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「JASRAC賞」の版間の差分

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等を総合的に集計した結果が含まれるのが大きな特徴。一方でJASRAC管理下の楽曲のみが対象となるため、[[NexTone]]等他の著作権管理事業者に信託されている楽曲は受賞対象に含まれないほか、複数社に支分権の委託を分散させている場合もJASRACの管理分のみが対象となる(なお、NexToneは別途[[NexTone Award]]を主催している)。
等を総合的に集計した結果が含まれるのが大きな特徴。一方でJASRAC管理下の楽曲のみが対象となるため、[[NexTone]]等他の著作権管理事業者に信託されている楽曲は受賞対象に含まれないほか、複数社に支分権の委託を分散させている場合もJASRACの管理分のみが対象となる(なお、NexToneは別途[[NexTone Award]]を主催している)。


そのため、他の音楽賞と比較して、過去の受賞曲にはテレビ[[アニメ]]や映画の[[バックグラウンドミュージック|BGM]]([[サウンドトラック]])、[[コマーシャルソング|CMソング]]に使用された楽曲等が多い傾向がある。特に国際賞・外国作品賞にその傾向が顕著で、国際賞は[[1988年]]の創設以後受賞曲が全てBGM曲となっているほか、外国作品賞では[[マツダ]]のCMソングに起用された<ref>[http://www.cdjournal.com/main/research/-/324 マツダ/「Zoom-Zoom-Zoom」]、CDジャーナルリサーチ、2002年4月25日掲載。</ref>「ZOOM ZOOM ZOOM」<ref>元は、[[1993年]]制作のアメリカ映画『[[オンリー・ザ・ストロング]]』の[[サウンドトラック]]に収録された曲。</ref> が2003年度から2008年度にかけて6連覇を達成している。
そのため、他の音楽賞と比較して、過去の受賞曲にはテレビ[[アニメ]]や映画の[[背景音楽|BGM]]([[サウンドトラック]])、[[コマーシャルソング|CMソング]]に使用された楽曲等が多い傾向がある。特に国際賞・外国作品賞にその傾向が顕著で、国際賞は[[1988年]]の創設以後受賞曲が全てBGM曲となっているほか、外国作品賞では[[マツダ]]のCMソングに起用された<ref>[http://www.cdjournal.com/main/research/-/324 マツダ/「Zoom-Zoom-Zoom」]、CDジャーナルリサーチ、2002年4月25日掲載。</ref>「ZOOM ZOOM ZOOM」<ref>元は、[[1993年]]制作のアメリカ映画『[[オンリー・ザ・ストロング]]』の[[サウンドトラック]]に収録された曲。</ref> が2003年度から2008年度にかけて6連覇を達成している。


国内使用・金賞の受賞曲は、1980年代においてはカラオケでの使用料の多い[[演歌]]<ref name="nikki831113">「演歌支えるカラオケブーム(賞の消息)」『[[日本経済新聞]]』1983年11月13日付朝刊、24頁。</ref><ref>「浪花節だよ、首座は 昨年、国内の著作権使用料分配額 JASRAC賞決定」『[[朝日新聞]]』1986年5月6日付東京夕刊、13頁。</ref><ref>「音楽著作権使用料 国内1位は『命くれない』3曲にJASRAC賞」『朝日新聞』1988年5月24日付東京夕刊、13頁。</ref> が大部分を占めた。1982年の創設から1990年(1989年度)まで、演歌以外の作品が受賞したのは1987年(1986年度)の「恋におちて」のみである<ref>「演歌は死んだのか レコード会社は前向き」『日本経済新聞』1991年3月9日付朝刊、39頁。</ref>。
国内使用・金賞の受賞曲は、1980年代においてはカラオケでの使用料の多い[[演歌]]<ref name="nikki831113">「演歌支えるカラオケブーム(賞の消息)」『[[日本経済新聞]]』1983年11月13日付朝刊、24頁。</ref><ref>「浪花節だよ、首座は 昨年、国内の著作権使用料分配額 JASRAC賞決定」『[[朝日新聞]]』1986年5月6日付東京夕刊、13頁。</ref><ref>「音楽著作権使用料 国内1位は『命くれない』3曲にJASRAC賞」『朝日新聞』1988年5月24日付東京夕刊、13頁。</ref> が大部分を占めた。1982年の創設から1990年(1989年度)まで、演歌以外の作品が受賞したのは1987年(1986年度)の「恋におちて」のみである<ref>「演歌は死んだのか レコード会社は前向き」『日本経済新聞』1991年3月9日付朝刊、39頁。</ref>。

