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「バイタルサイン」の版間の差分

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{{Infobox diagnostic
{{出典の明記|date=2019年3月}}
| name = バイタルサイン
'''バイタルサイン'''(vital signs)は、'''生命兆候'''という意味の医学・医療用語である。
| image = File:Maquet Flow-I anesthesia machine.jpg|thumb|
| alt =
| caption = [[血圧|血圧]]や[[心拍数|心拍数]]を含む複数のバイタルパラメータの[[生体情報モニタ|モニタリング]]システムを統合した[[麻酔器|麻酔器]]
| purpose = 人の一般的な身体的健康状態を評価する
| pronounce =
| synonyms =
| reference_range =
| calculator =
| DiseasesDB =
| ICD10 =
| ICD9 =
| ICDO =
| MedlinePlus =
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| MeshID =
| OPS301 =
| LOINC =
}}


'''バイタルサイン'''('''バイタル'''とも呼ばれる)は、体の生命維持(生命を支える)機能の状態を示す最も重要な4~6個の[[症状と徴候|医学的徴候]]のグループを指す。これらの測定は、ヒトの一般的な身体的健康状態を評価し、考えられる疾病の手掛かりを得て、容態の状況を示すために行われる<ref name=":3" />。ヒトのバイタルサインの正常範囲は、年齢、体重、[[性 (生物学)|性別]]、全体的な[[健康|健康]]状態によって異なる<ref>{{Cite web |url=http://prohealthsys.com/site/resources/assessment/physical-assessment/vital-signs/vital_signs_table/ |title=Vital Signs Table - ProHealthSys |date=3 July 2013 |access-date=2024-12-02}}</ref>。
日本の医療従事者の間では、(特に現場で)バイタルサインのことを「バイタル」と略して呼ぶことがある。


'''主要なバイタルサイン'''は4つある:{{仮リンク|体温|en|body temperature|redirect=1|label=体温}}、[[血圧|血圧]]、[[脈拍|脈拍]](または[[心拍数|心拍数]])、[[呼吸数|呼吸数]]で、それぞれBT、BP、PR(HR)、RRと略記される。ただし、臨床状況によっては、「第5のバイタルサイン」や「第6のバイタルサイン」と呼ばれる他の測定値も含まれることがある。
== 概要 ==
「vital signs バイタルサイン」は医学・医療用語であり、「vital バイタル」は「生きている」、「sign サイン」は「兆候」という意味で、つまり人間が生きている状態であるということを示す兆候(=生命兆候)を意味する<ref name="nanzando_medidic">『南山堂 医学大辞典』第17版【バイタルサイン】</ref>。


== 主要なバイタルサイン ==
英語では[[複数形]]で「vital sign<u>s</u>」とされるように、兆候はいくつもある。人間が生きている場合には次のような兆候がある<ref name="nanzando_medidic" />。
ほとんどの医療現場で標準とされている主要なバイタルサインは4つある:<ref>{{Cite web | title = Vital Signs | publisher = Cleveland Clinic | url = https://my.clevelandclinic.org/health/articles/10881-vital-signs | access-date = 10 Sep 2020}}</ref>
* [[心臓]]が[[拍動]]し<ref name="nanzando_medidic" />
* [[血圧]]が一定値以上に保たれ<ref name="nanzando_medidic" />
* [[息]]([[呼吸]])をし<ref name="nanzando_medidic" />
* [[体温]]を維持し<ref name="nanzando_medidic" />
* [[排尿]]・排便し<ref name="nanzando_medidic" />
* [[意識レベル|意識状態]]に応じて反応し<ref name="nanzando_medidic" />
* [[脳波]]が特定パターンを示す<ref name="nanzando_medidic" />


# {{仮リンク|体温|en|Human body temperature|redirect=1|label=体温}}
=== 測定 ===
# [[心拍数|心拍数]]または[[脈拍|脈拍]]
{{独自研究|date=2019年3月|section=1}}
# [[呼吸数|呼吸数]]
;4つのバイタルサイン
# [[血圧|血圧]]
:「バイタルサインの[[測定]]」と言う場合は<ref name="nanzando_medidic" />、通常、それらの兆候の中から[[血圧]]・[[脈拍]]・[[呼吸数|呼吸速度]]・[[体温]]</u>の測定を行っている<ref name="nanzando_medidic" />。そしてそれらを[[数値]]で表す。
;第5、第6のバイタルサイン
:測定する時には基本的には上記の4つの兆候が選ばれることが一般的なわけであるが、加えて他の兆候も併用されることがあり、それらは「fifth vital sign(第5のバイタルサイン)」や「sixth vital sign(第6のバイタルサイン)」などと呼ばれている。
:第5、第6のバイタルサインとしては、[[瞳孔]]の反射を診ることも行われ、[[腎不全|尿量]]を含める場合もある。最近では、[[パルスオキシメーター]]による動脈血酸素飽和度(SpO<sub>2</sub>)の測定値も含めることがある。


