「しもつけ (列車)」の版間の差分
シンプルですけど機能的なベッド (会話 | 投稿記録) タグ: 2017年版ソースエディター |
m Robot: ウィキ文法修正 2: <br/>タグの違反 |
||
102行目: | 102行目: | ||
== 東武宇都宮線優等列車沿革 == |
== 東武宇都宮線優等列車沿革 == |
||
「しもつけ」は、かつて[[太平洋戦争]]終結後の[[1953年]](昭和28年)[[8月1日]]、無名の有料急行列車として[[浅草駅]] - [[東武宇都宮駅]]間で運行を開始した。車両は[[東武日光線]]の特急で使用され[[東武5700系電車|5700系]]の新規投入で特急運用から外れた[[東武デハ10系電車|モハ5310形・クハ350形]]が充当され、その後[[1956年]](昭和31年)には同特急用に新造された[[東武1720系電車#1700系|1700系]]に運用を譲った5700系も投入され、同時期に「しもつけ」の愛称を付された。「しもつけ」は5310系や5700系といった[[ロマンスカー]]によって運行されたことから'''東武鉄道急行ロマンスカー'''と宣伝されたが[[1959年]](昭和34年)11月をもって廃止され、[[1988年]](昭和63年)8月にまったく同じ区間、経路で'''快速急行'''として運行再開されるまでの約30年間、東武宇都宮線には有料列車が運行されず、浅草駅 - 東武宇都宮駅間には'''無料準急'''や'''無料快速'''、'''無料準快速'''が最盛期で毎時1往復設定されたのみであった。昭和末期に運行再開された快速急行「しもつけ」には[[東武6050系電車|6050系]]が充当されたが、その後[[東武伊勢崎線]]特急に[[東武200系電車|200系・250系]]が投入されたのにともない、その運用から外れた「[[りょうもう]]」用[[東武1800系電車|1800系]]を改造した350系が投入され、種別も「ビジネスライナー急行しもつけ」、急行「しもつけ」と変遷し、[[2006年]]([[平成]]18年)以降は'''特急列車'''として運行されている。< |
「しもつけ」は、かつて[[太平洋戦争]]終結後の[[1953年]](昭和28年)[[8月1日]]、無名の有料急行列車として[[浅草駅]] - [[東武宇都宮駅]]間で運行を開始した。車両は[[東武日光線]]の特急で使用され[[東武5700系電車|5700系]]の新規投入で特急運用から外れた[[東武デハ10系電車|モハ5310形・クハ350形]]が充当され、その後[[1956年]](昭和31年)には同特急用に新造された[[東武1720系電車#1700系|1700系]]に運用を譲った5700系も投入され、同時期に「しもつけ」の愛称を付された。「しもつけ」は5310系や5700系といった[[ロマンスカー]]によって運行されたことから'''東武鉄道急行ロマンスカー'''と宣伝されたが[[1959年]](昭和34年)11月をもって廃止され、[[1988年]](昭和63年)8月にまったく同じ区間、経路で'''快速急行'''として運行再開されるまでの約30年間、東武宇都宮線には有料列車が運行されず、浅草駅 - 東武宇都宮駅間には'''無料準急'''や'''無料快速'''、'''無料準快速'''が最盛期で毎時1往復設定されたのみであった。昭和末期に運行再開された快速急行「しもつけ」には[[東武6050系電車|6050系]]が充当されたが、その後[[東武伊勢崎線]]特急に[[東武200系電車|200系・250系]]が投入されたのにともない、その運用から外れた「[[りょうもう]]」用[[東武1800系電車|1800系]]を改造した350系が投入され、種別も「ビジネスライナー急行しもつけ」、急行「しもつけ」と変遷し、[[2006年]]([[平成]]18年)以降は'''特急列車'''として運行されている。<br />「しもつけ」は運行開始当初より、朝に東武宇都宮から浅草に向かう朝上り列車1本、夕方に浅草から東武宇都宮に向かう下り1本の、計1往復の運行を踏襲しており、一時廃止された期間を含むものの、一貫してビジネス列車・[[ホームライナー]](通勤ライナー)的な位置付けで運行されて来た。1990年代には[[急行券]]を追加購入すれば[[定期乗車券|定期券]]でも乗車できる'''ビジネスライナー制度'''の開始とともにその指定を受け、「'''ビジネスライナーしもつけ'''」の愛称の下、東武伊勢崎線 - 東武日光線 - 東武宇都宮線沿線の通勤の足として利用された。