「プレアデス星団」の版間の差分

プレヤデス星団, すばる; Pleiades
星座	おうし座
位置; 元期:J2000.0
赤経 (RA, α)	03h 47m 00s
赤緯 (Dec, δ)	+24° 07′ 05″
赤方偏移	0.000018
視線速度 (Rv)	5.41m/s
固有運動 (μ)	赤経: 19.71 ミリ秒/年; 赤緯: -44.82 ミリ秒/年
距離	443光年(約0.136kpc)
他のカタログでの名称
M45, すばる (昴) , ; SEVEN SISTERS, ; Melotte 22
	■Template （■ノート ■解説） ■Project

履歴の双方向閲覧

← 古い編集新しい編集 →

削除された内容追加された内容

ビジュアルウィキテキスト

インライン

2021年11月15日 (月) 09:27時点における版

プレヤデス星団^[3]（プレヤデスせいだん、Pleiades ）は、おうし座の散開星団である。メシエカタログでの名称はM45。和名はすばる^[3]。

冬を中心に秋から春先にかけて観測できる。肉眼でも輝く5–7個の星の集まりを見ることができ、双眼鏡で観測すると数十個の青白い星が集まっているのが見える。比較的近距離にある散開星団であるため狭い範囲に小さな星が密集した特異な景観を呈しており、このため昔から多くの記録に登場し、各民族で星座神話が作られてきた。

1769年にメシエカタログの45番に加えられた。メシエカタログは3回に分けて刊行されたが、M45は1回目のカタログに記載された最後の天体である。

約6千万-1億歳と若い年齢の青白い（高温の）星の集団である。核融合の反応速度が速いため寿命は比較的短いと予想されている。星団を構成する星の周囲に広がるガスが青白く輝いているのは、星々とは元々関係のない星間ガスが星団の光を反射しているためである。

構成

プレヤデス星団を構成する星のうち、以下の主要な明るい星にはギリシア神話のプレイアデス7姉妹、その両親アトラースとプレーイオネーの名が付いている。プレヤデス星団にまつわるギリシア神話の内容については当該項目を参照。

名前	綴り	符号	等級	解説
アルキオネ	Alcyone	25=η	2.87	星団の中では一番明るい。トレミーやアル・スーフィーが記録した4個の星のうちにこの星がないため、当時より増光したとする説がある。
アトラス	Atlas	27	3.63
エレクトラ	Electra	17	3.70
マイア	Maia	20	3.87
メローペ	Merope	23	4.18
タイゲタ	Taygeta	19	4.30
プレイオネ	Pleione	28	5.09 var
HD 23985	-	-	5.23
HD 23753	-	-	5.44
ケラエノ	Celaeno	16	5.46
アステローペI	Asterope I	21	5.76
	-	18	5.65
	-	33	6.05
HD 23950	-	-	6.07
HD 23923	-	-	6.17
HD 24802	-	-	6.19
	-	24	6.29
HD 24368	-	-	6.34
アステローペII	Asterope II	22	6.430

観測

通常の視力の人が好条件のもとで、6 - 7個の星を数えることができる。大変視力が鋭い人が25個もの星を肉眼で見たとする記録が残されている。昔^[いつ?]イギリスのTV放送でアンケートを取ったところ、73%は6 - 8個だったという。ホメーロスは6個、トレミーは7個、アル・スーフィーは5 - 7個、ジョン・ハインドは7個見えたと記している。望遠鏡を使えば飛躍的に星数も増し、ガリレオは36個の星を見ている。

後述する古代中国の星図ではプレヤデスを表す「昴」は7つとされ、日本では六連星（むつらぼし）の名がある。

双眼鏡で美しく見ることができる。望遠鏡で低倍率を超えると星団としてのまとまりは無くなって見えるが、口径10cmの望遠鏡では星団の背後にある散光星雲が見えてくる。23番星を囲む散光星雲は、1859年にテンペルが口径10cmの望遠鏡で発見した。「鏡の上に息をかけたときにできるような、にじんだ光が見える。大きさは約35'×20'で、23番星の南から広がっている。新彗星かと思ったが、次の日にも同じ所に見えていた」と記している。1875年ミラノ天文台のスキャパレリは星雲が23番星から17番星、16番星まで広がっているのを確認した。ウェッブは「口径2インチで見え、11インチでは見えない。大口径では見えないが、時折どうにか見える。しかし、ファインダーではよく見える」としている^[4]。

