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⚫ | 『[[週刊ファミ通]]』の[[クロスレビュー]]では、9、7、7、8の31点と採点され、30点から31点のソフトが対象となる「シルバー殿堂」入りとなった(レビュアーは、サワディ・ノダ、カミカゼ長田、渡辺美紀、羽田隆之){{R|famitsu19980713}}。『[[電撃PlayStation]]』のDPSソフトレビューでは、60、80、80、90の310点と採点された(レビュアーは、岩崎啓真、ウォルフ中村、なんでもゆうこ、電撃レビュアーズ){{R|DPS19980710}}。『[[ザ・プレイステーション]]』のザ・プレ流PSソフト品評会では、64、88、77の229点と採点された(レビュアーは、荒木由紀枝、飯田REI、内海一秀){{R|TPS19980626}}。 |
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本作のPS版の初動(発売週の売上)は約10万本に達し、週間ランキングで1位となった(「[[アスキー (企業)|アスキー]]」発表:102,047本){{R|famitsu19980724}}。また、本作のPS版の推定販累計売本数は312,939本であった{{R|famitsu20041217}}。 |
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⚫ | 『[[週刊ファミ通]]』の[[クロスレビュー]]では、9、7、7、8の31点と採点され、30点から31点のソフトが対象となる「シルバー殿堂」入りとなった(レビュアーは、サワディ・ノダ、カミカゼ長田、渡辺美紀、羽田隆之){{R|famitsu19980713}}。『[[電撃PlayStation]]』のDPSソフトレビュー |
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アニメーションに関する肯定的なコメントは、「フルアニメーションとフルボイスによるなりきり感覚はすごいのひとこと。遊んでいるうちにだんだん、はまっていってまるで本気で彼女と会話をしているような気になっていくのがすごい{{R|famitsu19980713}}」であった。一方、否定的なコメントは、「確かによく動くんだけど、それほどスゴイとは感じなかった{{R|famitsu19980713}}」であった。 |
アニメーションに関する肯定的なコメントは、「フルアニメーションとフルボイスによるなりきり感覚はすごいのひとこと。遊んでいるうちにだんだん、はまっていってまるで本気で彼女と会話をしているような気になっていくのがすごい{{R|famitsu19980713}}」であった。一方、否定的なコメントは、「確かによく動くんだけど、それほどスゴイとは感じなかった{{R|famitsu19980713}}」であった。 |
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シナリオに関する肯定的なコメントは、「一見ギャルゲーに見えてしまうが、とんでもなく本格的なドラマになってる{{R|TPS19980626}}」「物語が終わるたび、27個のうちいくつのエンディングを見たかが表示され、征服心をあおる{{R|famitsu19980713}}」「物語には分岐ポイントが多数あり、それが無理なくつながって様々なストーリーが楽しめる{{R|TPS19980626}}」であった。一方、否定的なコメントは、「シナリオに関しては、安っぽい印象で正直言って不満。プレイを始めてから3分で、メインストーリーが最後まで読めてしまう内容では、あまりにお寒いではないか{{R|DPS19980710}}」「柱となる話がもう1本あってもよかった{{R|famitsu19980713}}」であった。 |
シナリオに関する肯定的なコメントは、「一見ギャルゲーに見えてしまうが、とんでもなく本格的なドラマになってる{{R|TPS19980626}}」「物語が終わるたび、27個のうちいくつのエンディングを見たかが表示され、征服心をあおる{{R|famitsu19980713}}」「物語には分岐ポイントが多数あり、それが無理なくつながって様々なストーリーが楽しめる{{R|TPS19980626}}」であった。一方、否定的なコメントは、「シナリオに関しては、安っぽい印象で正直言って不満。プレイを始めてから3分で、メインストーリーが最後まで読めてしまう内容では、あまりにお寒いではないか{{R|DPS19980710}}」「柱となる話がもう1本あってもよかった{{R|famitsu19980713}}」であった。 |
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キャラクターに関する |
キャラクターに関する否定的なコメントは、「女の子の一人称が『ボク』なのが個人的にだいぶ{{R|famitsu19980713}}」「一人称ボク&ほっぺたでげんなり{{R|TPS19980626}}」であった。 |
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⚫ | システムに関する肯定的なコメントは、「操作性もクイックで良好{{R|famitsu19980713}}」「振動パッドにしてると、主人公の心臓ドキドキ度に合わせて震えたりするので臨場感もバッチシ{{R|TPS19980626}}」「やりこむごとに新たな選択肢が登場するのも○{{R|DPS19980710}}」「プレイ済みの場面を内容がわかる程度に早送りできる等、2回目以降のプレイのことも考えられている{{R|DPS19980710}}」であった。一方、否定的なコメントは、「プレイヤーの操作は選択肢の決定だけなので、ゲーム性の低さは否めない{{R|TPS19980626}}」「到達済みエンディングの確認がしづらい{{R|DPS19980710}}」「ルート概要とその結末を表示する機能もほしかった{{R|DPS19980710}}」「途中からでも達成率にカウント出来ればよかった{{R|TPS19980626}}」「 |
