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「大歩危」の版間の差分

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'''大歩危'''(おおぼけ)は、[[吉野川 (代表的なトピック)|吉野川]]中流域に位置する[[谷|渓谷]](先行谷)。
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2021年5月13日 (木) 21:41時点における版

大歩危峡
大歩危の位置(日本内)
大歩危
大歩危

大歩危(おおぼけ)は、吉野川中流域に位置する渓谷(先行谷)。

吉野川西岸の徳島県三好市山城町西宇地区の歩危茶屋付近から高知県長岡郡大豊町大久保地区の一部までと、その対岸となる徳島県三好市西祖谷山村の一部を指す総称でもある。峡谷そのものを指す場合は大歩危峡(おおぼけきょう)と呼ばれることが多い。夏季には多くのラフティングカヤック愛好者を集めるほか、百年以上の歴史がある大歩危峡遊覧船で知られている。数km下流の小歩危(こぼけ)と共に、大歩危・小歩危(おおぼけ・こぼけ)として一括りにされることが多い。国の天然記念物名勝に指定されているほか、剣山国定公園に含まれている。

大歩危駅から下流側1キロメートルの国道32号線沿いに「ラピス大歩危」という、岩石鉱物を展示した博物館がある。こなきじじいの発祥の地とされ、150もの妖怪に関する伝説があり、妖怪村として地域おこしをしている[1]

なお、那賀川上流域の徳島県那賀郡那賀町にも歩危峡(ほききょう)という峡谷があるが、大歩危とは関係ない。

地名の由来

川沿いに変成岩類が露出する

一般には「大股で歩くと危険」が「大歩危」の地名由来とされているが、本来「歩危(ほき、ほけ)」は山腹や渓流に臨んだ断崖を意味する古語である[2]。「崩壊(ホケ)」とも書き、奇岩や怪石の多い土地を示している[3]。「おおぼけ」という音に対して、文化12年(1815年)編纂の阿波史では「大嶂」の字を充てており、明治6年1873年)の地租改正の際に当時の三名村は「大歩怪」の字を充てている。地租改正の際に「こぼけ」には「小歩危」の字を充てており、後に「小歩危」に合わせて「大歩危」と表記するようになった。

大歩危峡の特徴

この地域の地質は三波川帯に属し、8千万年~6千万年前にできた変成岩類で構成されている。大歩危は砂質片岩および黒色(泥質)片岩を主体として構成され、吉野川沿いは砂質片岩が多く露出する。変成岩中に礫(れき)の原型を留めた礫質(れきしつ)片岩が含まれているものもある。大歩危の礫質片岩は含礫片岩として徳島県天然記念物に指定され、2014年3月18日には国の天然記念物に指定された[4]。また2015年10月7日には「大歩危」として国の名勝に指定され、2018年(平成30年)2月13日には小歩危が追加指定されたうえで「大歩危小歩危」の名称に変更されている[5][6]

アクセス

周辺施設・景勝地

大歩危を行く遊覧船

国道32号大歩危トンネル建設計画

大歩危・小歩危付近は地滑り地帯であると同時に四国屈指の多雨地帯で、荒天時には落石や土砂崩れがしばしば発生する。このため、落石や土砂崩れだけでなく、雨量が基準値を超えても国道32号は通行止めになる。頻発する通行止めは地元住民にとって不便なものであるし、そもそも落石や土砂崩れは非常に危険なものである。そこで、国道32号のセブン-イレブン三好大歩危店(旧サンクス大歩危店)付近から峡谷の湯宿大歩危峡まんなか付近までの区間を安全に通行するために大歩危トンネルが計画されている。

脚注

  1. ^ 第35回サントリー地域文化賞を受賞した徳島県三好市「四国の秘境 山城・大歩危妖怪村」サントリーチャンネル、2013年09月26日
  2. ^ 徳島県新名勝案内阿波名勝会、昭和11
  3. ^ ツーリスト案内叢書『四国地方』日本旅行協会、昭和16
  4. ^ “「大歩危」、国の天然記念物に指定 観光客増に期待”. 徳島新聞. (2014年3月19日). http://www.topics.or.jp/localNews/news/2014/03/2014_13951893473771.html 2014年4月3日閲覧。 
  5. ^ 史跡等の指定等について(文化庁報道発表、2017年11月17日)。
  6. ^ 平成30年2月13日文部科学省告示第15号。

関連項目

外部リンク

座標: 北緯33度53分12秒 東経133度45分38秒 / 北緯33.88667度 東経133.76056度 / 33.88667; 133.76056