名称・神話

プレヤデス星団は肉眼でも見ることが出来る明るい星々の集まりであり、様々な文化で人々の興味を引き、聖書や伝説、民話、星座物語に登場し、数々の名称を持つ。

ギリシア神話

→詳細は「プレイアデス」を参照

プレヤデス星団の名前は、ギリシア神話に由来し、巨人アトラースとニンフのプレーイオネーの間に生まれたプレイアデス7人姉妹(アステロペー、メロペー、エーレクトラー、マイア、ターユゲテー、ケライノー、アルキュオネー)を指している。プレイアデスは女神アルテミスに仕えていた。

また、同じくおうし座にあるヒアデス星団のヒュアデスの7姉妹は、アトラースとアイトラーの娘たちであり、プレイアデス姉妹とは異母姉妹の関係である。このため、西欧では「七人の姉妹」あるいは「七人の乙女」の名が通っている。ギリシャでは「ぶどうの房」という名もある。

中国

中国では昴（ぼう）と呼ばれる。星官（中国の星座）としては、17番星、19番星、20番星、21番星、23番星、η星、27番星の7つの星が昴を構成する。

昴を中心とした領域は、天の赤道帯を二十八分に区分した二十八宿の1つの昴宿である。

日本

日本では古来、プレヤデス星団をすばる（昴）と呼んだ。他にも地方によって、「六連星(むつらぼし)」や「羽子板星」などと呼ばれている。その他日本各地で多くの方言が見つかっている。

→「プレヤデス星団の方言」も参照

「すばる（統ばる）」または「すまる（統まる）」という言葉は元来他動詞「すべる（統べる）」に対する自動詞形であり、「統一されている」「一つに集まっている」という意味をもつ。玉飾を糸でひとくくりとしたものを『万葉集』で「須売流玉（すまるのたま）」、『日本紀竟宴和歌』で「儒波窶玉（すばるのたま）」などと呼んだのと同様の用法である。

その後、中国でプレヤデス星団を指す昴宿から「昴」を当てた。

奈良時代に成立したとされる『丹後国風土記』逸文に「其七豎子者（七人の童子）、昴星也。其八豎子者、畢星也」という記述があり、それぞれ隣り合っているプレヤデス星団、アルデバランとヒアデス星団の事と見られる。伊勢神宮皇大神宮摂社の棒原神社には昴に由来するとされる天須婆留女命御魂が御前神と共に祭られている。

日本でプレヤデス星団について言及した最古の記録は、平安時代に醍醐天皇皇女勤子内親王の命で作成された百科事典『和名類聚抄』だと考えられている。この中で、昴星の和名は須波流と記されている。

昴星宿耀経云昴音与卯同和名須波流六星火神也

ほかに、清少納言の著した『枕草子』の一節（第236段）が有名である。

星はすばる。ひこぼし。ゆふづつ。よばひ星、すこしをかし。尾だになからましかば、まいて。
星はすばる、ひこぼし、宵の明星が良い。流れ星も少し趣がある。尾を引かなければもっとよいのだけれど。

｢すばる｣や｢すまる｣という名前を呼ぶ地域の南限は鹿児島県のトカラ列島であり、トカラ列島より南ではブリブシ(群れ星)、ナナツブシ(七つ星)などと呼ばれる^[5]。

ポリネシア

ニュージーランドのマオリは、プレヤデス星団をマタリキ（Matariki 、「小さな目」の意）と呼ぶ。ポリネシア祖語形は *mata liki。海の民にとって、星座の識別は夜の航海に欠かせないものだった。また、マオリの人々は、プレヤデス星団が見えるようになる時期を新年の基準としており、マタリキには新年という意味もある。

