「心のラヴ・ソング」の版間の差分
m WP:CARMENに基づく内部リンクの変更 |
|||
27行目: | 27行目: | ||
1975年9月から始まった、約1年に渡る「[[:en: Wings Over the World tour|ウイングス・オーヴァー・ザ・ワールド・ツアー]]」の合間の1976年1月から2月にかけて、[[ロンドン]]・[[アビー・ロード・スタジオ]]で行われたレコーディングセッションで録音された。 |
1975年9月から始まった、約1年に渡る「[[:en: Wings Over the World tour|ウイングス・オーヴァー・ザ・ワールド・ツアー]]」の合間の1976年1月から2月にかけて、[[ロンドン]]・[[アビー・ロード・スタジオ]]で行われたレコーディングセッションで録音された。 |
||
評論家の[[:en: Richard Goldstein (writer born 1944)|リチャード・ゴールドスタイン]]に「ポールはバラードしか書けない」と批評された事に対し、ポールが「馬鹿げた(silly)ラヴ・ソングの何が悪い?」と切り返した曲とされる<ref>また一説では、[[ビートルズ]]解散後確執の続いていた[[ジョン・レノン]]の「[[ハウ・ドゥ・ユー・スリープ?]]」([[1971年]])への反論とも言われるが、両曲の発表年は5年も開いており、また「ハウ・ドゥ・ユー・スリープ?」を受けた直後にポールも「サム・ピープル・ネヴァー・ノウ」でやり返していること、当時既にジョンとポールは和解していたことなどから、信憑性は低い。</ref>。独特の[[導入部|イントロ]]は、[[ピンク・フロイド]]の「[[マネー (ピンク・フロイドの曲)|マネー]]」のテープループに触発されたという。日本の幼児番組『[[ひらけ!ポンキッキ]]』では頻繁に[[効果音]]として用いられていた<ref>同番組は他にも[[ビートルズ]]の楽曲から[[ |
評論家の[[:en: Richard Goldstein (writer born 1944)|リチャード・ゴールドスタイン]]に「ポールはバラードしか書けない」と批評された事に対し、ポールが「馬鹿げた(silly)ラヴ・ソングの何が悪い?」と切り返した曲とされる<ref>また一説では、[[ビートルズ]]解散後確執の続いていた[[ジョン・レノン]]の「[[ハウ・ドゥ・ユー・スリープ?]]」([[1971年]])への反論とも言われるが、両曲の発表年は5年も開いており、また「ハウ・ドゥ・ユー・スリープ?」を受けた直後にポールも「サム・ピープル・ネヴァー・ノウ」でやり返していること、当時既にジョンとポールは和解していたことなどから、信憑性は低い。</ref>。独特の[[導入部|イントロ]]は、[[ピンク・フロイド]]の「[[マネー (ピンク・フロイドの曲)|マネー]]」のテープループに触発されたという。日本の幼児番組『[[ひらけ!ポンキッキ]]』では頻繁に[[効果音]]として用いられていた<ref>同番組は他にも[[ビートルズ]]の楽曲から[[背景音楽|BGM]]を多く採り入れており、他楽曲については『[[ひらけ!ポンキッキ#ミニコーナー(スポット)|ひらけ!ポンキッキ]]』を参照。</ref>。また[[対位法]]を巧みに用いた楽曲であり<ref>対位法を用いた楽曲は「[[ヘルプ! (ビートルズの曲)|ヘルプ]]」「[[ハロー・グッドバイ]]」「[[アイヴ・ガッタ・フィーリング]]」等、ビートルズ時代から作られている。</ref>、特に終盤では3つの異なった旋律が同時に歌われている。 |
||
