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「金草岳」の版間の差分

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2021年5月14日 (金) 00:24時点における版

金草岳
東側の冠山から望む金草岳(2013年6月29日撮影)
東側の冠山から望む金草岳(2013年6月)
標高 1,227.09[注釈 1][1] m
所在地 日本の旗 日本
岐阜県揖斐郡揖斐川町
福井県今立郡池田町南条郡南越前町
位置 北緯35度47分13.116秒 東経136度21分35.786977秒 / 北緯35.78697667度 東経136.35994082694度 / 35.78697667; 136.35994082694座標: 北緯35度47分13.116秒 東経136度21分35.786977秒 / 北緯35.78697667度 東経136.35994082694度 / 35.78697667; 136.35994082694[1]
山系 越美山地
金草岳の位置(日本内)
金草岳
金草岳の位置
プロジェクト 山
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金草岳(かなくさだけ)は、両白山地南部の越美山地の岐阜県揖斐郡揖斐川町[注釈 2]福井県今立郡池田町南条郡南越前町にまたがる標高1,227 m[2][3]。別名が「金糞ヶ岳」(かなくそがだけ)と「塚奥山」[2]。塚奥山は、徳山村塚の奥にある山であることに由来する[4]

概要

山名は福井県側によるものとみられていて[3]、山名の由来は北山麓にある芋ヶ平(鋳物師の集落跡)があるとこらから[4]鉱山に関連する説や、「金糞岳」が訛ったとする説がある[2]1685年貞享2年)の『絵図記』で「金糞ヶ岳」と書かれ、美濃の山と明記されていた[4]1815年文化12年)の『越前名蹟考』では「金糞ヶ嶽」と記されていた[4]幕末の頃に「金草岳」となったとみられている[4]

山頂付近にはチャートが分布している[5]。山域に集落などの居住地はない[6]林道冠山線が敷設される以前は[7]訪問者は稀で、イヌワシの生息地とみられていた[3]。山頂には狭く、二等三角点が設置されている[1][4]。冠山峠から桧尾峠までの北側の福井県側の山域は「楢俣ブナ植物群落保護林」として保護されている[4][7]。山頂付近の東側の小ピークである白倉山にはニッコウキスゲの群落が広がっていて[8]、初夏にニッコウキスゲやシモツケソウなどのが見られる[7]。桧尾峠から北側の稜線上にはホンシャクナゲミツバツツジなどが自生している[4]

登山

桧尾峠付近から望む金草岳、県境稜線が登山道となる

登山の対象となる山で[2][8]、冠山峠からの登山ルート(無雪期・天候良好時)が、岐阜県による「岐阜県 山のグレーディング」で、技術的難易度が「ランクA/(A-E)」(低い)、体力度が「2/1-10」(小程度、日帰りが可能)とされている[9]冠山峠から冠山とセットで日帰り登山されることがある[10]。岐阜県山岳連盟により、ぎふ百山の一つに選定されている[11]。以下の登山道が開設されている。桧尾峠付近の東側の登山道から10 m程下った添又谷の源流部には流水がある[7]。稜線部の所々や山頂からは、展望が開ける[7]

  • 冠山峠からのルート:冠山峠 - 桧尾峠 - 白倉山 - 金草岳[2][8][10]
  • 楢又からのルート:楢又 - 桧尾峠 - 白倉山 - 金草岳[2][4][8]

地理

岐阜県と福井県の県境にある山で、山頂部は揖斐郡揖斐川町と福井県今立郡池田町にまたがり、北西側の山域が南条郡南越前町に属する[6]。山頂の東北東約500 mには、白倉谷の源流の山である白倉山[8](白倉岳[4]、標高約1,200m)の小ピークがある[6]。冠山峠と桧尾峠の間にあるピーク(標高1,046.6 m)は「布滝ノ頭」と呼ばれている[4][10]

周辺の山

周辺の主な山を下表に示す[6]

