirutowa1/ 遠藤青汁高知センター]</ref>。 |
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[[1997年]](平成9年)、97歳で亡くなるまで、青汁の啓蒙活動を続けた<ref name="URBAN LIFE METRO" /><ref name="tanabe">{{Cite web |url=http://www.tanabe-shokuhin.co.jp/aosiru/kenkoutoaosiru/bunya/endouaosiru/endouaosiru1.html |title=遠藤青汁の会活動インデックス |publisher =田辺食品株式会社 |accessdate=2022-07-02}}</ref>。 |
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[[1945年]](昭和20年)、遠藤仁郎が[[倉敷中央病院]]に赴任。これを青汁という栄養食を広めるいい機会と思った仁郎が病院食に採用する。しかし、あまり一般には受け入れられず、効果を感じた者の口コミで少しずつ評判が広がる程度だった。 |
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===キューサイ=== |
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[[1954年]](昭和29年)[[ケール]]を採用した青汁が開発される。これに従って作った青汁を特別に遠藤青汁と認定し、今でも特にこれだけに拘って販売する企業も存在する<ref name="c">[ |
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https://www.aoshiru.com/endohakase.htm 遠藤仁郎博士・青汁の創始者]</ref>。 |
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[[1982年]](昭和57年)、長谷川製菓株式会社が、冷凍タイプの「ケール青汁」の販売を開始した<ref name="QSAI" />。しかし、苦味があるため売れ行きは良くなかった<ref name="sankeibiz" />。 |
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[[1990年]]、俳優の[[八名信夫]]が[[キューサイ]]のCMに採用され、台本ではなく彼自身が飲んだ感想から、'''「まずい!もう一杯!」'''という有名なキャッチフレーズが生まれた<ref>{{Cite web|url=http://www.asagei.com/excerpt/81532|title = 80代からが人生の黄金期だ「八名信夫」(4)忘れられない「恩師」の言葉|accessdate=2022-07-02}}</ref>。当初、このCMは九州地方で3ヶ月のみの放映予定だったが、評判になったため全国に放映が拡大された<ref name="diamond_nishikawa" />。これにより、[[福岡市]]に本社を置くキューサイの青汁が、全国に知られるようになる<ref name="diamond_nishikawa">{{Cite book|和書|author=西川敦子 |title=ケールのチカラ |publisher=ダイヤモンド社 |date=2012-09-28 |page= |isbn=978-4478022535}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://toyokeizai.net/articles/-/398594 |title=ユーグレナが「青汁」キューサイを買収する訳 |publisher =東洋経済オンライン |date=2020-12-24 |accessdate=2022-07-02}}</ref>。販売経路は、酒店や化粧品店などの代理店を経由するものだった<ref name="xtrend_tv shopping" />。2002年、[[テレビショッピング]]を開始したが、顧客層は約80%が60歳以上であり、平均年齢は72歳と高い<ref name="xtrend_tv shopping">{{Cite web |url=https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/casestudy/00012/00174/ |title=キューサイのTVショッピング番組をAIが構成 電話が3割増 |publisher =日経クロストレンド |date=2019-04-05 |accessdate=2022-07-02}}</ref>。 |
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[[1982年]](昭和57年)9月、キューサイの前身である長谷川製菓株式会社が、青汁の製造販売を開始。1980年代から1990年台前半は、一部の健康に強い関心がある人や、いち早く商品化したキューサイの[[コマーシャルメッセージ|CM]]が流れる[[九州|九州地方]]でのみ知られるマイナーなものだった。 |
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===2000年以降=== |