2021年11月23日 (火) 09:38時点における版

JASRAC賞(ジャスラックしょう)は、日本音楽著作権協会(JASRAC)が主催する音楽に関する賞1982年創設。

概要

JASRACに著作権管理を信託している楽曲の中で、前年度の著作権使用料分配額が多い楽曲に対して与えられる。そのため、他の音楽賞の多くが特定の利用形態における人気のみを示すのに対し、

等を総合的に集計した結果が含まれるのが大きな特徴。一方でJASRAC管理下の楽曲のみが対象となるため、NexTone等他の著作権管理事業者に信託されている楽曲は受賞対象に含まれないほか、複数社に支分権の委託を分散させている場合もJASRACの管理分のみが対象となる(なお、NexToneは別途NexTone Awardを主催している)。

そのため、他の音楽賞と比較して、過去の受賞曲にはテレビアニメや映画のBGMサウンドトラック)、CMソングに使用された楽曲等が多い傾向がある。特に国際賞・外国作品賞にその傾向が顕著で、国際賞は1988年の創設以後受賞曲が全てBGM曲となっているほか、外国作品賞ではマツダのCMソングに起用された[1]「ZOOM ZOOM ZOOM」[2] が2003年度から2008年度にかけて6連覇を達成している。

国内使用・金賞の受賞曲は、1980年代においてはカラオケでの使用料の多い演歌[3][4][5] が大部分を占めた。1982年の創設から1990年(1989年度)まで、演歌以外の作品が受賞したのは1987年(1986年度)の「恋におちて」のみである[6]

部門

賞はいくつかの部門賞に分かれており、2008年現在は以下の賞で構成されている。なお表彰対象となるのは、原則として当該楽曲の作詞者・作曲者・音楽出版者の3者。

金・銀・銅賞
当該年度の著作権使用料分配額で1-3位に入った国内作品の楽曲にそれぞれ与えられる。この賞のみ「受賞曲の普及に尽くした」との理由でレコード会社も表彰対象となる。金賞受賞者には「飛天」の像が贈られる。
国際賞
外国からの入金による分配額が最も多かった国内作品に与えられる。
外国作品賞
著作権使用料分配額が最も多かった外国作品に与えられる。
歴代の受賞作品には、外国人の作曲作品に日本人が歌詞をつけた作品(Rising Sunなど)や、外国の音楽出版者が権利を保有する日本人の作曲作品(HIKARI)が含まれる。

歴史

  • 1982年 創設。当初は「国内使用」「外国使用」の2部門制。
  • 1984年は開催されなかった。
  • 1988年 現在の「金・銀・銅賞」「国際賞」「外国作品賞」の部門賞制に移行する。

受賞曲

()内は対象となった年度。

1980年代

1982年
1983年(1982年7月〜1983年6月[3]
1985年(1984年度)
1986年(1985年度)
1987年(1986年度)
1988年(1987年度)
1989年(1988年度)
  • 金賞 命くれない(作詞:吉岡治、作曲:北原じゅん)
  • 銀賞 乾杯(作詞・作曲:長渕剛
  • 銅賞 無錫旅情(作詞・作曲:中山大三郎
  • 国際賞 UFOロボ グレンダイザー BGM(作曲:菊池俊輔)
  • 外国作品賞 SHOW ME(作詞:A.CABRERA / B.KHOZOURI / A.MORAN / A.TRIPOLI / 森浩美、作曲:A.CABRERA / B.KHOZOURI / A.MORAN / A.TRIPOLI)