必要な機器は[[温度計|体温計]]、[[血圧計|血圧計]]、そして[[時計]]である<ref>{{Cite web |date=2022-06-14 |title=Vital Signs (Body Temperature, Pulse Rate, Respiration Rate, Blood Pressure) |url=https://www.hopkinsmedicine.org/health/conditions-and-diseases/vital-signs-body-temperature-pulse-rate-respiration-rate-blood-pressure |access-date=2023-11-06 |website=www.hopkinsmedicine.org |language=en}}</ref>。 脈拍は手で測定できるが、医療従事者が患者の[[心尖拍動]]を測定するには[[聴診器|聴診器]]が必要な場合がある<ref>{{Cite web |title=Apical Pulse: What It Is and How to Take It |url=https://my.clevelandclinic.org/health/articles/23346-apical-pulse |access-date=2023-11-06 |website=Cleveland Clinic |language=en}}</ref>。
[[救急医療]]の現場では、バイタルサインとして[[意識レベル]](意識スケール)も重要視している。先ず疾病者等の意識をアセスメント(確認)して「意識レベル」の判定を行う。簡略に判定する場合は、アセスメントは3段階で行う<ref name="knowledge_nurse">[https://knowledge.nurse-senka.jp/204052/#%E7%B0%A1%E7%95%A5%E7%9A%84%E3%81%AA%E3%81%BF%E3%81%8B%E3%81%9F_3STEP]</ref>。STEP1 - まず「○○さん、わかりますか~?」などと'''声がけ'''して、声に反応があるか観察する<ref name="knowledge_nurse" />。もし行き倒れた人や身元不明者などで名前が分からない場合は、名前抜きで「大丈夫ですか~?」などと適当に声がけして観察する<ref name="knowledge_nurse" />。このSTEP1で反応が無かったらSTEP2に進み、'''肩を'''手のひらでパタパタなどと'''叩き'''つつ「○○さーん、起きてくださーい!」と'''大きな声で叫んで'''反応を観察する(ただ耳が遠いだけ、という人もいるため)<ref name="knowledge_nurse" />。STEP2でも反応が無かったらSTEP3に進み、腕の皮膚などを'''つねり'''、反応を観察する<ref name="knowledge_nurse" />。


=== 体温 ===
;測定に用いる機器
{{Main|体温|{{仮リンク|ヒトの体温|en|Human body temperature|redirect=1}}|{{仮リンク|体温調節|en|Thermoregulation|redirect=1}}}}
:基本の4つは、[[体温計]]・[[血圧計]]・[[腕時計]]の3つがあれば測定できる。脈拍は基本的には手指で測定できるが、あまりに弱い場合は[[聴診器]]が必要となる。
[[ファイル:2023 Elektroniczny termometr lekarski.jpg|サムネイル|電子体温計]]
:病院内でバイタルサインをモニタリング(継続的に測定・記録)する場合には、英語で「[[:en:Monitoring (medicine)|medical monitor]]」や「[[:en:anaesthetic machine|anaesthetic machine]]」と呼ばれ、日本語では「[[生体情報モニタ|バイタルサインモニタ]]」「[[生体情報モニタ]]」「ベッドサイドモニタ」「臨床モニタ」などと呼ばれる装置が使われている。
{{仮リンク|体温測定|en|Temperature examination|redirect=1|label=体温を測定}}すると、{{仮リンク|核心温|en|core temperature|redirect=1|label=核心温(体の中心部の温度)}}の指標が得られる。核心温は厳密に制御されているが({{仮リンク|体温調節|en|thermoregulation|redirect=1|label=体温調節}})、これはは生体内の化学反応の速度への影響が大きいためである。体温は、体が産生する熱と失う熱のバランスによって維持される<ref name=":3">{{Cite web |title=Vital Signs: How to Check My Vitals at Home |url=https://my.clevelandclinic.org/health/articles/10881-vital-signs |access-date=2023-11-06 |website=Cleveland Clinic |language=en}}</ref>。


体温は、個人の正常体温の測定部位別、測定条件別のベースラインを確立するために記録される。

体温は口腔内、直腸、[[腋窩]]、耳、または皮膚から測定できる。口腔、直腸、腋窩の体温はガラス製または電子体温計で測定できる<ref name=":0">{{Cite web |url=https://www.hopkinsmedicine.org/health/conditions-and-diseases/vital-signs-body-temperature-pulse-rate-respiration-rate-blood-pressure |title=Vital Signs (Body Temperature, Pulse Rate, Respiration Rate, Blood Pressure) |website=www.hopkinsmedicine.org |language=en |access-date=2019-08-30}}</ref>。 直腸温は口腔温より約0.5℃高く、腋窩温は口腔温より約0.5℃低いことに注意する<ref name=":1" />。 耳と皮膚の体温測定には、これらの部位から温度を測定するように設計された特別な機器が必要である<ref name=":0" />。

{{Convert|37|°C|°F|abbr=on}}が「正常」体温とされているが、個人差がある。ほとんどのヒトの正常体温のは{{Convert|36.0|to|37.5|C|F}}の範囲内にある<ref name=":2">{{Cite book|title=DeGowin's diagnostic examination|last1=LeBlond|first1=Richard F.|last2=Brown|first2=Donald D.|last3=Suneja|first3=Manish|last4=Szot|first4=Joseph F.|isbn=9780071814478|edition=10th|location=New York|publisher=[[マグロウヒル・エデュケーション|McGraw-Hill Education]]|oclc=876336892|date=2014-09-05}}</ref>。

体温をチェックする主な理由は、[[発熱|発熱]]がある場合の全身感染や炎症の兆候を探ることである。発熱とは{{Convert|37.8|°C|°F|abbr=on}}以上の体温と考えられている<ref name=":2" />。 体温上昇の他の原因には[[熱中症|熱中症]]があり、これは制御されていない熱産生や体の熱交換メカニズムの異常によって起こる<ref name=":2" />。

