「山羊の頭のスープ」の版間の差分
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| Name = 山羊の頭のスープ |
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2021年9月6日 (月) 09:15時点における版
『山羊の頭のスープ』 | ||||
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ローリング・ストーンズ の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
1970年10月17日 - 31日 1972年11月25日 - 12月21日 1973年1月16日 - 18日、5月23日 - 6月20日 | |||
ジャンル |
ロック ブルースロック ファンク ニュー・ソウル | |||
時間 | ||||
レーベル |
Rolling Stones Atlantic(オリジナル盤) EMI→CBS UK→Virgin→Polydor(リイシュー盤) Atlantic(オリジナル盤) Columbia→Virgin→Interscope(リイシュー盤) ワーナー・パイオニア(オリジナル盤) 東芝EMI→CBS/SONY→Sony Records→EMIJ/Virgin→Universal Int'l(リイシュー盤) | |||
プロデュース | ジミー・ミラー | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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ローリング・ストーンズ アルバム 年表 | ||||
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『山羊の頭のスープ』(やぎのあたまのスープ、Goats Head Soup)は、ローリング・ストーンズが1973年に発表したオリジナルアルバム。プロデューサーはジミー・ミラー、レコーディング・エンジニアはアンディ・ジョンズ。全英、全米共に第1位を記録。
概要
本作は、ボブ・マーレーのブレイクによるレゲエ・ミュージックの台頭に影響されるかたちでジャマイカで制作され、異国情緒のある、グループの新たな側面を見せた作品である。だが、本作ではレゲエからの影響を感じさせる曲は見当たらず、むしろファンクやニュー・ソウルからの影響が色濃く出ている[6]。サウンド面では、ギターを中心とした未加工で生々しく、ラフでルーズと評された前作『メイン・ストリートのならず者』とは対称的に、本作では鍵盤楽器を中心に、またエフェクトを多用した緻密で混沌とした音造りとなっている[7]。1971年の『スティッキー・フィンガーズ』から3作連続で全英、全米両チャートで1位を記録するヒット作となった。本作からは「悲しみのアンジー」、そして「ドゥー・ドゥー・ドゥー…(ハートブレイカー)」がシングルカットされ、特に前者は全米チャートで1位となる大ヒットを記録した[8]。また1968年以降、ストーンズの全作品のプロデューサーを務めてきたジミー・ミラーが参加した最後の作品でもある。
ジャケットは、極薄地の布を顔にかぶったメンバーを写したものであり、撮影とデザインはデヴィッド・ベイリーが担当した。内袋には各曲のクレジットとゲスト・ミュージシャンの写真が印刷された。またタイトルどおりに大きな釜に入ったスープに浸された山羊の頭の写真も封入されているが、これは動物愛護協会からのクレームを受けた[9]。
本作では「悲しみのアンジー」、「ダンシング・ウィズ・ミスターD」、「シルヴァー・トレイン」の3曲でプロモーションビデオが制作されており、いずれもYouTubeのストーンズ公式ページで試聴可能である。
1994年にヴァージン・レコードからリマスター版が、2009年にはポリドールから再リマスター版がリリースされた。2011年には日本限定で、ユニバーサルミュージックグループから最新リマスター版がSACDで発売された。
経緯