4月1日に[[アメリカ合衆国|アメリカ]]でアルバム『スピード・オブ・サウンド』からのファーストシングルとしてリリースされると、[[ビルボード]]誌では発売翌週の1976年4月10日に第58位で初登場、7週目の5月22日には第1位に到達。翌週から2週にわたり[[ダイアナ・ロス]]の「[[:en: Love Hangover|ラブ・ハングオーバー]]」にその座を譲るものの、6月12日には返り咲き、4週連続第1位、計5週間ランキング第1位を獲得した。またビルボード誌1976年年間ランキングは第1位。これはポールにとって[[ビートルズ]]時代の「[[抱きしめたい (代表的なトピック)|抱きしめたい]]<!-- 「WP:CARMEN」に基づく内部リンクの設定ですので、変更しないでください。 -->」「[[ヘイ・ジュード]]」以来8年ぶり、ソロでは初めての快挙だった。[[キャッシュボックス]]誌では5月29日、6月5日の2週間に渡って第1位を獲得。年間ランキングでは第9位を記録した。[[イギリス]]ではチャート2位を記録した<ref>チャートはイギリスが『[[ミュージック・ウィーク]]』での最高位を示す。</ref>。 |
4月1日に[[アメリカ合衆国|アメリカ]]でアルバム『スピード・オブ・サウンド』からのファーストシングルとしてリリースされると、[[ビルボード]]誌では発売翌週の1976年4月10日に第58位で初登場、7週目の5月22日には第1位に到達。翌週から2週にわたり[[ダイアナ・ロス]]の「[[:en: Love Hangover|ラブ・ハングオーバー]]」にその座を譲るものの、6月12日には返り咲き、4週連続第1位、計5週間ランキング第1位を獲得した。またビルボード誌1976年年間ランキングは第1位。これはポールにとって[[ビートルズ]]時代の「[[抱きしめたい (代表的なトピック)|抱きしめたい]]<!-- 「WP:CARMEN」に基づく内部リンクの設定ですので、変更しないでください。 -->」「[[ヘイ・ジュード]]」以来8年ぶり、ソロでは初めての快挙だった。[[キャッシュボックス]]誌では5月29日、6月5日の2週間に渡って第1位を獲得。年間ランキングでは第9位を記録した。[[イギリス]]ではチャート2位を記録した<ref>チャートはイギリスが『[[ミュージック・ウィーク]]』での最高位を示す。</ref>。 |
2021年11月23日 (火) 09:15時点における版
「心のラヴ・ソング」 | ||||
---|---|---|---|---|
ウイングス の シングル | ||||
初出アルバム『スピード・オブ・サウンド』 | ||||
B面 | クック・オブ・ザ・ハウス | |||
リリース | ||||
規格 | 7インチシングル | |||
録音 | 1976年1月 | |||
ジャンル | ロック | |||
時間 | ||||
レーベル |
キャピトル パーロフォン 東芝EMI | |||
作詞・作曲 |
ポール・マッカートニー リンダ・マッカートニー | |||
プロデュース | ポール・マッカートニー | |||
チャート最高順位 | ||||
| ||||
ウイングス シングル 年表 | ||||
| ||||
「心のラヴ・ソング」(原題:Silly Love Songs)は、1976年にポール・マッカートニー率いるウイングスが発表した楽曲、及び同曲を収録したシングル。ウイングスの5枚目のアルバム『スピード・オブ・サウンド』に収録されている。
解説
1975年9月から始まった、約1年に渡る「ウイングス・オーヴァー・ザ・ワールド・ツアー」の合間の1976年1月から2月にかけて、ロンドン・アビー・ロード・スタジオで行われたレコーディングセッションで録音された。
評論家のリチャード・ゴールドスタインに「ポールはバラードしか書けない」と批評された事に対し、ポールが「馬鹿げた(silly)ラヴ・ソングの何が悪い?」と切り返した曲とされる[2]。独特のイントロは、ピンク・フロイドの「マネー」のテープループに触発されたという。日本の幼児番組『ひらけ!ポンキッキ』では頻繁に効果音として用いられていた[3]。また対位法を巧みに用いた楽曲であり[4]、特に終盤では3つの異なった旋律が同時に歌われている。