山容 山名 標高(m)
[1][12]
三角点等級
基準点名[1]
金草岳からの
方角距離(km)
備考
王子保駅から望む日野山(2011年9月11日) 日野山 794.42 二等
「日野山」
西北西 16.0 越前富士
能郷白山から望む部子山(2013年3月12日) 部子山 1,464.25 二等
「部子山」
北北東 13.1
冠山から望む金草岳(2008年11月13日) 金草岳 1,227.09 二等
「塚奥山」
0 ぎふ百山
西側の冠山林道から望む冠山(2008年11月13日) 冠山 1,256.57 三等
「冠山」
東 4.5 日本三百名山
ぎふ百山
夜叉ヶ池山から望む三周ヶ岳と夜叉ヶ池(2017年7月6日) 三周ヶ岳 1,292.01 一等
「三周岳」
南南西 12.7 ぎふ百山
金草岳から望む能郷白山と冠山(2008年11月13日) 能郷白山 1,617.37 一等
「能郷白山」
東 14.2 日本二百名山
ぎふ百山

源流の河川

金草岳から望む揖斐川徳山ダム

揖斐川日野川の以下支流河川源流となる山で、伊勢湾日本海へ流れる[3][6]太平洋側日本海側との分水嶺となる山のひとつである[3]徳山ダムの北西18 kmに位置する[6]

周辺の峠

周辺のを以下に示す[6]

冠山峠から望む冠山
  • 冠山峠 - 山頂の東3.0 kmに位置する。標高1,050 m。林道冠山線が通る。
  • 桧尾峠[8] - 山頂の東北東1.8 kmに位置する。
  • 高倉峠 - 山頂の西南西3.5 kmに位置する。標高約960m。林道塚線が通る。

交通・アクセス

JR西日本今庄駅の東15 kmに位置し[3]養老鉄道養老線揖斐駅の北北西40 kmに位置する[6]北陸自動車道今庄インターチェンジの東15 kmに位置し、名神高速道路大垣インターチェンジの北北西57 kmに位置する[6]。東側の山域に林道冠山線が通る。南側の道谷沿いに林道が通り、高倉峠を経由して、西側の藤倉谷川沿いに林道塚線が通る[6]。周辺は特別豪雪地帯であり[13]、林道は積雪期に閉鎖される[8]

金草岳の風景と展望

金草岳の風景

根張りの大きな山容の山である[2]

金草岳からの展望

山頂からは白山、冠山、北アルプス御嶽山などが望める[4]

脚注

注釈

  1. ^ 基準点の標高は、2014年3月13日の国土地理院による標高改算値。
  2. ^ 2005年1月31日に合併して揖斐川町となった旧揖斐郡藤橋村にまたがっていた山。

出典

参考文献

  • 岐阜県山岳連盟『ぎふ百山』岐阜新聞社、1987年7月。ISBN 4905958474 
  • 徳久球雄(編集) 編『コンサイス日本山名辞典』(修訂版)三省堂、1992年10月。ISBN 4-385-15403-1 
  • 島田靖、堀井啓介『改訂版 岐阜県の山』山と溪谷社〈新・分県登山ガイド・改訂版〉、2009年12月。ISBN 9784635023702 
  • 西山秀夫『東海周辺 週末の山登り ベスト120』山と溪谷社〈ヤマケイアルペンガイドNEXT〉、2015年2月5日。ISBN 978-4635014540 
  • 荒井魏 編『日本三百名山』毎日新聞社、1997年3月。ISBN 4620605247 
  • 日本山岳会『新日本山岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月。ISBN 4-779-50000-1 
  • 宮本数男『改訂版 福井県の山』山と溪谷社〈新・分県登山ガイド〉、2010年3月15日。ISBN 978-4-635-02369-6 
  • 吉川幸一『こんなに楽しい岐阜の山旅100コース 美濃〈上〉』風媒社、2005年3月。ISBN 4833101149 

関連項目