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それまで九州限定だったキューサイの全国CMでの、[[八名信夫]]の'''「まずい!もう一杯!」'''発言をきっかけに全国に知られるようになる。なお、この台詞は台本通りではなく、撮影時あまりの不味さに思わず出た言葉が採用された。 |
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[[2000年]]、化粧品メーカーの[[ファンケル]]が青汁の大量販売を開始し、20 - 30代の女性にも市場を広げた<ref name="kateigaho"/>。販売経路は通販やスーパーなどの冷凍食品売場が中心であり<ref name="kateigaho" /><ref>{{Cite web |url=https://ascii.jp/elem/000/001/020/1020171/ |title=ファンケル、9年ぶりの青汁CMを開始 |publisher =ASCII |date=2015-06-09 |accessdate=2022-07-02}}</ref>、2005年の青汁市場の規模は500億円を超えていた<ref name="kateigaho" /><ref name="npicenter">{{cite web|url=http://www.npicenter.com/anm/templates/newsATemp.aspx?articleid=14541&zoneid=45|accessdate=2022-07-02|title=Japan's Nutraceuticals Today - End of Year Japanese Nutraceutical Industry Thoughts and Looking Beyond|date=2006-01-01|publisher=NPIcenter|author=Paul Yamaguchi|archiveurl=https://web.archive.org/web/20070223001336/http://www.npicenter.com/anm/templates/newsATemp.aspx?articleid=14541&zoneid=45|archivedate=2007-02-23|url-status=dead}}</ref>。 |
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青汁の苦さは有名で、1990年代後半は、『[[森田一義アワー 笑っていいとも!|笑っていいとも!]]』などテレビ番組では青汁をグラスで飲むことが罰ゲームになっていた<ref>{{Cite web |url=https://kakaku.com/tv/channel=8/programID=10725/category=music/ |title=「笑っていいとも!増刊号」で紹介された音楽・CD ( 71 / 71 ページ ) |publisher =価格.com |accessdate=2022-07-02}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://calorielab.com/news/2008/03/17/1784/|archive-url=https://archive.today/20161128181352/http://calorielab.com/news/2008/03/17/1784/|url-status=dead|archive-date=2016-11-28|title=Aojiru: Japanese kale drink is full of vitamins and indescribably "healthy" tasting|website=calorielab.com|accessdate=2022-07-02}}</ref>。[[2000年代]]以降に発売された青汁は、品質・食味の改良や多種化が進み、[[大麦]]若葉・[[小松菜]]・[[抹茶]]等を加えて風味を改善したものや、[[蜂蜜]]やフルーツエキスを加えて飲みやすくしたものも人気を得るようになった<ref name="QSAI" /><ref name="sankeibiz">{{Cite web |url=https://www.sankeibiz.jp/business/news/181129/bsd1811290500003-n1.htm |title=キューサイ 青汁愛飲者、若年層の掘り起こし手応え |publisher =SankeiBiz |date=2018-11-29 |accessdate=2022-07-02}}</ref>。この背景には、ユーザー層の若返りや青汁のマイナスイメージの打開がある<ref>{{Cite web |url=https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/watch/00013/01001/ |title=「脱・青汁」でフォロワーが100倍超 キューサイ若返りの成果 |publisher =日経クロストレンド |date=2020-05-19 |accessdate=2022-07-02}}</ref>。