ハワイ語では「マカリイ」（Makali'i ）と呼ばれる。1994年にハワイ島で建造された航海カヌーの船名ともなっている。

聖書

ヨブ記38章31節には「あなたはプレヤデスの鎖を結ぶことができるか。オリオンの綱を解くことができるか。」という文章がある。

その他

アラブでは「群衆」や「小さきもの」、フランスでは「雛箱」、ドイツでは「とやについた牝鶏」、イタリアでは「小さな牝鶏」、スペインでは「小さな牝山羊」、イギリスでは「七人の乙女」の他「ひよこと牝鶏」とも呼ばれている。アラビア人はプレヤデス星団を中心に、カシオペヤ座を右手、くじら座の尾部を左手として、両手を開いてこちらにつかみかかってくるような巨大な星列を「プレヤデスの両手」と呼んでいた^[6]。

歴史

ヘーシオドスは夏の間、40日も太陽の後ろ側に隠されることに注目した。プレヤデス星団が、太陽から離れ、初めて暁の東天の地平線に姿を現す天体現象は古代には重要な出来事であるとされた。ガイウス・ユリウス・カエサルは5月の暦にこの日を記した。

プレヤデス星団に由来する事物

→詳細は「地球以外の実在天体を扱った事物#M45プレヤデス星団」を参照

出典

^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h “Result for M45”. 2014年8月30日閲覧。
^ Dave Finley (2014年8月28日). “Radio Telescopes Settle Controversy Over Distance to Pleiades”. アメリカ国立電波天文台. 2014年9月1日閲覧。
^ ^a ^b “メシエ天体ガイド M45”. AstroArts. 2014年8月30日閲覧。
^ 中野繁『新編星雲星団の観測』（第1）恒星社厚生閣、1978年6月15日、253-254頁。ISBN 978-4769900559。
^ 北尾浩一『日本の星名事典』原書房、2018年5月30日、20-21頁。ISBN 978-4-562-05569-2。
^ 原恵『星座の文化史』（第1）玉川大学出版部、1982年7月7日、199頁。ISBN 9784472154720。
^ ^a ^b ^c ^d ^e Roger W. Sinnott (2006/3/30), POCKET SKY ATLAS, Sky and Telescope Media, LLC., p. 巻末A, ISBN 978-1931559317
^ 沼澤茂美; 脇屋奈々代『星座の事典』ナツメ社、2007年、204頁。ISBN 978-4-8163-4364-3。

外部リンク

横浜こども科学館・天文民俗学のページ

座標: 03^h 47^m 24^s, +24° 07′ 00″

[simbad-1] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h “Result for M45”. 2014年8月30日閲覧。

[nrao-2] Dave Finley (2014年8月28日). “Radio Telescopes Settle Controversy Over Distance to Pleiades”. アメリカ国立電波天文台. 2014年9月1日閲覧。

[astro-3] “メシエ天体ガイド M45”. AstroArts. 2014年8月30日閲覧。

[nakano-4] 中野繁『新編星雲星団の観測』（第1）恒星社厚生閣、1978年6月15日、253-254頁。ISBN 978-4769900559。

[5] 北尾浩一『日本の星名事典』原書房、2018年5月30日、20-21頁。ISBN 978-4-562-05569-2。

[hara-6] 原恵『星座の文化史』（第1）玉川大学出版部、1982年7月7日、199頁。ISBN 9784472154720。

[skyatlas-7] Roger W. Sinnott (2006/3/30), POCKET SKY ATLAS, Sky and Telescope Media, LLC., p. 巻末A, ISBN 978-1931559317

[jiten-8] 沼澤茂美; 脇屋奈々代『星座の事典』ナツメ社、2007年、204頁。ISBN 978-4-8163-4364-3。

[1]

[2]

[3]

[4]

[5]

[6]

[7]

[8]

