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2021年4月13日 (火) 09:48時点における版
井口 昭彦(いぐち あきひこ、1943年6月29日[1] - )は日本のデザイナー、美術監督、特殊美術GAM主宰[1]。かつて、本名の高橋昭彦名義で活動していた時期もあった[1]。長男は映画カメラマンの高橋創[2][1]。長女はCGデザイナーの高橋玲香。
略歴
長野県松本市出身。長野県松本深志高等学校卒業後、武蔵野美術大学で美術を学ぶ[1]。同時期の在校生には、のちに円谷プロ作品などで仕事を共にする池谷仙克がいた。舞台美術の世界を志していたが、大学在学中にTBSテレビの美術スタッフを経て、円谷プロで『ウルトラマン』『ウルトラセブン』などの特撮美術スタッフに加わる[1]。
『ウルトラマン80』などのキャラクター&怪獣デザイナーとして知られる山口修は高校の後輩にあたる。
『帰ってきたウルトラマン』からは怪獣デザイナーも兼任し、『ウルトラマンA』では多数の超獣をデザイン[1]。1973年以降、東宝特撮映画にも参加するようになり、メカゴジラ[注釈 1]やチタノザウルスなど、現在でも高い人気を誇る怪獣のデザインを手掛けた[1]。
主な参加作品
美術・特殊美術
- 1968年『マイティジャック』※初クレジット作品[3][1]
- 1968年『戦え! マイティジャック』
- 1971年『帰ってきたウルトラマン』
- 1972年『ウルトラマンA』
- 1973年『人間革命』
- 1973年『日本沈没』
- 1974年『ノストラダムスの大予言』
- 1978年『UFO大戦争 戦え! レッドタイガー』
- 1978年『スターウルフ』
- 1978年『西遊記』
- 1979年『西遊記II』
- 1979年『メガロマン』
- 1985年『テラ戦士ΨBOY』
- 1988年『未来忍者 慶雲機忍外伝』
- 1988年『電脳警察サイバーコップ』
- 1991年『ゼイラム』
- 1993年『仮面ライダーZO』
- 1994年『仮面ライダーJ』
- 1994年『ゼイラム2』
- 1995年『人造人間ハカイダー』
- 1996年『超光戦士シャンゼリオン』
- 1996年『人造人間ハカイダー ディレクターズカット版』
- 1997年『タオの月』
- 1998年『ウルトラセブン誕生30周年記念3部作』
- 1998年『ズッコケ三人組 怪盗X物語』
- 1999年『ウルトラセブン1999最終章6部作』
- 1999年『ブースカ! ブースカ!!』
- 2000年『ウルトラマンネオス』
- 2003年『オタスケガール』
- 2007年 『五龍奇剣士/Metal kaiser』(中国)
- 2008年『252 生存者あり』
キャラクターデザイン
- 1968年『マイティジャック』
- 1971年 - 1972年 『帰ってきたウルトラマン』
- マットアロー1号[3]
- マットアロー2号
- マットジャイロ
- MAT海底基地全景
- 航空機カタパルト
- 水牛怪獣 オクスター(第30話「呪いの骨神 オクスター」)
- 光怪獣 プリズ魔(第35話「残酷! 光怪獣プリズ魔」)
- 暗殺宇宙星人 ナックル星人(第37話「ウルトラマン夕陽に死す」、第38話「ウルトラの星 光る時」)
- 雪男星人 バルダック星人(第39話「冬の怪奇シリーズ 20世紀の雪男」)
- 雪女怪獣 スノーゴン(第40話「冬の怪奇シリーズ まぼろしの雪女」)
- 宇宙忍者 バルタン星人Jr.(第41話「バルタン星人Jr.の復讐」)
- ロボット怪獣 ビルガモ(第41話「バルタン星人Jr.の復讐」)
- 宇宙怪人 ストラ星人(第42話「富士に立つ怪獣」)
- 蜃気楼怪獣 パラゴン(第42話「富士に立つ怪獣」)