[[2010年代]]になるとさらに、[[乳酸菌]]、[[難消化性デキストリン]]<ref>{{Cite web |url=https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail4555.html |title=おなかすこやか恵み青汁 |publisher =国立健康・栄養研究所 |accessdate=2022-07-02}}</ref>、[[キトサン]]<ref>{{Cite web |url=https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail4556.html |title=キトサン明日葉 花まる青汁 |publisher =国立健康・栄養研究所 |accessdate=2022-07-02}}</ref>などの成分を加えて差別化を図った製品が作られるようになる<ref>{{Cite web |url=https://www.ehealthyrecipe.com/meal/syokuzai/SyokuzaiDetailServ.php?szid=16056 |title=e食材辞典 |publisher =第一三共 |accessdate=2022-07-02}}</ref>。 |
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以降も健康ブームや野菜不足が言われる中で消費を伸ばし、様々な会社が青汁を生産するようになった。1990年代以降は『[[森田一義アワー 笑っていいとも!|笑っていいとも!]]』を皮切りにバラエティ番組の罰ゲームとしても使用されるようになり、知名度は若年層にも大きく上がるようになった。 |
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===アメリカ=== |
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一方、[[2000年代]]以降に発売された青汁は原材料を工夫して食味の改良が進んでおり、かつてのような青汁特有の味や青臭さは抑えられ、飲みやすくなっている。さらに、[[蜂蜜]]を加えて飲みやすくした蜂蜜青汁やフルーツエキスを加えて飲みやすくしたフルーツ青汁も人気を得るようになった。この背景には、ユーザー層の若返りや青汁のマイナスイメージの打開がある<ref>前述した『いいとも!』の罰ゲームでは、あまりのまずさに出演者が飲みきれない、吐いてしまうというハプニングもしばしば起きていた(以降、罰ゲームでは[[センブリ]]茶や[[ヤエヤマアオキ|ノニジュース]]など新たな商品が使われるようになった)。</ref>。 |
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[[1922年]]、最初の[[:en:Blender|ブレンダー]]が発売され<ref name="thoughtco">{{cite web|author=Mary Bellis |url=https://www.thoughtco.com/history-of-the-blender-4077283 |title= The History of the Blender |publisher=thoughtco |date=2010-06-16 |accessdate=2022-07-02}}</ref><ref name="Oster History">{{cite web | url=http://www.oster.ca/about.aspx| archive-url=https://web.archive.org/web/20140407061845/http://www.oster.ca/about.aspx | archive-date=April 7, 2014|url-status=dead| title=About Oster®: The History of the Oster® Brand | publisher=Sunbeam Products | accessdate=2022-07-02}}</ref>、1930年代には西海岸の[[健康食品]]店が [[:en:Smoothie#Green_smoothie|グリーンスムージー]]の販売を始めた<ref>{{Cite book |last=Brown |first=Ellen |title=The Complete Idiot's Guide to Smoothies |year=2005 |isbn=1-59257-318-5 |page=3}}</ref><ref name="nationaltoday">{{Cite web |url=https://nationaltoday.com/national-smoothie-day/ |title=National Smoothie Day |publisher =National Today |date=2022-06-21 |accessdate=2022-06-08}}</ref>。1937年に発売された家庭用ブレンダーは、病院の食事療法にも使われた<ref name="thoughtco" />。2000年代は、ほうれん草、ケール、セロリ、ブロッコリーなどを使ったグリーンスムージーが人気である<ref>{{Cite journal |last=Moffitt |first=Sally |date=2014-06-01 |title=Sources: Food and Drink in American History: A "Full Course" Encyclopedia. |url=https://doi.org/10.5860/rusq.53n4.377a |journal=Reference & User Services Quarterly |volume=53 |issue=4 |pages=377 |doi=10.5860/rusq.53n4.377a |issn=1094-9054}}</ref>。 |