体温低下([[低体温症|低体温症]])も評価する必要がある。低体温症は{{Convert|35|°C|°F|abbr=on}}未満の体温と分類される<ref name=":1" />。

また、時間経過による患者の体温の傾向を確認することも推奨される。38℃の発熱は、患者の以前の体温がそれより高かった場合、必ずしも不吉な兆候を示すものではない。

===脈拍===
{{Main|脈拍|心拍数}}
[[File:Pulse_(Wrist).png|リンク=https://en-two.iwiki.icu/wiki/File:Pulse_(Wrist).png|サムネイル|[[橈骨動脈]]触知による[[脈拍]]測定]]
脈拍は、心臓が動脈に血液を送り出す際の拍動数で、1分間あたりの拍動数(beats per minute: bpm)として記録される<ref name=":0" />。 心拍数とも呼ばれることがあるが、心拍数は心臓の単位時間あたりの拍動数で、心拍数の提供に加えて、脈拍は強さと明らかなリズムの異常についても評価すべきである<ref name=":0" />。 脈拍は一般的に手首([[橈骨動脈]])で測定される。他の測定部位には、肘({{仮リンク|上腕動脈|en|brachial artery|redirect=1|label=上腕動脈}})、首({{仮リンク|頸動脈|en|carotid artery|redirect=1|label=頸動脈}})、膝の裏({{仮リンク|膝窩動脈|en|popliteal artery|redirect=1|label=膝窩動脈}})、または足({{仮リンク|足背動脈|en|Dorsalis pedis artery|redirect=1|label=足背動脈}}や{{仮リンク|後脛骨動脈|en|Posterior tibial artery|redirect=1|label=後脛骨動脈}})がある<ref name=":0" />。 脈拍は上記の部位で人差し指と中指を使って、しっかりと、しかし優しく圧迫して測定し、60秒間に感じる拍動数を数える(または30秒間数えて2倍する)<ref name=":0" />。 脈拍数は[[聴診器]]を使って{{仮リンク|心臓の拍動|en|Cardiac cycle|redirect=1|label=心拍}}を直接聴くことでも測定できる。脈拍は運動、体力レベル、病気、感情、薬物によって変動することがある<ref name=":0" />。

脈拍は年齢によっても変動する。[[赤ちゃん|新生児]]の心拍数は100~160bpm、[[赤ちゃん|乳児]](0~5か月)は90~150bpm、[[幼児|幼児]](6~12か月)は80~140bpmとなることがある<ref name=":1">{{Cite web |date=2019-07-23 |title=Normal Vital Signs: Normal Vital Signs, Normal Heart Rate, Normal Respiratory Rate |url=https://emedicine.medscape.com/article/2172054-overview#a2 |access-date=2024-12-02 |publisher=[[Medscape]]}}</ref>。 1~3歳の子どもの心拍数は80~130bpm、3~5歳の子どもは80~120bpm、より年長の子ども(6~10歳)は70~110bpm、[[青年期|思春期]](11~14歳)は60~105bpmとなることがある<ref name=":1" />。 成人(15歳以上)の心拍数は60~100bpmとなることがある<ref name=":1" />。

===呼吸数===
{{Main|呼吸数}}

平均呼吸数は年齢によって異なるが、18歳から65歳のヒトの正常範囲は1分間に16~20回である<ref name="RCP2012">{{Cite book |author=National Early Warning Score Development and Implementation Group (NEWSDIG) |title=National Early Warning Score (NEWS): standardising the assessment of acute-illness severity in the NHS |date=2012 |publisher=Royal College of Physicians |location=London |isbn=978-1-86016-471-2}}</ref>。 呼吸数の潜在的な呼吸機能障害の指標としての価値は研究されてきたが、研究結果はその価値が限定的であることを示唆している。呼吸の主な機能はCO<sub>2</sub>を除去して循環血中に重炭酸塩基を残すことであるため、呼吸数は[[アシドーシス]]の明確な指標となる。

===血圧===
{{Main|血圧|動脈ライン}}
[[File:Sphygmomanometer.jpg|リンク=https://en-two.iwiki.icu/wiki/File:Sphygmomanometer.jpg|サムネイル|血圧を測定するための[[マンシェット (血圧計)|マンシェット]]と[[聴診器]]]]
血圧は2つの値として記録される。すなわち、心臓の最大収縮時に生じる高い{{仮リンク|収縮期|en|Systole (medicine)|redirect=1|label=収縮期}}圧と、より低い{{仮リンク|拡張期|en|diastolic|redirect=1|label=拡張期}}圧である<ref name=":0" />。 成人の正常血圧はおよそ120/80で、120が収縮期血圧、80が拡張期血圧を示す<ref name=":1" />。 収縮期圧と拡張期圧の差を{{仮リンク|脈圧|en|pulse pressure|redirect=1|label=脈圧}}という。

これらの圧の測定は現在通常[[圧力測定#Aneroid|アネロイド]]式または電子式の[[血圧計|血圧計]]で行われる。古典的な測定装置は[[水銀|水銀]]血圧計である。アメリカとイギリスでは一般的に水銀ミリメートル単位が使用されるが、[[国際単位系|SI単位]]の圧力単位が使用されるところもある。血圧は一般的には、[[上腕動脈]]で測定される。血圧は四肢の他の部分でも測定される。これらの圧は{{仮リンク|分節血圧|en|segmental blood pressure|redirect=1|label=分節血圧}}と呼ばれ、{{仮リンク|肢|en|Limb (anatomy)|redirect=1|label=肢}}の血管閉塞や{{仮リンク|動脈閉塞|en|arterial occlusion|redirect=1|label=動脈閉塞}}を評価するために使用される({{仮リンク|足首上腕指数|en|Ankle brachial pressure index|redirect=1|label=足首上腕指数}}を参照)。