@@ 2行目: / 2行目: @@
 | 色 = 星団
 | 英名 = [[:en:Pleiades|Pleiades]]
-| 和名 = プレアデス星団, すばる
+| 和名 = プレヤデス星団, すばる
 | 星座 = [[おうし座]]
 | 視等級 =
@@ 31行目: / 31行目: @@
 }}
-'''プレアデス星団'''<ref name="astro"/>（プレアデスせいだん、{{en|''Pleiades'' }}）は、[[おうし座]]の[[散開星団]]である。[[メシエカタログ]]での名称は'''M45'''。和名は'''すばる'''<ref name="astro"/>。
+'''プレヤデス星団'''<ref name="astro"/>（プレヤデスせいだん、{{en|''Pleiades'' }}）は、[[おうし座]]の[[散開星団]]である。[[メシエカタログ]]での名称は'''M45'''。和名は'''すばる'''<ref name="astro"/>。
 冬を中心に秋から春先にかけて観測できる。肉眼でも輝く5–7個の星の集まりを見ることができ、[[双眼鏡]]で観測すると数十個の青白い星が集まっているのが見える。比較的近距離にある散開星団であるため狭い範囲に小さな星が密集した特異な景観を呈しており、このため昔から多くの記録に登場し、各民族で星座神話が作られてきた。
@@ 40行目: / 40行目: @@
 == 構成 ==
-[[ファイル:Map of the Pleiades.jpg|thumb|right|240px|プレアデス星団の構成]]
+[[ファイル:Map of the Pleiades.jpg|thumb|right|240px|プレヤデス星団の構成]]
-プレアデス星団を構成する星のうち、以下の主要な明るい星には[[ギリシア神話]]の[[プレイアデス]]7姉妹、その両親[[アトラース]]と[[プレーイオネー]]の名が付いている。プレアデス星団にまつわるギリシア神話の内容については[[#ギリシア神話|当該項目]]を参照。
+プレヤデス星団を構成する星のうち、以下の主要な明るい星には[[ギリシア神話]]の[[プレイアデス]]7姉妹、その両親[[アトラース]]と[[プレーイオネー]]の名が付いている。プレヤデス星団にまつわるギリシア神話の内容については[[#ギリシア神話|当該項目]]を参照。
 {|class="wikitable sortable"
@@ 88行目: / 88行目: @@
 通常の視力の人が好条件のもとで、6 - 7個の星を数えることができる。大変視力が鋭い人が25個もの星を肉眼で見たとする記録が残されている。昔{{いつ|date=2017年10月}}イギリスのTV放送でアンケートを取ったところ、73%は6 - 8個だったという。[[ホメーロス]]は6個、[[クラウディオス・プトレマイオス|トレミー]]は7個、[[アブドゥル・ラフマーン・スーフィー|アル・スーフィー]]は5 - 7個、[[ジョン・ハインド]]は7個見えたと記している。望遠鏡を使えば飛躍的に星数も増し、[[ガリレオ・ガリレイ|ガリレオ]]は36個の星を見ている。
-後述する古代中国の星図ではプレアデスを表す「昴」は7つとされ、日本では六連星（むつらぼし）の名がある。
+後述する古代中国の星図ではプレヤデスを表す「昴」は7つとされ、日本では六連星（むつらぼし）の名がある。
 双眼鏡で美しく見ることができる。望遠鏡で低倍率を超えると星団としてのまとまりは無くなって見えるが、口径10cmの望遠鏡では星団の背後にある[[散光星雲]]が見えてくる。[[おうし座23番星|23番星]]を囲む散光星雲は、[[1859年]]にテンペルが口径10cmの望遠鏡で発見した。「鏡の上に息をかけたときにできるような、にじんだ光が見える。大きさは約35'×20'で、23番星の南から広がっている。新彗星かと思ったが、次の日にも同じ所に見えていた」と記している。[[1875年]]ミラノ天文台のスキャパレリは星雲が23番星から[[おうし座17番星|17番星]]、[[おうし座16番星|16番星]]まで広がっているのを確認した。ウェッブは「口径2インチで見え、11インチでは見えない。大口径では見えないが、時折どうにか見える。しかし、[[ファインダー (望遠鏡)|ファインダー]]ではよく見える」としている{{R|nakano}}。
 == 名称・神話 ==