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==食薬区分== |
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[[2010年代]]になるとさらに、[[乳酸菌]]、[[カテキン]]などの成分、[[ワサビノキ|モリンガ]]、ボタンボウフウ等の栄養価の高い素材を加えて機能性を向上させ、差別化を図った製品が作られるようになった。 |
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[[医薬品#食薬区分|食薬区分]]においては、「専ら[[医薬品]]として使用される成分本質 (原材料)」にも「[[成分本質_(原材料)_では医薬品でないもの|医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)]]」([[成分本質_(原材料)_では医薬品でないもの|非医薬品]])<ref>{{Cite web|url=https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000086063_1.pdf |title=医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト |format=PDF |publisher =厚生労働省 |accessdate=2021-07-26}}</ref>にも該当せず<ref name="hfnet3875" />、効果効能を表示すると[[薬事法|薬機法(旧薬事法)]]の違反になる<ref>{{Cite web|url=http://www.doyaku.or.jp/guidance/data/H26-10.pdf |title=「明らか食品」とは? |format=PDF |publisher =北海道薬剤師会 |accessdate=2021-07-25}}</ref>。また「癌が治る」「血糖値が下がる」「血液を浄化する」といった誇大な医薬品的効果効能表示(店頭や説明会における口頭での説明も含む)を行うと、[[景品表示法]]や[[健康増進法]]の規制の対象となる<ref>{{Cite web |url=https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/hyouji/shokuhyouhou_eiyou_kodai.html |title=誇大表示の禁止 |publisher =東京都福祉保健局 |accessdate=2021-08-02}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/160630premiums_8.pdf |title=健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について |format=PDF |publisher =消費者、|date=2016-06-30 |accessdate=2021-07-23}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/kenko_shokuhin/ken_syoku/kanshi/kounou.html |title=医薬品的な効能効果について |publisher =東京都健康福祉局 |accessdate=2021-07-23}}</ref>。 |
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{{Main|薬事法と食品表示・食品広告}} |
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青汁に加えた[[イソフラボン]]<ref name="fld_ion">{{Cite web |url=https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc02/?recordSeq=42008190330501 |title=葛の花イソフラボン配合 大麦若葉青汁、届出食品の科学的根拠等に関する基本情報(一般消費者向け) |publisher =消費者庁 |accessdate=2022-07-02}}</ref><ref name="rise">{{Cite web |url=https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc02/?recordSeq=41909180270500 |title=花摘青汁+GABA、届出食品の科学的根拠等に関する基本情報(一般消費者向け) |publisher =消費者庁 |accessdate=2022-07-02}}</ref>や[[GABA]]<ref name="shizuoka">{{Cite web |url=https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc02/?recordSeq=41904024010301 |title=しんけん青汁、届出食品の科学的根拠等に関する基本情報(一般消費者向け) |publisher =消費者庁 |accessdate=2022-07-02}}</ref>などを機能性関与成分とした青汁が、[[機能性表示食品]]として届けられている。機能性表示食品とは、国が審査は行わず、事業者が自らの責任において機能性の表示を行うものである<ref>{{Cite web |url=https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/ |title=機能性表示食品について |publisher =消費者庁 |accessdate=2022-06-20}}</ref>。機能性の根拠には、実際の商品を用いた[[臨床試験]]ではなく、成分の[[:en:Literature_review|文献調査]]を採用した<ref name="fld_ion" /><ref name="rise" /><ref name="shizuoka" />。 |