== その他の徴候 ==
アメリカでは、上記の4つに加えて、多くの医療従事者は政府の法により、患者の[[身長]]、[[体重]]、[[ボディマス指数|ボディマス指数]]を記録することが要求または推奨されている<ref>{{Cite web |url=http://www.healthit.gov/providers-professionals/achieve-meaningful-use/core-measures/record-vital-signs |title=What should I include when I record vital signs of my patients for MU? - Providers & Professionals - HealthIT.gov |access-date=2014-08-24 |archive-date=2018-03-25 |archive-url=https://web.archive.org/web/20180325142200/https://www.healthit.gov/providers-professionals/achieve-meaningful-use/core-measures/record-vital-signs |url-status=dead}}</ref>。 従来のバイタルサインとは対照的に、これらの測定値は変化する速度が遅いため、急性の状態変化の評価には有用ではない。しかし、長期の病気や慢性的な健康問題の影響を評価するのには有用である。

バイタルサインの定義は評価される状況によっても異なることがある。特に[[救急救命士|救急救命士]](EMT)は、病院外の環境では呼吸、脈拍、皮膚、[[瞳孔|瞳孔]]、血圧を「5つのバイタルサイン」として測定するよう教育されている<ref>Emergency Care, 11th edition, pp. 226–244.</ref>。

=== 第5のバイタルサイン ===
「第5のバイタルサイン」は、以下のの異なるパラメータを指すことがある。

* [[痛み|痛み]]は、[[アメリカ合衆国退役軍人省|米国退役軍人省]]などの一部の組織では標準的な第5のバイタルサインとみなされている<ref>{{Cite web |url=http://www.va.gov/painmanagement/docs/toolkit.pdf |title=Pain as the 5Th Vital Sign Toolkit |access-date=2024-12-05 |date=2000-10 |publisher=[[アメリカ合衆国退役軍人省]] |format=pdf}}</ref>。 痛みは患者の主観的な報告に基づいて0~10の{{仮リンク|痛みスケール|en|pain scale|redirect=1}}で測定され、信頼性が低い場合がある<ref>{{Cite journal|last1=Lorenz|first1=Karl A.|last2=Sherbourne|first2=Cathy D.|last3=Shugarman|first3=Lisa R.|last4=Rubenstein|first4=Lisa V.|last5=Wen|first5=Li|last6=Cohen|first6=Angela|last7=Goebel|first7=Joy R.|last8=Hagenmeier|first8=Emily|last9=Simon|first9=Barbara|date=1 May 2009|title=How Reliable is Pain as the Fifth Vital Sign?|journal=J Am Board Fam Med|volume=22|issue=3|pages=291–298|doi=10.3122/jabfm.2009.03.080162|pmid=19429735|first10=Andy|last10=Lanto|first11=Steven M.|last11=Asch|doi-access=free}}</ref>。 痛みを定期的に記録しても治療方法が変わらない可能性があることを示す研究もある<ref>{{Cite journal|url=http://www.aafp.org/afp/2006/1015/p1417a.html|title=Tips From Other Journals - American Family Physician|journal=American Family Physician |date=15 October 2006 |volume=74 |issue=8 |pages=1417–1418 |last1=Wellbery |first1=Caroline }}</ref><ref>{{Cite journal | pmc = 1924634 | pmid=16808744 | doi=10.1111/j.1525-1497.2006.00415.x | volume=21 | issue=6 | title=Measuring pain as the 5th vital sign does not improve quality of pain management | year=2006 | journal=J Gen Intern Med | pages=607–12 |vauthors=Mularski RA, White-Chu F, Overbay D, Miller L, Asch SM, Ganzini L }}</ref><ref>{{Cite web| url=http://www.pain-initiative-un.org/doc-center/en/docs/The%20Fifth%20Vital%20Sign%20Implementation.pdf | access-date=2023-12-24 | title=The Fifth Vital Sign: Implementation of the Neonatal Infant Pain Scale | archive-url=https://web.archive.org/web/20120526120744/http://www.pain-initiative-un.org/doc-center/en/docs/The%20Fifth%20Vital%20Sign%20Implementation.pdf| archive-date=2012-05-26}}</ref>。