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⚫ | システムに関する肯定的なコメントは、「操作性もクイックで良好{{R|famitsu19980713}}」「振動パッドにしてると、主人公の心臓ドキドキ度に合わせて震えたりするので臨場感もバッチシ{{R|TPS19980626}}」「やりこむごとに新たな選択肢が登場するのも○{{R|DPS19980710}}」「プレイ済みの場面を内容がわかる程度に早送りできる等、2回目以降のプレイのことも考えられている{{R|DPS19980710}}」であった。一方、否定的なコメントは、「プレイヤーの操作は選択肢の決定だけなので、ゲーム性の低さは否めない{{R|TPS19980626}}」「到達済みエンディングの確認がしづらい{{R|DPS19980710}}」「ルート概要とその結末を表示する機能もほしかった{{R|DPS19980710}}」「途中からでも達成率にカウント出来ればよかった{{R|TPS19980626}}」「(達成率が)92%でも全エンディングの6割にしか届かないのは…{{R|DPS19980710}}」であった。 |
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ライターのカワチは、本作を「ヒロインの『赤坂美月』という複雑なキャラクターを選択肢によって多角的に理解していくゲーム{{R|sisilala tv}}」とコメントした。また、Good End 04「とらわれた心」に関して「すべてのギャルゲーマーへの挑戦のような気がしていて、いちばん好き{{R|sisilala tv}}」とコメントした。それと、本作での流血沙汰が多いことに対して「ジャンルの『やるドラ』って『やるドラマ』じゃなくて『殺るドラマ』のことなんじゃないの?<ref>{{Cite web |url=http://dps.dengeki.com/500/428 |title=ダブルキャスト 電撃PlayStation 500号記念特設サイト |date=2011-08-29 |website=電撃ドットコム |publisher=[[アスキー・メディアワークス]] |accessdate=2021-03-04 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20120528080717/http://dps.dengeki.com/500/428 |archivedate=2012-05-28 |deadlinkdate=2021-03-04}}</ref>」とコメントした。 |
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『週刊ファミ通』の「ユーザーが推す怖いゲーム」では、本作は得票数が47票で9位を獲得した{{R|famitsu20180823200}}。また、『週刊ファミ通』の「あなたが32番目に好きなゲームは?」では、ファミ通編集者である2人(オポネ菊池とブラボー!秋山)が32番目に好きなゲームに挙げた{{R|famitsu20180621121}}{{R|famitsu20180621131}}。 |
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[[MAGES.]]の[[志倉千代丸]]は「かつて発売された『[[やるドラ]]』のようなアニメーションを大々的に取り入れる案が何度か出まして。僕らはやはり『やるドラ』にはちょっとした憧れがあるんですよね」と本作を含む『やるドラ』シリーズから影響を受けていることをインタビューで回答した<ref>{{Cite web |url=https://www.famitsu.com/news/201709/21142252.html |title=志倉千代丸氏インタビュー『シュタインズ・ゲート エリート』は“ゲーム以上でいて、アニメ以上” |date=2017-09-21 |website=[[ファミ通.com]] |publisher=[[KADOKAWA Game Linkage]] |accessdate=2021-02-28}}</ref>。 |
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== 関連商品 == |
== 関連商品 == |
2021年3月7日 (日) 05:59時点における版
ダブルキャスト | |
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ゲーム:ダブルキャスト | |
ゲームジャンル | アドベンチャー[1] サスペンス[1] ホラー[1] |
対応機種 | PlayStation[PS][1] PlayStation Portable[PSP][2] |
開発元 | Production I.G[3] シュガーアンドロケッツ[3] ウィル[PSP][4] |
発売元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント[3] |
総監督 | 東郷光宏[3] |
監督 | 西久保瑞穂[3] |
プロデューサー | 石川光久[3] 山元哲治[3] |
ディレクター | 池内伸彰[3] |
キャラクターデザイン | 後藤圭二[3] |
プロジェクト起案・原案 | Production I.G[3] |
シナリオ | 川崎逸朗[3] 久保田雅史[3] 松原順[3] |
音楽 | 梶浦由記[3] 桑原和男[3] 清水彰彦[3] 藤澤孝史[3] 荒木裕子[3] |
メディア | CD-ROM[PS][1] UMD[PSP][2] ダウンロード販売[PSP/DL][5] |
プレイ人数 | 1人[1] |
発売日 | 1998年6月25日[PS][1] 2001年8月16日[PS/Best][6] 2005年7月28日[PSP][2] 2009年9月24日[PSP/DL][5] |
売上本数 | 312,939本[PS][7] |
レイティング | CERO:B(12才以上対象)[PSP][2][5] |
コンテンツアイコン | 恋愛、セクシャル、暴力[PSP][5] |
キャラクター名設定 | 不可 |
エンディング数 | 27[8] |
セーブファイル数 | 5[9] |
セーブファイル容量 | 1ブロック[PS][10] |