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個々の製品によって原材料や含有成分が異なるため、安全性は製品によって異なるが、[[肝機能障害]]など複数の健康被害の報告がある<ref name="hfnet3074" />。同時にいくつもの青汁製品やビタミン、ミネラルなどのサプリメントを併用することは、避けるようにする<ref name="hfnet3875" />。 |
個々の製品によって原材料や含有成分が異なるため、安全性は製品によって異なるが、[[肝機能障害]]など複数の健康被害の報告がある<ref name="hfnet3074" />。同時にいくつもの青汁製品やビタミン、ミネラルなどのサプリメントを併用することは、避けるようにする<ref name="hfnet3875" />。 |
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[[ビタミンK]]([[血液凝固]]に寄与)を多く含むものは[[ワルファリン]]([[抗凝固薬]])の働きを悪くする恐れがあるため、ワルファリンを飲んでいる患者の青汁の摂取は注意が必要である<ref name="pmda">{{Cite web |url=https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3332001D1023_1_11/ |title=ワーファリン錠 |
[[ビタミンK]]([[血液凝固]]に寄与)を多く含むものは[[ワルファリン]]([[抗凝固薬]])の働きを悪くする恐れがあるため、ワルファリンを飲んでいる患者の青汁の摂取は注意が必要である<ref name="pmda">{{Cite web |url=https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3332001D1023_1_11/ |title=ワーファリン錠 添付文書 |publisher =PMDA医薬品医療機器総合機構 |accessdate=2022-06-02}}</ref>。ワルファリンは、ビタミンKの作用を阻害することで血を固まりにくくする薬であり、[[納豆]]、青汁、[[クロレラ]]などビタミンK含有量の多い食品を食べると、ワルファリンの働きが弱まって血の塊ができやすくなる恐れがある<ref name="hfnet77">{{hfnet|77|ナットウ (納豆)、ナットウ菌}}</ref><ref name="hfnet3875" />。 |
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多量摂取により、[[高カリウム血症]]を引き起こす場合がある<ref name="hfnet3074" /><ref>{{Cite journal|和書|url=https://doi.org/10.24697/jaamkanto.41.2_329 |title=健康食品の青汁を摂取し高カリウム血症にて搬送された1例 |author=道下貴弘, 大井康史, 山縣英尋, 高橋充, 白澤彩, 伊巻尚平, 竹内一郎 |journal=日本救急医学会関東地方会雑誌 |volume=41 |issue=2 |pages=329-332 |year=2020 |doi=10.24697/jaamkanto.41.2_329 |accessdate=2022-07-02}}</ref>。特に[[腎疾患]]患者は注意が必要である<ref>{{Cite web|url=http://www.jinzouzaidan.or.jp/jigyou/fkzn_qa/56/vol56_3.pdf |title=サプリメントの摂取 透析を受けている人がサプリメントを摂る場合に、注意することはありますか? |format=PDF |publisher =公益財団法人 日本腎臓財団 |accessdate=2022-06-02}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/12-ホルモンと代謝の病気/電解質のバランス/高カリウム血症-血液中のカリウム濃度が高いこと |title=高カリウム血症 |publisher =MSDマニュアル家庭版 |accessdate=2022-06-02}}</ref>。 |
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== 外部リンク == |
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*[https://hamarepo.com/story.php?page_no=1&story_id=4974 桜木町の駅そば「川村屋」の青汁は、日本で初めて作られた由緒ある青汁] はまれぽ |