1990年代

1990年(1989年度)
1991年(1990年度)
1992年(1991年度)
1993年(1992年度)
1994年(1993年度)
1995年(1994年度)
1996年(1995年度)
1997年(1996年度)
1998年(1997年度)
1999年(1998年度)

2000年代

2000年(1999年度)
  • 金賞 Automatic(作詞・作曲:宇多田ヒカル)
  • 銀賞 time will tell(作詞・作曲:宇多田ヒカル)
  • 銅賞 だんご3兄弟(作詞:佐藤雅彦 / 内野真澄、作曲:内野真澄 / 堀江由朗
  • 国際賞 美少女戦士セーラームーン BGM(作曲:有澤孝紀)
  • 外国作品賞 ALL YOU NEED IS LOVE(作詞・作曲:ジョン・レノン / ポール・マッカートニー)
2001年(2000年度)
2002年(2001年度)
2003年(2002年度)
  • 金賞 千と千尋の神隠し BGM(作曲:久石譲)
  • 銀賞 traveling(作詞・作曲:宇多田ヒカル)
  • 銅賞 亜麻色の髪の乙女(作詞:橋本淳、作曲:すぎやまこういち)
  • 国際賞 ポケットモンスター BGM(作曲:宮崎慎二)
  • 外国作品賞 HIKARI(作詞・作曲:宇多田ヒカル)
2004年(2003年度)
2005年(2004年度)
2006年(2005年度)
  • 金賞 (作詞・作曲:ORANGE RANGE
  • 銀賞 さくら(作詞・作曲:吉田大蔵 / 田中亮 / 河野健太 / 大塚亮二
  • 銅賞 世界に一つだけの花(作詞・作曲:槇原敬之)
  • 国際賞 ポケットモンスター BGM(作曲:宮崎慎二)
  • 外国作品賞 ZOOM ZOOM ZOOM(作詞・作曲:JOAO CARLOS ROSMAN)
2007年(2006年度)
2008年(2007年度)
2009年(2008年度)

2010年代

2010年(2009年度)
  • 金賞 キセキ(作詞・作曲:GReeeeN
  • 銀賞 Ti Amo(作詞:松尾潔、作曲:松尾潔 / JIN NAKAMURA
  • 銅賞 残酷な天使のテーゼ(作詞:及川眠子、作曲:佐藤英敏)
  • 国際賞 ドラえもん BGM(作曲:菊池俊輔)
  • 外国作品賞 ALL YOU NEED IS LOVE(作詞・作曲:ジョン・レノン / ポール・マッカートニー)
2011年(2010年度)
2012年(2011年度)
JASRAC賞30回記念特別表彰(1982年度〜2011年度)
  • 金賞 世界に一つだけの花(作詞・作曲:槇原敬之)
  • 銀賞 居酒屋(作詞:阿久悠、作曲:大野克夫)
  • 銅賞 ふたりの大阪(作詞:吉岡治、作曲:市川昭介)
2013年(2012年度)
2014年(2013年度)
  • 金賞 女々しくて(作詞・作曲:鬼龍院翔
  • 銀賞 ヘビーローテーション(作詞:秋元康、作曲:山崎燿
  • 銅賞 Time goes by(作詞・作曲:五十嵐充)
  • 国際賞 NARUTO -ナルト- 疾風伝 BGM(作曲:高梨康治)
  • 外国作品賞 ヘイ・ジュード(作詞・作曲:レノン=マッカートニー)
2015年(2014年度)
2016年(2015年度)
  • 金賞 R.Y.U.S.E.I.(作詞:STY、作曲:STY・Maozon)
  • 銀賞 恋するフォーチュンクッキー(作詞:秋元康、作曲:伊藤心太郎)
  • 銅賞 (作詞・作曲:中島みゆき
  • 国際賞 キテレツ大百科 BGM(作曲:菊池俊輔)
  • 外国作品賞 "LET IT GO" from the DISNEY film "FROZEN"(作詞・作曲:クリステン・アンダーソン=ロペス、ロバート・ロペス)
2017年(2016年度)
  • 金賞 糸(作詞・作曲:中島みゆき)
  • 銀賞 名探偵コナン BGM(作曲:大野克夫)
  • 銅賞 ドラゴンクエスト序曲(作曲:すぎやまこういち)
  • 国際賞 FAIRY TAIL BGM(作曲:高梨康治)
  • 外国作品賞 DAYDREAM BELIEVER(作詞・作曲:ジョン・スチュワート)
2018年(2017年度)
  • 金賞 (作詞・作曲:星野源
  • 銀賞 ドラゴンクエスト序曲(作曲:すぎやまこういち)
  • 銅賞 UFO(作詞:阿久悠、作曲:都倉俊一
  • 国際賞 ドラゴンボールZ BGM(作曲:菊池俊輔)
  • 外国作品賞 DAYDREAM BELIEVER(作詞・作曲:ジョン・スチュワート)
2019年(2018年度)
  • 金賞 Hero(作詞・作曲:今井了介)
  • 銀賞 UFO(作詞:阿久悠、作曲:都倉俊一)
  • 銅賞 糸(作詞・作曲:中島みゆき)
  • 国際賞 ドラゴンボールZ BGM(作曲:菊池俊輔)
  • 外国作品賞 Y.M.C.A.