キャラクターボイス | 主人公以外フルボイス[11] |
その他 | CGモード:なし 音楽モード:なし 回想モード:なし メッセージスキップ:あり[12] オートモード:なし |
ドラマCD:「ダブルキャスト」ザ・ドラマCD | |
発売元 | SPE・ビジュアルワークス[13] |
発売日 | 1999年1月21日[13] |
収録時間 | 73分15秒[13] |
話数 | 全6話[13] |
枚数 | 全1枚 |
漫画:ダブルキャスト アンソロジーコミック | |
作者 | 速水翼[14] 青紀やまと[14] 九条友淀[14] 杉崇亜緒弥[14] 服部あゆみ[14] さいとう邦子[14] あずみ椋[14] ありともか[14] 辰藤剣[14] 佐々木ナツ[14] |
出版社 | ソフトバンクパブリッシング[14] |
レーベル | SB COMICS ゲームシリーズ[15] |
発売日 | 1999年5月28日[16] |
巻数 | 全1巻 |
話数 | 全10話[14] |
関連作品 | |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 美少女ゲーム系 |
ポータル | ゲーム |
『ダブルキャスト』(Double Cast)は、1998年6月25日にソニー・コンピュータエンタテインメントより発売されたPlayStation用アドベンチャーゲーム[1]。
本作は、赤坂美月という記憶喪失になったヒロインを軸としたサスペンスである[17]。また、四季を題材とした『やるドラ』シリーズの第1作目であり、夏を舞台としている(その後、春を舞台とした『季節を抱きしめて』、秋を舞台とした『サンパギータ』、冬を舞台とした『雪割りの花』が発売された)[18]。
本作は全シーンがアニメーションで展開するが[19]、企画・原作・アニメーション制作は『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』や『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』などを制作したProduction I.Gが担当した[20]。
本作は徹底してフルボイス・フルアニメーションで展開したこと、発売元がソニーだったこと、『機動戦艦ナデシコ』で知られる後藤圭二がキャラクターデザインを担当したことなどが話題になった[19]。
本作のヒロインである赤坂美月はヤンデレの先駆けであった[21]。また、本作はPlayStation初のパンチラ解禁作品となった[22]。
やるドラ
『やるドラ』シリーズは全編フルボイス・フルアニメーションで物語が展開するアドベンチャーゲームのシリーズ名であり、本作は『やるドラ』シリーズの第1作目である[19]。各作品は本線と呼ばれるメインのシナリオが1本存在して、そこから分岐シナリオが派生していくシステムになっている[23]。
PlayStationで発売された4作品(本作・『季節を抱きしめて』・『サンパギータ』・『雪割りの花』)は、夏・春・秋・冬といった季節が舞台となっている[18]。また、「大学生の主人公が記憶喪失のヒロインと出会う」という共通の設定になっている[24]。
ゲームシステム
本作は全編フルアニメーションで物語が展開するマルチエンディング形式のアドベンチャーゲームである[25](いわゆる、フローチャート型のアドベンチャーゲームである[26])。アニメーションの途中で現れる選択肢を選ぶと、選んだ選択肢の内容に沿ってシナリオが進行する[12]。
一度でもグッドエンドを迎えると、死人が続出するサブシナリオに入ることができる[27]。条件を満たすと、ゲームをスタートした直後に選択肢が表示され、スタート地点を選ぶことができるようになる[28]。
シナリオを進行していくと達成率が上がっていく[29]。また、特定の数値を達成すると登場人物のメッセージを聞くことができる[29]。
本作にはリプレイ機能があり、プレイしたデータのシナリオを選択肢なしで通常のアニメーションのように観ることができる[30]。
ストーリー
所属する映画研究部の飲み会で酔い潰れた主人公は、見知らぬ女性の赤坂美月に介抱される[31]。美月は自分の名前以外の記憶が思い出せないことを主人公に打ち明けると、主人公は自分の家に来ることを提案する[32]。美月はすぐにその提案を受け入れる[32]。
映画研究部の部長である篠原遥は、映研がプライベートフィルムの賞をしばらく取ってないことと、大学の中央執行部から部室を明け渡せという話が出ているらしいということから、劇中劇である「かこひめの寝屋」[注 1]を撮影してプライベートフィルムの賞を取ることを部員に宣言する[33]。だが、過去の映画の撮影中に主演女優と監督兼カメラマンが大学の屋上から相次いで飛び降りて2人とも死亡するという事件が発生した内容なので、学内の学生は誰も主演女優になりたがらなかった[33]。よって、遥は学外から主演女優を探すよう部員に命じる[33]。そこで、主人公は美月に主演女優になってくれないか頼んでみると、美月はあっさり承諾する[33]。そして、遥は主演女優を美月に決定する[33]。
霊園で映画の撮影をしている時、主人公の同期である二村英樹が「赤坂」と彫られている墓を見つけたので、主人公と美月はその墓を見に行くと、その脇に「赤坂美月」と彫られていることに気づく[34]。また、その日の夜の帰り道に美月はヘルメットを被った男に襲われ、「おまえなんか生きてるワケない」と言われる[35]。これらの出来事によって、美月は自分の存在に疑問を持ち、取り乱す[35]。
そんな中、主演男優の佐久間良樹が事故で左腕を骨折したので、主人公が主演男優代理に抜擢され、主演男優をダブルキャストすることになる[36]。主人公は主演男優代理という状況を利用して、遥の別荘での撮影旅行中に二人きりで美月との演技の練習を行う[37]。途中、アドリブで美月を抱きしめながら「君は確かにここにいて、僕の腕の中で必要な存在として成り立っている」と言って、美月と初めてキスをする[37]。
別荘での撮影が終了して主人公と美月は自宅に戻ると、すぐに遥が現れる[38]。以前から主人公と美月が同居していることを知っていた遥は、映画が完成するまでは主人公と離れて暮らすよう美月に命じる[38]。数日後、ポストに猫の死体が入れられていたり、玄関にラクガキがされていたりと、主人公への嫌がらせが始まる[38]。