* [[月経周期|月経周期]]<ref>{{Cite journal |author=American College of Obstetricians and Gynecologists. |title=Menstruation in girls and adolescents: using the menstrual cycle as a vital sign. Committee Opinion No. 651 |journal=Obstet Gynecol |volume=126 |pages=143–6 |year=2015 }}</ref><ref>{{Cite journal |publisher=American Academy of Pediatrics, Committee on Adolescence, American College of Obstetricians and Gynecologists, Committee on Adolescent Health Care. |title=Menstruation in Girls and Adolescents: Using the Menstrual Cycle as a Vital Sign |journal=Pediatrics |volume=118 |issue=5 |year=2006 }}</ref>
* [[酸素飽和度|酸素飽和度]]([[パルスオキシメトリー|パルスオキシメトリ]]による測定)<ref>{{Cite journal |author1=Mower W|author2=Myers G| author3= Nicklin E| author4=Kearin K|author5=Baraff L|author6=Sachs C |title=Pulse oximetry as a fifth vital sign in emergency geriatric assessment |journal=Acad Emerg Med |volume=5 |issue=9 |pages=858–65 |year=1998 |pmid=9754497 |doi=10.1111/j.1553-2712.1998.tb02813.x|doi-access=free }}</ref><ref>{{Cite journal |author1=Mower W|author2=Sachs C|author3=Nicklin E|author4=Baraff L |title=Pulse oximetry as a fifth pediatric vital sign |journal=Pediatrics |volume=99 |issue=5 |pages=681–6 |year=1997 |pmid=9113944 |doi=10.1542/peds.99.5.681|citeseerx=10.1.1.575.2200 }}</ref><ref>{{Cite journal |author=Neff T |title=Routine oximetry. A fifth vital sign? |journal=Chest |volume=94 |issue=2 |pages=227 |year=1988 |pmid=3396392 |doi=10.1378/chest.94.2.227a|doi-access=free }}</ref>
* [[血糖値|血糖値]]<ref>{{Cite web|url=http://www2.hull.ac.uk/pgmi2/phd-scholarships-2016/mining-vital-signs.aspx|title=Mining Vital Signs from Wearable Healthcare Device via Nonlinear Machine Learning|publisher=University of Hull|access-date=2016-05-14|archive-date=2016-08-17|archive-url=https://web.archive.org/web/20160817005338/http://www2.hull.ac.uk/pgmi2/phd-scholarships-2016/mining-vital-signs.aspx|url-status=dead}}</ref>

=== 第6のバイタルサイン ===
標準的な「第6のバイタルサイン」は存在せず、その使用は第5のバイタルサインよりも、より非公式で分野に依存している。

* 呼気終末[[二酸化炭素|{{CO2}}]]<ref>{{Cite journal |author1=Vardi A|author2=Levin I|author3=Paret G|author4=Barzilay, Z |title=The sixth vital sign: end-tidal CO<sub>2</sub> in pediatric trauma patients during transport |journal=Harefuah |volume=139 |issue=3–4 |pages=85–7, 168 |year=2000 |pmid=10979461}}</ref><ref name="ncbi.nlm.nih.gov">{{Cite journal |pmid=16374268 | volume=59 | issue=4 | title=Manual vital signs reliably predict need for life-saving interventions in trauma patients | year=2005 | journal=J Trauma | pages=821–8; discussion 828–9 |vauthors=Holcomb JB, Salinas J, McManus JM, Miller CC, Cooke WH, Convertino VA | doi=10.1097/01.ta.0000188125.44129.7c}}</ref>

* 機能状態<ref>{{Cite journal |author=Bierman A |title=Functional Status: The Sixth Vital Sign |journal=J Gen Intern Med |volume=16 |issue=11 |pages=785–6 |year=2001 |pmc=1495293 |pmid=11722694 |doi=10.1111/j.1525-1497.2001.10918.x}}</ref>
* [[呼吸困難|息切れ]]<ref>{{Cite web |url=http://www.guideline.gov/summary/summary.aspx?ss=15&doc_id=7008&nbr=4217#s21 |title=Nursing care of dyspnea: the 6th vital sign in individuals with chronic obstructive pulmonary disease (COPD). |publisher=National Guideline Clearinghouse |access-date=2009-01-16 |archive-url=https://web.archive.org/web/20090117040751/http://www.guideline.gov/summary/summary.aspx?ss=15&doc_id=7008&nbr=4217#s21 |archive-date=2009-01-17 |url-status=dead }}</ref>
* 歩行速度<ref>{{Cite journal |vauthors=Studenski S, Perera S, Wallace D, etal |title=Physical performance measures in the clinical setting |journal=J Am Geriatr Soc |volume= 51 |issue=9 |pages=314–322 |year=2003 |doi=10.1046/j.1532-5415.2003.51104.x |pmid=12588574|s2cid=31083716 |url=http://www.jhsph.edu/research/centers-and-institutes/roger-c-lipitz-center-for-integrated-health-care/Pra_PraPlus/studenski_et_al.pdf }}</ref>
* せん妄<ref>{{Cite journal|url=https://www.jamda.com/article/S1525-8610(08)00072-8/abstract|title=Delirium as the Sixth Vital Sign|first1=Giuseppe|last1=Bellelli|first2=Marco|last2=Trabucchi|date=May 1, 2008|journal=Journal of the American Medical Directors Association|volume=9|issue=4|pages=279; author reply 279–80|via=www.jamda.com|doi=10.1016/j.jamda.2007.08.014|pmid=18457806}}</ref>

