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1972年(昭和47年)のベストセラーとなった<ref name=inoue/>。[[井上ひさし]]は有吉は「密度の濃い人間関係」を描くのが得意であるとし、この作品にもそれが現れていると評した<ref name=inoue/>。 |
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1973年公開。製作は[[芸苑社]]、配給は[[東宝]]。モノクロ作品として制作・公開された。配給収入は1億円<ref>『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)312頁</ref>。 |
1973年公開。製作は[[芸苑社]]、配給は[[東宝]]。モノクロ作品として制作・公開された。配給収入は1億円<ref>『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)312頁</ref>。 |
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痴呆を抱えた老父を演じる[[森繁久彌]]の、真に迫る演技が話題となった。当時60歳の森繁が、84歳の役を演じきった。森繁によると、撮影中は役に入り込みすぎ、簡単な演技でもスタッフに「いいですね?あそこまで歩いていくんですよ」と指示してもらわなくてはならないほどであったという。監督の豊田は病気のせいか、現場に姿を見せないことが多かったと主演の高峰は後日、著書(「まいまいつぶろ」)に記している。 |
痴呆を抱えた老父を演じる[[森繁久彌]]の、真に迫る演技が話題となった。当時60歳の森繁が、84歳の役を演じきった。森繁によると、撮影中は役に入り込みすぎ、簡単な演技でもスタッフに「いいですね?あそこまで歩いていくんですよ」と指示してもらわなくてはならないほどであったという。監督の豊田は病気のせいか、現場に姿を見せないことが多かったと主演の高峰は後日、著書(「まいまいつぶろ」)に記している。 |
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[[1999年]][[1月1日]]に[[テレビ東京]]にて放映。タイトルは「恍惚の人'99 ボケた父を誰が介護するの? 泣き笑い夕焼け家族」<ref>[http://www.tvdrama-db.com/drama_info/p/id-33244 テレビドラマデータベース]</ref>。 |
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2021年8月3日 (火) 04:54時点における版
『恍惚の人』(こうこつのひと)は、有吉佐和子の長編小説。英語名は「The Twilight Years」。1972年に新潮社から「純文学書き下ろし特別作品」として出版され、1973年には森繁久彌主演で映画化された。たびたび舞台化されており、1990年には日本テレビで、1999年にはテレビ東京で、2006年10月には三國連太郎主演でテレビドラマが放映された。
本作は認知症(認知症および老年学)をいち早く扱った文学作品である。1972年の年間売り上げ1位の[1]194万部のベストセラーとなり[2]、これがきっかけで痴呆・高齢者の介護問題にスポットが当てられることになった。その関心度の高さから「恍惚の人」は当時の流行語にもなった。題は『日本外史』に三好長慶が「老いて病み恍惚として人を知らず」とあるのを見てひらめいたものである。
井上ひさしによればこの作品のために有吉は10年近く取材をかさねた[3]。
本作の収益で1974年に建てたとされる出版元の新潮社の別館ビルは「恍惚ビル」と呼ばれた[2]。
あらすじ
この作品記事はあらすじの作成が望まれています。 |
主な登場人物
- 立花昭子:立花家の嫁。弁護士事務所で働き、家事をこなしながら舅の介護に忙殺される。
- 立花茂造:昭子の舅。昭子を何かといじめていたが、妻が急死した後に認知症が進んでいることが家族に分かり、一転昭子に頼りきりの生活になる。
- 立花信利:昭子の夫。商社に勤め多忙を極める上、認知症の進行する父の状態が自分の未来に重なって見えるためやりきれず、最後まで介護には関わらない。
- 立花敏:信利・昭子夫婦の一人息子。大学受験勉強中だが、敬老会館への送り迎えもし、茂造が徘徊して行方不明になったときには探しに行くなど、介護にはわりと協力的。