自分が出演する場面の撮影が終わったので美月は主人公の家に戻ってくる[39]。その後、佐久間から電話[注 2]があり、直接会って美月の過去について話したいと言われる[39]。待ち合わせの廃病院に行くと、佐久間らしき人物に左手の刃物で切り付けられるが、蹴りを入れて応戦する[39]。佐久間らしき人物が袋小路の部屋に逃げたので主人公も部屋に入ると、そこには美月が倒れている[39]。佐久間は外に出ていて、バイクで逃走する[39]。バイクがあった場所には「南西総合病院」と書かれた封筒が落ちていて、中には女性が写っている2枚の写真が入っている[39]。
美月の看病を遥に任せて主人公は編集作業に戻るが、フィルムのカットのつなぎに違和感を感じる[40]。主人公は何気なく2枚の写真に目を通す[40]。どちらも美月らしき人物がテニスをしている写真だが、ラケットの持ち方が異なっている[40]。1枚は右手で、もう1枚は左手でラケットを握っている[40]。その瞬間、頭の中に一つの答えが出る[40]。主人公は遥と二村に電話[注 2]をかけて協力を要請する[40]。
編集したフィルムの試写という名目で、主人公は美月を部室に呼び出す[41]。そこで、フィルムのカットによって美月の利き腕が変わることを指摘する[41]。驚く美月に対して、「南西総合病院」精神科の医師である森崎真奈美との会話を撮った映像を流す[41]。森崎は姉の赤坂美月と妹の赤坂志穂のカウンセリングを担当していていたこと、美月は自殺したこと、志穂には姉の人格である「美月」と仮の人格が現れること、志穂は右利きで美月は左利きであることを説明する[41]。そして、廃病院で襲ったのは佐久間ではなく「美月」であることを主人公は指摘する[41]。その瞬間、姉の人格である「美月」は手元にある刃物で主人公を刺そうとする[41]。「美月」は、主人公の家へのラクガキや廃病院で襲ったのは自分がやったことだと告白して部室から出るが、外には遥と二村が立っていて、行く手を塞いでいる[41]。とっさの判断で「美月」は立ち入り禁止になっている非常階段を上って屋上へ移動したので、主人公も後を追いかける[41]。
主人公が屋上に到着すると、「美月」は転がっている鉄パイプを拾って主人公を殺そうとするが、突然現れた佐久間によって鉄パイプを受け止められる[42]。佐久間は、本物の美月によって志穂との仲を邪魔されたこと、美月と名乗る人物が現れたので「お前なんか生きてるはずないだろう」と聞いたことを打ち明けた後、「美月」によって鉄パイプで殴られる[42]。「美月」は主人公を殺そうとするが、主人公に手首を掴まれて共に屋上から落下する[42]。
落下地点には遥と二村が用意したマットが敷かれていたため、二人は無傷で済む[43]。飛び降りた影響で姉の人格である「美月」は現れなくなり、志穂の人格が現れるようになる[43]。そして、無事に映画は完成して、主人公と志穂は結ばれる[43]。
登場人物
主人公とメインヒロイン
- 主人公
- 声:なし[注 3]
- 映画研究部の新人部員[44]。一人称は「僕」[31]。あだ名は「新人」[44]。
- 映画研究部の飲み会で酔い潰れてしまい、ゴミ捨て場で寝ていたところを美月に介抱される[31]。お礼にコーヒーをご馳走するが、雑談しているうちに美月の境遇を知り、彼女を居候させることになる(なお、主人公自身は叔父の家に居候の身である)[32]。
- 赤坂 美月(あかさか みつき) / 赤坂 志穂(あかさか しほ)
- 声:平松晶子[3]
- 本作のヒロイン。
- 酔いつぶれた主人公を介抱したことが縁で知り合い[31]、彼の家へ転がり込むことになる[32]。その後、「かこひめの寝屋」の主演女優に抜擢される[33]。「赤坂 美月」という名前以外の記憶が一切失せており、素性なども謎に包まれているが、普段は至って明るく振る舞っている[45]。
- 実は多重人格者であり、ストーリー後半で本名が「赤坂 志穂」であることが明かされる[41]。
- 赤坂 美月(仮の人格[46])
- 志穂の人格の一つ[41]。主人公が最初に出会う人格[31]。後述する本来の志穂の人格でも姉の美月の人格でもなく、社会生活を営むために作り上げられた仮の赤坂美月である[46]。主人公に出会う前までの記憶は無い[45]。
- 一人称は「ボク」[32][注 4]。右利き[注 5]。周りにはボーイッシュに振る舞っている[45]。
- とあるエンディングでは、志穂本来の人格を取り戻さないまま、姉の人格は出てこなくなったものの、この人格をベースにそのまま「志穂」として主人公と過ごすことになる(辛い過去の姉妹の記憶のみを封印しそれまでのように過ごすエンディング[49]と、出会った当初のように再び記憶を失ってしまいボーイッシュな性格に戻るエンディング[50]がある)。
- 赤坂 美月(姉の人格[46])
- 志穂の人格の一つ[41]。志穂の双子[注 6]の姉である本物の美月(後述)をベースにした凶暴な人格[41]。
- 一人称は「あたし」[41]。左利き[注 7]。
- 主人公に対してたびたび嫌がらせを行っていた人格でもある[41]。森崎はこの人格について、「嫉妬深くてとても危険。志穂を溺愛していて、彼女が心を許した男性を襲う可能性がある」と説明している[41]。
- とあるエンディングでは、志穂本来の人格を取り戻さないまま、姉の人格が出続けることになる[52]。また、撮影旅行の途中からこの人格が完全に出現し、美月の手によって映画研究部の部員が皆殺しにされることがある[53]。
- 赤坂 志穂
- 志穂の主人格であり、彼女本来の人格[41]。つまり、志穂の中には「美月(仮の人格)」「美月(姉の人格)」「志穂」の3つの人格が存在しているが、同時に主人格であるはずの本来の志穂は眠った状態でずっと表に現れていなかった[41]。
- 一人称は「あたし」[54]。右利き[注 7]。
- 姉の美月とは仲の良い姉妹だったが、とあることがきっかけとなって虐待されたうえに彼女の自殺現場を目の当たりにしたため、志穂の人格は分裂して多重人格者になってしまう[41]。そういった経緯から、南西総合病院で森崎のカウンセリングを受けていた[55]。
- とあるエンディングでは、トラウマを乗り越えて彼女本来の志穂としての人格に統合され、すべての記憶を完全に取り戻すことになる[54][注 8]。