1972年7月に北米ツアーを終え、暫しの休暇をとった後、グループは新作制作のためジャマイカに渡った。キングストンのダイナミック・サウンド・スタジオにて、11月25日からレコーディングが開始された。ゲストにはニッキー・ホプキンスやボビー・キーズ、ビリー・プレストンといった常連組が顔を揃えたが、本作でのプレストンはそれまでのようにオルガンではなくクラビネットをプレイしている。この他、現地のパーカッション奏者のパスカル、リボップが招かれ、本作のサウンド・メイキングに大きく貢献した[7]。またこのセッション中、日本の音楽誌「ミュージック・ライフ」の取材班がストーンズから招待され、グループの制作の様子を密着取材している。これは翌年に控えていた初来日公演に向けたプロモーションの意味合いもあった[10]。しかし、この日本公演はジャガーが過去の麻薬所持による逮捕を理由に入国を拒否されたことにより、中止となってしまう。尚、発売当時の日本での広告には「本年初頭の来日公演中止の飢えを、ファンはまちがいなくいやされるであろう。」と書かれていた[11]。ジャマイカでの作業は12月21日に終了したが[7]、1ヶ月足らずのうちに20曲以上もの素材が集まった[12]。
翌1973年1月から2月27日まで、グループはハワイ/オセアニアツアーを敢行、暫しのオフをとった後、5月28日から仕上げのためにロンドン、アイランド・スタジオでオーバーダブとミキシングを行う[7]。途中、アンディ・ジョンズが病気で倒れ、ジミー・ミラーも体調不良のため終盤にさしかかったところでリタイアしてしまうが[12]、6月に全ての作業が完了し、アルバムは無事8月31日にリリースされた[7]。
リリース直後の9月から、グループはヨーロッパ・ツアーをウィーン、シュタットハレ公演から開始する。同ツアーは同年10月19日のベルリン、ドイッチェラントハレ公演で終了した。本作からは「スター・スター」「ダンシング・ウィズ・ミスターD」「悲しみのアンジー」などが演奏された。このヨーロッパ・ツアーでは、ミック・テイラーは本編のステージだけでなく、オープニングアクトを務めたビリー・プレストンのステージにも参加している。その時の演奏は、プレストンのライヴ・アルバム『ライヴ・ヨーロピアン・ツアー』に収録された。
尚、本作に収録されなかったアウトテイクのうち、「スルー・ザ・ロンリー・ナイツ」が1974年のシングル「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」のB面に、「トップス」および「友を待つ」が1981年のアルバム『刺青の男』に収録された。後者の楽曲はクレジットがなかったことから、後にストーンズを脱退したミック・テイラーから訴訟を起こされている[9]。
評価
アメリカでは4週連続の1位に輝き、2000年にはプラチナ・レコードを獲得、これまでに300万枚以上を売り上げている[13]。イギリスでも2週連続1位を獲得[14]。
売れ行きは好調だったが、作品としての評価は前作『メイン・ストリート…』までのものと比べ、やや否定的な評価を下されることが多い[6][12]。ジャガーはこういった評価の要因について「キースのドラッグ問題も影響してると思う」と語っている[15]。本作リリース前の1973年6月、キース・リチャーズはアニタ・パレンバーグと共に麻薬所持の現行犯で逮捕されており、この時は罰金刑で済んでいるが[16]、その後もリチャーズのドラッグへの沈溺はひどくなる一方で、やがてこれが1977年のカナダでの逮捕劇につながり、ストーンズ最大の危機をもたらすことになる[17]。
収録曲
作詞・作曲は全てジャガー/リチャーズ。
SIDE A
- ダンシング・ウィズ・ミスターD - Dancing With Mr D 4:53
- 100年前 - 100 Years Ago 3:59
- 夢からさめて - Coming Down Again 5:54
- リチャーズがリードボーカルをとったバラード。リチャーズは「この曲はクスリなしじゃ書けなかっただろう」とコメントしている[18]。
- ドゥー・ドゥー・ドゥー…(ハートブレイカー) - Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker) 3:27
- アルバムからの第2弾シングルとしてリリースされ、アメリカで15位にランクイン[8]。
- 悲しみのアンジー - Angie 4:33
SIDE B
- シルヴァー・トレイン - Silver Train 4:27
- この曲と次の曲のみ、1970年の『スティッキー・フィンガーズ』のセッションで録音され、その後アイランド・スタジオで追加録音されて完成している[7]。
- お前の愛を隠して - Hide Your Love 4:12
- ウィンター - Winter 5:31
- 全てが音楽 - Can You Hear The Music? 5:31
- スター・スター - Star Star 4:25