* [https://hamarepo.com/story.php?page_no=1&story_id=4974 桜木町の駅そば「川村屋」の青汁は、日本で初めて作られた由緒ある青汁] はまれぽ.com |
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2022年7月7日 (木) 14:57時点における版
100 gあたりの栄養価 | |
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エネルギー | 1,571 kJ (375 kcal) |
70.2 g | |
食物繊維 | 28.0 g |
4.4 g | |
飽和脂肪酸 | 0.55 g |
一価不飽和 | 0.10 g |
多価不飽和 | 2.08 g |
13.8 g | |
ビタミン | |
ビタミンA相当量 |
(108%) 860 µg(93%) 10000 µg |
チアミン (B1) |
(27%) 0.31 mg |
リボフラビン (B2) |
(67%) 0.80 mg |
ナイアシン (B3) |
(40%) 6.0 mg |
パントテン酸 (B5) |
(26%) 1.31 mg |
ビタミンB6 |
(58%) 0.75 mg |
葉酸 (B9) |
(205%) 820 µg |
ビタミンC |
(1325%) 1100 mg |
ビタミンE |
(63%) 9.4 mg |
ビタミンK |
(1429%) 1500 µg |
ミネラル | |
ナトリウム |
(15%) 230 mg |
カリウム |
(49%) 2300 mg |
カルシウム |
(120%) 1200 mg |
マグネシウム |
(59%) 210 mg |
リン |
(39%) 270 mg |
鉄分 |
(22%) 2.9 mg |
亜鉛 |
(19%) 1.8 mg |
銅 |
(9%) 0.17 mg |
セレン |
(13%) 9 µg |
他の成分 | |
水分 | 2.3 g |
水溶性食物繊維 | 12.8 g |
不溶性食物繊維 | 15.2 g |
ビオチン(B7) | 19.8 μg |
硝酸イオン | 0.7 g |
ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[2]。粉末製品 | |
| |
%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 |
青汁(あおじる、英: Aojiru, green juice)とは、ケール、オオムギ若葉、アシタバ、モロヘイヤなどの緑葉植物やクロレラなどを細かくくだき、しぼって作る汁をさす[3][4]。いわゆる健康食品の俗称であり、詳細な定義はない[5]。液体、粉末、サプリメント形状などの青汁製品が販売されており、単一の素材を原材料とするものや複数の素材を混合したもの、その他の野菜や果物を含むものなど、その種類は多岐にわたる[5]。個々の製品によって原材料や含有成分が異なるため、人における有効性や安全性は製品に依存する[3]。ビタミンKを多く含むものがあるため、ワルファリン (抗凝固薬)を服用している場合は注意が必要である[3][6]。
語源
緑色なのに「青」汁としているのは、戦後までの緑と青を区別せず「あお」という言葉を使っていた日本語に基づく用法である[7]。今でも青菜や青リンゴ、青信号のように、緑のものに青という言葉が使われることがある[7]。英語では“green juice“と呼ばれるが、これは日本語の意味をそのまま訳したものである[8][9]。
歴史
野菜汁や果汁を用いる民間療法は、昔から存在した[10]。日本最古の医書『医心方』や漢医方『本草綱目』にも、生葉の汁が出てくる[10]。戦後、アメリカから日本に入り流行したハウザー食も、生野菜や果物のジュースを摂る健康法である[10][11][12]。
遠藤仁郎
1943年(昭和18年)、戦時中の食糧難の中、当時、大阪女子医学専門学校(現関西医科大学)の教授だった遠藤仁郎(にろう)が、それまで捨てられていた緑の葉(大根やサツマイモ、里芋の葉や野草)を乾燥させ、食料とすることを考えた[13][14]。
1944年(昭和19年)、緑の葉をたくさん食べるために、三つ葉をしぼり汁にして飲むことを開始し、夫人が「青汁(あおしる)」と命名する[14][15][16]。
1945年(昭和20年)、倉敷中央病院に赴任し青汁を患者にすすめるが、当初はあまり受け入れられなかった[10]。やがてハウザー食のベストセラー本に野菜の生汁の意義が書かれていたこともあり、患者の中で青汁の信奉者が増えていく[10]。
1954年(昭和29年)、園芸書で注目したケールの種をアメリカから送ってもらい[14][17]、ケールの青汁「遠藤青汁」が誕生する[18][19]。今でもこの作り方に従って作ったケール100%の青汁だけを販売する企業が存在する[16][20]。
1961年(昭和36年)、著書『青汁の効用』がベストセラーになり、「青汁教の教祖」「青汁博士[21]」と呼ばれる[19][22]。
1962年(昭和37年)、遠藤青汁友の会が乾燥青汁粉末を発売[23]。粉末青汁は、水や牛乳に溶かして飲むだけでなく、クッキーやホットケーキなどの料理に使うこともできる[24]。
1997年(平成9年)、97歳で亡くなるまで、青汁の啓蒙活動を続けた[19][22]。
キューサイ