- 赤坂 美月(番外編)
- 声:平松晶子[3]
- 番外編に登場する赤坂美月。一人称は「私」[58]。
- 交際していた男性と破局し、やけ酒を飲んで深夜のファーストフード店で居眠りしていたところ、主人公と出会って意気投合し、そのまま流れで主演女優に抜擢される[58]。明るく陽気に見えるが、実は相手の男性とは二村のことであり、映画研究部で気まずい再会を果たした二村と一緒に映画を撮らなければならないことに関して深く悩む面も持つ[58]。
メインヒロインの関係者
- 赤坂 美月(本物)
- 声:なし
- 本物の美月であり、赤坂志穂の双子[注 6]の姉[41]。故人[41]。左利き[注 7]。
- 幼少時に両親を事故で亡くし、志穂と2人で暮らしていた[41]。悪い男性に捕まったことが原因で、男性不信になってしまった結果、志穂に過剰な愛情を注ぐようになる一方、志穂が男性に近寄った場合は彼女に暴力を振るうこともいとわなくなる[41]。南西総合病院で森崎のカウンセリングを受けていたが[55]、最終的に自殺してしまう[41]。
- 佐久間 良樹(さくま よしき)
- 声:置鮎龍太郎[3]
- 「かこひめの寝屋」に出演する男優[59]。映画研究部の部員ではない[59]。
- 周囲にはプレイボーイと噂されているが、実際はそうではなく、女性には常に真剣で、相手の方が変な期待をして近付いてくることの方が多い[59]。
- 高校時代に志穂との仲を美月に邪魔される[42]。
- とあるエンディングでは、大学の屋上から飛び降りて自殺する[60]。
- 森崎 真奈美(もりさき まなみ)
- 声:折笠愛[3]
- 南西総合病院精神科の医師[61]。
- 才色兼備と称えられるに相応しい美女であるうえ、精神科としての手腕も確かである[62]。
- 過去に美月と志穂のカウンセリングを担当していた[55]。主人公に対して美月と志穂の過去を話す[41]。
映画研究部メンバー
- 篠原 遥(しのはら はるか)
- 声:水谷優子[3]
- 映画研究部の部長[63]。お高く止まらない江戸っ子である[64]。良家の一人娘[63]。
- 元々映画には興味があったわけでもないまま入部したところ、物語開始の前年に当時の部長がとある理由から失踪したため、人望の高さから部長の座を引き継ぐことになる[63]。
- 見た目は派手であるが、男性には奥手である[65]。主人公を狙っていたことを二村に指摘される[54]。
- 二村 英樹(ふたむら ひでき)
- 声:森久保祥太郎[3]
- 主人公と同期の新人部員[66]。主人公とは友人である[66]。
- カメラを担当しているが、本当は演出を志望している[67]。映画の知識は「映研最高峰の人材」とも称されるほど[67]。
- 実は遥のことが好きで狙っており、エンディングによっては良い雰囲気になることがある[54]。
- とあるエンディングでは、飛び降り心中事件の真相を知っており、飛び降りたシーンのフィルムを所持している[68]。また、「かこひめの寝屋」のシナリオを書き下ろした「蔵 夏樹」と偽り、シナリオの使用許可の手紙を出したと語っている[68]。
- 番外編では美月と交際していた設定になっている[69]。
- 楠木 翔子(くすのき しょうこ)
- 声:白鳥由里[3]
- 主人公と同期の新人部員[70]。メイク担当[70]。
- 自分自身より、他人を美しくすることを第一に考えるタイプである[70]。本当は海外での本格的なメイクの勉強を希望していたが、親に反対されたため、普通の大学へ通いながら日々勉強に励んでいる[70]。奥手そうな外見とは裏腹に、恋愛経験については美月や遥より豊富という噂もある[70]。
- ジェノサイド編では美月によって滅多刺しにされた死体が浴室で発見される[71][注 9]。
- 番外編では主人公と両思いであることが発覚する[73]。
- 剛田 豪(ごうだ ごう)
- 声:立木文彦[3]
- 主人公の先輩の映画研究部の部員[74]。
- 元はプロレス同好会に所属していたが、遥が撮ってくれたプロモーションビデオを気に入り、そのまま映画研究部に所属する[74]。
- バッドエンドになった場合、元ライバルで現相方の花園と共に登場し、アドバイスを送ってくれる[75]。
- 花園 雅美(はなぞの まさみ)
- 声:松本保典[3]
- 主人公の先輩の映画研究部の部員[74]。
- 剛田と同じく、元はプロレス同好会に所属していたが、映画研究部に入り浸るようになった彼の後を追って映画研究部に所属する[74]。手先の器用さを買われて機材管理担当者となる[62]。
- バッドエンドの際に行われる寸劇では、剛田のアドバイスに対して「うむ、その通り!」と合いの手を入れている[75]。
エンディング
Good End
No. | サブタイトル | 内容 |
---|---|---|
01 | ダブルキャスト | 大学の屋上から飛び降りた結果、すべての記憶を取り戻し、志穂本来の人格に統合される[54][注 10]。 |
02 | 志穂 | 大学の屋上から飛び降りた結果、姉妹の記憶を失い、美月(仮の人格)の人格が志穂の名前で過ごすようになる[49]。 |
03 | 美月 | 大学の屋上から飛び降りた結果、以前の記憶をすべて失い、ボーイッシュな人格が志穂の名前で過ごすようになる[50]。 |
04 | とらわれた心 | 大学の屋上から飛び降りた結果、入院したまま美月(姉の人格)として過ごすことが多くなる[52]。 |
Normal End
No. | サブタイトル | 内容 |
---|---|---|
01 | 翔子 | 主人公から告白された翔子は泣き出してしまう[73]。 |
02 | 映研 | 美月が主演女優を降りると言い出すので、主人公が説得して映画の撮影がスタートする[58]。 |
03 | 親友 | 二村がカメラマンを降りると言い出すので、遥が説得して映画の撮影がスタートする[69]。 |
04 | 麻由 | 桜の根本で倒れている麻由を見かけ、『季節を抱きしめて』の予告映像が流れる[76]。 |
05 | マリア | 路地裏でうずくまっているマリアを見かけ、『サンパギータ』の予告映像が流れる[77]。 |
06 | 花織 | 立ち寄ったアパートで花織を見かけ、『雪割りの花』の予告映像が流れる[78]。 |
Bad End
No. | サブタイトル | 内容 |
---|---|---|