東武鉄道が全ての特急・急行列車について特急券・急行券の追加購入で定期券による乗車を可能とした後は急行「しもつけ」として運行され、その後は東武伊勢崎線・日光線の特急列車・急行列車の再編にともない特急列車に格上げされた。<br />後述の通り、2020年 (令和2年)4月25日に最終運行し同年6月6日をもって正式に廃止となったが、これに伴い1988年 (昭和63年)以来32年間運行されてきた東武宇都宮線の有料列車が消滅すると同時に、[[宇都宮市]]域からは昼行・夜行を問わず全ての'''在来線有料列車が消滅した'''ということとなった。県庁所在地の自治体から'''在来線有料列車'''が消滅するのはモノレールしか鉄道のない[[那覇市]]以外では唯一である。 |
||
=== 年表 === |
=== 年表 === |
2021年6月11日 (金) 01:09時点における版
しもつけ | |
---|---|
概要 | |
種類 | 特別急行列車 |
現況 | 廃止 |
地域 | 東京都、埼玉県、栃木県 |
運行開始 |
2006年3月18日 (特別急行列車としての運行開始日) |
運行終了 | 2020年4月24日(最終運行)[注釈 1] |
運営者 | 東武鉄道 |
路線 | |
起点 | 浅草駅 |
終点 | 東武宇都宮駅 |
使用路線 | 東武伊勢崎線、日光線、宇都宮線 |
技術 | |
車両 | 東武350系電車 |
軌間 | 1,067mm |
電化 | 直流1,500V |
しもつけは、東武鉄道が浅草駅 - 東武宇都宮駅間を東武伊勢崎線の「東武スカイツリーライン」区間・日光線および宇都宮線経由で運行していた特別急行列車の愛称である。
本項では、東武宇都宮線の優等列車沿革についても併せて記載する。
運行の概要
最終運行時点では、朝の東武宇都宮発浅草行の上り282号と、夜間の浅草発東武宇都宮行の下り283号の1往復が毎日運行されていた。宇都宮線のホーム有効長等の事情で全区間4両編成の東武350系電車が充当されていた。
「しもつけ」は1988年(昭和63年)に運行開始した快速急行「しもつけ」以来、2020年(令和2年)まで毎日1往復、同区間にて定期運行されていたが、かつて戦後の1953年(昭和28年)8月より1959年(昭和34年)11月の間、同じ区間、同じ時間帯にまったく同じ「ビジネス列車」あるいは「ホームライナー」的な運行形態の優等列車急行「しもつけ」として運行されていた(毎日朝上り1本、夕下り1本の計1往復)。1959年(昭和34年)の廃止以降、東武宇都宮線には有料列車が一切運行されず、実に30年ぶりに運行が再開されたものである。
停車駅
最終運行時点での停車駅は以下のとおり。
しもつけ | ||||||||
← 東武宇都宮 浅草 →
| ||||||||
| ||||||||
| ||||||||
|
運転日
毎日運転。
料金制度
座席指定席制、従前の急行料金を基本とする特急料金を採用していた。 「しもつけ」特急料金(小児半額、端数は10円単位で切り上げ)。2019年10月1日改定。
キロ程 | 特急料金(円) | 備考 |
---|---|---|
1 - 40 | 320 | 浅草 - 杉戸高野台間も適用 |
41 - 60 | 520 | |
61 - 120 | 840 |
東武宇都宮線優等列車沿革
「しもつけ」は、かつて太平洋戦争終結後の1953年(昭和28年)8月1日、無名の有料急行列車として浅草駅 - 東武宇都宮駅間で運行を開始した。車両は東武日光線の特急で使用され5700系の新規投入で特急運用から外れたモハ5310形・クハ350形が充当され、その後1956年(昭和31年)には同特急用に新造された1700系に運用を譲った5700系も投入され、同時期に「しもつけ」の愛称を付された。「しもつけ」は5310系や5700系といったロマンスカーによって運行されたことから東武鉄道急行ロマンスカーと宣伝されたが1959年(昭和34年)11月をもって廃止され、1988年(昭和63年)8月にまったく同じ区間、経路で快速急行として運行再開されるまでの約30年間、東武宇都宮線には有料列車が運行されず、浅草駅 - 東武宇都宮駅間には無料準急や無料快速、無料準快速が最盛期で毎時1往復設定されたのみであった。昭和末期に運行再開された快速急行「しもつけ」には6050系が充当されたが、その後東武伊勢崎線特急に200系・250系が投入されたのにともない、その運用から外れた「りょうもう」用1800系を改造した350系が投入され、種別も「ビジネスライナー急行しもつけ」、急行「しもつけ」と変遷し、2006年(平成18年)以降は特急列車として運行されている。