- 発砲怪人 グロテス星人(第43話「魔神 月に咆える」)
- 魔神怪獣 コダイゴン(第43話「魔神 月に咆える」)
- 燐光怪獣 グラナダス(第44話「星空に愛をこめて」)
- 宇宙牛人 ケンタウルス星人(第44話「星空に愛をこめて」)
- 電磁波怪人 メシエ星雲人(第45話「郷秀樹を暗殺せよ!」)
- 鼠怪獣 ロボネズ(第45話「郷秀樹を暗殺せよ!」)
- ブーメラン怪獣 レッドキラー(第46話「この一撃に怒りをこめて」)
- 宇宙参謀 ズール星人(第46話「この一撃に怒りをこめて」)
- ひとだま怪獣 フェミゴン(第47話「狙われた女」)
- なまけ怪獣 ヤメタランス(第48話「地球頂きます!」)
- 銀河星人 ミステラー星人(第49話「宇宙戦士 その名はMAT」)
- 原始地底人 キング・ボックル(第50話「地獄からの誘い」)
- 1972年 『ミラーマン』
- 土星怪獣 アンドロザウルス[注釈 3](第23話「土星怪獣アンドロザウルス襲来!」)
- カプセル冷凍怪獣コールドン(第24話「カプセル冷凍怪獣コールドンに挑戦せよ!」)
- 1972年 - 1973年『ウルトラマンA』
- タックファルコン
- タックアロー
- タックスペース
- ミサイル超獣 ベロクロン(第1話「輝け!ウルトラ五兄弟」)
- 古代超獣 カメレキング(第2話「大超獣を越えてゆけ!」)
- 一角超獣 バキシム(第3話「燃えろ! 超獣地獄」)
- 怪魚超獣 ガラン(第4話「3億年超獣出現!」)
- 変身超獣 ブロッケン(第6話「変身超獣の謎を追え!」)
- 大蝉超獣 ゼミストラー(第20話「青春の星 ふたりの星」)
- ウルトラの父
- 満月超獣 ルナチクス(第28話「さようなら夕子よ、月の妹よ」)
- 地底超獣 ギタギタンガ(第29話「ウルトラ6番目の弟」)
- 地底超人 アングラモン(第29話「ウルトラ6番目の弟」)
- 超獣人間 コオクス(第32話「ウルトラの星に祈りを込めて」)
- 気球船超獣 バッドバアロン(第33話「あの気球船を撃て!」)
- 騒音超獣 サウンドギラー(第36話「この超獣10,000ホーン?」)
- 鈍足超獣 マッハレス(第37話「友情の星よ永遠に」)
- 雪超獣 スノーギラン(第38話「復活! ウルトラの父」)
- 火炎超獣 ファイヤーモンス(第39話「セブンの命! エースの命!」)
- 火炎人 ファイヤー星人(第39話「セブンの命! エースの命!」)
- 鬼超獣 オニデビル(第44話「節分怪談! 光る豆」)
- ガス超獣 ガスゲゴン(第45話「大ピンチ! エースを救え!」)
- 宇宙電気クラゲ ユニバーラゲス(第49話「空飛ぶクラゲ」)
- 遊牧星人 サイモン星人(第52話「明日のエースは君だ!」)
- 1973年 『流星人間ゾーン』
- 1973年 『ウルトラマンタロウ』
- 1974年 『ゴジラ対メカゴジラ』
- 1974年『ノストラダムスの大予言』
- 大ナメクジ
- 軟体人間
- 1975年 『メカゴジラの逆襲』
- 恐竜怪獣 チタノザウルス
- 1978年 『UFO大戦争 戦え! レッドタイガー』
- ランボルジャイアント
- ランボルファイター
- スリッパーX1
- スリッパーX2
- スペースマリン1号
- ジャンケンUFO
- 1979年 - 1980年 『ザ☆ウルトラマン』
- 1979年 『メガロマン』
- 1998年 『ウルトラセブン誕生30周年記念3部作』
- 洗脳宇宙人 ヴァリエル星人(第1話「失われた記憶」)
- 硫黄怪獣 サルファス(第2話「地球より永遠に」)
- 太陽獣 バンデラス(第3話「太陽の背信」)
- 1999年 『ウルトラセブン1999最終章6部作』
- 寄生生命体 ヴァルキューレ星人(第1話「栄光と伝説」)
- 鉄鋼ロボット 大鉄塊(第2話「空飛ぶ大鉄塊」)