01 | 少女 | 初めて会った美月につれない言動を繰り返したため、美月が怒って主人公の元を去る[79]。 |
02 | 夢のつづき | 怒った美月を追いかける途中で主人公は階段から転落して気絶するが、目覚めるとゴミ袋の山で寝ていて、また美月と出会う[80]。 |
03 | 狂気(1) | 遥の別荘で夜寝ている時に何者かによって主人公と二村が包丁で殺戮される[81]。 |
04 | 狂気(2) | 遥の別荘が放火され、主人公と映画研究部の部員が焼死したニュースを佐久間がテレビで見ている[82]。 |
05 | 狂気(3) | 遥の別荘が放火され、主人公と遥は別荘から脱出するが、別荘から出てきた何者かによって殺戮される[83]。 |
06 | 狂気(4) | 遥の別荘が放火され、主人公は脱出しようとするが、階段から落ちて足に怪我をして逃げきれず、美月に殺戮される[84]。 |
07 | 狂気(5) | 遥の別荘が放火され、主人公と遥が別荘から脱出するが、足に怪我をして逃げきれず、別荘から出てきた何者かによって殺戮される[85]。 |
08 | 狂気(6) | 遥の別荘が放火され、主人公は何者かから部長と剛田を必死に守るが殺戮される[86]。 |
09 | かこひめの寝屋 | ラストシーンに使う飛び降り心中事件を撮影したフィルムを二村に見せられ、他のシーンの完成を強要される[68]。 |
10 | 殺人鬼 | 佐久間に「美月のことで話がある」と廃病院に呼び出されるが、行った先の廃病院で暗がりに現れた何者かによって包丁で殺害される[87]。 |
11 | 真犯人(1) | トリック自体が解明できてない上に推理を間違っているので、真犯人に殺害される[88]。 |
12 | 真犯人(2) | トリック自体が解明できてない上に推理を間違っているので、美月に三脚で殺害される[89]。 |
13 | とどかぬ想い | トリックは解明しているが、最後の最後で美月に鉄パイプで殴り殺される[90]。 |
14 | 姉妹 | 大学の屋上から転落する美月の腕を主人公が捕まえて説得できたと思ったが、美月は自分から主人公の手を振りほどいて転落死する[91]。 |
15 | 終焉 | 大学の屋上から飛び降りた結果、二村と部長がマットの準備をしていなかったために、主人公と美月が死亡する[92]。 |
16 | 記憶 | 大学の屋上から飛び降りた結果、マットへの着地はうまくいったが、病院で目覚めた主人公は記憶を失っている[93]。 |
17 | 真実は… | 映画は完成するが、犯人と思われる佐久間が自殺したので事件は未解決のままである[60]。 |
主題歌
開発
企画が立ち上がったのは1996年4月であったが[94]、このときはCD-ROM2枚組で春・夏・秋・冬の物語(『季節を抱きしめて』・本作・『サンパギータ』・『雪割りの花』)が入っており、1話が約30分のライトなアドベンチャーゲームを作るというものであった[23]。4月から5月まで企画を作成したが、この段階では全編をアニメーションで動かす予定はなく、アドベンチャーゲームによく見られる止め絵を多用したゲームを想定していた[94]。6月から8月まで『季節を抱きしめて』のテスト版を作成してシュガーアンドロケッツの社長であった山元哲治に見せたところ、「作るなら徹底して作った方が良いのではないか」と言われ、1タイトルにつき1パッケージになるように脚本・絵コンテを再調整することになった[94]。それに伴い、1話につき約300カットの予定が、最終的には1話につき約1500カットに増加した(内訳としては、メインのシナリオで500カット、分岐で1000カットである)[23]。
マスターアップは1998年4月であり、製作期間は約2年にわたった[94]。ただ、本作と『季節を抱きしめて』『サンパギータ』『雪割りの花』の4作品を同時進行で制作していたため、実質的には1作品あたりの製作期間は6か月から8か月であった[94]。
最初のタイトルは『四季「夏」』であった[95]。その次に『フォーシーズンズメモリー 夏 〜アクトレス〜』というタイトルを経て[96]、『ダブルキャスト』となった。
当初、美月の服装はパンチラ対策としてキュロットスカートにしていたが、川崎逸朗の指示でスカートに変更された[97]。結果、本作はPlayStation初のパンチラ解禁作品となった[22]。
当初、本作は硬質なサスペンス作品を想定していたが、川崎逸朗によって脚本を大幅に変更した絵コンテが仕上がった[94]。ただ、その絵コンテが後藤圭二が描いたキャラクターと合致したため、そのまま採用された[94]。
当初は劇中劇「かこひめの寝屋」の設定は存在しなかったが、美月の正体だけにプレイヤーの興味が向くことを危惧し、興味を分散させるために劇中劇の設定を作ることになった[97]。
遥が自分の初恋について話す話や、佐久間が活躍する話などが予定されていたが、容量の関係でカットされた[98]。また、記憶が戻った美月が黙って皆の前から去るエンディングが候補として挙がっていた[99]。
スタッフ
PS版
- 企画・原案:Production I.G[3]
- アニメーション監督:西久保瑞穂[3]
- アニメーションプロデューサー:寺川英和[3]
- 脚本:川崎逸朗、久保田雅史、松原順[3]
- 絵コンテ・演出:川崎逸朗[3]
- キャラクターデザイン:後藤圭二[3]
- 作画監督:後藤圭二[3]
- 美術監督:佐藤正浩[3]
- 色彩設計:水田信子[3]
- プログラム:堀内義朗、鷹津由[3]
- グラフィックデザイン:松原順[3]
- サウンドデザイン:重松俊一、安部仁隆[3]
- シナリオスクリプト:松原順、堀内義朗[3]
- サウンド・音楽:梶浦由記、桑原和男、清水彰彦、藤澤孝史、荒木裕子[3]
- スーパーバイザー:西久保瑞穂[3]
- オーディオ・演出:田中英行[3]
- キャスティングコーディネーター:高橋正彦[3]
- ゲームディレクター:松原順[3]
- ディレクター:池内伸彰[3]
- ゲーム総監修:東郷光宏[3]
- エグゼクティブプロデューサー:石川光久、山元哲治[3]
- 製作総指揮:佐藤明[3]
- 制作:シュガーアンドロケッツ、Production I.G[3]
- 製作・著作:ソニー・コンピュータエンタテインメント[3]
評価
評価 | ||||||||||
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|