「しもつけ」は運行開始当初より、朝に東武宇都宮から浅草に向かう朝上り列車1本、夕方に浅草から東武宇都宮に向かう下り1本の、計1往復の運行を踏襲しており、一時廃止された期間を含むものの、一貫してビジネス列車・ホームライナー(通勤ライナー)的な位置付けで運行されて来た。1990年代には急行券を追加購入すれば定期券でも乗車できるビジネスライナー制度の開始とともにその指定を受け、「ビジネスライナーしもつけ」の愛称の下、東武伊勢崎線 - 東武日光線 - 東武宇都宮線沿線の通勤の足として利用された。東武鉄道が全ての特急・急行列車について特急券・急行券の追加購入で定期券による乗車を可能とした後は急行「しもつけ」として運行され、その後は東武伊勢崎線・日光線の特急列車・急行列車の再編にともない特急列車に格上げされた。
後述の通り、2020年 (令和2年)4月25日に最終運行し同年6月6日をもって正式に廃止となったが、これに伴い1988年 (昭和63年)以来32年間運行されてきた東武宇都宮線の有料列車が消滅すると同時に、宇都宮市域からは昼行・夜行を問わず全ての在来線有料列車が消滅したということとなった。県庁所在地の自治体から在来線有料列車が消滅するのはモノレールしか鉄道のない那覇市以外では唯一である。
年表
- 1953年(昭和28年)8月1日 - 浅草駅 - 東武宇都宮駅間で運転されていた無料急行・準急に加え、愛称なしの有料急行1往復が新設された。
- ダイヤは現在の特急「しもつけ」と同じく、朝上り1本、夕下り1本の計1往復の設定であった。ただし、時刻は現行よりも遅く朝の東武宇都宮発は現在の7時より55分遅い7時55分、夕の浅草発は同18時20分より1時間35分遅い19時55分であった。
- 1953年(昭和28年)11月1日 - 東武伊勢崎線有料急行が運行を開始。浅草駅 - 杉戸駅間では宇都宮線有料急行に伊勢崎線有料急行が併結されて運行された。
- 1956年(昭和31年) - 有料急行に愛称が付され、宇都宮線発着有料急行に「しもつけ」が使用された。
- この頃、他の同社特急・急行列車とともに東武鉄道特急・急行ロマンスカーとして宣伝された。
- この頃、伊勢崎線有料急行との併結が解消され、夕方の浅草駅出発時刻が18時30分頃にあらためられた。
- 1959年(昭和34年)11月 - 有料急行「しもつけ」を廃止。浅草駅 - 東武宇都宮駅間直通列車は無料の準急・快速のみとなった。これら無料準急・快速は、宇都宮線内各駅停車であった。
- 「しもつけ」の愛称は、その後鬼怒川線発着急行の愛称として使用された。
- 1988年(昭和63年)8月9日 - 東武宇都宮線快速急行「しもつけ」272号・279号の運行を開始[1]。これに伴い従前の快速急行券の名称が「座席指定券」に改名される。当時は浅草発17時30分であった。
- 1990年(平成2年)9月25日 - 快速急行「しもつけ」を定期券での利用を可能とした「ビジネスライナー」に指定される。同時に伊勢崎線急行「りょうもう」2号・37号も「ビジネスライナー」に指定される。
- 1991年(平成3年)7月21日 - 急行専用車両300系・350系が就役[1]。東武宇都宮線の快速急行も急行に種別変更した上で、急行専用車両の350系で運用することとなった[1]。この時、列車名も「ビジネスライナー急行しもつけ」と変更された。禁煙車が1号車に指定される。
- 1993年(平成5年)4月1日 - 禁煙車が1・2号車となる。
- 1997年(平成9年)3月25日 - ダイヤ改正により以下のように変更する。
- 272号を282号へ、279号を281号へ改番。281号が北千住駅に停車開始。
- 特急・急行の全列車について定期券での利用が可能となり「ビジネスライナー」指定を廃止。これに伴い「ビジネスライナー急行しもつけ」から急行「しもつけ」としての運行となる。
- 浅草発が17時30分から1時間繰り下げられ18時30分になる。
- 2001年(平成13年)3月28日 - ダイヤ改正により新栃木行「きりふり」201号が東武日光行「けごん」に格上げされ、定期急行は「しもつけ」と「南会津」のみとなる。
- 2003年(平成15年)3月19日 - ダイヤ改正により以下のように変更する。
- 2005年(平成17年)3月1日 - ダイヤ改正により以下のように変更する。