- 宇宙昆虫 ガロ星人(第2話「空飛ぶ大鉄塊」)
- 帰化宇宙人 キュルウ星人(第2話「空飛ぶ大鉄塊」)
- 植物人 ボラジョ(第3話「果実が熟す日」)
- 犯罪宇宙人 レモジョ星系人(第3話「果実が熟す日」)
- 時空怪獣 大龍海(第4話「約束の果て」)
- 守護神獣 ザバンギ(第6話「わたしは地球人」)
- 2000年 『ウルトラマンネオス』
- 群体怪獣 シーゴリアン(第3話「海からのSOS」)
- 北極怪獣 ノゼラ(第4話「赤い巨人!セブン21」)
- 南極怪獣 サゾラ(第4話「赤い巨人!セブン21」)
- 凶暴竜 ロックイーター(第7話「生態系の王」)
- 変貌怪獣 キングバモス(第7話「生態系の王」)
- 幻聖魔獣 ラフレシオン(第8話「蘇る地球 HEART南へ!」)
- 合体恐竜 キングダイナス(第9話「僕らの恐竜コースター」)
- 隕石怪獣 ギガドレッド(第10話「決断せよ! SX救出作戦」)
- 暗殺怪獣 グラール(第11話「宇宙からの暗殺獣」)
- 究極進化帝王メンシュハイト(第11話「宇宙からの暗殺獣」より)
- 2002年 『ウルトラセブン誕生35周年“EVOLUTION”5部作』
- メタル宇宙人 ガルト星人(EPISODE:3「ネバーランド」)
- 妖邪剛獣 ガイモス(EPISODE:5「アカシックレコード」)
出演
- 『ブースカ! ブースカ!!』第11話「なりきりカードで大混乱!」ほか(1999年) - 夢町市長
補足事項
- 帰ってきたウルトラマン(ウルトラマンジャック)のデザインは、井口の手によるものとされているが、本人は否定している[4]。
- ゴジラシリーズに登場するガイガン、メガロ、ジェットジャガーのデザインは、長い間、井口の手によるものだと言われ、東宝による公式書籍[要文献特定詳細情報]などにも井口によるデザインだと記されていたが、近年のインタビューで本人の口から否定された[5]。
- 『マイティジャック』では、井口の弟も美術の深田達郎の助手として参加していた[6]。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f g h i 宇宙船157 2017.
- ^ 「[インタビュー]高橋創」『宇宙船』VOL.150(2015 autumn)、ホビージャパン、2015年10月1日、pp.104-105、ISBN 978-4-7986-1099-3。
- ^ a b c d e f g h SFドラマ大図鑑 2013, p. 71, Staff Interview 井口昭彦
- ^ 『帰ってきたウルトラマン大全』(双葉社)315頁。
- ^ 中山基編「バンダイ製メカゴジラ発売企画・メカゴジラをデザインした井口昭彦氏にインタビュー」『フィギュア王 No.128』ワールドフォトプレス、2008年10月30日、ISBN 978-4-8465-2745-7、106頁。
- ^ SFドラマ大図鑑 2013, p. 66, Staff Interview 深田達郎.
参考文献
- 『別冊映画秘宝 円谷プロSFドラマ大図鑑』洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2013年10月2日。ISBN 978-4-8003-0209-0。
- 「70's円谷怪獣リスペクト検証 栄光の怪獣王国、狂乱のデザイン史 [第5回] 「超獣」生みの親・井口昭彦、その怪獣デザインと特撮美術の相乗効果」『宇宙船』vol.157(SUMMER 2017.夏)、ホビージャパン、2017年6月30日、pp.100-103、ISBN 978-4-7986-1482-3。
関連項目
外部リンク
- 高橋昭彦 - 日本映画データベース
- 井口昭彦 - 日本映画データベース