コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

「アグネスゴールド」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
m編集の要約なし
Cewbot (会話 | 投稿記録)
38行目: 38行目:
この勝利により長浜はゴールドの皐月賞参戦を明言。また河内がタキオン・ゴールドのどちらを選択するかは「河内に委ねる」とし、皐月賞の焦点は同厩舎・同生産者・同馬主による無敗馬同士の対決となった。しかしその勝利の翌日の3月19日、右前脚の[[橈骨]]遠位端骨折が判明しクラシック戦線から離脱。この故障により河内はタキオンへの騎乗が決定、同馬で皐月賞を制覇している。しかし、タキオンもこのレース後に左前浅[[屈腱炎]]を発症し[[東京優駿|日本ダービー]]への出走を断念、その後復帰することなく現役を引退した。
この勝利により長浜はゴールドの皐月賞参戦を明言。また河内がタキオン・ゴールドのどちらを選択するかは「河内に委ねる」とし、皐月賞の焦点は同厩舎・同生産者・同馬主による無敗馬同士の対決となった。しかしその勝利の翌日の3月19日、右前脚の[[橈骨]]遠位端骨折が判明しクラシック戦線から離脱。この故障により河内はタキオンへの騎乗が決定、同馬で皐月賞を制覇している。しかし、タキオンもこのレース後に左前浅[[屈腱炎]]を発症し[[東京優駿|日本ダービー]]への出走を断念、その後復帰することなく現役を引退した。


ゴールドは半年の休養を経て秋に復帰、一時は[[菊花賞]]を回避し[[天皇賞#天皇賞(秋)|天皇賞(秋)]]へと向かうプランもあったなか、結局菊花賞に参戦となるが成果なく敗退。河内はこの敗戦を「やっぱり距離」と振り返り、以後は中距離路線へと転進することとなった。その初戦となる[[鳴尾記念]]で3着と結果を出し「いい頃の感じに戻ってきた。これからが楽しみ。」(河内)と復活の兆しを見せたものの次走に予定していた[[京都金杯]]を右[[飛節軟腫|飛節に軟腫]]が認められたため回避し、1年以上に及ぶ長期休養に入ることとなる。
ゴールドは半年の休養を経て秋に復帰、一時は[[菊花賞]]を回避し[[天皇賞(秋)]]へと向かうプランもあったなか、結局菊花賞に参戦となるが成果なく敗退。河内はこの敗戦を「やっぱり距離」と振り返り、以後は中距離路線へと転進することとなった。その初戦となる[[鳴尾記念]]で3着と結果を出し「いい頃の感じに戻ってきた。これからが楽しみ。」(河内)と復活の兆しを見せたものの次走に予定していた[[京都金杯]]を右[[飛節軟腫|飛節に軟腫]]が認められたため回避し、1年以上に及ぶ長期休養に入ることとなる。


当初は[[2003年]]の[[札幌記念]]で復帰予定だったが、僚馬のタキオンが引退に追い込まれた左前浅屈腱炎を発症し、現役を引退した。
当初は[[2003年]]の[[札幌記念]]で復帰予定だったが、僚馬のタキオンが引退に追い込まれた左前浅屈腱炎を発症し、現役を引退した。

2022年3月11日 (金) 22:52時点における版

アグネスゴールド[1]
欧字表記 Agnes Gold[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 1998年4月10日
死没 2021年9月27日(23歳没)
登録日 2000年6月22日
抹消日 2003年8月29日
サンデーサイレンス[1]
エリザベスローズ[1]
母の父 ノーザンテースト[1]
生国 日本の旗 日本北海道千歳市[1]
生産者 社台ファーム[1]
馬主 渡辺孝男[1]
調教師 長浜博之栗東[1]
厩務員 吉田弘行
競走成績
生涯成績 7戦4勝[1]
獲得賞金 1億3410万7000円[1]
勝ち鞍
GII スプリングS 2001年
GIII きさらぎ賞 2001年
テンプレートを表示

アグネスゴールドとは日本競走馬で、日本のほかアメリカブラジルにて繋養されていた種牡馬である。

1998年セレクトセール当歳において8,000万円で取引された。現役当時は長浜厩舎の僚馬アグネスタキオンとともに2001年クラシックロードを歩み、きさらぎ賞スプリングステークスと2つの重賞を優勝している。

競走馬時代

僚馬アグネスタキオン(以下タキオン)が新馬勝ちを飾った翌日アグネスゴールド(以下ゴールド)も新馬戦を勝ち、2頭揃ってデビュー戦を勝ち上がる。明け3歳初戦の若駒ステークスを「イマイチの内容」(河内洋)ながら制し2連勝となったゴールドはきさらぎ賞へと駒を進める。

管理調教師長浜博之はきさらぎ賞当時「ゴールドが力を発揮できるのはマイル以下かも」と話し、きさらぎ賞優勝時にも皐月賞でのタキオンとの対決に関し明言を避けるほどゴールドの進路には慎重になっており、両馬の主戦騎手を務めた河内洋も2頭の実力を「甲乙つけがたい」と評した。