1978年(昭和53年)、前身である長谷川製菓株式会社の創始者が体調を崩した際、青汁を飲みこの効果に感銘を受ける[23]。その後、自らと同じように多くの人に効果を実感して欲しいと思った創始者は遠藤仁郎の下を訪れ、青汁のノウハウを学ぶ[23]。
1982年(昭和57年)、長谷川製菓株式会社が、冷凍タイプの「ケール青汁」の販売を開始した[23]。しかし、苦味があるため売れ行きは良くなかった[25]。
1990年、俳優の八名信夫がキューサイのCMに採用され、台本ではなく彼自身が飲んだ感想から、「まずい!もう一杯!」という有名なキャッチフレーズが生まれた[26]。当初、このCMは九州地方で3ヶ月のみの放映予定だったが、評判になったため全国に放映が拡大された[17]。これにより、福岡市に本社を置くキューサイの青汁が、全国に知られるようになる[17][27]。販売経路は、酒店や化粧品店などの代理店を経由するものだった[28]。2002年、テレビショッピングを開始したが、顧客層は約80%が60歳以上であり、平均年齢は72歳と高い[28]。
2000年以降
2000年、化粧品メーカーのファンケルが青汁の大量販売を開始し、20 - 30代の女性にも市場を広げた[15]。販売経路は通販やスーパーなどの冷凍食品売場が中心であり[15][29]、2005年の青汁市場の規模は500億円を超えていた[15][30]。
青汁の苦さは有名で、1990年代後半は、『笑っていいとも!』などテレビ番組では青汁をグラスで飲むことが罰ゲームになっていた[31][32]。2000年代以降に発売された青汁は、品質・食味の改良や多種化が進み、大麦若葉・小松菜・抹茶等を加えて風味を改善したものや、蜂蜜やフルーツエキスを加えて飲みやすくしたものも人気を得るようになった[23][25]。この背景には、ユーザー層の若返りや青汁のマイナスイメージの打開がある[33]。2010年代になるとさらに、乳酸菌、難消化性デキストリン[34]、キトサン[35]などの成分を加えて差別化を図った製品が作られるようになる[36]。
アメリカ
1922年、最初のブレンダーが発売され[37][38]、1930年代には西海岸の健康食品店が グリーンスムージーの販売を始めた[39][40]。1937年に発売された家庭用ブレンダーは、病院の食事療法にも使われた[37]。2000年代は、ほうれん草、ケール、セロリ、ブロッコリーなどを使ったグリーンスムージーが人気である[41]。
食薬区分
食薬区分においては、「専ら医薬品として使用される成分本質 (原材料)」にも「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」(非医薬品)[42]にも該当せず[3]、効果効能を表示すると薬機法(旧薬事法)の違反になる[43]。また「癌が治る」「血糖値が下がる」「血液を浄化する」といった誇大な医薬品的効果効能表示(店頭や説明会における口頭での説明も含む)を行うと、景品表示法や健康増進法の規制の対象となる[44][45][46]。
青汁に加えたイソフラボン[47][48]やGABA[49]などを機能性関与成分とした青汁が、機能性表示食品として届けられている。機能性表示食品とは、国が審査は行わず、事業者が自らの責任において機能性の表示を行うものである[50]。機能性の根拠には、実際の商品を用いた臨床試験ではなく、成分の文献調査を採用した[47][48][49]。
安全性
個々の製品によって原材料や含有成分が異なるため、安全性は製品によって異なるが、肝機能障害など複数の健康被害の報告がある[5]。同時にいくつもの青汁製品やビタミン、ミネラルなどのサプリメントを併用することは、避けるようにする[3]。
ビタミンK(血液凝固に寄与)を多く含むものはワルファリン(抗凝固薬)の働きを悪くする恐れがあるため、ワルファリンを飲んでいる患者の青汁の摂取は注意が必要である[6]。ワルファリンは、ビタミンKの作用を阻害することで血を固まりにくくする薬であり、納豆、青汁、クロレラなどビタミンK含有量の多い食品を食べると、ワルファリンの働きが弱まって血の塊ができやすくなる恐れがある[51][3]。
多量摂取により、高カリウム血症を引き起こす場合がある[5][52]。特に腎疾患患者は注意が必要である[53][54]。
脚注
- ^ 文部科学省 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
- ^ 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2015年版)」
- ^ a b c d e f 青汁の健康効果って? - 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所)
- ^ “中村宜督、食品に見る 機能性成分のひみつ(第28回)青汁の材料として有名な葉野菜 スルフォラファンとルテイン ケール”. 女子栄養大学出版部. 2022年6月2日閲覧。
- ^ a b c d 青汁 - 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所)
- ^ a b “ワーファリン錠 添付文書”. PMDA医薬品医療機器総合機構. 2022年6月2日閲覧。
- ^ a b Bhatia, Aatish (June 5, 2012). “The crayola-fication of the world: How we gave colors names, and it messed with our brains (part I)” 2022年7月2日閲覧。