== 年齢による変動 ==
{|class="wikitable"
|+ [[基準値|基準値]]の血圧範囲
|-
!rowspan=2| 段階 !!rowspan=2| おおよその年齢 !!colspan=2| 収縮期 !!colspan=2| 拡張期
|-
! 範囲 || 典型例 || 範囲 || 典型例
|-
! 乳児
| 1~12か月 || 75-100<ref name=ucla>[http://hr.uclahealth.org/workfiles/AgeSpecificSLM-Peds.pdf PEDIATRIC AGE SPECIFIC] {{Webarchive|url=https://web.archive.org/web/20170516204947/http://hr.uclahealth.org/workfiles/AgeSpecificSLM-Peds.pdf |date=2017-05-16 }}, page 6. Revised 6/10. By Theresa Kirkpatrick and Kateri Tobias. UCLA Health System</ref> || 85 || 50–70<ref name=ucla/> || 60
|-
! 幼児
| 1~4歳 || 80-110<ref name=ucla/> || 95 || 50–80<ref name=ucla/> || 65
|-
! 就学前児
| 3~5歳 || 80-110<ref name=ucla/> || 95 || 50–80<ref name=ucla/> || 65
|-
! 学童期
| 6~13歳 || 85-120<ref name=ucla/> || 100 || 55–80<ref name=ucla/> || 65
|-
! 思春期
| 13~18歳 || 95-140<ref name=ucla/> || 115 || 60–90<ref name=ucla/> || 75
|}

子どもと乳児は、以下の表に示すように成人より速い呼吸数と心拍数を持つ:
{|class="wikitable" style="text-align:center"
!rowspan=2| 年齢
!colspan=2|正常心拍数<br />(毎分の拍動数)
!colspan=2|正常呼吸数<br />(毎分の呼吸数)
|-
! 範囲<ref>''Emergency Care'', Page 214</ref> || 典型例 || 範囲<ref>''Emergency Care'', Page 215</ref> || 典型例
|-
!新生児
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==モニタリング==
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== ギャラリー ==
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== 参考文献 ==
* 『南山堂 医学大辞典』


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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== 関連項目 ==
* [[心拍数]]
* [[血圧]]
* [[心電図]]
* [[呼吸数]]
* [[体温]]
* [[意識レベル]]

== 関連文献 ==
== 関連文献 ==
{{参照方法|section=1|date=2014年9月}}
*バイタルサインモニタ入門 [[久保田博南]] 秀潤社 ISBN 4879622222
*バイタルサインモニタ入門 [[久保田博南]] 秀潤社 ISBN 4879622222
*バイタルサイン収集論 [[久保田博南]] 真興交易(株)医書出版部 ISBN 4880037680
*バイタルサイン収集論 [[久保田博南]] 真興交易(株)医書出版部 ISBN 4880037680
*バイタルサインからの臨床診断 改訂版 入江聰五郎 羊土社
*バイタルサインからの臨床診断 改訂版 入江聰五郎 羊土社


==関連項目==
* [[意識レベル]]
*{{仮リンク|生体遠隔測定|en|Biotelemetry|redirect=1|label=生体遠隔測定}}
*[[診療録|診療記録]]
*{{仮リンク|遠隔患者モニタリング|en|Remote patient monitoring|redirect=1|label=遠隔患者モニタリング}}
==外部リンク==
==外部リンク==
*[http://www.md.shinshu-u.ac.jp/SUMIS/network/document/OSCE-vitalsign.pdf 信州大学医学部OSCE 全身状態の観察とバイタルサインの測定]
*[http://www.md.shinshu-u.ac.jp/SUMIS/network/document/OSCE-vitalsign.pdf 信州大学医学部OSCE 全身状態の観察とバイタルサインの測定]


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2024年12月25日 (水) 06:31時点における版

バイタルサイン
医学的診断
血圧心拍数を含む複数のバイタルパラメータのモニタリングシステムを統合した麻酔器
目的 人の一般的な身体的健康状態を評価する

バイタルサインバイタルとも呼ばれる)は、体の生命維持(生命を支える)機能の状態を示す最も重要な4~6個の医学的徴候のグループを指す。これらの測定は、ヒトの一般的な身体的健康状態を評価し、考えられる疾病の手掛かりを得て、容態の状況を示すために行われる[1]。ヒトのバイタルサインの正常範囲は、年齢、体重、性別、全体的な健康状態によって異なる[2]

主要なバイタルサインは4つある:体温血圧脈拍(または心拍数)、呼吸数で、それぞれBT、BP、PR(HR)、RRと略記される。ただし、臨床状況によっては、「第5のバイタルサイン」や「第6のバイタルサイン」と呼ばれる他の測定値も含まれることがある。

主要なバイタルサイン

ほとんどの医療現場で標準とされている主要なバイタルサインは4つある:[3]

  1. 体温
  2. 心拍数または脈拍
  3. 呼吸数
  4. 血圧

必要な機器は体温計血圧計、そして時計である[4]。 脈拍は手で測定できるが、医療従事者が患者の心尖拍動を測定するには聴診器が必要な場合がある[5]

体温

電子体温計

体温を測定英語版すると、核心温(体の中心部の温度)英語版の指標が得られる。核心温は厳密に制御されているが(体温調節英語版)、これはは生体内の化学反応の速度への影響が大きいためである。体温は、体が産生する熱と失う熱のバランスによって維持される[1]

体温は、個人の正常体温の測定部位別、測定条件別のベースラインを確立するために記録される。

体温は口腔内、直腸、腋窩、耳、または皮膚から測定できる。口腔、直腸、腋窩の体温はガラス製または電子体温計で測定できる[6]。 直腸温は口腔温より約0.5℃高く、腋窩温は口腔温より約0.5℃低いことに注意する[7]。 耳と皮膚の体温測定には、これらの部位から温度を測定するように設計された特別な機器が必要である[6]

37 °C (99 °F)が「正常」体温とされているが、個人差がある。ほとんどのヒトの正常体温のは36.0 - 37.5 °C (96.8 - 99.5 °F)の範囲内にある[8]

