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β-カロテン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
β-カロテン
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識別情報
CAS登録番号 7235-40-7
PubChem 5280489
E番号 E160a (着色料)
特性
化学式 C40H56
モル質量 536.87 g/mol
外観 赤紫色
密度 0.941 ± 0.06 g/cm3
融点

180-182 °C

への溶解度 不溶
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

β-カロテン(ベータカロテン、ベータカロチン、β-carotene)は、植物に豊富に存在する有機化合物で、赤橙色色素の一つ。両末端にβ環を持つ最も一般的なカロテンである。ビタミンA前駆体(不活性型)である[1]テルペノイドの一つであり、水には溶けないが脂溶性は大きい。

分子構造はKarrerらによって推定された[2]。自然界ではβ-カロテン-15,15'-モノオキシゲナーゼ(EC 1.14.99.36) の酵素反応を受ける。β-カロテノイドはゲラニルゲラニル二リン酸から生合成される[1]

含まれている食材

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ニンジン[3]サツマイモマンゴーカボチャパパイヤ等の黄色やオレンジ色の果実や根菜に多く含まれる。

ホウレンソウケール等にも含まれているが、クロロフィルによって緑色に見える。

ヒトに対する効果

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がん抑制効果が期待されサプリメントなどで販売されていたが、喫煙者において肺がんのリスクが高まると報告されている[4]。ただし健常者に対して発がん性が高まると示されたわけではない。また、100% all-trans型の合成サプリメントによる結果であり野菜等による実験結果ではない[5]

がんの発生率や死亡率との関連について、現時点ではポジティブな (有効性があるとする) 結果とネガティブな (有効性がないとする) 結果の両方が存在している[6]

この成分が含まれている小松菜やパプリカを油で炒めると吸収が高まり、しょうが入りのポン酢醤油を添えると代謝がよくなる[7]

脚注

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  1. ^ a b Susan D. Van Arnum (1998). Vitamin A in Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology. New York: John Wiley. pp. 99–107. doi:10.1002/0471238961.2209200101181421.a01. 
  2. ^ P. Karrer, A. Helfenstein, H. Wehrli, A. Wettstein (1930). “Pflanzenfarbstoffe XXV. Über die Konstitution des Lycopins und Carotins”. Helvetica Chimica Acta 13: 1084–1099. doi:10.1002/hlca.19300130532. 
  3. ^ 「野菜350g」は本当にカラダにいいの…?食生活のウソホント”. FRIDAYデジタル (2020年7月16日). 2020年11月27日閲覧。
  4. ^ βカロテン摂取で肺がんが増える! データで読み解く食品のウソホント DIAMOND online 2015-07-24
  5. ^ 肺癌リスクのある人にβ-カロテンサプリメントは有害と確認される 日本癌医療翻訳アソシエイツ
  6. ^ カロテン - 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所
  7. ^ 『まいにちの中高生のお弁当250』24頁。

関連項目

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外部リンク

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