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「苦海浄土」の版間の差分

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=== キャスト ===
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*『苦海浄土 全三部』[[藤原書店]]、2016年 {{ISBN|9784865780833}}
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::各・第一部「苦海浄土」、第二部「神々の村」、第三部「天の魚」を収録
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* Livia Monnet翻訳(英語): ''Paradise in the Sea of Sorrow : Our Minamata Disease'', Volume 25 of Michigan Classics in Japanese Studies (2003) {{ISBN|‎9781929280254}}
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== 出典 ==
== 出典 ==
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2021年9月4日 (土) 12:48時点における版

苦海浄土 わが水俣病
中央が苦海浄土
中央が苦海浄土
訳題 Paradise in the Sea of Sorrow: Our Minamata Disease
作者 石牟礼道子
日本
言語 日本語
ジャンル 私小説ノンフィクションルポタージュ
シリーズ 水俣三部作
初出情報
初出サークル村1960年
刊本情報
出版元 講談社
出版年月日 1969年
総ページ数 294
受賞
大宅壮一ノンフィクション賞(※受賞を辞退)
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
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苦海浄土』(くがいじょうど・くかいじょうど)は、水俣病患者を題材とする、1969年に出版された石牟礼道子の作品。水俣湾に排出された工業廃水に含まれた汚染物質で生じた奇病の苦しみと患者の尊厳を表現している[1]

いくつかの雑誌連載を経て1969年、講談社刊[2]。後に発表された『天の魚』『神々の村』と合わせて三部作を構成する[3]

1970年に木村栄文の監督で映像化された[4][5]

作品の成立

著者の石牟礼道子は、故郷を襲った惨禍を知ったことから水俣病患者からの聞き書きを開始したという[1]

出版された『苦海浄土』の全7章は、第1章から順番に書かれたのではなく、第3章の「ゆき女きき書」に当たる部分から誕生し、そこを核として書かれた[6]

原型となる作品は1960年から「サークル村」で発表された[7][8]。1960年に1月に「サークル村」で発表された初期の短編作品は「奇病」と題されたものの、「水俣湾漁民のルポルタージュ」とも銘打たれており、1965年から1966年12月から1966年12月に「熊本風土記」で「海と空のあいだに」の題で断続連載された[8][9]。その後、「奇病」は第5話「海と空のあいだに――坂上ゆきのきき書より」と改題され、『苦海浄土――わが水俣病』に収録された際に再度「ゆき女きき書」と改題された[9]

『苦海浄土』は水俣三部作の第一部という位置づけであり、1974年に書かれた第三部『天の魚』、2004年に出された第二部『神々の村』と続き、続編も予定されていた[10]

あらすじ

評価

しばしば「私小説」と評されており[8][9][11][12]、石牟礼自身は1972年にこの作品を「浄瑠璃のごときもの」と表現した[13]

1970年には第1回大宅壮一ノンフィクション賞に選定されたものの、石牟礼は辞退した[14]。受賞を辞退した理由として石牟礼は「今なお苦しんでいる患者」がいるのに自分一人が受賞すべきではないと述べた[8]批評家若松英輔は、著者がその作品の真の作者ではない(体験者が居る)から受賞に抵抗があったのではないかと推測した[6][1]武田徹は、患者からの聞き書きではなく石牟礼が患者を代弁して書いた作品であるため、ノンフィクションとは言い難いと考える[8][15]

池澤夏樹はこの小説を「現代世界の十大小説」の一つとし[16]、『池澤夏樹=個人編集 世界文学全集』にも収録した[17]

映画

苦海浄土
監督 木村栄文
原案 石牟礼道子
原作 苦海浄土
ナレーター 北林谷栄
出演者 北林谷栄
編集 木下淳介
上映時間 49分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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1970年に『苦海浄土』は木村栄文の監督で映像化され、放送された。第25回芸術祭大賞を受賞[5]

キャスト

スタッフ

出版

  • 『苦海浄土 わが水俣病』講談社、1969年
  • 『苦海浄土 わが水俣病』講談社文庫、1972年
  • 『新装版 苦海浄土 わが水俣病』講談社文庫、2004年 ISBN 978-4-06-274815-5
  • 『苦海浄土 わが水俣病』河出書房新社池澤夏樹編 世界文学全集 Ⅲ-04〉、2011年 ISBN 978-4-309-70968-0
  • 『苦海浄土 全三部』藤原書店、2016年 ISBN 9784865780833
各・第一部「苦海浄土」、第二部「神々の村」、第三部「天の魚」を収録
  • Livia Monnet翻訳(英語): Paradise in the Sea of Sorrow : Our Minamata Disease, Volume 25 of Michigan Classics in Japanese Studies (2003)

出典

  1. ^ a b c 名著58 「苦海浄土」:100分 de 名著”. www.nhk.or.jp. 2021年2月7日閲覧。
  2. ^ 道子, 石牟礼 (1969). 苦海浄土 : わが水俣病. 東京: 講談社. https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001178023-00 
  3. ^ 石牟礼道子さん死去 水俣病を描いた小説「苦海浄土」
  4. ^ 苦海浄土|MOVIE WALKER PRESS”. MOVIE WALKER PRESS. 2021年3月13日閲覧。
  5. ^ a b 丹羽美之 七沢潔 制作者研究 〈テレビ・ドキュメンタリーを創った人々〉 【第6回】 木村栄文(RKB毎日放送) ~ドキュメンタリーは創作である~
  6. ^ a b 若松英輔. “『苦海浄土』とは何か”. www.nhk.or.jp. 2021年2月7日閲覧。
  7. ^ 石牟礼道子「あとがき」、1968年12月21日(『新装版苦海浄土』、講談社文庫、2004年収録)
  8. ^ a b c d e 日本大百科全書(ニッポニカ),デジタル大辞泉. “苦海浄土とは”. コトバンク. 2021年2月7日閲覧。
  9. ^ a b c 武田徹. “第2回 大宅賞は辞退から始まった②――尾川正二『極限のなかの人間』、石牟礼道子『苦海浄土』”. Web中公新書|中央公論新社. 2021年2月7日閲覧。
  10. ^ 石牟礼さんのスピーチに会場が凍り付いた 『新装版 苦海浄土』”. J-CAST BOOKウォッチ (2021年1月28日). 2021年2月7日閲覧。
  11. ^ 『苦海浄土』とは何か──水俣病患者たちの声なき声 | NHKテキストビュー”. NHKテキストビュー | 生活に役立つNHKテキストの情報サイト. 2021年5月10日閲覧。
  12. ^ 渡辺京二「石牟礼道子の世界」、1972年11月9日(『新装版苦海浄土』、講談社文庫、2004年収録)
  13. ^ 石牟礼道子「改稿に当って」、1972年11月9日(『新装版苦海浄土』、講談社文庫、2004年収録)
  14. ^ INC, SANKEI DIGITAL. “【巨編に挑む】苦海浄土 溶かされた魂はどこへ?”. 産経ニュース. 2021年2月7日閲覧。
  15. ^ 武田徹『現代日本を読む』「第1章 大宅賞は辞退から始まった」
  16. ^ 池沢夏樹『現代世界の十大小説』NHK出版、2014年12月。ISBN 978-4-14-088450-8OCLC 900620677 
  17. ^ 石牟礼道子『苦海浄土』河出書房、2011年。ISBN 978-4-309-70968-0 

関連文献

関連項目