続くスプリングステークスではここまで後方からの追い込みで勝ち星を重ねてきた内容から一転し、中団から差す競馬で重賞2連勝。多頭数が予想される本番皐月賞を見据え「後方一気のパターンだけでは心配、前で競馬ができるか」を課題にし挑んだ陣営を安堵させた。

この勝利により長浜はゴールドの皐月賞参戦を明言。また河内がタキオン・ゴールドのどちらを選択するかは「河内に委ねる」とし、皐月賞の焦点は同厩舎・同生産者・同馬主による無敗馬同士の対決となった。しかしその勝利の翌日の3月19日、右前脚の橈骨遠位端骨折が判明しクラシック戦線から離脱。この故障により河内はタキオンへの騎乗が決定、同馬で皐月賞を制覇している。しかし、タキオンもこのレース後に左前浅屈腱炎を発症し日本ダービーへの出走を断念、その後復帰することなく現役を引退した。

ゴールドは半年の休養を経て秋に復帰、一時は菊花賞を回避し天皇賞(秋)へと向かうプランもあったなか、結局菊花賞に参戦となるが成果なく敗退。河内はこの敗戦を「やっぱり距離」と振り返り、以後は中距離路線へと転進することとなった。その初戦となる鳴尾記念で3着と結果を出し「いい頃の感じに戻ってきた。これからが楽しみ。」(河内)と復活の兆しを見せたものの次走に予定していた京都金杯を右飛節に軟腫が認められたため回避し、1年以上に及ぶ長期休養に入ることとなる。

当初は2003年札幌記念で復帰予定だったが、僚馬のタキオンが引退に追い込まれた左前浅屈腱炎を発症し、現役を引退した。

競走成績

以下の内容は、netkeiba.com[2]およびJBISサーチ[3]の情報に基づく。

年月日 競馬場 競走名 頭数 オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量 距離(馬場) タイム
(上り3F)
タイム
勝ち馬/(2着馬)
2000 12. 3 阪神 新馬 11 2.7 (2人) 1着 河内洋 54 芝1600m(良) 1:37.2 (33.9) -0.1 (エアセンス)
2001 1. 22 京都 若駒S OP 9 2.0 (1人) 1着 河内洋 55 芝2000m(良) 2:02.6 (34.7) -0.1 (ダイイチダンヒル)
2. 11 京都 きさらぎ賞 GIII 12 1.9 (1人) 1着 河内洋 55 芝1800m(良) 1:47.9 (34.4) -0.1 ダンツフレーム
3. 18 中山 スプリングS GII 16 1.4 (1人) 1着 河内洋 56 芝1800m(良) 1:50.1 (35.2) -0.1 シンコウカリド
9. 23 阪神 神戸新聞杯 GII 12 7.1 (4人) 8着 河内洋 56 芝2000m(良) 2:00.3 (34.5) 0.8 エアエミネム
10. 21 京都 菊花賞 GI 15 9.8 (5人) 8着 河内洋 57 芝3000m(良) 3:08.1 (34.9) 0.9 マンハッタンカフェ
12. 9 阪神 鳴尾記念 GIII 13 3.4 (2人) 3着 河内洋 56 芝2000m(良) 1:59.9 (35.2) 0.1 メイショウオウドウ

種牡馬時代

2004年シーズンよりレックススタッドにて種牡馬となり62頭に種付けを行った。

2005年にファーストクロップとなる産駒が誕生しその後32頭が血統登録された。この年は35頭に種付けを行った。

2007年アメリカフロリダ州のラムホールサウスに移動した。初供用年の種付料は5000ドル(当時約60万円)。7月に荒尾競馬場で行われたレースで産駒のケイウンショウリが勝利し、これが地方競馬中央競馬通じての産駒初勝利となった。

2008年1月6日に中山競馬場で行われた3歳未勝利戦をコスモザガリアが制し、産駒が中央競馬で初勝利を挙げた。6月5日兵庫ダービーバンバンバンクが勝利、地方・中央通じて産駒の重賞初制覇となった。

2008年にブラジルへ輸出。2012年にこの地での初年度産駒からブラジル重賞勝ち馬を送り出し、2013年には産駒によるG1制覇を成し遂げる。

2019-2020シーズンはマイスキーボニータがリオデジャネイロ牝馬二冠馬に、2020-2021シーズンはジャネールモネイが無敗でリオデジャネイロ牝馬三冠馬となった[4]。また、2020-2021シーズンにはオリンピッククレムリンがブラジルダービーと呼ばれるクルセイ・ド・スル賞を勝利した。

2020年、生殖能力を喪失したことにより種牡馬を引退[5]。功労馬として繋養先のブラジルで余生を送っていたが翌2021年、骨折が原因で9月27日に死亡した[6]