『週刊ファミ通』のクロスレビューでは、9、7、7、8の31点と採点され、30点から31点のソフトが対象となる「シルバー殿堂」入りとなった(レビュアーは、サワディ・ノダ、カミカゼ長田、渡辺美紀、羽田隆之)[100]。『電撃PlayStation』のDPSソフトレビューでは、60、80、80、90の310点と採点された(レビュアーは、岩崎啓真、ウォルフ中村、なんでもゆうこ、電撃レビュアーズ)[101]。『ザ・プレイステーション』のザ・プレ流PSソフト品評会では、64、88、77の229点と採点された(レビュアーは、荒木由紀枝、飯田REI、内海一秀)[102]。
アニメーションに関する肯定的なコメントは、「フルアニメーションとフルボイスによるなりきり感覚はすごいのひとこと。遊んでいるうちにだんだん、はまっていってまるで本気で彼女と会話をしているような気になっていくのがすごい[100]」であった。一方、否定的なコメントは、「確かによく動くんだけど、それほどスゴイとは感じなかった[100]」であった。
シナリオに関する肯定的なコメントは、「一見ギャルゲーに見えてしまうが、とんでもなく本格的なドラマになってる[102]」「物語が終わるたび、27個のうちいくつのエンディングを見たかが表示され、征服心をあおる[100]」「物語には分岐ポイントが多数あり、それが無理なくつながって様々なストーリーが楽しめる[102]」であった。一方、否定的なコメントは、「シナリオに関しては、安っぽい印象で正直言って不満。プレイを始めてから3分で、メインストーリーが最後まで読めてしまう内容では、あまりにお寒いではないか[101]」「柱となる話がもう1本あってもよかった[100]」であった。
キャラクターに関する否定的なコメントは、「女の子の一人称が『ボク』なのが個人的にだいぶ[100]」「一人称ボク&ほっぺたでげんなり[102]」であった。
システムに関する肯定的なコメントは、「操作性もクイックで良好[100]」「振動パッドにしてると、主人公の心臓ドキドキ度に合わせて震えたりするので臨場感もバッチシ[102]」「やりこむごとに新たな選択肢が登場するのも○[101]」「プレイ済みの場面を内容がわかる程度に早送りできる等、2回目以降のプレイのことも考えられている[101]」であった。一方、否定的なコメントは、「プレイヤーの操作は選択肢の決定だけなので、ゲーム性の低さは否めない[102]」「到達済みエンディングの確認がしづらい[101]」「ルート概要とその結末を表示する機能もほしかった[101]」「途中からでも達成率にカウント出来ればよかった[102]」「(達成率が)92%でも全エンディングの6割にしか届かないのは…[101]」であった。
『週刊ファミ通』の「ユーザーが推す怖いゲーム」では、本作は得票数が47票で9位を獲得した[103]。また、『週刊ファミ通』の「あなたが32番目に好きなゲームは?」では、ファミ通編集者である2人(オポネ菊池とブラボー!秋山)が32番目に好きなゲームに挙げた[24][104]。
関連商品
書籍
タイトル | 発売日 | 発売元 | ISBN | 内容 |
---|---|---|---|---|
オフィシャル やるドラ ファンブック ダブルキャスト CD-ROMスペシャルデータ集 | 1998年6月25日[105] | ソニー・コンピュータエンタテインメント | - | 攻略本とCD-ROM。 |
「やるドラ」攻略シリーズ ダブルキャスト 公式ガイド | 1998年7月12日[106] | ソフトバンクパブリッシング[106] | ISBN 4-7973-0678-5 | 攻略本[106]。各キャストの設定資料などが掲載されている[106]。 |
ダブルキャスト オフィシャルガイドブック | 1998年7月[107] | アスペクト[107] | ISBN 4-7572-0150-8 | 攻略本[108]。本文ストーリーライン、制作スタッフインタビュー、シナリオルートやエンディングルートを示したフローチャートを収録している[108]。 |
やるドラシリーズ 公式ディレクターズガイド ダブルキャスト&季節を抱きしめて | 1998年9月[109] | 集英社[109] | ISBN 4-08-108084-4 | 攻略本。 |
ダブルキャスト アンソロジーコミック | 1999年5月28日[16] | ソフトバンクパブリッシング[16] | ISBN 4-7973-0953-9 | アンソロジーコミック[16]。 |
CD
タイトル | 発売日 | 発売元 | 内容 |
---|---|---|---|
door | 1998年7月18日[110] | SPE・ビジュアルワークス[110] | シングルCD[110]。エンディングテーマを収録している[110]。 |
「ダブルキャスト」オリジナル・サウンドトラック | 1998年11月21日[111] | SPE・ビジュアルワークス[111] | アルバムCD[111]。本編のBGMを収録している[111]。 |
「ダブルキャスト」ザ・ドラマCD | 1999年1月21日[13] | SPE・ビジュアルワークス[13] | ドラマCD[13]。 |
その他の商品
タイトル | 発売日 | 発売元 | 内容 |
---|---|---|---|
ダブルキャスト 本線用台本 | - | - | アフレコ用台本。ゲーム開始からGood End 01「ダブルキャスト」までが収録されている。本製品の予約特典。 |
TRADING COLLECTION「ダブルキャスト」 | 1998年[112] | 天田印刷加工[112] | トレーディングカード[112]。全108種類のカードが存在する(ノーマルカード:90種類、メタリックカード:12種類、ベストショットカード:6種類)[112]。 |
ダブルキャスト コレクターズディスク | 1999年4月29日[113] | Production I.G[114] | Windows 95/98専用アクセサリー集[114]。スクリーンセーバーや壁紙、脚本段階の初期シナリオなどが収録されている[114]。 |
やるドラ公式設定BOX | 1999年4月 | マンガパック | 設定資料集。 |
脚注
注釈
