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「二ッ森山 (岐阜県)」の版間の差分

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2021年5月14日 (金) 00:37時点における版

二ッ森山 (岐阜県)
苗木城址から望む二ッ森山(左:西峰と右:東峰の双耳峰)(2017年3月11日撮影)
苗木城址から望む二ッ森山
双耳峰(左:西峰と右:東峰)
標高 1,223.49[注釈 1][1] m
所在地 日本の旗 日本
岐阜県中津川市加茂郡白川町
位置 北緯35度34分18.72秒 東経137度24分1.26秒 / 北緯35.5718667度 東経137.4003500度 / 35.5718667; 137.4003500座標: 北緯35度34分18.72秒 東経137度24分1.26秒 / 北緯35.5718667度 東経137.4003500度 / 35.5718667; 137.4003500[2]
山系 美濃三河高原[3]
二ッ森山 (岐阜県)の位置(日本内)
二ッ森山 (岐阜県)
二ッ森山の位置
プロジェクト 山
テンプレートを表示

二ッ森山(ふたつもりやま)は、岐阜県中津川市[注釈 2]加茂郡白川町とにまたがる標高1,223.5 m[2][3][4]美濃三河高原の二ッ森山地の主峰[3]

概要

付知川右岸に位置し、二ッ森山地の主峰[3]。古記録では「二ッ盛山」と表記されている[3]。東峰と西峰からなり、東から望むと[5]双耳峰であることが山名の由来[3]。本峰の西峰には二等三角点(点名が「二ッ森」、標高1,223.49 m)が設置されている[1]。東峰は「東森山」と呼ばれている[6]。三角点の標石は、山頂の巨石に埋め込まれている[3][5]。山麓には南北朝時代史跡が多い[4]。岐阜県山岳連盟により、ぎふ百山の一つに選定されている[7]。山域はヒノキの植林地として利用されている[8]ベニドウダンが分布し、山頂のトチクヌギイタヤカエデブナなどの大木も多い[9]。山頂の南西約1 km(標高1,100 m)にミズナラの巨木(やや傾斜地に生育していて、幹周6.9 m、樹高25 m)があり、1967年昭和42年)6月14日に『薬研洞の大ナラ』(やけんぼらのおおなら)として、岐阜県の天然記念物の指定を受けている[10]。東山腹の二ツ森林道沿線に自生する『ハナノキ(二ツ森)』が、1983年(昭和48年)11月3日に旧福岡町の天然記念物の指定を受け、中津川市の天然記念物を受けている[11]。平成13-17年度にかけて、森林居住環境事業(林業地域総合整備事業)の一つとして、北東面の二ッ森山林道の周辺(7合目付近)に二ッ森フォレストパーク(児童公園)と遊歩道が整備された[12][13]

氷餅の池

山頂の北東約300 mの登山道付近に「氷餅」があり[8]1973年(昭和48年)11月3日恵那郡福岡町史跡に指定され、その後中津川市の史跡に指定されている[14]1723年享保8年)に苗木藩6代領主遠山友将が、氷餅の製造場所を高峰山から本山への移転を命じた[14]百姓204人により、山道作り、小屋かけ、井戸掘りを行い、2日間でこの池を完成したと伝えられている[14]

登山

山頂の巨石には三角点の標石が埋め込まれ、南側の展望が良好
北西の中腹にあるコウモリ岩

日帰り登山の対象となる山[15]。代表的な登山道である切越峠からの登山ルート(無雪期・天候良好時)が、岐阜県による「岐阜県 山のグレーディング」で、技術的難易度が「ランクA/(A-E)」(低い)、体力度が「2/1-10」(小程度、日帰りが可能)とされている[15]。山頂の北側には休憩所となる東屋とモニュメント[8]が設置されていて、御嶽山中央アルプス南アルプスなどが望める[6]。山頂の巨石は展望台となっていて、恵那山笠置山などを望むことができる[6]。二ッ森山林道より少し上部の林道の福岡側登山口には、トイレ、水場と駐車場[8]が設置されている[6]。東森山の山頂直下には東屋が設置されている[6]。北尾根上の標高点1,160 mのピークには、「福岡町天然記念物ダナのシャクナゲ群生地」の標示がある[6]。主な登山ルートを以下に示す。

  • 切越峠 - (北尾根) - 標高点1,160 mのピーク - コウモリへの岩分岐 - 大ナラへの分岐 - 二ッ森山[3][6][9]
  • 二ッ森山林道(福岡側登山口) - 東峰と西峰との鞍部 - 二ッ森山[3]
  • 切越峠 - (岐阜県道70号白川福岡線) - 奥新田林道 - コウモリ岩の入口 - コウモリ岩 - コウモリ岩への分岐 - 大ナラへの分岐 - 二ッ森山[16]
  • 切越峠 - (岐阜県道70号白川福岡線) - 奥新田林道 - 大ナラ登山口 - 大ナラ - 大ナラへの分岐 - 二ッ森山[16]

地理

恵那峡の北側に位置する[5]

周辺の山

御嶽山の南南東36.4 km、恵那山の北西22.8 kmに位置する[2]。周辺の主要な山を下表に示す[2]