4月1日にアメリカでアルバム『スピード・オブ・サウンド』からのファーストシングルとしてリリースされると、ビルボード誌では発売翌週の1976年4月10日に第58位で初登場、7週目の5月22日には第1位に到達。翌週から2週にわたりダイアナ・ロスの「ラブ・ハングオーバー」にその座を譲るものの、6月12日には返り咲き、4週連続第1位、計5週間ランキング第1位を獲得した。またビルボード誌1976年年間ランキングは第1位。これはポールにとってビートルズ時代の「抱きしめたい」「ヘイ・ジュード」以来8年ぶり、ソロでは初めての快挙だった。キャッシュボックス誌では5月29日、6月5日の2週間に渡って第1位を獲得。年間ランキングでは第9位を記録した。イギリスではチャート2位を記録した[5]。
コンピレーション・アルバム『グレイテスト・ヒッツ』『オール・ザ・ベスト』『夢の翼〜ヒッツ&ヒストリー〜』に収録されたほか、『ウィングス・オーヴァー・アメリカ』にライヴ版が、『ヤァ!ブロード・ストリート』には新しく録音されたものが収められた。
B面収録の「クック・オブ・ザ・ハウス」は、リンダ・マッカートニーがリード・ボーカルを担当している。ポールが1975年11月のオーストラリア・ツアーで滞在していた家のキッチンで作ったオールドロックンロール調の曲。曲前後には実際にリンダが肉を焼いたり揚げ物したりなど調理している音が収められている。
収録曲
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
---|---|---|---|
1. | 「心のラヴ・ソング」(Silly Love Songs) |
| |
2. | 「クック・オブ・ザ・ハウス」(Cook Of The House) |
| |
合計時間: |
演奏者
ウイングス
- ポール・マッカートニー - バッキング・ボーカル、メロトロン、ピアノ(#1、2)、リード・ボーカル、ベースギター、パーカッション、ストリングス指揮 (#1)、コントラバス (#2)
- リンダ・マッカートニー - バッキング・ボーカル、タンバリン (#1)、リード・ボーカル (#2)
- デニー・レイン - バッキング・ボーカル (#1、2)、ピアノ (#1)、エレクトリック・ギター (#2)
- ジミー・マカロック - エレクトリック・ギター (#1)
- ジョー・イングリッシュ - ドラムス (#1、2)、パーカッション (#2)
ゲスト
- ハウイー・ケイシー - サクソフォーン
- タデウス・リチャード - サクソフォーン
- スティーブ・ハワード - トランペット
- トニー・ドーシー - トロンボーン (#1、2)、ストリングス・アレンジ (#2)
カヴァー
- 西城秀樹:1976年11月3日の日本武道館での第2回コンサート「ヒデキ・イン・武道館」にてカバー。その模様は『HIDEKI LIVE'76』に収録されている。また、1978年2月14日の日比谷公会堂でのバレンタイン・コンサート・スペシャル「西城秀樹 愛を歌う」でも披露。『バレンタインコンサート・スペシャル/西城秀樹 愛を歌う』に収録されている。
脚注
- ^ 45cat - Wings - Silly Love Songs / Cook Of The House - Parlophone - UK - R 6014
- ^ また一説では、ビートルズ解散後確執の続いていたジョン・レノンの「ハウ・ドゥ・ユー・スリープ?」(1971年)への反論とも言われるが、両曲の発表年は5年も開いており、また「ハウ・ドゥ・ユー・スリープ?」を受けた直後にポールも「サム・ピープル・ネヴァー・ノウ」でやり返していること、当時既にジョンとポールは和解していたことなどから、信憑性は低い。
- ^ 同番組は他にもビートルズの楽曲からBGMを多く採り入れており、他楽曲については『ひらけ!ポンキッキ』を参照。
- ^ 対位法を用いた楽曲は「ヘルプ」「ハロー・グッドバイ」「アイヴ・ガッタ・フィーリング」等、ビートルズ時代から作られている。
- ^ チャートはイギリスが『ミュージック・ウィーク』での最高位を示す。
参考文献
- 『Paul McCartney: Recording Sessions (1969-2013)』 Luca Perasi著 出版社:L.I.L.Y. Publishing 2013年10月 ISBN 978-88-909122-1-4