-[[ファイル:Nebra Scheibe.jpg|thumb|right|240px|紀元前1600年頃の[[ネブラ・ディスク]]。中心から右上の点の集まりがプレアデス星団だと信じられている。]]
+[[ファイル:Nebra Scheibe.jpg|thumb|right|240px|紀元前1600年頃の[[ネブラ・ディスク]]。中心から右上の点の集まりがプレヤデス星団だと信じられている。]]
-プレアデス星団は肉眼でも見ることが出来る明るい星々の集まりであり、様々な文化で人々の興味を引き、聖書や伝説、民話、星座物語に登場し、数々の名称を持つ。
+プレヤデス星団は肉眼でも見ることが出来る明るい星々の集まりであり、様々な文化で人々の興味を引き、聖書や伝説、民話、星座物語に登場し、数々の名称を持つ。
 === ギリシア神話 ===
 {{Main|プレイアデス}}
-プレアデス星団の名前は、[[ギリシア神話]]に由来し、巨人[[アトラース]]と[[ニュンペー|ニンフ]]の[[プレーイオネー]]の間に生まれた[[プレイアデス]]7人姉妹([[ステロペー|アステロペー]]、[[メロペー]]、[[エーレクトラー]]、[[マイア]]、[[ターユゲテー]]、[[ケライノー]]、[[アルキュオネー]])を指している。プレイアデスは女神[[アルテミス]]に仕えていた。
+プレヤデス星団の名前は、[[ギリシア神話]]に由来し、巨人[[アトラース]]と[[ニュンペー|ニンフ]]の[[プレーイオネー]]の間に生まれた[[プレイアデス]]7人姉妹([[ステロペー|アステロペー]]、[[メロペー]]、[[エーレクトラー]]、[[マイア]]、[[ターユゲテー]]、[[ケライノー]]、[[アルキュオネー]])を指している。プレイアデスは女神[[アルテミス]]に仕えていた。
 また、同じくおうし座にある[[ヒアデス星団]]の[[ヒュアデス]]の7姉妹は、アトラースと[[アイトラー]]の娘たちであり、プレイアデス姉妹とは異母姉妹の関係である。このため、西欧では「七人の姉妹」あるいは「七人の乙女」の名が通っている。ギリシャでは「ぶどうの房」という名もある。
@@ 108行目: / 108行目: @@
 === 日本 ===
-[[日本]]では古来、プレアデス星団を'''すばる'''（'''昴'''）と呼んだ。他にも地方によって、「六連星(むつらぼし)」や「羽子板星」などと呼ばれている。その他日本各地で多くの方言が見つかっている。{{seealso|[[星・星座に関する方言#おうし座|プレアデス星団の方言]]}}
+[[日本]]では古来、プレヤデス星団を'''すばる'''（'''昴'''）と呼んだ。他にも地方によって、「六連星(むつらぼし)」や「羽子板星」などと呼ばれている。その他日本各地で多くの方言が見つかっている。{{seealso|[[星・星座に関する方言#おうし座|プレヤデス星団の方言]]}}
 「すばる（統ばる）」または「すまる（統まる）」という言葉は元来他動詞「すべる（統べる）」に対する自動詞形であり、「統一されている」「一つに集まっている」という意味をもつ。玉飾を糸でひとくくりとしたものを『[[万葉集]]』で「須売流玉（すまるのたま）」、『[[日本紀竟宴和歌]]』で「儒波窶玉（すばるのたま）」などと呼んだのと同様の用法である。
-その後、中国でプレアデス星団を指す昴宿から「昴」を当てた。
+その後、中国でプレヤデス星団を指す昴宿から「昴」を当てた。
-[[奈良時代]]に成立したとされる『[[丹後国風土記]]』逸文に「其七豎子者（七人の童子）、'''昴星'''也。其八豎子者、畢星也」という記述があり、それぞれ隣り合っているプレアデス星団、[[アルデバラン]]と[[ヒアデス星団]]の事と見られる。[[伊勢神宮]][[皇大神宮]]摂社の[[棒原神社]]には昴に由来するとされる天須婆留女命御魂が御前神と共に祭られている。
+[[奈良時代]]に成立したとされる『[[丹後国風土記]]』逸文に「其七豎子者（七人の童子）、'''昴星'''也。其八豎子者、畢星也」という記述があり、それぞれ隣り合っているプレヤデス星団、[[アルデバラン]]と[[ヒアデス星団]]の事と見られる。[[伊勢神宮]][[皇大神宮]]摂社の[[棒原神社]]には昴に由来するとされる天須婆留女命御魂が御前神と共に祭られている。
-日本でプレアデス星団について言及した最古の記録は、[[平安時代]]に[[醍醐天皇]]皇女[[勤子内親王]]の命で作成された百科事典『[[和名類聚抄]]』だと考えられている。この中で、昴星の和名は'''須波流'''と記されている。
