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導入部

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

導入部(どうにゅうぶ)は、本題・本編・本筋へ入る前の始まり部分をいう[1][2][3][4][5][6]。以下のように、分野ごとに異なる語意をもつ。「導入」ともいう[3][4][5]

  1. 論文講話解説など、物事を論じるものでは、「前書き(まえがき)」「序文(じょぶん)」「序論(じょろん)」「序説(じょせつ)」「イントロダクション[7][8][9]」「イントロ」などともいう。「概論」「概説」「手引き」なども結果的同義の部分がある。
  2. 物語性のある文章小説脚本など)や的表現(漫画アニメなど)や実写映像的表現(実写映画テレビドラマ特撮など)では「前書き(まえがき)」「序章(じょしょう)」「プロローグ」「アバンタイトル」「イントロダクション[8]」などともいう。演劇では特に「序幕(じょまく)」ともいう。
  3. 詩歌では「序言(じょげん)」ともいう。
  4. 音楽では「一つの演奏の前奏部」「一つの演唱曲の前唱部[9]」を指し、「出だし(でだし)」「序奏(じょそう)[1][2]」「イントロダクション[2][7][8][9][10]」「イントロ[10][11]」などともいう。

introduction

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遅くとも14世紀イギリスに「導入部」の意味で初出した英語 "introduction" は[12]、14世紀フランス古フランス語 "introduction" に由来するが、その語源は古典ラテン語の[ intro-(内部へ)+ duco(導く、引っ張る)]に由来する "introduco" の名詞形 "introductio" である[13]。また、"introduction" はして "intro" ともいうが、こちらは1923年に初出している[14][14]

  • 語源学的解説:[ A<B ]は「 AはBから派生、BはAの語源」の意。(" ") 括弧内の斜体文字は英語での対訳語。
en: introduction ("act of bringing into existence" ) 14cME: introduccioun, introduccyon < OF: introduction ("act of bringing into existence" ) 14cla: intrōdūctiōnem ("a leading in" ) < intrōdūctiō ("lead-in, introduction" ) < intrōdūcō + -tiō ("-tion" ) < intrōdūcōintro- ("inwards, to the inside" ) + dūcō ("lead, pull" ) ]

上記の2語は、日本語ではそれぞれに音写した外来語として「イントロダクション」と「イントロ」が広く通用する。つまり、国語辞典などでは「イントロはイントロダクションの略語」と解説されるが、語源学的厳密性を背負えば[ ja: イントロ < イントロダクション < en: introduction ]ではなく、[ ja: イントロダクション < en: introduction ][ ja: イントロ < en: intro ]である。

論説

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論説において、"introduction" は本論の一部をなすものであり、本論の内容についての予備的議論を指す[6]。これに対して "preface" と "foreword" は内容的に本論の一部ではなく、著述全体の成立の背景・意義などを述べ、長いものではないのが通例である[6]。foreword は特に著者以外の人が著者や著述内容について述べるという形を執ることがある[6]

文章

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文章において、冒頭で内容の概略や背景について述べ、読者が内容になじみやすくするために書かれた部分。本記事でいえば、本節の前に置かれた部分である。導入部は「紹介文」「序文」「序説」「プロローグ: prologue)」などとして記載されることもある。

音楽

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の冒頭、メロディの前の部分をいう[10]楽曲の構成において、主題が呈示・展開される部分に先立って、主題を導入・準備する目的で楽章の冒頭などに置かれる部分[2]。序奏[2]。一つの演奏曲の前奏部、一つの演唱曲の前唱部[9]を指す。

「導入」および「導入部」という意味においては、英語でも日本語でもイントロと呼ぶことも多い[要出典]日本語ではイントロのほうが一般的に使われる[要出典]。日本語「イントロ」の初出は不明ながら、1942年(昭和17年)には既に徳川夢声がこの語を使っている。

昭和一七年一一月三日「イントロのキーを間違えて、みんなハッとなる」 ──徳川夢声『夢声戦争日記』

曲のイントロのみを聞いて曲名を当てる「イントロ当てクイズ」または「イントロクイズ」は、日本のTVラジオ番組で定着しているクイズの一種であり、『クイズ・ドレミファドン!』は特によく知られている。

なお、曲名として Introduction または Intro と名付けられたものも多数存在する(Introduction (song) )。

脚注

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出典

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  1. ^ a b 小学館『デジタル大辞泉』. “導入部”. コトバンク. 2020年6月3日閲覧。
  2. ^ a b c d e 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “導入部”. コトバンク. 2020年6月3日閲覧。
  3. ^ a b 小学館『デジタル大辞泉』. “導入”. コトバンク. 2020年6月3日閲覧。第2義。
  4. ^ a b 三省堂『大辞林』第3版. “導入”. コトバンク. 2020年6月3日閲覧。第2義。
  5. ^ a b 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “導入”. コトバンク. 2020年6月3日閲覧。第2義。
  6. ^ a b c d 小学館『プログレッシブ英和中辞典』第4版. “introduction”. コトバンク. 2020年6月3日閲覧。
  7. ^ a b 小学館『デジタル大辞泉』. “イントロダクション”. コトバンク. 2020年6月3日閲覧。
  8. ^ a b c 三省堂『大辞林』第3版. “イントロダクション”. コトバンク. 2020年6月3日閲覧。
  9. ^ a b c d 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “イントロダクション”. コトバンク. 2020年6月3日閲覧。
  10. ^ a b c ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス『音楽用語ダス』. “[introduction-813105 イントロダクション[introduction]]”. コトバンク. 2020年6月3日閲覧。
  11. ^ 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “イントロ”. コトバンク. 2020年6月3日閲覧。
  12. ^ introduction”. 英辞郎 on the WEB. アルク. 2020年6月3日閲覧。
  13. ^ introduction” (English). Online Etymology Dictionary. 2020年6月3日閲覧。
  14. ^ a b intro” (English). Online Etymology Dictionary. 2020年6月3日閲覧。

関連項目

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