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2021年9月6日 (月) 08:31時点における版

スピッツ (バンド) > スピッツの作品 > フェイクファー (アルバム)
『フェイクファー』
スピッツスタジオ・アルバム
リリース
録音 1997年9月 - 1998年1月
ジャンル ロック
時間
レーベル ポリドール
プロデュース スピッツ
共同プロデュース:棚谷祐一
M-11笹路正徳スピッツ
チャート最高順位
  • 週間1位(オリコン
  • 1998年度年間39位(オリコン)
ゴールドディスク
  • ダブル・プラチナ(日本レコード協会[1]
  • スピッツ アルバム 年表
    インディゴ地平線
    1996年
    フェイクファー
    (1998年)
    99ep
    1999年
    『フェイクファー』収録のシングル
    1. スカーレット
      リリース: 1997年1月29日
    2. 運命の人
      リリース: 1997年11月27日
    3. 冷たい頬/謝々!
      リリース: 1998年3月18日
    4. 楓/スピカ
      リリース: 1998年7月7日
    テンプレートを表示

    フェイクファー』は、日本ロックバンドスピッツの通算8作目のオリジナルアルバム1998年3月25日ポリドールより発売された。初回盤のみスリップケース・乳白トレイ仕様[2]

    概要

    Crispy!』から『インディゴ地平線』まで約4年間プロデュースを担当した笹路正徳から離れ、ほぼセルフプロデュースとなったが、サポーターとして当時、ロックバンド、カーネーションのメンバーであった棚谷祐一を迎え、アレンジは共同で行われた。

    棚谷が選ばれたのは、草野らメンバーがカーネーションの楽曲を好んで聴いていたという理由からであるが、リーダー的だった笹路に対して棚谷はメンバー寄りの立ち位置であったため、レコーディングはかなり難航していた。エンジニアには、『空の飛び方』『ハチミツ』を担当した宮島哲博が再起用されている。

    『Crispy!』以降、草野はレコーディングではほとんどギターを弾いていなかったが、本作から久々にギターを弾くようになった。また、この頃はリフに凝っていたため、楽曲の中でもギターの繰り返されるフレーズが目立つ。

    カバーモデルは田島絵里香[3]。初めてメンバーによる面接が行なわれた[4]。草野いわく「ジャケットは自信作」という。

    歌詞カードは、すべて草野本人による手書きになっている[5]。歌詞以外の手書き文字は、アートディレクション・デザイン担当の木村豊が草野の字体を真似たものである[6]

    オリジナル盤は廃盤となり、LAのエンジニア、スティーヴン・マーカッセンによるリマスタリングが施され、2002年10月16日に再発された。元ROCKIN'ON JAPAN鹿野淳によるライナーノーツが封入されている。

    収録曲

    全作詞・作曲:草野正宗 / 全編曲:スピッツ & 棚谷祐一(特記除く)