- 2006年(平成18年)3月18日 - ダイヤ改正により急行「しもつけ」が特急に昇格し特急「しもつけ」となる[1]。上記の「ゆのさと」が定期列車としては廃止となり、平日の夜間限定で通勤ライナー格の南栗橋行「きりふり」283号を新設。これにより定期特急は「しもつけ」と「きりふり」になる。
- 2007年(平成19年)3月18日 - 全列車・全車両が禁煙となる。
- 2012年(平成24年)3月17日 - ダイヤ改正により282号がとうきょうスカイツリー駅(業平橋駅から改称)に停車開始。
- 2013年(平成25年)3月16日 - ダイヤ改正により281号がとうきょうスカイツリー駅に停車開始[3]。
- 2015年(平成27年)
- 2017年(平成29年)4月21日:500系電車「リバティ」の運行開始に伴い、ダイヤ改正を実施[9]。
- 281号が283号へ改番され、杉戸高野台駅に停車開始。
- 東武宇都宮発が8時から1時間繰り上げられ7時になる。
- 浅草発が18時30分から10分繰り上げられ18時20分になる。
- 2020年(令和2年)
列車名の由来と国鉄準急(急行)「しもつけ」
「しもつけ」の列車愛称は栃木県の旧国名「下野国」(しもつけのくに)に因む。そのため、東武宇都宮線優等列車「しもつけ」として運行されていたほか、日本国有鉄道(現在の東日本旅客鉄道)が東北本線(現在の宇都宮線)区間あるいは日光線方面を運行する準急行・急行列車の列車名として1958年(昭和33年)から1968年(昭和43年)まで使用した。
この、国鉄が過去に東北本線・日光線で運行した準急(急行)「しもつけ」については、その後の使用車両の統一により急行「なすの」に統合された。詳細は宇都宮線優等列車沿革に記載する。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d "東武宇都宮線開通80周年 記念イベントを実施!" (PDF) (Press release). 東武鉄道. 21 July 2011. 2021年2月24日閲覧。
- ^ 東武線時刻表 2001年3月改正版と2003年3月改正版のカラーページ「春日部駅 特急スペーシア乗降口のご案内」での比較
- ^ "2013年3月16日(土)東武スカイツリーラインダイヤ改正" (PDF) (Press release). 東武鉄道. 21 December 2012. 2015年4月2日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2021年2月24日閲覧。
- ^ a b “【栃木、茨城大雨】線路が宙づり 東武宇都宮線で橋の土台流される 全線で運転見合わせ”. 産経ニュース (2015年9月11日). 2021年2月24日閲覧。
- ^ “台風第18号及び第17号による大雨等に係る被害状況等について(第8報) (2015/09/11 12:00現在)” (PDF). 国土交通省. p. 26 (2015年9月11日). 2021年2月24日閲覧。
- ^ “日光線・鬼怒川線・宇都宮線の当面の運行計画について” (PDF). 東武鉄道 (2015年9月14日). 2015年9月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月24日閲覧。
- ^ 東武宇都宮線安塚〜西川田間、10/7運転再開 - 橋りょう流出から1カ月で復旧 - マイナビニュース、2015年10月5日
- ^ 「安塚-西川田駅間の運転を再開 東武宇都宮線」『下野新聞』下野新聞社、2015年10月7日。オリジナルの2015年10月10日時点におけるアーカイブ。2021年2月24日閲覧。
- ^ "2017年4月21日(金)ダイヤ改正を実施! 東武スカイツリーライン・伊勢崎線・日光線・東武アーバンパークライン 【特急列車概要】" (PDF) (Press release). 東武鉄道. 18 January 2017. 2021年2月24日閲覧。
- ^ “特急列車の一部運休(6/5まで)ならびに「SL大樹」の運休について” (PDF). 東武鉄道 (2020年5月28日). 2020年6月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月28日閲覧。
- ^ "2020年6月6日(土)ダイヤ改正を実施!【特急列車・THライナー・SL大樹概要が決定】" (PDF) (Press release). 東武鉄道. 25 February 2020. 2021年2月24日閲覧。