山容 山名 標高(m)
[注釈 3][1][17]
三角点等級
基準点名[1]
二ッ森山からの
方角距離(km)
備考
二ッ森山から望む御嶽山(2017年3月11日撮影) 御嶽山 3,067 一等
「御岳山」(3,063.61
北北西 36.4 日本百名山
ぎふ百山
二ッ森山から望む阿寺山地の奥三界岳(2017年12月3日撮影) 奥三界岳 1,810.69  三等
「奥三階」
北東 15.6 日本三百名山
ぎふ百山
笠置山から望む二ッ森山と遠景の阿寺山地、山麓に棚田(2017年3月4日撮影) 二ッ森山 1,223.49  二等
「二ツ森」
0 ぎふ百山
苗木城址から望む岩山、右奥に二ッ森山(2017年3月11日撮影) 岩山 923.31 三等
「岩山」
南南東 2.8 続ぎふ百山
二ツ森山から望む笠置山、右奥に伊勢湾(2017年12月3日撮影) 笠置山 1,127.97  二等
「御笠置」
南西 8.3 ぎふ百山
二ッ森山から望む恵那山(2017年3月11日撮影) 恵那山 2,191 一等
「恵那山」(2,190.28
南東 22.8 日本百名山
ぎふ百山
南東山麓の苗木城址から望む二ッ森山の周辺、笠置山の北東8.3 kmに位置する。

源流の河川

以下の木曽川水系河川源流となる山で、伊勢湾へ流れる[2]

周辺の峠

岐阜県道70号白川福岡線の切越峠に北尾根ルートの登山口がある。

周辺のを以下に示す[2]

交通・アクセス

北山麓に岐阜県道70号白川福岡線、山域の西側に岐阜県道72号恵那蛭川東白川線、山域の東側に国道257号が通る[2]。水土保全機能強化総合モデル事業の一環として[5]、東山腹を巻く二ッ森林道が敷設されている[3]。切越峠には登山者用の駐車場がある[8]。西山腹に岐阜県道70号白川福岡線から奥新田林道が敷設されている[9]

二ッ森山の風景

北西側の白川町黒川の岐阜県道70号白川福岡線沿いからは本山を望むことができる[8]。東側の中津川市の山麓からは、双耳峰の山容が望める[9]

二ッ森山からの眺望

ウィキメディア・コモンズには、二ッ森山から眺望に関するカテゴリがあります。

脚注

注釈

  1. ^ 基準点の標高は、2014年3月13日の国土地理院による標高改算値。
  2. ^ 2005年平成17年)2月13日に中津川市に編入合併される前の旧恵那郡福岡町にまたがっていた山。
  3. ^ 基準点の標高は、2014年3月13日の国土地理院による標高改算値。

出典

  1. ^ a b c d 基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2018年1月24日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h 地理院地図(電子国土Web)・「足和田山」”. 国土地理院. 2018年1月24日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j 日本山岳会 (2005)、1134頁
  4. ^ a b c 徳久 (1992)、456頁
  5. ^ a b c d 山と溪谷社 (1992)、518頁
  6. ^ a b c d e f g 西山 (2015)、116-117頁
  7. ^ 岐阜県山岳連盟 (1987)
  8. ^ a b c d e f 島田 (2009)、120-121頁
  9. ^ a b c d 吉川 (2003)、124-125頁
  10. ^ 薬研洞の大ナラ”. 岐阜県. 2018年1月24日閲覧。
  11. ^ 中津川市の指定文化財”. 中津川市. 2021年3月2日閲覧。
  12. ^ 【ふるさと再発見!】福岡・二ッ森山”. 中津川市. 2018年1月24日閲覧。
  13. ^ 恵那北部地区” (PDF). 林野庁. 2018年1月24日閲覧。
  14. ^ a b c 氷餅の池”. 中津川市. 2018年1月24日閲覧。
  15. ^ a b 岐阜県 山のグレーディング~無雪期・天候良好時の「登山ルート別難易度評価」~” (PDF). 岐阜県. pp. 1. 2018年1月24日閲覧。
  16. ^ a b 与呉 (2010)、192-193頁
  17. ^ 日本の主な山岳標高”. 国土地理院. 2018年1月24日閲覧。

参考文献

  • 岐阜県山岳連盟『ぎふ百山』岐阜新聞社、1987年7月。ISBN 4905958474 
  • 徳久球雄(編集) 編『コンサイス日本山名辞典』(修訂版)三省堂、1992年10月。ISBN 4-385-15403-1 
  • 島田靖、堀井啓介『改訂版 岐阜県の山』山と溪谷社〈新・分県登山ガイド・改訂版〉、2009年12月。ISBN 9784635023702 
  • 西山秀夫『東海周辺 週末の山登り ベスト120』山と溪谷社〈ヤマケイアルペンガイドNEXT〉、2015年2月5日。ISBN 978-4635014540 
  • 日本山岳会『新日本山岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月。ISBN 4-779-50000-1 
  • 山と溪谷社(編集) 編『日本の山1000』山と溪谷社、1992年8月。ISBN 4635090256 
  • 与呉日出夫『改訂新版 名古屋周辺の山』山と溪谷社〈週末登山コースの百科事典〉、2010年7月。ISBN 9784635180177 
  • 吉川幸一『こんなに楽しい岐阜の山旅100コース 美濃』風媒社〈下〉、2003年1月。ISBN 4833100975 

関連項目