    1. エトランゼ (1:29)
      スローテンポな短い曲。次曲への繋ぎの役目を果たしている。後にリミックスバージョンが20thシングル「流れ星」にカップリング曲として収録され、そちらは8分以上におよぶ曲となっている。最初は完全にア・カペラにする案もあった。
    2. センチメンタル (3:28)
      前曲から一転してのロックチューン。Bメロ部分の、1弦開放のE音と2弦開放のB音のフレーズを多用したアレンジとなっている。
    3. 冷たい頬 (4:04)
      「謝々!」との両A面で先行リリースされた18thシングル。もともとシングル化の予定はなかったが、本アルバム発売の1週間前に急遽リリースされた。
    4. 運命の人 (Album Version) (5:11)
      17thシングル。シングルは本作の4か月前にリリースされているがメンバーが出来に納得いかず、本作には再度レコーディングされたものが収録されている。シングルバージョンではキーが高かったため、半音下げたD♭演奏されている。
    5. 仲良し (2:41)
      17thシングル「運命の人」カップリング曲。当初、草野はA面候補として作っていた。ギターの音の配置がシングルのものとは異なっているが、理由は特に無く、単なるお遊び。アニメ『ハチミツとクローバー』の挿入歌として使用された。
    6. (5:24)
      後に19thシングルとして「スピカ」との両A面でリカットされる。
    7. スーパーノヴァ (3:43)
      バイクをテーマにしたハードナンバー。仮タイトルは「スーパーカブ・デビル」。「革命」などそれまで避けていた言葉を歌詞に用いている。
    8. ただ春を待つ (3:42)
      変拍子で構成されている曲。仮タイトルは「環八ラバーズ」。「渋滞に巻き込まれてイライラしているカップルの歌」を作ろうと思ったという。この「環八ラバーズ」は後にスピッツとその関係者が結成した草野球チームの名前となった。
    9. 謝々! (5:21)
      「冷たい頬」との両A面で先行リリースされた18thシングル。ホーンセクションと女性コーラスが挿入されている。
    10. ウィリー (4:35)
      間奏の直前に小さい音だが三輪の叫び声が入っている。仮タイトルは「ドキンちゃん」。
    11. スカーレット (Album Mix) (3:33)
      編曲:笹路正徳 & スピッツ
      15thシングル。笹路正徳プロデューサーとの最後のシングルである。本作では宮島哲博によってリミックスされている(オリジナルバージョンのエンジニアは森山恭行)。シングルでセンター定位だったアルペジオのギターが右定位に、左チャンネルのコンプレッサーの効いたエレキによるリズムギターのバランスが大きくなっている。
    12. フェイクファー (3:24)
      タイトルチューンイントロのギターは草野。

    アナログ盤

    限定アナログ盤1998年7月7日にリリースされた。ホワイト・クリア・ビニール仕様で、ひとし&ザ・ゆたかによるオリジナルコミックを収録している。曲順や構成は以下の通り。

    Side A
    1. エトランゼ
    2. センチメンタル
    3. 冷たい頬
    4. 運命の人 (Album Version)
    5. 仲良し
    Side B
    1. スーパーノヴァ
    2. ただ春を待つ
    3. 謝々!
    4. ウィリー
    5. スカーレット (Album Mix)
    6. フェイクファー

    参加ミュージシャン

    • 草野マサムネ:Vocals, Guitars, Guitar Solo (12)
    • 三輪テツヤ:Guitars, Scream (10)
    • 田村明浩:Bass Guitars, Fender VI Solo (3)
    • 崎山龍男:Drums, Percussion
    • 棚谷祐一:Acoustic Piano, Organ, Synthesizer, Sampler, Programming
    • 笹路正徳:Keyboards (11)
    • 三沢泉:Percussion (2.8.9)
    • 田村玄一:Pedal Steel (6)
    • 数原晋、横山均、白山文男:Trumpet (9)
    • 中川英二郎、松本治、清岡太郎:Trombone (9)
    • E-Cups(坂井利依子、鈴木清華、柴田章子):Background Vocal (9)
    • 飯田高広 (blue sofa):Programming (1)
    • 伊藤俊治 (HAM):Programming (5)

    出典

    1. ^ RIAJ: The Record No.463 (1998年6月): GOLD ALBUM他認定作品 1998年4月度”. 一般社団法人 日本レコード協会. 2014年5月4日閲覧。
    2. ^ MdN編集部 2018, pp. 28–29.
    3. ^ MdN編集部 2018, p. 28.
    4. ^ MdN編集部 2018, p. 63.
    5. ^ MdN編集部 2018, pp. 28−29, 63, 73, 152–153, 231.
    6. ^ MdN編集部 2018, pp. 29, 63, 73, 152–153, 231.

    参考文献

    • MdN編集部『スピッツのデザイン』(初版)エムディエヌコーポレーション、2018年2月11日。ISBN 9784844367109