+日本でプレヤデス星団について言及した最古の記録は、[[平安時代]]に[[醍醐天皇]]皇女[[勤子内親王]]の命で作成された百科事典『[[和名類聚抄]]』だと考えられている。この中で、昴星の和名は'''須波流'''と記されている。
 {{Quotation|
@@ 133行目: / 133行目: @@
 === ポリネシア ===
-[[ニュージーランド]]の[[マオリ]]は、プレアデス星団を[[マタリキ]]（''Matariki'' 、「小さな目」の意）と呼ぶ。[[ポリネシア諸語|ポリネシア祖語]]形は *mata liki。海の民にとって、星座の識別は夜の航海に欠かせないものだった。また、マオリの人々は、プレアデス星団が見えるようになる時期を新年の基準としており、マタリキには新年という意味もある。
+[[ニュージーランド]]の[[マオリ]]は、プレヤデス星団を[[マタリキ]]（''Matariki'' 、「小さな目」の意）と呼ぶ。[[ポリネシア諸語|ポリネシア祖語]]形は *mata liki。海の民にとって、星座の識別は夜の航海に欠かせないものだった。また、マオリの人々は、プレヤデス星団が見えるようになる時期を新年の基準としており、マタリキには新年という意味もある。
 ハワイ語では「マカリイ」（''Makali'i'' ）と呼ばれる。1994年にハワイ島で建造された航海カヌーの船名ともなっている。
 === 聖書 ===
-[[ヨブ記]]38章31節には「あなたはプレアデスの鎖を結ぶことができるか。オリオンの綱を解くことができるか。」という文章がある。
+[[ヨブ記]]38章31節には「あなたはプレヤデスの鎖を結ぶことができるか。オリオンの綱を解くことができるか。」という文章がある。
 === その他 ===
-アラブでは「群衆」や「小さきもの」、フランスでは「雛箱」、ドイツでは「とやについた牝鶏」、イタリアでは「小さな牝鶏」、スペインでは「小さな牝山羊」、イギリスでは「七人の乙女」の他「ひよこと牝鶏」とも呼ばれている。アラビア人はプレアデス星団を中心に、[[カシオペヤ座]]を右手、[[くじら座]]の尾部を左手として、両手を開いてこちらにつかみかかってくるような巨大な星列を「プレアデスの両手」と呼んでいた<ref name="hara"/>。
+アラブでは「群衆」や「小さきもの」、フランスでは「雛箱」、ドイツでは「とやについた牝鶏」、イタリアでは「小さな牝鶏」、スペインでは「小さな牝山羊」、イギリスでは「七人の乙女」の他「ひよこと牝鶏」とも呼ばれている。アラビア人はプレヤデス星団を中心に、[[カシオペヤ座]]を右手、[[くじら座]]の尾部を左手として、両手を開いてこちらにつかみかかってくるような巨大な星列を「プレヤデスの両手」と呼んでいた<ref name="hara"/>。
 == 歴史 ==
-[[ヘーシオドス]]は夏の間、40日も太陽の後ろ側に隠されることに注目した。プレアデス星団が、太陽から離れ、初めて暁の東天の地平線に姿を現す天体現象は古代には重要な出来事であるとされた。[[ガイウス・ユリウス・カエサル]]は5月の暦にこの日を記した。
+[[ヘーシオドス]]は夏の間、40日も太陽の後ろ側に隠されることに注目した。プレヤデス星団が、太陽から離れ、初めて暁の東天の地平線に姿を現す天体現象は古代には重要な出来事であるとされた。[[ガイウス・ユリウス・カエサル]]は5月の暦にこの日を記した。
-== プレアデス星団に由来する事物 ==
+== プレヤデス星団に由来する事物 ==
-{{main|[[地球以外の実在天体を扱った事物#M45プレアデス星団]]<!--各種作品についてはこちらにお願いします-->}}
+{{main|[[地球以外の実在天体を扱った事物#M45プレヤデス星団]]<!--各種作品についてはこちらにお願いします-->}}
 == 関連する星雲 ==
@@ 220行目: / 220行目: @@
 {{メロッテ天体}}
 {{Authority_control}}
-{{デフォルトソート:ふれあてすせいたん}}
+{{デフォルトソート:ふれやてすせいたん}}
-[[Category:プレアデス星団|*]]
+[[Category:プレヤデス星団|*]]
 [[Category:散開星団]]
 [[Category:おうし座]]