2020年代

2020年(2019年度)
  • 金賞 Lemon(作詞・作曲:米津玄師
  • 銀賞 ドラゴンクエスト序曲(作曲:すぎやまこういち)
  • 銅賞 糸(作詞・作曲:中島みゆき)
  • 国際賞 NARUTO -ナルト- 疾風伝 BGM(作曲:高梨康治)
  • 外国作品賞 U.S.A.
2021年(2020年度)

JASRAC音楽文化賞

JASRAC音楽文化賞(ジャスラック おんがくぶんかしょう)は、売り上げなどの数字には表れない地道な音楽活動をたたえて顕彰する目的で、JASRAC創設75周年を記念して2014年に創設[8]

第1回(2014年)
第2回(2015年)
第3回(2016年)
第4回(2017年)
第5回(2018年)
第6回(2019年)
第7回(2020年)

脚注

  1. ^ マツダ/「Zoom-Zoom-Zoom」、CDジャーナルリサーチ、2002年4月25日掲載。
  2. ^ 元は、1993年制作のアメリカ映画『オンリー・ザ・ストロング』のサウンドトラックに収録された曲。
  3. ^ a b 「演歌支えるカラオケブーム(賞の消息)」『日本経済新聞』1983年11月13日付朝刊、24頁。
  4. ^ 「浪花節だよ、首座は 昨年、国内の著作権使用料分配額 JASRAC賞決定」『朝日新聞』1986年5月6日付東京夕刊、13頁。
  5. ^ 「音楽著作権使用料 国内1位は『命くれない』3曲にJASRAC賞」『朝日新聞』1988年5月24日付東京夕刊、13頁。
  6. ^ 「演歌は死んだのか レコード会社は前向き」『日本経済新聞』1991年3月9日付朝刊、39頁。
  7. ^ 「JOAO」の表記は正しくは「JOÃO」。別名:Kao Rosman。Canção de músico brasileiro é a mais tocada no Japão - Terra - Música、2009年。(ポルトガル語
  8. ^ a b c d 音楽文化研究家の長田暁二氏らに音楽文化賞”. 日刊スポーツ (2015年11月18日). 2015年11月18日閲覧。
  9. ^ a b c 第1回JASRAC音楽文化賞”. JASRAC公式サイトプレスリリース. 2015年11月19日閲覧。
  10. ^ a b c d 第3回JASRAC音楽文化賞 - JASRAC
  11. ^ a b c 第4回JASRAC音楽文化賞 - JASRAC
  12. ^ a b c JASRAC音楽文化賞 音楽文化研究家ら受賞 - 産経新聞・2018年12月18日
  13. ^ a b c 第6回JASRAC音楽文化賞 - JASRAC
  14. ^ a b c 第7回JASRAC音楽文化賞 - JASRAC

関連項目

外部リンク