体温をチェックする主な理由は、発熱がある場合の全身感染や炎症の兆候を探ることである。発熱とは37.8 °C (100.0 °F)以上の体温と考えられている[8]。 体温上昇の他の原因には熱中症があり、これは制御されていない熱産生や体の熱交換メカニズムの異常によって起こる[8]

体温低下(低体温症)も評価する必要がある。低体温症は35 °C (95 °F)未満の体温と分類される[7]

また、時間経過による患者の体温の傾向を確認することも推奨される。38℃の発熱は、患者の以前の体温がそれより高かった場合、必ずしも不吉な兆候を示すものではない。

脈拍

橈骨動脈触知による脈拍測定

脈拍は、心臓が動脈に血液を送り出す際の拍動数で、1分間あたりの拍動数(beats per minute: bpm)として記録される[6]。 心拍数とも呼ばれることがあるが、心拍数は心臓の単位時間あたりの拍動数で、心拍数の提供に加えて、脈拍は強さと明らかなリズムの異常についても評価すべきである[6]。 脈拍は一般的に手首(橈骨動脈)で測定される。他の測定部位には、肘(上腕動脈英語版)、首(頸動脈英語版)、膝の裏(膝窩動脈英語版)、または足(足背動脈英語版後脛骨動脈英語版)がある[6]。 脈拍は上記の部位で人差し指と中指を使って、しっかりと、しかし優しく圧迫して測定し、60秒間に感じる拍動数を数える(または30秒間数えて2倍する)[6]。 脈拍数は聴診器を使って心拍英語版を直接聴くことでも測定できる。脈拍は運動、体力レベル、病気、感情、薬物によって変動することがある[6]

脈拍は年齢によっても変動する。新生児の心拍数は100~160bpm、乳児(0~5か月)は90~150bpm、幼児(6~12か月)は80~140bpmとなることがある[7]。 1~3歳の子どもの心拍数は80~130bpm、3~5歳の子どもは80~120bpm、より年長の子ども(6~10歳)は70~110bpm、思春期(11~14歳)は60~105bpmとなることがある[7]。 成人(15歳以上)の心拍数は60~100bpmとなることがある[7]

呼吸数

平均呼吸数は年齢によって異なるが、18歳から65歳のヒトの正常範囲は1分間に16~20回である[9]。 呼吸数の潜在的な呼吸機能障害の指標としての価値は研究されてきたが、研究結果はその価値が限定的であることを示唆している。呼吸の主な機能はCO2を除去して循環血中に重炭酸塩基を残すことであるため、呼吸数はアシドーシスの明確な指標となる。

血圧

血圧を測定するためのマンシェット聴診器

血圧は2つの値として記録される。すなわち、心臓の最大収縮時に生じる高い収縮期英語版圧と、より低い拡張期英語版圧である[6]。 成人の正常血圧はおよそ120/80で、120が収縮期血圧、80が拡張期血圧を示す[7]。 収縮期圧と拡張期圧の差を脈圧英語版という。

これらの圧の測定は現在通常アネロイド式または電子式の血圧計で行われる。古典的な測定装置は水銀血圧計である。アメリカとイギリスでは一般的に水銀ミリメートル単位が使用されるが、SI単位の圧力単位が使用されるところもある。血圧は一般的には、上腕動脈で測定される。血圧は四肢の他の部分でも測定される。これらの圧は分節血圧英語版と呼ばれ、英語版の血管閉塞や動脈閉塞英語版を評価するために使用される(足首上腕指数英語版を参照)。

その他の徴候

アメリカでは、上記の4つに加えて、多くの医療従事者は政府の法により、患者の身長体重ボディマス指数を記録することが要求または推奨されている[10]。 従来のバイタルサインとは対照的に、これらの測定値は変化する速度が遅いため、急性の状態変化の評価には有用ではない。しかし、長期の病気や慢性的な健康問題の影響を評価するのには有用である。

バイタルサインの定義は評価される状況によっても異なることがある。特に救急救命士(EMT)は、病院外の環境では呼吸、脈拍、皮膚、瞳孔、血圧を「5つのバイタルサイン」として測定するよう教育されている[11]

第5のバイタルサイン

「第5のバイタルサイン」は、以下のの異なるパラメータを指すことがある。

  • 痛みは、米国退役軍人省などの一部の組織では標準的な第5のバイタルサインとみなされている[12]。 痛みは患者の主観的な報告に基づいて0~10の痛みスケール英語版で測定され、信頼性が低い場合がある[13]。 痛みを定期的に記録しても治療方法が変わらない可能性があることを示す研究もある[14][15][16]

第6のバイタルサイン

標準的な「第6のバイタルサイン」は存在せず、その使用は第5のバイタルサインよりも、より非公式で分野に依存している。

年齢による変動

基準値の血圧範囲
段階 おおよその年齢 収縮期 拡張期
範囲 典型例 範囲 典型例
乳児 1~12か月 75-100[29] 85 50–70[29] 60
幼児 1~4歳 80-110[29] 95 50–80[29] 65
就学前児 3~5歳 80-110[29] 95 50–80[29] 65
学童期 6~13歳 85-120[29] 100 55–80[29] 65
思春期 13~18歳 95-140[29] 115 60–90[29] 75

子どもと乳児は、以下の表に示すように成人より速い呼吸数と心拍数を持つ:

年齢 正常心拍数
(毎分の拍動数)
正常呼吸数
(毎分の呼吸数)
範囲[30] 典型例 範囲[31] 典型例
新生児 100–160[32] 130 30–50 40
0~5か月 90–150 120 25–40 30
6~12か月 80–140 110 20–30 25
1~3歳 80–130 105 20–30 25
3~5歳 80–120 100 20–30 25
6~10歳 70–110 90 15–30 20
11~14歳 60–105 80 12–20 16
15~20歳 60–100 80 12–30[33] 20

モニタリング

バイタルパラメータのモニタリングには、通常少なくとも血圧心拍数が含まれ、できればパルスオキシメトリ呼吸数も含める。関連するバイタルパラメータを同時に測定・表示するマルチモーダルモニターは、通常集中治療室のベッドサイドモニターや手術室麻酔器に統合されている。これらにより患者の継続的なモニタリングが可能となり、医療スタッフは患者の全体的な状態の変化について継続的に情報を得ることができる。

モニタリングは従来、看護師や医師によって行われてきたが、消費者自身が使用できる機器を開発している企業もいくつかある。これにはCherish Health、Scanadu、Azoiなどがある。

早期警戒スコア

早期警戒スコアは、個々のバイタルサインの値を単一のスコアに組み合わせたものとして提案されている。これは、バイタルサインの悪化が心停止集中治療室への入室に先行することが多いという認識に基づいている。適切に使用された場合、迅速対応チーム英語版は悪化している患者を評価・治療し、有害な転帰を阻止できる[9][34][35]

ギャラリー


脚注

  1. ^ a b Vital Signs: How to Check My Vitals at Home” (英語). Cleveland Clinic. 2023年11月6日閲覧。
  2. ^ Vital Signs Table - ProHealthSys” (3 July 2013). 2024年12月2日閲覧。
  3. ^ Vital Signs”. Cleveland Clinic. 10 Sep 2020閲覧。
  4. ^ Vital Signs (Body Temperature, Pulse Rate, Respiration Rate, Blood Pressure)” (英語). www.hopkinsmedicine.org (2022年6月14日). 2023年11月6日閲覧。
  5. ^ Apical Pulse: What It Is and How to Take It” (英語). Cleveland Clinic. 2023年11月6日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h Vital Signs (Body Temperature, Pulse Rate, Respiration Rate, Blood Pressure)” (英語). www.hopkinsmedicine.org. 2019年8月30日閲覧。
  7. ^ a b c d e f Normal Vital Signs: Normal Vital Signs, Normal Heart Rate, Normal Respiratory Rate”. Medscape (2019年7月23日). 2024年12月2日閲覧。
  8. ^ a b c LeBlond, Richard F.; Brown, Donald D.; Suneja, Manish; Szot, Joseph F. (2014-09-05). DeGowin's diagnostic examination (10th ed.). New York: McGraw-Hill Education. ISBN 9780071814478. OCLC 876336892 
  9. ^ a b National Early Warning Score Development and Implementation Group (NEWSDIG) (2012). National Early Warning Score (NEWS): standardising the assessment of acute-illness severity in the NHS. London: Royal College of Physicians. ISBN 978-1-86016-471-2 
  10. ^ What should I include when I record vital signs of my patients for MU? - Providers & Professionals - HealthIT.gov”. 2018年3月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年8月24日閲覧。
  11. ^ Emergency Care, 11th edition, pp. 226–244.
  12. ^ Pain as the 5Th Vital Sign Toolkit” (pdf). アメリカ合衆国退役軍人省 (2000年10月). 2024年12月5日閲覧。
  13. ^ Lorenz, Karl A.; Sherbourne, Cathy D.; Shugarman, Lisa R.; Rubenstein, Lisa V.; Wen, Li; Cohen, Angela; Goebel, Joy R.; Hagenmeier, Emily et al. (1 May 2009). “How Reliable is Pain as the Fifth Vital Sign?”. J Am Board Fam Med 22 (3): 291–298. doi:10.3122/jabfm.2009.03.080162. PMID 19429735. 
  14. ^ Wellbery, Caroline (15 October 2006). “Tips From Other Journals - American Family Physician”. American Family Physician 74 (8): 1417–1418. http://www.aafp.org/afp/2006/1015/p1417a.html. 
  15. ^ “Measuring pain as the 5th vital sign does not improve quality of pain management”. J Gen Intern Med 21 (6): 607–12. (2006). doi:10.1111/j.1525-1497.2006.00415.x. PMC 1924634. PMID 16808744. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1924634/. 
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  20. ^ Mower W; Sachs C; Nicklin E; Baraff L (1997). “Pulse oximetry as a fifth pediatric vital sign”. Pediatrics 99 (5): 681–6. doi:10.1542/peds.99.5.681. PMID 9113944. 
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  28. ^ Bellelli, Giuseppe; Trabucchi, Marco (May 1, 2008). “Delirium as the Sixth Vital Sign”. Journal of the American Medical Directors Association 9 (4): 279; author reply 279–80. doi:10.1016/j.jamda.2007.08.014. PMID 18457806. https://www.jamda.com/article/S1525-8610(08)00072-8/abstract. 
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  31. ^ Emergency Care, Page 215
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  33. ^ Normal Vital Signs: Normal Vital Signs, Normal Heart Rate, Normal Respiratory Rate” (2019年7月23日). 2024年12月25日閲覧。
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関連文献

関連項目

外部リンク