主な産駒

  • 2009年産
    • アントネラベイビー / Antonella Baby(ブラジルの旗エンリケ・ポッソーロ大賞、伯G2カルロス・テレス&カルロス・ジルベルト・ダ・ロチャ・ファリア大賞、伯G3ジョアオ・アデマール&ネルソン・デ・アルメイダ・プラド大賞)
    • アビジャン / Abidjan(ブラジルの旗ゼリア・ゴンザガ・ペイショト・デ・カストロ大賞
    • エネルジアフリビー / Energia Fribby(ブラジルの旗ディアナ大賞、伯G2カルロス・テレス&カルロス・ジルベルト・ダ・ロチャ・ファリア大賞、伯G3ジョアオ・アデマール&ネルソン・デ・アルメイダ・プラド大賞)
    • エネルジアエレガンテ / Energia Elegante(伯G2フランシスコ・ヴィエラ・デ・ポーラ・マチャド大賞、伯G3ルイス・フェルナンド・シルネ・リマ大賞)
  • 2014年産
    • サイレンスイズゴールド / Silence Is Gold(ブラジルの旗マルガリーダ・ポラク・ララ大賞
  • 2015年産
    • エヴェア / Hevea(ブラジルの旗OSAF大賞
  • 2016年産
  • 2017年産
    • オンラレアル / Honra Real(ウルグアイの旗モンテビデオ市大賞
    • ジャネールモネイ / Janelle Monae(リオデジャネイロ牝馬三冠[注釈 1]
    • クーロエカミーチャ / Culo E Camicia(ブラジルの旗フランシスコ・エドゥアルド・デ・ポーラ・マチャド大賞[8]
    • オリンピッククレムリン / Olympic Kremlin(ブラジルの旗クルセイ・ド・スル賞
    • ネパール / Nepal(伯G2ジュリオ・カプア)
  • 2018年産
    • オルフェネグロ / Orfeu Negro(ブラジルの旗ブラジルジョッキークラブ大賞ブラジルの旗イピランガ大賞
    • オリンピックラスパルマス / Olympic Las Palmas(ブラジルの旗ピラシカーバ男爵大賞
    • オンライン / Online(伯G3フレデリーコ・ラングレン)
    • ラルヴィエール / La Louviere(伯G3マリアーノ・プロコピオ)

太字はG1競走

エピソード

  • アグネスゴールド、アグネスタキオン両方を管理する長浜調教師は、スプリングステークス後「河内騎手はゴールド、タキオンどちらに乗ってくれるのか・・どっちにも乗らないとか」とジョークをとばし報道陣を爆笑させた。
  • 全兄のフサイチゼノンもアメリカで種牡馬となっている。日本生産馬が兄弟揃ってアメリカで種牡馬となっているのはめずらしいケースである。

血統表

アグネスゴールド血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系/ヘイロー系
[§ 2]

* サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
父の父
Halo
1969 黒鹿毛
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
父の母
Wishing Well
1975 鹿毛
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss

エリザベスローズ
1989 栗毛
* ノーザンテースト
Northen Taste
1971 栗毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Lady Victoria Victoria Park
Lady Angela
母の母
* ノーベンバーローズ
November Rose
1982 黒鹿毛
Caro * フォルティノ
Chambord
Jedina What a Pleasure
Killaloe
母系(F-No.) ノーベンバーローズ系(FN:16-a) [§ 3]
5代内の近親交配 Almahmoud 4×5=9.38%
Lady Angela 5・4(母内)=9.38%
[§ 4]
出典
  1. ^ [9][10]
  2. ^ [11][10]
  3. ^ [9][10]
  4. ^ [9][10]

参考文献

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n アグネスゴールド”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年8月20日閲覧。
  2. ^ アグネスゴールドの競走成績”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2019年8月20日閲覧。
  3. ^ アグネスゴールド 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年8月20日閲覧。
  4. ^ 【海外競馬】アグネスゴールド産駒ジャネールモネイがV、同産駒が2年連続でブラジルのリオ牝馬二冠/ディアナ大賞 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2021年3月16日閲覧。
  5. ^ Agnes Gold deslumbra en Sudamérica, donde encontró su segunda oportunidad”. 2021年3月18日閲覧。
  6. ^ アグネスゴールド23歳で死す ブラジルで多くのG1馬を輩出 河内師「いろいろな思い出がある」」『スポーツニッポン』2021年9月28日。2021年9月28日閲覧。
  7. ^ ブラジル産アグネスゴールド産駒が米G1初制覇」『日刊スポーツ』2020年10月6日。2020年10月10日閲覧。
  8. ^ 【海外競馬】アグネスゴールド産駒、牡牝ともブラジル・リオ三冠の二冠目を制覇/フランシスコ・エドゥアルド・デ・ポーラ・マチャド大賞”. netkeiba.com. 2021年3月18日閲覧。
  9. ^ a b c 血統情報:5代血統表|アグネスゴールド|JBISサーチ(JBIS-Search)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年2月17日閲覧。
  10. ^ a b c d アグネスゴールドの血統表”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2021年2月17日閲覧。
  11. ^ アグネスゴールドの種牡馬情報”. 競馬ラボ. 2021年10月31日閲覧。

注釈

  1. ^ 伯G1エンリケ・ポッソーロ大賞、伯G1ディアナ大賞、伯G1ゼリア・ゴンザガ・ペイショト・ディ・カストロ大賞 の3つのG1を無敗で勝利した。

外部リンク