- 当初のタイトルは「スターファッカー」だったが、アトランティック・レコードの会長アーメット・アーティガンによってタイトルが変えられた。アメリカでは歌詞の一部を別の曲のボーカルをかぶせて聴きとり辛くする処置がされている[9]。これは1994年のリマスターCDで元のバージョンに差し替えられたが、2009年版ではこの検閲バージョンが採用されている(検閲バージョンはこれが初CD化となる)[7]。
参加ミュージシャン
※レコード/CDのクレジットおよび2009年版CD付属の犬伏功の解説に準拠
ローリング・ストーンズ
- ミック・ジャガー - リード&バッキングボーカル、ハーモニカ、ギター、ピアノ(#7)
- キース・リチャーズ - ギター、バッキングボーカル、ベース(#2、#4、#6、#7)、リードボーカル(#3)
- ミック・テイラー - ギター、バッキングボーカル、ベース(#1、#3)
- ビル・ワイマン - ベース
- チャーリー・ワッツ - ドラムス
ゲスト・ミュージシャン
- ニッキー・ホプキンス - ピアノ
- ビリー・プレストン - クラビネット
- イアン・スチュワート - ピアノ(#6、#10)
- ボビー・キーズ - サックス
- ジム・ホーン - フルート、サックス(#3、#4、#9)
- チャック・フィンレイ - トランペット
- パスカル&リボップ - パーカッション
- ジミー・ミラー - バスドラム(#7)、パーカッション(#9)
- ニッキー・ハリスン - ストリングス編曲(#5、#8)
- ジム・プライス - ホーン編曲(#4)
脚注
- ^ Goats Head Soup - The Rolling Stones | AllMusic
- ^ ChartArchive - The Rolling Stones - Goats Head Soup
- ^ dutchcharts.nl - The Rolling Stones - Goats Head Soup
- ^ norwegiancharts.com - The Rolling Stones - Goats Head Soup
- ^ The Rolling Stones - Goats Head Soup - austriancharts.at
- ^ a b アーカイヴシリーズvol.4「ザ・ローリング・ストーンズ['69-'74]」(シンコーミュージック刊、2002年、ISBN 4-401-61774-6)21頁
- ^ a b c d e f g 日本版リマスターCD(2009年)付属の犬伏功による解説より。
- ^ a b The Rolling Stones - Chart history | Billboard:
- ^ a b c アーカイヴシリーズvol.4「ザ・ローリング・ストーンズ['69-'74]」(シンコーミュージック刊、2002年、ISBN 4-401-61774-6)111頁
- ^ アーカイヴシリーズvol.4「ザ・ローリング・ストーンズ['69-'74]」(シンコーミュージック刊、2002年、ISBN 4-401-61774-6)50-52頁
- ^ アーカイヴシリーズvol.4「ザ・ローリング・ストーンズ['69-'74]」(シンコーミュージック刊、2002年、ISBN 4-401-61774-6)84頁
- ^ a b c アーカイヴシリーズvol.4「ザ・ローリング・ストーンズ['69-'74]」(シンコーミュージック刊、2002年、ISBN 4-401-61774-6)110頁
- ^ Gold & Platinum - RIAA:
- ^ goat%27s+head+soup | full Official Chart History | Official Charts Company:
- ^ SIGHT VOL.14 特集「ロックの正義!!ストーンズ全100ページ」(株式会社ロッキング・オン、2003年)68頁
- ^ 『ストーン・アローン/上』(ビル・ワイマン/レイ・コールマン著、野間けい子訳、ソニー・マガジンズ刊、1992年、ISBN 4-7897-0780-6)231-32頁
- ^ アーカイヴシリーズvol.5「ザ・ローリング・ストーンズ['74-'03]」(シンコーミュージック刊、2003年、ISBN 4-401-61801-7)17頁
- ^ SIGHT VOL.14 特集「ロックの正義!!ストーンズ全100ページ」(株式会社ロッキング・オン、2003年)25頁
先代 オールマン・ブラザーズ・バンド 『ブラザーズ&シスターズ』 |
Billboard 200 ナンバーワン・アルバム 1973年10月13日 - 11月3日(4週) |
次代 エルトン・ジョン 『黄昏のレンガ路』 |