- ^ あらすじは「ある男が『囲い女』を拾ったことから始まる。『囲い女』とは今で言う愛人のこと。その愛人が、最初は橋の下の小さな棺桶を寝床にしていたのだが、男といい仲になると金が入り、寝床がだんだんとぜいたくになっていくのに気づく。それに連れ『囲い女』は男への欲求が大きくぜいたくになり、男の全財産を使い果たすだけでなく、精神肉体までも女の中に『囲い』込んでしまう」である[33]。
- ^ a b 自宅の固定電話ではなく、自分のPHSを使用している[39][40]。
- ^ ドラマCD版では鈴村健一が僕を担当する[13]。
- ^ ドラマCD版では心の声のみ「あたし」になっており、実際に喋る時の「ボク」と使い分けている[47]。
- ^ 劇中で「ボク」と呼んでいる時、右手で箸を持ってラーメンを食べているシーンがある[48]。
- ^ a b 『オフィシャルガイドブック』で「双子の姉と共に、中学を卒業するまで祖父母のもとに預けられていた」という記述がある[51]。
- ^ a b c 劇中で、森崎から「赤坂志穂は右利き、赤坂美月は左利き」と説明された、と主人公が述べている[41]。
- ^ コミックマーケット54で後藤圭二が描き下ろした同人誌の短編漫画によれば、グッドエンド後は同居が同棲へ変わり、夜は「ちゃんとくっつく」関係となった模様[56][57]。
- ^ 『オフィシャルガイドブック』では「つかんだ腕の先には本来あるべきはずのものが……」と記載されている[72]。
- ^ このエンディングにはバージョンが2つあり、最後に二村が遥に告白するかどうかが異なる[54]。
出典
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- ^ 劇中のスタッフロールより。
- ^ a b c d “やるドラポータブル ダブルキャスト オンライン配信版”. PlayStation 公式サイト. ソニー・インタラクティブエンタテインメント. 2019年7月26日閲覧。
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- ^ 『公式ガイド』、88頁。
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- ^ パッケージの表裏面より。
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- ^ Normal End 04「麻由」より。
- ^ Normal End 05「マリア」より。
- ^ Normal End 06「花織」より。
- ^ Bad End 01「少女」より。
- ^ Bad End 02「夢のつづき」より。
- ^ Bad End 03「狂気(1)」より。
- ^ Bad End 04「狂気(2)」より。
- ^ Bad End 05「狂気(3)」より。
- ^ Bad End 06「狂気(4)」より。
- ^ Bad End 07「狂気(5)」より。
- ^ Bad End 08「狂気(6)」より。
- ^ Bad End 10「殺人鬼」より。
- ^ Bad End 11「真犯人(1)」より。
- ^ Bad End 12「真犯人(2)」より。
- ^ Bad End 13「とどかぬ想い」より。
- ^ Bad End 14「姉妹」より。
- ^ Bad End 15「終焉」より。
- ^ Bad End 16「記憶」より。
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- ^ 『週刊ファミ通』第1550巻(2018年8月23日・30日合併号)、200頁。
- ^ 『週刊ファミ通』第1540巻(2018年6月21日号)、131頁。
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<references>
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タグは、先行するテキスト内で使用されていません。参考文献
- 『オフィシャル やるドラ ファンブック ダブルキャスト CD-ROMスペシャルデータ集』ソニー・コンピュータエンタテインメント、1998年6月25日。
- 『「やるドラ」攻略シリーズ ダブルキャスト 公式ガイド』ソフトバンクパブリッシング、1998年7月15日。ISBN 4-7973-0678-5。
- 『ダブルキャスト オフィシャルガイドブック』アスペクト、1998年7月31日。ISBN 4-7572-0150-8。
- 速水翼、九条友淀、服部あゆみ、あずみ椋、青紀やまと、杉崇亜緒弥、さいとう邦子、ありともか、辰藤剣、佐々木ナツ『ダブルキャスト アンソロジーコミック』ソフトバンクパブリッシング、1999年5月31日。ISBN 4-7973-0953-9。
- 後藤圭二『ごきくら3 ゲーゴッキー』ごっきー倶楽部、1998年8月15日。
- 『レトロゲームMANIAX ADV'80-'00 レジェンドアドベンチャーゲーム』マイウェイ出版。ISBN 978-4-86690-082-7。
- 「新作ゲームクロスレビュー Part1」『週刊ファミ通』第498巻1998年7月13日号、アスキー、1998年。
- 「Top30」『週刊ファミ通』第501巻1998年7月24日号、アスキー、1998年。
- 「プレイステーションリプレイ」『週刊ファミ通』第835巻2004年12月17日号、エンターブレイン、2004年。
- 「あなたが32番目に好きなゲームは?」『週刊ファミ通』第1540巻2018年6月21日号、KADOKAWA Game Linkage、2018年。
- 「ユーザーが推す怖いゲーム」『週刊ファミ通』第1550巻2018年8月23日・30日合併号、KADOKAWA Game Linkage、2018年。
- 「DPSソフトレビュー THE DEEPER」『電撃PlayStation』第78巻1998年7月10日号、メディアワークス、1998年。
- 「ザ・プレ流 PSソフト品評会」『ザ・プレイステーション』第109巻1998年6月26日・7月3日合併号、ソフトバンクパブリッシング、1998年。
外部リンク
- ソニー・コンピュータエンタテインメント
- シュガーアンドロケッツ
- ダブルキャスト(PS) - ウェイバックマシン(2001年2月9日アーカイブ分)