- 門谷家の老女:立花家の近所に住む。茂造を老人クラブに連れて行き、さらに茂造の住む離れで一日世話を焼くなど、一時は茂造に「老いらくの恋」をするが、茂造の様子を見て愛想を尽かす。その後寝たきりになるが、嫁に面倒を見てもらうことに耐えられず愚痴をこぼす。
- エミ:大学生。恋人の山岸と共に、昼間茂造の面倒を見る条件で離れを借りる。茂造の病状が進んで手がかからなくなっていたため、茂造には比較的好意を持つ。
反響と批評
1972年(昭和47年)のベストセラーとなった[3]。井上ひさしは有吉は「密度の濃い人間関係」を描くのが得意であるとし、この作品にもそれが現れていると評した[3]。
映画 (1973年)
1973年公開。製作は芸苑社、配給は東宝。モノクロ作品として制作・公開された。配給収入は1億円[4]。
痴呆を抱えた老父を演じる森繁久彌の、真に迫る演技が話題となった。当時60歳の森繁が、84歳の役を演じきった。森繁によると、撮影中は役に入り込みすぎ、簡単な演技でもスタッフに「いいですね?あそこまで歩いていくんですよ」と指示してもらわなくてはならないほどであったという。監督の豊田は病気のせいか、現場に姿を見せないことが多かったと主演の高峰は後日、著書(「まいまいつぶろ」)に記している。
主要キャスト (1973年)
- 立花茂造 - 森繁久彌
- 立花昭子 - 高峰秀子
- 立花信利 - 田村高廣
- 立花敏 - 市川泉
- 立花春代 - 小野松江
- 藤枝弁護士 - 中村伸郎
- 山岸 - 伊藤高
- エミ - 篠ヒロコ
- 京子 - 乙羽信子
- 門谷家の老女 - 浦辺粂子
- 木原夫人 - 杉葉子
- 瀬川邦子 - 吉田日出子
- 笈川千恵 - 野村昭子
- 火葬場の係員 - 大久保正信
- 老人会館の老人 - 若宮大祐
- 信利の同僚 - 林昭夫/北浦昭義
- 立花家の主治医 - 奥野匡
- タクシーの運転手 - 守田比呂也
スタッフ (1973年)
ドラマ (1990年)
1990年10月3日に日本テレビ水曜グランドロマンにて放映。
主要キャスト (1973年)
スタッフ (1973年)
- 脚本 - 小幡欣治
- 演出 - 高井牧人
ドラマ (1999年)
1999年1月1日にテレビ東京にて放映。タイトルは「恍惚の人'99 ボケた父を誰が介護するの? 泣き笑い夕焼け家族」[5]。
主要キャスト (1999年)
スタッフ (1999年)
ドラマ (2006年)
2006年10月17日21:00 - 22:54(JST)に日本テレビ『ドラマ・コンプレックス』にて放映。
主要キャスト (2006年)
- 立花茂造 - 三國連太郎
- 立花昭子 - 竹下景子
- 立花信利 - 三宅裕司
- 立花敏 - 斉藤慶太
- 立花春代 - 風見章子
- 太田静江 - 五月晴子
- 常務 - 寺田農
- 藤枝弁護士 - 清郷流号
- 医者 - 沢村一樹
- 磯野早苗 - 坂下千里子
- 高橋京子 - かとうかず子
スタッフ (2006年)
- 脚本 - 矢島正雄
- 監督 - 中山史郎
- プロデューサー - 佐藤敦/金田和樹/森川真行
- 技術協力 - バスク/フォーチュン
- 照明協力 - ラ・ルーチェ
- 美術協力 - フジアール
- 音響効果 - ふなや
- 制作協力 - THE WORKS
- 制作 - 日本テレビ
- 製作/著作 - ファインエンターテイメント
日本テレビ DRAMA COMPLEX(2006年10月17日) | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
恍惚の人
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バカラ・疑惑のIT株長者に賭けた女
※これより「火曜ドラマゴールド」 |
出典
- ^ 出版ニュース社編『出版データブック 1945-1996』出版ニュース社、1997年、p.59
- ^ a b 「新潮社に行こう!」『本の雑誌』2011年6月号、p.8
- ^ a b c 井上ひさし『ベストセラーの戦後史 2』「恍惚の人」
- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)312頁
- ^ テレビドラマデータベース
参考文献
- 恍惚の人(新潮文庫版、1982年)ISBN 4-10-113218-6
- 石田仁志「<恍惚>の奥にあるもの -『恍惚の人』」井上謙ほか編『有吉佐和子の世界』翰林書房、2004年、58-62ページ。ISBN 4-87737-193-1