表話編歴メロッテ天体
一覧	Mel 1 Mel 2 Mel 3 Mel 4 Mel 5 Mel 6 Mel 7 Mel 8 Mel 9 Mel 10 Mel 11 Mel 12 Mel 13 Mel 14 Mel 15 Mel 16 Mel 17 Mel 18 Mel 19 Mel 20 Mel 21 Mel 22 Mel 23 Mel 24 Mel 25 Mel 26 Mel 27 Mel 28 Mel 29 Mel 30 Mel 31 Mel 32 Mel 33 Mel 34 Mel 35 Mel 36 Mel 37 Mel 38 Mel 39 Mel 40 Mel 41 Mel 42 Mel 43 Mel 44 Mel 45 Mel 46 Mel 47 Mel 48 Mel 49 Mel 50 Mel 51 Mel 52 Mel 53 Mel 54 Mel 55 Mel 56 Mel 57 Mel 58 Mel 59 Mel 60 Mel 61 Mel 62 Mel 63 Mel 64 Mel 65 Mel 66 Mel 67 Mel 68 Mel 69 Mel 70 Mel 71 Mel 72 Mel 73 Mel 74 Mel 75 Mel 76 Mel 77 Mel 78 Mel 79 Mel 80 Mel 81 Mel 82 Mel 83 Mel 84 Mel 85 Mel 86 Mel 87 Mel 88 Mel 89 Mel 90 Mel 91 Mel 92 Mel 93 Mel 94 Mel 95 Mel 96 Mel 97 Mel 98 Mel 99 Mel 100 Mel 101 Mel 102 Mel 103 Mel 104 Mel 105 Mel 106 Mel 107 Mel 108 Mel 109 Mel 110 Mel 111 Mel 112 Mel 113 Mel 114 Mel 115 Mel 116 Mel 117 Mel 118 Mel 119 Mel 120 Mel 121 Mel 122 Mel 123 Mel 124 Mel 125 Mel 126 Mel 127 Mel 128 Mel 129 Mel 130 Mel 131 Mel 132 Mel 133 Mel 134 Mel 135 Mel 136 Mel 137 Mel 138 Mel 139 Mel 140 Mel 141 Mel 142 Mel 143 Mel 144 Mel 145 Mel 146 Mel 147 Mel 148 Mel 149 Mel 150 Mel 151 Mel 152 Mel 153 Mel 154 Mel 155 Mel 156 Mel 157 Mel 158 Mel 159 Mel 160 Mel 161 Mel 162 Mel 163 Mel 164 Mel 165 Mel 166 Mel 167 Mel 168 Mel 169 Mel 170 Mel 171 Mel 172 Mel 173 Mel 174 Mel 175 Mel 176 Mel 177 Mel 178 Mel 179 Mel 180 Mel 181 Mel 182 Mel 183 Mel 184 Mel 185 Mel 186 Mel 187 Mel 188 Mel 189 Mel 190 Mel 191 Mel 192 Mel 193 Mel 194 Mel 195 Mel 196 Mel 197 Mel 198 Mel 199 Mel 200 Mel 201 Mel 202 Mel 203 Mel 204 Mel 205 Mel 206 Mel 207 Mel 208 Mel 209 Mel 210 Mel 211 Mel 212 Mel 213 Mel 214 Mel 215 Mel 216 Mel 217 Mel 218 Mel 219 Mel 220 Mel 221 Mel 222 Mel 223 Mel 224 Mel 225 Mel 226 Mel 227 Mel 228 Mel 229 Mel 230 Mel 231 Mel 232 Mel 233 Mel 234 Mel 235 Mel 236 Mel 237 Mel 238 Mel 239 Mel 240 Mel 241 Mel 242 Mel 243 Mel 244 Mel 245
関連項目	メシエカタログニュージェネラルカタログインデックスカタログカルドウェルカタログハーシェル400カタログ
カテゴリポータル:天文学コモンズ

典拠管理データベース
全般	VIAF
国立図書館	ドイツ