- ^ “Why You Should Be Drinking Aojiru, Japan’s Green Juice”. wonect.life (2019年3月22日). 2022年7月2日閲覧。
- ^ “「青汁」を英語に翻訳する”. reverso. 2022年7月2日閲覧。
- ^ a b c d e 遠藤仁郎『青汁は効く』主婦の友社、1986年。ISBN 978-4079319683。
- ^ “ハウザー食”. コトバンク. 2022年7月2日閲覧。
- ^ “GAYELORD HAUSER, 89, AUTHOR: PROPONENT OF NATURAL FOODS”. The New York Times (1984年12月29日). 2022年7月2日閲覧。
- ^ “青汁健康法とは”. 遠藤青汁大阪研究所. 2022年7月2日閲覧。
- ^ a b c “青汁と遠藤青汁グリーンライフの歩み”. 遠藤青汁グリーンライフ. 2022年7月2日閲覧。
- ^ a b c d “Japanese Aojiru - Tree Kale Juice”. Kateigaho (Spring 2005). 2006年12月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月2日閲覧。
- ^ a b “遠藤青汁とは”. 遠藤青汁高知センター. 2022年7月2日閲覧。
- ^ a b c 西川敦子『ケールのチカラ』ダイヤモンド社、2012年9月28日。ISBN 978-4478022535。
- ^ “遠藤仁郎博士・青汁の創始者”. 2022年7月2日閲覧。
- ^ a b c “CM「まず~い、もう一杯」で話題になった青汁 実は戦後間もなく誕生していた【連載】アタマで食べる東京フード(8)”. URBAN LIFE METRO (2020年9月25日). 2022年7月2日閲覧。
- ^ “遠藤青汁の会”. 2022年7月2日閲覧。
- ^ 遠藤仁郎『もっと緑を!―青汁博士大いに語る』文芸社、2007年。ISBN 9784286015217。
- ^ a b “遠藤青汁の会活動インデックス”. 田辺食品株式会社. 2022年7月2日閲覧。
- ^ a b c d e “沿革”. キューサイ. 2022年7月2日閲覧。
- ^ “ザ・ケール(青汁)おすすめレシピ”. キューサイ. 2022年6月20日閲覧。
- ^ a b “キューサイ 青汁愛飲者、若年層の掘り起こし手応え”. SankeiBiz (2018年11月29日). 2022年7月2日閲覧。
- ^ “80代からが人生の黄金期だ「八名信夫」(4)忘れられない「恩師」の言葉”. 2022年7月2日閲覧。
- ^ “ユーグレナが「青汁」キューサイを買収する訳”. 東洋経済オンライン (2020年12月24日). 2022年7月2日閲覧。
- ^ a b “キューサイのTVショッピング番組をAIが構成 電話が3割増”. 日経クロストレンド (2019年4月5日). 2022年7月2日閲覧。
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- ^ “Aojiru: Japanese kale drink is full of vitamins and indescribably "healthy" tasting”. calorielab.com. 2016年11月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月2日閲覧。
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- ^ 道下貴弘, 大井康史, 山縣英尋, 高橋充, 白澤彩, 伊巻尚平, 竹内一郎「健康食品の青汁を摂取し高カリウム血症にて搬送された1例」『日本救急医学会関東地方会雑誌』第41巻第2号、2020年、329-332頁、doi:10.24697/jaamkanto.41.2_329、2022年7月2日閲覧。
- ^ “サプリメントの摂取 透析を受けている人がサプリメントを摂る場合に、注意することはありますか?” (PDF). 公益財団法人 日本腎臓財団. 2022年6月2日閲覧。
- ^ “高カリウム血症”. MSDマニュアル家庭版. 2022年6月2日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 青汁 - 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所)
- 青汁の健康効果って? - 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所)
- ケール - 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所)
- オオムギ - 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所)
- アシタバ - 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所)
- モロヘイヤ - 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所)
- クロレラ - 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所)
- 桜木町の駅そば「川村屋」の青汁は、日本で初めて作られた由緒ある青汁 はまれぽ.com